IS・VVVーインフィニット・ヴァルヴレイヴー   作:蒼京 龍騎

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お気に入り100件突破……ありがたい……(´TωT`)アリガタヤ…
今回は短めです。次回から本編突入します。


第七話 断罪ノ八咫烏

IS・VVV

インフィニット・ヴァルヴレイヴ

プロローグ第七話 断罪ノ八咫烏

 

 

千冬side

「なぜです!!!なぜ邪魔をしたのですか!!!!」

IS学園の教師である織斑千冬は、目の前に居る白髪の男性、理事長である轡木 十蔵が手を置いている机を叩いて叫ぶ。

千冬が今叫んでいるのは、少し前に学園に来た少年……失踪中だった自身の弟である織斑一夏に今まで何をしていたのか問い詰めようとしたところ、その場にいた学園の教師らに体を拘束され近づけなかったのだ。

その光景を、ただ見ていた理事長が関わっていると踏んだ千冬はこうして今、理事長を問い質している。

「織斑先生。今日の彼は学校の事前視察に来ただけで、貴女と話すために学校に来た訳ではありません。故に、無理矢理に拘束させてもらいました」

千冬の、常人なら震え上がるほどの威圧を、理事長は涼しい顔でいなして質問に答える。

「納得いきません!!!私は彼の姉です!!!少し話したとしても問題はないでしょう!!?」

「……彼が、貴女と織斑百秋との会話や接触を拒絶している。と言えば?」

「────は?」

千冬は、轡木の言った言葉の意味が理解出来ず、その場で固まる。

(────拒絶?私と百秋を?一夏が?)

千冬の記憶の中にある一夏は、自身と百秋を拒絶するような性格ではない。

強くなって貰いたかったから、百秋と同じく少し辛く当たっていたかもしれないが、文句を言わず黙々と……百秋と剣道の練習をしていた真面目な弟だ。

そんな弟が、自身と百秋を拒絶するはずがない。

(────更識め、さては一夏を……!!!)

そこで、千冬は一つの結論に至る。

今日、一夏を学園まで連れてきたのは……IS学園生徒会長である更識楯無。

一夏とも親しげに話していたそいつが、一夏を洗脳もしくは籠絡したのだ、と。

「……要件が終わったのなら、早く部屋から退出してください。私もそれほど暇ではありませんので」

考えにふけっていた千冬に、轡木が脅すよう低い声で理事長室から出るように言う。

千冬はその言葉に従って、理事長室から出ると小さく呟く。

「……一夏。必ず私が助けてやる……」

 

 

一夏side

「────特記事項第十五条はこんな感じよ。分かった?」

「はい、理解出来ました。あとすいません、特記事項第二十一条ってどんなものでしたっけ?」

「特記事項第二十一条。本学園における生徒はその在学中においてありとあらゆる国家、組織、団体に帰属しない。本人の同意がない場合、それらの外的介入は原則として許可されない。まぁ簡単に言えば学校にいる間は国とか組織からの影響を一切受けなくていいってことよ」

「ありがとうございます」

学園内の視察を終えて、特記事項や学習内容などを学んだ俺は今玄関にいるのだが、どうやら思っていたより視察が早く終わったらしく、最後にじっくり質問できる時間が出来たのでその時間を使ってスコール先生に質問をしてメモを取っている。

しかし、なんだ……めっちゃ分かりやすいしメモりやすい。

難しい特記事項や学習内容は、俺でもわかりやすいよう要点を上手く纏めて短く伝えてくれる。

だから、メモも取りやすく覚えやすい。

これは……いい先生が担任になってくれたな。最高に良い学校生活が送れそうだ。

「……こんなところですかね。聞きたかったのはさっきので最後です。今日は色々ありがとうございました」

言いながら、俺はメモ帳とペンをポケットにしまい、スコール先生に頭を下げて礼を言う。

「いいのよ。教師は教えるのが仕事だから。

……それより、さっきのことなんだけど……大丈夫?」

「……半分YES半分NOと答えます。次クソ姉貴と会ったなら容赦なく半殺しにできる自信がありますが、レーザーブッ放せたので幾分かスッキリしたのでストレスは減りました」

スコール先生が、心配そうに聞いてきたのでそう返す。

正直まだほんの少しイライラしているが、会った時よりマシにはなった。

「……そう。なら先生達に、千冬先生が近づかないよう見張っててもらえるよう、言っておくわ」

「……すいません、何から何まで」

「気にしなくていいわ。むしろ私たちが貴方に感謝したいわよ、あの人として終わってる奴をしばける正当な理由が出来たから。

仕事をほかの先生に押し付けて自分は部屋で酒を飲んでたり、気に入らないことがあったらすぐ暴力行為に出るし……人々が崇めてるブリュンヒルデとはまるで違うわよ本当に……」

