LoveLive! Prismatic Sunshine   作:ジュラーヴリク

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また半年も投稿間隔を開けてしまい申し訳ございません。
転属だったり、4月末に40℃近い高熱の風邪を1週間ほどひいたり、その後もなんやかんやあってマジで筆が進まなかったんです。
言い訳タイム終了です。
ヒロイン16歳、覚醒です。


第十五話

 スクールアイドルフェスティバル。通称『スクフェス』。年に一度、ラブライブとは別に開催されるイベントだ。

 詳細は省くが、自薦や他薦、ソロもグループも問わず、日本全国のスクールアイドルがこぞって参加する、トップクラスにでかいイベントだ。

 マリー先輩から申し込み済のチケットを渡されたのが先日。練習期間は短かったが、普段からやるべきことをやってるし、大丈夫だろう。

 

 千歌「どーんふぉーげっ、ほーいんざうぉー♪ あーいむ らいっごー、るーるるるるー♪」

 

 花丸「曜先輩……東京都庁って本当に巨大ロボットに変身するんでしょうか……」

 

 曜「……東京都庁の正体はイ〇オン説……まぁ、うん。そういう可能性もあるんじゃない、かな? (花丸ちゃん……私ゃキミがワルい男に『騙して悪いが』されないか心配だよ……)」

 

 善子「じゃあ、フ〇テレビの球体が緑色の光とともに浮遊してビームを撃つ可能性も……?」

 

 ルビィ「それは……おに、ん゛っんん。真生さんが不味い料理をつくるくらいありえないと思う」

 

 真生「……すっかり信頼されたもんだな」

 

 東京への遠征で浮かれすぎてなければだけど。

 

 梨子「はいはい。みんな、忘れ物はない? 前乗りするとはいえ、遊びに行くんじゃないんだからね?」

 

 梨子の一声で全員の雰囲気が真剣なものに変わる。浮かれていたのは俺も同じだな。

 

 真生「……サンキュー、梨子。いいか、今回が廃校を阻止できるかどうかのひとつの山場だ! 気合い入れてくぞ!」

 

《まもなく、沼津発・東京行の電車が発車致します》

 

 千歌「いざ征かん! 秋葉原! 愉快な遠足のはじまりだァ!!」

 

 ───電車に揺られること、約二時間。

 

 千歌「うぃーあーらんでぃんぐ、トーキョー!」

 

 無事に東京駅に降り立つことができた。

 この後の予定としては、宿泊予定の旅館に荷物を預けてからチェックインまで散策だ。

 千歌たちは二人一組で動くと言っていた。後で一番近いペアと合流するが、おやっさんからの特命があるので一時的に別行動だ。

 

 曜「えぇー!? また真生は別行動!?」

 

 真生「しょーがねーだろ! おやっさんから『特別手当出すから豊洲でホヤとホタテを仕入れてくれ』って特命があるんだよ!」

 

 千歌「だからって完全に別行動はないじゃん!」

 

 曜「アタシたちとバイトとどっちが大事なの!?」

 

 善子「めんどくさいこと言ってる……」

 

 真生「それは、お前らだよ! お前ら支えるためにバイトしてんだよ!」

 

 曜「おっ……おう……」

 

 千歌「なら、ヨシ……」

 

 善子「ちょろいわね……」

 

 梨子「はいはい。旅館の人に伝えた到着予定まで時間もないし、行動開始!」

 

 

 宿泊予定の旅館に荷物を預け、千歌とルビィちゃんとマルちゃんのトリオ、梨子と善子のペア、そして単独行動の曜ちゃんと俺の4組に分かれる。

 

 真生「じゃあ……ホント事故と怪我だけ気をつけてな。明日の本番で全力出せませんでしたー、なんて笑い事じゃ済まないからな!」

 

 善子「私は大丈夫よ。なんせリリーがバディだもの!」

 

 梨子「あはは……信頼されたもので……」

 

 自身満々な善子と満更でもなさそうな梨子

 

 曜「そうそう。心配しすぎだよ」

 

 花丸「えっと……チェックイン時間だけ忘れないようにしますずら……」

 

 意外と大丈夫そうな曜ちゃんとマルちゃん

 

