「シリウスシンボリ・・・・・・」
昨日の昼間に聞いたその名前をずっと反復しながら呟く。
何かが頭の片隅で引っ掛かって頭痛が起こる。
たまにあることだから今さら気にしなくなったがそれでも痛いものは痛いのだ。
宿舎に生えてある二本の木にハンモックを掛けて寝転がり空を見上げる。
「どうしたんだいトレーナー君?」
「ルドルフ・・・・」
首だけ回しルドルフを見る。
何時ものように冷静沈着な顔をしながらそれでも心配するように俺を見てくる。
「別に、何でもねぇよ」
「何も無い者はそんな顔はしないものだ。後トレーニングをサボって居る君を呼びに来たのさ」
後ろポケットに入れたスマホを起動して今日の予定とやることを確認してみる。
「俺がやることは終わってんだよ。・・・・ところでさ、ルドルフ。シリウスシンボリってウマ娘、聞いたことある?」
「・・・・・・何処でその名前を?」
先程とは違い低い声に俺は空を見ていた時の穏やかな気持ちは無くなりハンモックから飛び起きる。
「昨日、会った」
「・・・・・・そうか。少し、彼女への監視を強めた方が良さそうだ」
「あ?」
何故だかルドルフから黒い何かが出ている気がするが気のせいにしてハンモックから起きる。
「なぁ、ルナ。お前何か隠してるな?」
「・・・・・隠してはいないよ。少なくても君にはね」
ルドルフが歩き去り俺はため息をつく。
ハンモックを掛けた右の木に背を預けて空を眺める。
そして背を預けた木の後ろを覗く。
「で、君はそんな所でなーにやってんの?」
そこには俺と同じように木に背を預けて座り込むシリウスの姿があった。
シリウスはチラッとこっちを見ると目を瞑る。
「・・・・・ルドルフがあんなになるなんて、お前一体何したんだよ?」
「覚えてないのか?」
「何を?」
「そこまで行くと病気だな」
「失敬な。こちとら物心付いた時から健康優良児だわ」
俺はシリウスの隣に座ってポケットに入れていたココアシガレットを咥える。
「お前は、ルドルフの夢をどう思う?」
「ルドルフの夢?・・・・・良い夢なんじゃねぇの」
全てのウマ娘が幸せに暮らせる世界を造ると目を輝かせるルドルフを今でも思い出す。
「そうじゃあねぇ。あの皇帝様の掲げる夢は只の理想論だろ?」
「その心は?」
ココアシガレットを口から出してシリウスを見る。
「どんな器でも溢れ出る水はあるって事だ」
「なるほど」
俺は再びココアシガレットを咥えて空を見る。
シリウスが言いたいこともガキながらになんとなく分かる。
いくらトレセン学園でも理由は何であれ学力方面に問題があれば補習は行う。
そうすれば中々トレーニングの時間が取れずにトレーナーの目にも止まらない。
その措置として合同トレーニングが開催されても都合が合わなければ意味がない。
そしてまた溢れた者への措置が行われる。
何と言う堂々巡りだろうか。
「・・・・・・なぁ、お前私のモノになれよ」
「あ?」
シリウスの言葉に驚いて口からココアシガレットを落とし振り向く。
すると俺の口に柔らかい何かが触れ気付けばシリウスが目と鼻の先にいた。
「な、何しやがんだ!?」
「お前が私のモノになるなら今以上に私の身体を好きにしていいぜ」
俺はシリウスから急いで離れようとするが悲しきかなウマ娘に人間が力で敵う訳もなくそのたわわな実を身体に押し付けられる。
「悪い条件じゃあないだろ?」
「確かにな・・・・・」
俺はうんうんと頷いて欠伸をかく。
そして・・・・・。
「ッ!」
「ッ!?」
舌を思い切り噛む。
舌からダラダラと血が流れるが気にせずに血を吐き出す。
「テメ!何を!」
「確かに・・・・お前の提案は思春期男子にとっては夢の様な提案だ」
「なら・・・」
シリウスが言い終わる前にだが、とシリウスの言葉を遮る。
「俺は腐ってもトレーナーだ。生徒に手は出さねぇ!この風切零を無礼るなよ!」
「・・・・・だいぶルドルフに似てきたな」
俺から離れてシリウスが立ち上がる。
少し笑いながらそれでも少し悲しそうな顔をして。
「気が変わったら私の元に来い。歓迎してやるよ」
そう言うとシリウスはルドルフとは別の方向に歩いて行った。
次のメインを決めるのは君だ
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