LoveLive! Prismatic Sunshine   作:ジュラーヴリク

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某動画配信サービスでシン・エヴァ配信されましたね。コレでみんな気軽にネオンジェネシスできるよ!やったね!

友人から『マサキのメンタル強すぎじゃねえか』と言われました。ラブコメ主人公なんざそれでいいんだよォ!


第四話

 ───静岡空港周辺空域

 

《JAT163便より静岡空港管制塔、着陸許可を求む》

 

《管制塔より163便。着陸を許可する。風向110°、風速3ノット、着陸への支障はなし。方位30より進入せよ》

 

《I Copy》

 

《ギアアウト、フラップダウン……タッチダウン》

 

 

 

「2年ぶりの日本ね。理事長(パパ)の代理、やり切ってみせるわ……」

 

 

 

 ───同時刻、十千万前のバス停

 

 朝の内浦に流れる風は清々しい。昨日千歌に殴られた顎がまだちょっと痛むけど。

 十千万前のバス停で千歌、梨子ちゃんと三人でバスが来るのを待っていた数分間、あいさつ以外の会話は殆どないが、それがなんとなく心地よい。

 車内で曜ちゃんと合流する。

 

「おはヨーソロー」

 

「はよッス」

 

「おはよう」

 

「曜ちゃんおはよー」

 

 新学期2日目の今日から通常の授業が始まったけど、昨日のホームルームと同じように自己紹介と担当科目の先生ごとに授業の進めかたを説明したらチャイムが鳴るの繰り返しだった。

 

 ─そして昼休み。

 志満姉に持たされた弁当を食べつつ、スクールアイドルをやるにあたってなにが必要かを洗い出しているとふと声をかけられた。

 

「転校生くん、悪いんけどちょっと来てくれないかな?」

 

「……だってさ。わりぃ、ちょっと行ってくるわ」

 

「ちゃんとチャイムまでに戻ってきてね?」

 

「はいよ」

 

 一応千歌たちに一言添えてから、リボンの色からして3年生だろう女生徒に着いていく。話しかけられた時の表情は険しいわけじゃなかったけど、豹変するタイプかもしれない。

 僅かに警戒していると、ふとその女生徒が口を開いた。

 

「そういえば名乗ってなかったね。わたしは3年2組の兵藤さゆり。ね、転校生くんはサバゲーとか興味ない? 我が『第123歩兵部隊』はいつでも歓迎するよ!」

 

「改めて、2年1組の宮代真生です。先輩、サバゲー女子ってやつですか。それに『第123歩兵部隊』って」

 

「おっ、食いついてきたね? わたしはそこの軍曹! ……って設定。あ、ちなみに愛銃はP90だったり。好きなことは楽しまなきゃね。っと着いた。かなーん、転校生くん連れてきたよー」

 

『好きなことは楽しまなきゃ』そう笑う兵藤先輩の顔は輝いて見えた。そうか、それだ! 

 ん? かなん? 

 連れてこられた3年生の教室で数秒考えこんでいていると、ポニーテールにした腰まで届きそうな碧い髪とアメジストの瞳、制服越しでも判る抜群なスタイルが特長の美少女、いや美女が立っていた。

 

「まさか果南ちゃ……いや、果南先輩!?」

 

「やっぱり。ウワサになってた2年のテスト生ってやっぱり真生だったんだ……! 再会の〜……ハグ!」

 

 そう言うと同時に一学年上の幼馴染で、俺たち三人の姉貴分だった松浦果南(まつうら かなん)が人目も気にせず抱きついてくる。そう。彼女はハグ魔なのだ。

 っていうか待って待って待って千歌や曜ちゃんと同等、いやそれ以上にボリューミーな対艦ミサイルが二発あたってる! 相変わらず力強っ! 姉力高っ! ええい素数だ! 素数を数えて……落ち着けるかクソッタレェェェ!!! 

 

「果南ちゃん……離してくれ……あ、当たってるから……!」

 

「……やだ。もうちょっとハグさせて。……なによ、いきなりいなくなって転校生として戻ってくるなんて。なんか背も抜かれてるし」

 

「その……ごめん。色々と……」

 

「戻ってきたってのは千歌が話してたし、3年でもウワサになってたからね。元気そうだし、ひとまず安心。かな?」

 

「えーっと……二人は……生き別れの姉弟……とか?」

 

「姉弟っていうか、幼馴染の弟分っていうか……? まぁ似たようなものだね」

 

 気まずそうに声をかけられる。……あっ、兵藤先輩のこと忘れてた。『姉弟』と言われ満更でもなさそうな果南ちゃんと否定する俺、教室のざわめき、あれ? なにこれ? 

 よし、時間もないし話題を無理やり変えて主導権を握ろう。そうすればこっちのモンだ。

 

「そうだ、果南ちゃ……先輩。千歌が言ってたかもしれないけど、俺たちスクールアイドル始めるんだ。あ、俺は裏方担当ね。それで、いてくれれば心強いし、果南先輩を勧誘してみようかなって……」

 

「ごめん。私一応受験生だし、興味無いから。他の子当たって」

 

 ダメ元で勧誘してみるが、被せ気味に断られてしまった。なんだよ、そんな言い方しなくてもいいじゃん。

 

「そんなことより、そろそろ時間だよ? 教室戻んなくていいの?」

 

 果南ちゃんに促され、自分たちのクラスに戻る。午後の授業とホームルームも滞りなく終わり、そして放課後───

 

「スクールアイドル部、部員募集中でーす!」

 

「よろしくお願いしまーす!」

 

「さあ! 私たちと一緒に! 今をときめき! 明日に輝けるアイドル! スクールアイドルゥゥゥゥ!!!」

 