 千歌「てゆーか、内浦も仙台も港町なのは変わんないんだし、真生こそ色々と気をつけてよ!?」

 

 ルビィ「そうですよ! いつもみたく乙女心一本釣りとか絶〜対ダメですから!」

 

 ルビィ……千歌を頼んだぞ……

 幼なじみへの一抹の不安を覚えながら、電車に乗り込もうとしたところで善子が待ったをかけた。

 

 善子「ちょっと待って真生! あれやってみたいのよ。『散!』って言いながらバラバラになるヤツ!」

 

 言われてみれば、たしかにやってみたい気もするが……

 

 花丸「『おしょすい』から止めるずら」

 

 マルちゃんに制止される。いま仙台弁使った!? 

 

 善子「おしょ……?」

 

 花丸「恥ずかしいって仙台弁ずらよ。先輩もちょっとやりたそうな顔してたから、敢えて付け焼き刃のを使わせてもらいました」

 

 真生「……残念。さて、ほんじゃ行動開始〜っと」

 

 慣れない電車に数十分ほど揺られ、目的地である豊洲を目指す。

 東京に来るのは中学の修学旅行以来だし、相変わらず迷路のような路線図とにらめっこしながらどうにか目的地に降り立ち、おやっさんからの特命も問題なく済み、スマホの時計を見てみると昼飯どきだった。折角の東京だし、なにを食べようか……

 ふと、スパイシーな香りと片言の宣伝文句が鼻と耳に漂ってくる。それを呼び水にしたのか、すっかりカラッポになった胃袋が喚き散らしはじめた。

 香りの大元であろうキッチンカー形式のケバブ屋が目に留まり、迷わず購入する。こだわりと具材がパンから溢れんばかりに詰まった遠い砂漠の民の味だ。

 スパイシーかつジューシーに、熟練の技で丁寧に焼き上げられた鶏肉とシャキシャキの千切り野菜。ソースは……多分ヨーグルトとケチャップと唐辛子がベース。ほのかな酸味と、ピリッとする辛味が食欲を唆る。あっという間に平らげてしまった。オーケー。店主のおっちゃんには悪いが、味は、何となく盗ませてもらった。これは近いうちに千歌たちにも作ってやろう。

 

 真生「さて、とりあえずミッション完了だな。アイツらとの合流を急がないとだ」

 

 合流地点を決めるべく、通話アプリのグループチャットを開く。集合場所は……曜ちゃんと秋葉原駅だ。

 

 

 side:曜

 

 曜「いやー、大漁大漁!」

 

 そう。東京散策はまさしく大漁だった。東京の可愛い制服に、新しい衣装のアイディアに、真生に食べてほしい料理のレシピ。

 よろこんでくれるかな……

 

「ねえ、ずいぶんたのしそーじゃん!? 俺ともっとタノシイコトしない?」

 

 ふと、軽薄そうな声をかけられる。うっわ……今どきナンパかよ。しかもその顔面偏差値で? 

 

 曜「結構です。人を待ってるので」

 

 あからさまに脈ナシな態度を決め込む

 

「……なんだよ、つれないこと言うなよー?」

 

 まだ話しかけてくる。顔だけじゃなく頭も悪いなコイツ。

 

 曜「……アンタのナンパより優先したい待ち人がいるって言ったの! はいサヨーナラ! バイバーイ!」

 

「……は? かわいいからって調子乗んなよ? つーか待ち人って誰だよ? いつ誰が来んの? どーゆーカンケーだよ?」

 

 コイツしつこいな。ニュウドウカジカ*1みたいな顔しやがって

 

 曜「幼馴染を待ってるの! それもアンタより100万倍イケメンな!」

 

 真生「ごめん曜ちゃん、待たせちゃった?」

 

 曜「もう〜、遅いよ〜」

 

 言うが早いか、真生に駆け寄る。

 

「は? なに? そのヒョロガキが?」

 

 真生「えっと、そちらさんは?」

 

 曜「……ナンパされちゃった」

 

 真生「マジで? えっと、失礼なようだけど……そのニュウドウカジカみてーなツラで?」

 

「ニュウドウカジカってなんだよ」

 

