LoveLive! Prismatic Sunshine   作:ジュラーヴリク

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気がついたら半月経ってました。ええはい。言い訳はいっぱいあります。仕事が忙しかった、3話の原稿データを消してしまった、閃ハサ見てた、TV版エヴァ見直してた、色々あります。
大変申し訳ありませんでした。今後もがんばります。


第三話

「お待たせいたしました。フルーツタルトと日替わりブレンドコーヒーです」

 

「きたきた。じゃあ真生くん、いただきます!」

 

「いただきまーす!」

 

「いただきます。……ねえ真生くん、その、大丈夫なの?」

 

「大丈夫ってなにが? バスの便? それとも……俺の財布事情?」

 

「ど っ ち も」

 

「あぁ、うん。ダイジョウブ」

 

 正直大丈夫じゃない。俺の懐に氷河期が到来してしまった。でも幼馴染二人の笑った顔を久しぶりに見られたからまぁ、ヨシとするか。

 ちなみに、コーヒーは砂糖を入れずにミルクやクリームだけ入れるのが俺の好みだ。そして俺も千歌も曜ちゃんもブラックコーヒーが飲めない。

 閑話休題。

 誰からともなく質問し合ったり、それに答えたりしているうちに曜ちゃんが千歌にある質問をした。

 

「ねぇ千歌ちゃん、今朝桜内さんの出身校に反応してたよね? たしか『音ノ木坂学院』って。もしかしてなにか関係あったり?」

 

「それ。俺も気になってたんだ」

 

 すると待ってましたと言わんばかりに千歌がスマホの動画投稿アプリを起動し、『とある』スクールアイドルのライブ動画を再生した。

 

「千歌、これが……?」

 

「すごい……なんかよく分かんないけど、なんか、こう、惹き込まれる……!」

 

「これが音ノ木坂の先輩方が遺した伝説……」

 

「ふふーん、そう! これが伝説のスクールアイドル『μ's』!」

 

「「「μ's……」」」

 

 思わず千歌を除く三人の声がハモる。

 

「すごいよね! 普通の女子高生だけど、ライブやって、廃校も救っちゃって、それに……輝いてて! しかも転校生の梨子ちゃんがその音ノ木坂から来て! 真生くんともまた会えて! これはもう奇跡だよ!」

 

「待て待て、店の中だ落ち着けよ」

 

「あっ、ごめん」

 

「……この衣装、多分自作だよね……? メンバーに合わせてデザインやカラーリングを微妙に変えつつ、全体の纏まりは崩してない……それに縫製も丁寧……」

 

 千歌をなだめつつ二人を見てみると、曜ちゃんは動画をもとに衣装を分析している。そして梨子ちゃんの表情は……沈んでいた

 

「じゃあ、なおさら私には無理だよ……地味だし、人前で歌うのも運動もあまり得意じゃないのに、ましてやダンスなんて……」

 

 地味、ねぇ……髪はサラサラだし、顔立ちも整ってる。梨子ちゃんはかわいい系ってより美人系だと思うけどな」

 

「ふぇ!? いっ、な、いきなりなに言ってるの真生くん!?」

 

 ん? 

 

「……ふぅーん……」

 

「そっかー、真生くんも東京からの転校生ちゃんにお熱なんだー」

 

 あれ? 今の声に出てた? 

 って、ヤバイヤバイヤバイヤバイ千歌の視線が冷たい! 曜ちゃんの目が暗い! なにか……なにか話題をそらさなきゃ最悪殺される!! 

 

「っそうだ千歌! みんな! 現実的な話をしようぜ! 千歌がスクールアイドルをやるって言っても色々と必要だろうし、乗り掛かった船だ! 俺は最後まで付き合うぜ!」

 

「真生くん……」

 

「じゃあ私も! さっきのライブみたいな衣装を私も作ってみたいし、……千歌ちゃんと真生くんだけじゃ心配だしね」

 

「曜ちゃん……」

 

「私は……少し考えさせて。明日……明日の夕方までには必ず答えを出すから」

 

「梨子ちゃん……わかった。待ってるね」

 

 こうして楽曲や衣装どころか活動実績もグループ名もない、とりあえず勝手にそう名乗っている状態の『浦の星女学院スクールアイドル(仮)』が千歌を発起人に俺と曜ちゃんが手を貸す形で活動を開始した。

 訂正。最初の活動は『バスに乗り遅れないように松月から撤収する』だ。

 

 

 

 side:曜

 千歌ちゃんと真生くんが梨子ちゃんと会話しているのを見ていると、胸の奥でなにか、ドロドロした暗い色の炎が揺れているような感じがする。ああ、まただ。この渡辺曜らしくないキモチはなんなんだろう……

 

 

 

 十千万前のバス停でひとりだけ家が沼津の曜ちゃんと別れると、しいたけと見慣れたバイクが出迎えてくれた。どうやら残った荷物も届いたようだ

 梨子ちゃん? 血の気が引いてるけどどうした? 