 昇降口付近でプラカードを装備した俺たち三人、そしてお立ち台に仁王立ちし、お手製ハチマキを巻き、メガホン片手に声を張る千歌。どう見ても怪しい集団です本当にありがとうございました。つーか千歌お前そんな頑丈なダンボールどっから持ってきたんだよ。中に伝説の傭兵が入っててもおかしくないぞその大きさと強度は。

 閑話休題

 流石に不安になってきたので右隣にいる梨子ちゃんに小声で話しかける。

 

「……なぁ梨子ちゃん、これメンバー集めるどころか逆効果じゃねぇの?」

 

「正直、私もちょっと不安になってきちゃった……」

 

 ふと誰かが目の前で立ち止まるのが見えた。

 

「スクールアイドル部……? 先輩たち、スクールアイドルなんですか!?」

 

「そう! って言っても昨日立ち上げたばっかりで、まだ活動とかはなーんにもやれてないんだけどね」

 

 苦笑する曜ちゃんと話していたのは、ツーサイドアップにした赤毛とリーフグリーンの瞳、良い意味で耳に残る甘ったるい声が特徴的な小動物っぽい印象の、雰囲気的に一年生の子だ。

 その子に気づいた千歌がお立ち台から降り、満面の笑みでスカウトし始める。隣にいる子は友達だろうか? 小柄だけどなかなかのボリュームだ

 

「スクールアイドルに興味あるの!? 私たちも、あなたみたいなかわいい子だったら是非!」

 

「あっ先輩、ルビィちゃんは……!」

 

 千歌が手を取った瞬間、その子の顔が青ざめていき───

 

「ピ゛ギ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛!!!」

 

 マグマと見紛うくらい赤面したその子から高周波の絶叫? 悲鳴? が飛び出し、思わず揃って耳を塞ぐ。なんちゅう声量だ。

 

「ルビィちゃんは究極の人見知りずら! あっ、なんです!」

 

「ごめん! 今なんて!?」

 

 小柄な子と曜ちゃんは咄嗟に耳を塞いだので会話が出来ているが、真正面にいた千歌はさっきの高周波をまともに聴いてしまったのか、少しふらついている。

 

「きゃあぁーっ!」

 

 親方! 桜の木から女の子が! ……なんてふざけてる場合じゃねえ! 

 おいおい今結構な高さあったぞ!? 足から着地したので脳震盪とかはなさそうだが、うずくまり震えている。

 木から落ちてきた艶やかな黒髪と右側頭部のシニョン、黒ニーソと白パンツが目立つ美少女に梨子ちゃんとともに駆け寄る。

 

「おいアンタ大丈夫か!?」

 

「あの、大丈夫ですか?」

 

「くぅぅ……痛くない……痛くないもん……! ハッ!? ここはもしかして、地上……? この堕天使ヨハネを地上に降臨させし、迷えるリトルデーモンは何処かしら?」

 

 前言撤回。どうやら黄色い救急車を呼ばなきゃならないようだ。

 なんだよ『堕天使ヨハネ』って。ヨハネってキリストの使徒の一人じゃなかった? なんでヨハネさん堕天しちゃってんだよ! なんでリトルデーモンつまりは悪魔が使徒を召喚できんだよ! なんでそんな声変わるんだよ! 中学生か貴様はァ! あっ、こないだまで中学生だったね。

 

 ひとしきり心の中でツッコミ終えて冷静になってみると、俺の『浦女のやべーやつランキング』を現在ぶっちぎりで塗り替えているこの堕天使ガール、艶やかな黒髪に映える白い肌と紅い瞳、顔立ちも鼻筋が通っている美人系だ。もしかするともしかするかもしれない。

 ここは彼女に合わせよう。

 

「この私、ラミエルが貴公を地上に喚んだのだ。いきなり地上に喚び出してしまったことをまずは詫びさせて欲しい。久しいな、我が友ヨハネ……いや、今生では『はじめまして』と言ったほうが適切だろう」

 

「えっと、真生……くん……?」

 

「梨子ちゃん、この堕天使ガールダメ元で勧誘してみるわ」

 

「勧誘って、どうするの……?」

 

「やるだけやってみる」

 

 梨子ちゃんが引き気味に小声で尋ねてくる。置き去りにしてしまうのは大変申し訳ないが、この堕天使ガールに即興で合わせることにする。こういう中二病引きずってるタイプはノってくれる知り合いに対してはチョロいはずだ。

 

「……そう、このヨハネを喚んだのは貴君であったか、我が友ラミエル」

 

「急な召喚に応えてくれたこと、感謝する。お互い真名では色々不都合だろう。友よ、今生での名を教えてくれまいか?」

 

「さすがは同胞たちきっての知性派。今生では津島善子(つしま よしこ)と名乗っているわ」

 

「津島善子、その名前覚えたぞ。こちらは宮代真生(みやしろ まさき)と名乗っている」

 

「宮代真生……覚えたわ。そろそろ魔界への鉄馬が出る時間のようね。これで失礼するわ」

 

「我々は同じ学舎で過ごす身。いずれまた会うだろう」

 

 リボンの色から判断するに一年生の津島善子ちゃん、ね。グループのメンバー候補として要チェックだな。

 

「あ、えっと……スゴい子だったね。意外な一面も見られたし……?ていうか、勧誘は……?」

 

「あっ……」

 

 どう誤魔化そうか考えていると、校内放送が鳴る

 

『2年1組高海千歌さん、宮代真生くん、至急生徒会室まで来るように』

 

 どうやら今日も長い放課後になりそうだ




第六話にはファーストライブさせたいなぁ…
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