 いや真生も第一印象同じかよ

 

 真生「あぁ、気になるならすぐに『学研の魚の図鑑』で調べたほうがいい。多分アンタでも理解できるハズだ。じゃあ、俺たちはこれで」

 

「おい待てよ! ゆーて……おまえタダの幼馴染だろ? チョーシ乗んなよ?」

 

 真生「幼馴染。だったらなんだ? ……いい加減しつこいぞ。前世は深海魚どころかキッチン周りの油汚れかなんかか?」

 

 真生の声が1段階低くなる。

 

「……ッのガキ……!」

 

 醜男の怒髪が天を衝く感じがした。

 まって真生アイツ怒ってる殴ろうとしてる顔近いこのままじゃヤバ

 

 曜「ンむッ……!? ……ン……チュ……ぷ」

 

 ちゅーされた。まさきにちゅーされた。まさきとちゅーしちゃった。

 まさきとちゅー。

 まさきとちゅー。

 まさきとちゅー。

 まさきとちゅー。

 まさきとちゅー。

 まさきとちゅー。

 まさきとちゅー。

 まさきとちゅー。

 まさきとちゅー。

 まさきとちゅー。

 やばい。真生と待ち合わせしてたらニュウドウカジカにナンパされて……あれ? なんだっけ? 

 やばい。あたま、まわんない。あした、がっこ真生うの……みん真生なのためにも、がんばらなきゃ真生なのに……真生とキスしちゃった。

 真生。真生。

 真生真生真生真生真生真生真生真生真生真生真生真生真生真生真生真生真生真生真生真生真生真生。好き。大好き。

 

 真生「……ッぷァッ……! ……ハァ……ハァ……ッ失せろ」

 

「……チッ……イチャついてんじゃねーよ思春期が。あー、クッソ萎えたわ。……死んでろクソガキ」

 

 ニュウ……ナントカがイラつきながら離れてく。

 真生も、離れた。やだ。やだよ。

 

 真生「あっ……ゴメン曜ちゃん! その、俺、いま!? ンむッ!?」

 

 もういっかい。こんどは私から。真生に、大好きな人にキスをする。やばい。あたま、くらくらする。やっぱわたし、まさきのこと、ずっと好きだったんだ。好きな人が、いま目の前にいる。だれもいない。千歌ちゃんもいない。私だけが、渡辺曜だけがいる。じゃあ、今だけひとりじめする。

 明日は、真生と来年も一緒にいられるようにがんばるから。

 

 曜「ねえ真生。あした、真生のためにもがんばるね」

 

 真生「あ……あぁ」

 

 曜「あと……今の、ふたりだけのナイショね」

 

 そのあとは神田明神で千歌ちゃんたちと改めて合流したし、旅館でいつもよりぐっすり眠れたし、

 

 ───今日の本番も、なんか、いつもより調子良かった。そのはずだったのに。

 

*1
水深400m以深に生息するスズキ目・ウラナイカジカ科の深海魚。ブロブフィッシュとも




試験的に特殊タグの注釈機能を使ってみました。
字数に余裕がある後書きで改めて解説させてもらいます。
曜ちゃんをナンパした醜男が似てると称された『ニュウドウカジカ』はスズキ目 カジカ亜目 ウラナイカジカ科に属する、北太平洋の水深400mより深い海域に生息している深海魚の一種です。
水圧を受け流す方向の適応進化を遂げており、体組織はゼラチン質でブヨブヨ。万が一漁獲されたときには、生息域の膨大な水圧から一気に解放されることで体組織が膨れて垂れ下がり、さらに表皮も剥がれてしまうので、ピンク色をした無惨で不細工な一抱えくらいの肉塊のような姿になってしまうことから、ブロブフィッシュ=肉塊みたいな魚とか、世界一ブサイクな魚とも呼ばれていたりします。食用かどうかは知らん。カジカの仲間だし、多分食えなくはないとは思う。

閑話休題

はい。曜ちゃん、覚醒イベントです。ぶっちゃけ、6人で挑んでゼロ票だった原作アニメの流れは凡そそのままという作者のプロットを半分無視してます。どうしよう。他の出場者を盛ればどうにかなるかな?
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