「……」

スコール先生の返答で、この学園でのクソ姉貴の評価が知れた俺は呆れて声が出なくなる。

先生方にまで嫌われてるとは……終わってんなクソ姉貴。いや元からクズだけどここまでとは思ってなかった。

「それでは、俺はこの辺りで帰ります。今日はありがとうございました」

「ええ。次は学園で会いましょう、織斑一夏くん」

挨拶をして、スコール先生に笑顔で見送られた俺は玄関から歩き、IS学園の敷地のすぐ外で待機していた黒い車に乗り込んで耳にイヤホンをかける。

すぐさま、心地いいバイオリンの音と綺麗な歌声が流れてきて、意識が自然と微睡む。

今日はクソ姉貴に会ったせいで怒りが湧き上がり続いたので、それの反動だろう。

微睡みに抗わず、俺は目を閉じて眠りにつく。

 

────眠りについたはずなのだが。

「……またここかよ」

昨日と同じく、謎のコクピットの中で目覚める。

だが、今回は視界に映る光景が少し変わっていた。

目の前にあるモニターに表示されているのが、ゴシック体の文字から……一人の少女に変わっている。

その少女の瞳は紫で、髪は輝く金色。

その身には、かなり際どいピンク色の服を着ており頭には【火人】の頭にある緑のパーツに似たリボンを付けている。

『はじめまして、ますたー』

「ファッ!?」

画面の中の少女が口を動かすと同時に、画面に文字が浮かび出しコクピット内にトーンの高い少女の声が響く。

いきなり聞こえたものだから、驚いて体を震わせてしまう。

『あ、ごめんなさい、ますたー、おどろかせて』

画面の中の少女が、申し訳なさそうに項垂れると先程より小さい声で謝ってくる。

その様子に、俺も申し訳なさを感じてきたが、それよりも、だ。

「……誰だ、お前」

この少女は、誰だ?

この夢は【火人】が見せているものと仮定したが、なぜこの少女が出てくる?

【火人】と強く関わりがある少女なのか?

マスターって、誰のことだ?もしかして俺か?

考えていると、少女が顔をあげて口を開く。

『わたし、ぴの。【火人】、がいどぷろぐらむ。きょう、ますたー、あいさつ、しにきた』

「……は?」

がいどぷろぐらむ?ああ、ガイドプログラムか。今日は挨拶しに来てくれたのか。随分と律儀なガイド……ゑ?

「……待て。お前、まさか……」

そこで、頭の中で少女改めピノの正体についての予想が立った。

いや、実を言うと見た瞬間から薄々思っていたんだが、今確証を得た。

「……【火人】のコア、か?」

以前ISオタクである弾と数馬から聞いたことがある。

『ISのコアには人格みたいなものがあって、それによって武装が選り好みされるとかって話らしいぞ』

『ここだけの話、電脳ダイブしてコア人格と直接話し合った人も居るらしいぜ。人みたいな見た目だったとか』

……もし弾と数馬の話が本当なら、この夢の世界で喋っているピノはこの【火人】のコア人格ということになる。

さて、正解かハズレか……どっちだ。

『そう、ぴの、【火人】、コア。ここ、でんのうせかい』

──どうやら弾と数馬の話は、本当と書いてマジな話だったようだ。

俺の目の前にいるピノは……俺が使っているIS【火人】のコア人格。

「……そうだったのか。それじゃ、今日からよろしくな、ピノ」

俺は画面に人差し指を置いて、ピノに握手を求める。

挨拶に来てくれたのだ、握手ぐらい交わさないといけない。

『よろしくお願いします、ますたー』

ピノは顔に可愛らしい笑顔を浮かべると、画面の向こうで腕を伸ばし手を広げて、俺の人差し指を掴むように手のひらを握────

 