 

「私……犬がダメなの……!」

 

「大丈夫大丈夫。しいたけは大人しいから」

 

「苦手な人はそう言ってもムリだろ。千歌、しいたけを頼む。梨子ちゃん護衛してくるわ」

 

「りょうか〜い」

 

「うぅ、ゴメンなさい真生くん……」

 

 犬が大の苦手という意外な弱点が判明した梨子ちゃんをすぐ隣だという自宅に送っていき母屋に戻る。

 

「おかえり〜。晩ご飯できるまで時間あるし、先お風呂入っちゃえば?」

 

「ただいま美渡姉ぇ。そうするよ」

 

「あれ? そういえば千歌は先に帰ってきてたけど……? ……ま、いっか」

 

 温泉ではしゃぐなんて子供っぽいかなと思いつつ着替えを持って浴室に向かうと一糸まとわぬ姿の千歌がいた

 

「「ッッッッッッ〜〜〜〜〜〜!!!!????」」

 

「キャアァァ──────────ッッッ!!!」

 

 6年でたわわに実った幼馴染の裸と渾身の右ストレートを網膜と記憶に焼き付け、俺の意識は数十分程トぶことになる

 

 ────そして夕飯にて

 

「もうサイッテー! 真生くんのスケベ! ヘンタイ! 覗き魔!」

 

「だからさっきから謝ってるだろ! ヒトの顎ピンポイントで撃ち抜きやがって! ていうか俺、美渡姉ぇに『先に風呂入ってきたら』って言われたからそれに従っただけだし!」

 

「そこでアタシに振るか!?」

 

「花も恥じらうじょしこーせーの裸見ておいて『さっきはわるかった』で済ませる方がわるいんですぅー!」

 

「はいはい、三人ともそこまでよ〜」

 

 志満姉ぇに起こされ、脱衣所で目を覚ましてからずっと千歌に謝っているが、取り付く島もない。さっきからこの調子だ。

 夕飯を食べ終え、学校からの課題は特にないが、グループに必要なことの洗い出しや届いた荷物の整理、色々とやらなきゃいけないことがあったので早めに部屋に戻る。

 

 あぁクソ、さっきのなにも着ていない千歌の姿がチラついて仕方ない。ガキの頃に何度も見たハズの幼馴染の裸なのに。アイツはただの幼馴染、そのはずなのに……

 

 

 

 side:千歌

 今日は色々なことがあった。ありすぎた。

 ウワサの転入生が梨子ちゃんと真生くんで、

 寄り道した松月で真生くんと曜ちゃんが手伝うって約束してくれて、

 梨子ちゃんは犬が苦手って意外なトコが分かって、

 お風呂で真生くんにハダカを見られて……

 さっきはあんな態度取っちゃったけど、真生くんが顔を真っ赤にしてたのが少しだけ嬉しい自分がいる。ハダカ見られて恥ずかしいハズなのに。あぁもうワケわかんない。明日どんな顔すればいいんだろう……

 

 壁一枚隔てた先にいる幼馴染のことを想うと、無意識に自分の下腹部に指が伸びていたのに気づかないフリをした。

 

 

 

 side:梨子

 先延ばしにしてしまった答え。本当は夕方寄り道した喫茶店で、もう出ていたのに。千歌ちゃんと曜ちゃんと私と、真生くん、4人ならなにかできる。そんな確信があったのに。

 あの時、溺れかけた私を助けてくれたのは彼。

 私を『美人系』と言ってくれたのは彼。

 まだ逢って数日なのに、私のココロに彼がいる。

 でも、彼のココロに私はいるのだろうか……? 

 ピアノの鍵盤から返ってくる応えはまだ朧気すぎて掴めない。




本編まだ3話、総文字数約8000文字でフラグ3本立てるとかRTA走者かな?はい。次回から1年生組&3年生組も続々と出して行けたらなって思います。
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