担当を持たないトレーナー   作:暁桃源郷

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来たのは花嫁エアグルーヴ!花嫁エアグルーヴ!


後ろを往く者

そろそろセミが煩くなってくるこの時期。

今日は終業式で、クラシック級以上のウマ娘達は皆合宿に出掛けていく。

そんな中俺は二人のウマ娘を見ていた。

 

「スペ、エル。俺が二人を呼んだ理由、分かる?」

 

「はい・・・・・」

「デース・・・・」

「いや、まぁ、俺の責任でもあるがさ、二人だけだぜ?赤点あったの・・・」

 

まだスペは分かる。

上京して日が浅いし、何せ今まで勉強と言う勉強をして来なかったのだ。

今回のテストはスペがいなかった範囲から多く出題されていた。

 

「とりあえず補習はしなくちゃあいけない。だが、俺もそんな面倒なことはしたくない。よって・・・」

 

俺は紐で束ねられた厚さ十数センチの紙束を二人の前に置く。

 

「二人のテストから苦手な範囲纏めて作った補習プリント。休み終わって提出な」

「分かりマシタ・・・」

「がんばります・・・」

 

二人が部屋を出たのを見送り机の中に入れていたスマホを取り出す。

最近ハマったFPSを始める。

言っておくが今は勤務中とは言えやる事は終わっているしトレーニングは夕方から。

俺はゆっくりできる訳だ。

 

「・・・・・うっし、ドン勝」

 

気付くと既に昼飯時をとっくに過ぎ日が傾きかけている。

そろそろ間食でもしようかと立ち上がった時だった。

 

「失礼する!トレーナー君は居るだろうか?」

 

何故かビワハヤヒデが入ってきた。

俺はいきなりのことに机の下に隠れた。

 

「・・・・・・は、ハヤヒデか・・・。どうした?」

「直ぐに来て欲しい。いや、そうでないと間に合わない!」

「待て。まず説明しろ。納得は全てに優先する。俺はお前が考えるほどお人好しじゃあ無いんだ」

 

俺は机から出てソファに座る。

 

「・・・・・今、説明できる時間がない。頼む。私の大事な好敵手()なんだ」

 

頭を下げるハヤヒデを見る。

俺は溜め息を付いて頭を掻いた。

 

 

 

生徒会室

そこには生徒会長のシンボリルドルフと副生徒会長のエアグルーヴ、そして、もう一人、ナリタタイシンが座っていた。

あまりに重々しい雰囲気が外にも出ていて誰も近付けない。

そう、彼以外は・・・。

 

「こんちゃーッス。三河屋でーす」

「「「・・・・・・・・・・・・・」」」

 

トレーナーの登場にその場の全員が無言になる。

 

「貴様、何しに来た・・・?」

「え?あ~・・・・・」

 

トレーナーが目を反らす。

彼には一切の考えがない。

彼は基本能天気に生きているのだ。

そう、例えるのなら初期のモンキー・D・ルフィ、斉木楠雄のΨ難の燃堂力、ジョジョの奇妙な冒険の虹村億泰の様に、こころの中でしたいと思ったことしかしないのだ。

 

「おい、トレーナー君!何をしているんだ!確かに何とか説得してくれとは道中に言ったがこれは余りに計算外だぞ!?」

「ビワハヤヒデ、話を聞かせて貰えるかな」

 

廊下からトレーナーを抑制するビワハヤヒデ。

それを見て説明を求めるシンボリルドルフ。

 

「HEY!YO!お前がナリタタイシン?」

「・・・・だったら?何?あんたも諦めろって言うつもり?」

「いや、別にそう言うつもりじゃあ・・・「フザケンナッ!!」ッ!?」

「ふざけんなふざけんなふざけんなッ!どいつもこいつも私がチビだからって無理だ無理だって言いやがって!私は勝って勝って勝ちまくって!バかにした奴を見返してやるッ!」

「・・・・・・・・・・・・」

「どうしたんだよ!言い返してこいよッ!あんたもどうせ思ってるんでしょ!?私には無理だって!」

「おい、タイシン!落ち着け!」

「うっさい!」

 

トレーナーが黙りこくる。

ビワハヤヒデがナリタタイシンを押さえようとするが離される。

しかし、エアグルーヴは違った。

彼女はナリタタイシンを見たのではない。

黙ったまま動かないトレーナーを見ていた。

普通ここまで言われると人は困惑するか、呆れるか、怒るかだ。

しかし意外!

トレーナーはその逆!

泣いた。

 

「う~~ううう あんまりだ…H E E E E Y Y Y Y あ ァ ァ ァ ん ま り だ ァ ァ ア ァ AHYYY AHYYY AHY WHOOOOOOOHHHHHHHH!!」

「な、何なんだいったい・・・」

「エアグルーヴ、君は知らなかったな。彼は身長が低い。学園内では余り目立たないがね。だから彼は身長をバかにされると怒るんだ」

「・・・・・・・泣いてますけど・・・?」

「彼は激おこしそうになると泣いて頭を冷静にする癖があってね」

「嘘ですよね?」

「嘘だぞ?」

 

トレーナーがパッと泣き止み立ち上がってエアグルーヴを見る。

 

「んな、エシディシみたいな事有るわけねぇじゃん。皆を一回冷静にするためだよ。ルドルフに上手く伝わってくれて良かったぜ」

「伊達に君と付き合っているわけじゃあないさ」

「会長、後でお話が。・・・・貴様もだ」

「あ、はい」

 

トレーナーが咳払いをする。

そしてナリタタイシンを見る。

 

「えっと・・・何だっけ?あぁ、そうだ。チビって所だったか?お前さぁ、それタマにも言えんの?」

「ッ!?」

「よく、考えてみろ。あの為りでよ、勝ってんだろ?そして想像してみろ。そいつが園児服着てるんだぞ!?」

「それは・・・タマモさんがスゴいだけで・・・」

「かもな。・・・・・なぁ、誰かコイツのレースの映像今ない?」

「それなら私が。研究の為にな」

「ちょっと見せて」

 

トレーナーがビワハヤヒデからスマホを受け取り映像を見始める。

数分後、見終わってビワハヤヒデにスマホを返すとナリタタイシンに振り返る。

 

「いいか?これは大事な物の考え方だ。世の中、経過を重視するものと結果を重視するものがある。レースは・・・まぁ、分かるか」

「さっきから何が言いたいの・・・?」

「・・・一言、ヒントだけやる。ナリタタイシン、お前は後ろを走れ」

「「「ッ!?」」」

 

その場の全員が驚いた顔をトレーナーに向ける。

 

「・・・・・・ハヤヒデ。やることはやったぞ」

「・・・・・・!?あ、あぁ。ありがとう」

 

トレーナーが生徒会室を出て廊下でブリッジをして去っていった。

 

「・・・・・・・あのたわけが・・・。待て!廊下でブリッジしながら動くんじゃあない!」

 

エアグルーヴがトレーナーを追いかけ生徒会室に残ったのはシンボリルドルフ、ナリタタイシン、ビワハヤヒデの三人。

不意にシンボリルドルフが口を開く。

 

「彼は君に虎視眈々と一着を狙えと、そうすると言いたかったんだ。余り気に病まないでくれ」

「・・・・・・・・・・・」




さぁ!タマは一体何時来てくれるのか!
キタサン貯金は何時になったら貯められるのか!?

次のメインを決めるのは君だ

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