四月、入学学シーズンである。
そんな中、俺は人生最大のピンチに陥っていた。
「決定!これから一週間以内にウマ娘一人の担当に就くんだ!」
「断る」
目の前に座っている小さな女性に向かって俺は瞬時にそう返事を返した。
目の前の女性の名は秋川やよいと言いこの見た目でここ、日本ウマ娘トレーニングセンター学園、通称トレセン学園の理事長であり俺はそこでトレーナーをさせて貰っている。
もちろんヒエラルキーで言えば理事長のほうが圧倒的に高い。
では何故こんなに理事長に強く出れるのか、理由は簡単。
「俺はあの日、日本ダービーを見に行ってただけの一般人よ?なのにいきなりアンタにスカウトされて?いきなり資格取らされて?もう訳わからず一年過ごしてんだよこっちは!」
理事長の机をバンっと叩いて理事長室の部屋の出口に向かう。
ドアの取っ手に触ろうとした瞬間ドアが外から叩かれた。
『シンボリルドルフです』
理事長が少し頷いて俺はドアを開ける。
入ってきたのはトレセン学園の生徒会長、シンボリルドルフ。
無敗の三冠を達成したまさに『皇帝』と言えるウマ娘である。
「失礼します。用があると伺いましたが・・・。何となく察しました」
シンボリルドルフが俺をジトッと見てから理事長を見る。
「な、何だよ・・・」
「別に、トレーナー君が昔のままで良かったと思っただけさ」
「・・・・・・・」
俺が昔の事を思い出そうとして理事長が咳き込む。
それで俺も理事長に顔を向けると理事長は頷いて口を開く。
「一週間、シンボリルドルフには彼の監視をお願いする」
「分かりました」
「分かっているな?」
理事長が俺に目を合わせる。
俺は舌打をして理事長を睨み返す。
するとシンボリルドルフに頭を殴られた。
「〜〜〜〜〜〜ッ!」
「それでは失礼します」
「うむ」
シンボリルドルフに引き摺られて理事長室を出る。
先程殴られた頭を擦りながら俺は立ち上がった。
「タタタ・・・、力考えろよシンボリルドルフ!「ルナ」・・・タタタ・・・、力考えろよルナ!」
そう、シンボリルドルフ・・・長いからルドルフは何故か俺と二人だけだと頑なにルナ呼びさせてくる。
なんでもそう呼べるのは俺以外にはルドルフの両親だけだとか。
「仕方無いじゃあない。私だってこれでも力をセーブしたの!」
「お前ほんっと俺の前じゃそれなのな・・・。他の奴の前じゃあ皇帝感マシマシなのによ・・・」
ルドルフが少し歩いてこっちを見つめてくる。
「零、貴方は他のトレーナー君には無い何かを持っているわ。だから貴方の力で生徒達の夢を叶えて上げて欲しい」
ルドルフが真剣な目で俺を見てくる。
「だとしても、俺には俺のやり方がある」
「・・・・・・・・」
「でもま、上の指示には従うさ」
俺はそのまま頭を掻きながら水筒に入ったカルピスを飲む。
それをじっと見てくるルドルフに気づいて俺は水筒をルドルフに渡す。
「飲むか?」
「良いの?」
ルドルフが水筒を手に取り飲み始める。
そして俺はふと思ってしまった。
・・・・・よく考えたらこれ、間接キスじゃね?
愛は重バ場大丈夫?
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構わんやれ
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いいや、限界だ!やるな!