「────きなさい!!!起きなさいったら!!一夏くん!!!」

「……んあ?」

誰かの叫び声が耳に入って、目が覚める。

視界には、怒った顔で俺を見ている楯無が居た。

……ああ、更識宅に着いたのか。

現状を理解した俺は、垂れ流しだった曲の再生を一度止めて車から降りる。

「まったく、かれこれ五分は呼び掛け続けてるのに反応が無いからガトリングで目を覚まさせてあげようかって考えてたところだわ!!!」

「……悪い」

目を擦って、寝起き特有の微睡みを解消しながら楯無に謝る。

って待て。ガトリングで目を覚まさるって……俺軽く死ぬぞおい。

ぶつくさと文句を言っている楯無の言葉を、自分の部屋と楯無の部屋の前にある分かれ道まで聞かされ、説教が終わった楯無と別れた俺は自分の部屋まで足を運ぶ。

自分の部屋に着いてから、俺はベッドに飛び込んで天井を見上げ視界の中央に手の甲が映るよう腕を運ぶ。

「……【火人】、いや、ヴァルヴレイヴ。お前は一体……何なんだ?」

夢の中でピノと出会ったことで、俺の【火人】に対する疑念が大きくなってきた。

【火人】は、普通のISとは様々な点で違う。

ISにあるはずのシールドバリアーが存在せず、それによりSE……シールドエネルギーの概念が無い。武装などに使うエネルギーは実質無限で、『HEAT CAPACITY』にさえ気を付ければほぼ無限だ。

今までは、そういうISだろう、の一言で片付けていたが、流石にその言葉では片付けられない事がここ最近で起きすぎた。

『自分から干渉してくるコア』

『種類(今分かっているだけで一号機と六号機)が存在する』

『死者蘇生機能がある(簪の件)』

『パイロットに尋常ではない再生能力を付与する』

そんなISは、見たことも聞いたことも無い。

────もしかして、ヴァルヴレイヴは……クソ兎が作ったIS……?

こんな機体を作れる人間は……俺が忌み嫌う、世界を変えた人物しか居ない。

もしそうだとしたら、クソ兎はこれで何をするつもりだったんだ……?

そんな疑問を浮かべながら、俺はベッドから降りて机に向かう。

IS学園入学まで、あと数日もない。

分からないことを考えている場合じゃない。

今の内に勉強出来る部分は勉強しておくべきだ。

俺は机の下から椅子を引っ張り出して座り、メモ帳を広げて暗記を始める。

 

────俺を見下し、その上俺の友と妹さえ傷付けた愚兄に復讐するため。

 

────世界を混乱に陥れたくせに、自分だけ逃げ続けている腐った兎に復讐するため。

 

────立場を利用し、威張り散らして俺と妹を傷付けた、腐敗兎の妹に復讐するため。

 

────全ては、ISにより奢り昂り、俺の友と妹を殺した愚かな姉に復讐するため。

 

殺意を胸に抱きながら、俺は目の前の紙を凝視する。

 

 

???side

『……じょうきょうほうこく。【ひと】、わたしから。【ひかみなり】、さいしょ、おねがい』

『サンダーだ!!!って言ってる場合じゃねぇか……こっちのパイロットは俺を展開してマギウスになったぜ。名前は知らんがフランス人の女で、大企業……えーとディオア社?だかの社長の隠し子らしいぜ』

『でぃおあ、ちがう。でゅのあ。つぎ、【ひのわ】、おねがい』

『こっちもパイロットは決まったし、マギウス化も済んだわ。日本生まれアメリカ育ちで私と同じでアイドルの子よ。ライゾウと同じく名前は分からないわ』

『サンダーだ!!!!』

『……ライゾウ、うるさい。少し黙って』

『サンダーだ!!!』

『……むし、すいしょう。つぎ、【ひうちば】、おねがい』

『わかった。こっちもパイロットは決まって、マギウスになってる。イギリス貴族の嬢ちゃんで俺らの一個下の歳だ。

……すまない、俺も名前は分からない』

『わかった。つぎ、【ひあそび】、おねがい』

『……パイロット決まって、マギウスにした。日本の暗部の子。名前は更識簪。私と同じでハッキング得意らしい』

『……じょうきょうほうこく、しゅうりょう。おつかれ、みんな。さっそく、かいさん』

『おつかれさまっしたァ!!!』

『おつかれさまでした』

『おつかれ』

『……おつかれ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無事IS学園へと入学した一夏。

しかし、そんな彼に校舎内で、姉の劣化版や姉の面汚しなど、酷い罵声が浴びせられるが気にせず自身のクラスに入る。

そのクラスは他とは違い暖かく一夏を迎えたが、そこで一夏は信じられない光景を目にする。

────会えないと思っていた人物が、そこに……

次回、インフィニット・ヴァルヴレイヴ、本編第一話。

『再会、流レル涙』

少年は、自身を救ってくれた少女と再び出逢う。

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