IS・VVVーインフィニット・ヴァルヴレイヴー   作:蒼京 龍騎

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くっそ難産だった……主に戦闘シーン


第二話 怒リ、外レル制限

IS・VVV

インフィニット・ヴァルヴレイヴ

 

本編第二話 怒リ、外レル制限

 

 

一夏side

屋上でセシリアとしばらく話した後、俺は食堂まで足を運んで飯を食った。

食堂内でも、嫌悪するような、憎しみが篭ったような視線を向けられていたが、気にせず食券を買って受付に渡し、食事を受け取り席に座った。

普通なら嫌がらせの一つや二つは来そうだが……隣にイギリス国家代表候補生であるセシリアが居たおかげか、一切されなかった。

そのあとはセシリアと談笑しながら食事をし、食べ終わり次第食器を受付に戻して足早に教室へと戻る。

その後は午前と同じように授業を受けて、気づけば午後のSHRを終えて放課後になっていた。

俺はスコール先生に、放課後教室に残るよう言われたので教室には誰もいない。

全員、寮へ帰ったのだ。

「……放課後、か」

外に目線を向けて、夕焼け色に輝いている夕日を眺めながら呟く。

放課後。そのワードに、あまりいい思い出はない。

普通の小学生なら家に帰って自由を謳歌できるんだろうが、俺の場合「出来損ないなんだから少しは役に立て」とクラスの全員から難癖つけられて毎日掃除をやらされ、終わった瞬間に教室にわざわざ残っていた奴らが教室を汚し、その責任を俺に押し付けるという、今思えば死ぬほどムカつくことをされていたのだ。

幸いなことに、その度鈴、弾、数馬、マドカの四人が手伝ってくれたのでそこまで大変ではなかったが。

「……あー、やべぇ胃が痛くなってきやがった」

そんなことを思い出してストレスが溜まったせいか、胃がキリキリと痛み出してきた。

──だが、この学校は違う。

去り際に俺に「さよなら」や「また明日」の類の言葉をかけてくれるクラスメイトがいる。

もう、昔と同じじゃない。

そう考えると、胃の痛みが少し引いた。

「すまないわね。仕事が長引いて遅くなっちゃったわ」

考え事をしていると、急に扉が開きスコール先生が教室に入ってくる。

「大丈夫です。それで、俺に残るよう言ったのは……書類とかの話ですか?」

「いえ、ちょっと渡したい物があるから、それで残ってもらったの。でも生徒たちがいる中で渡すと暴動が起きかねないと思ったから……」

「……どんな代物ですかそれ」

暴動起きるって、一体どんな物なんだよ……

考えていると、スコール先生がポケットに手を入れて、そこから一枚のカードを取り出し俺に差し出してくる。

「安全面を考慮して学園の寮に入ってもらうっていう話は聞いてる?これはその寮の鍵なんだけど、空き部屋が作れなくて女子と同じ部屋になったの」

「……マジすか。

────ちなみに、その女子とは……」

部屋が開けられなかったのならしょうがないと思い、俺は事前に入る部屋にいる人を先に聞いておくことにした。

もし住んでいるのがクソモップか俺を嫌っているやつなら、早々に部屋を変えてもらわないといけないと考えたからだ。

しかし、俺がそう聞いた瞬間に何故かスコール先生の口角が大きく上がる。

まるで……聞いて驚きない、とでも言うように。

「……これから一夏くんが住む1225室の女子は……

イギリス代表候補生、セシリア・オルコットさんよ」

「……へ?」

今なんて言った?セシリア?セシリーとかじゃないよな、セシリアだよな?いやまさかそんな訳が……そんな訳が……!?

「……本当ですか、それ」

スコール先生の言葉を信じきれず、俺はそう聞いてみることにした。

だが、帰ってきた返答は……

「ええ、本当よ」

──────俺の時代キタァァァァァァァァ!!!!!!!

思わずその場で腕を挙げて万歳してしまう。

ただでさえセシリアと会えただけでも御の字だと言うのに、まさか寮の部屋まで同じとは……今までの不幸が一気にプラスになって来たような気分だ。

「……ふふっ、嬉しそうね」

スコール先生が、そんな俺の様子が微笑ましいのか俺を見て少し笑う。

「それじゃあ要件は終わったから、帰っていいわよ」

スコール先生が席から立ち上がり、教室の出口向けて歩く。

が、何を思ったのか俺の方に振り返り、口を俺の耳に近づけて囁く。

「────屋上のあれ、随分青春してたわね。もっと謳歌しちゃいなさい」

「……っ!?///」

そう言い残して、スコール先生が教室から去る。

「────見てたのかよオイ!?」

誰も居なくなった教室で、俺は叫ぶ。

どうやら、屋上でセシリアと抱き合っていた所を見られたらしい。

多分今の俺の顔は、恥ずかしさで真っ赤になっているだろう。やばい見られた死にたい。

「────まぁいいか、あの人言いふらしそうな人じゃねぇと思うし。さて、帰るか」

俺はスコール先生の性格からして、そこまで言いふらす人ではないと判断して気持ちを切り替える。

机の中にしまっていた筆記用具やノートを取り出して鞄にしまい、忘れ物がないか確認してから教室から出る。

そのまま特に何も起きず、玄関までたどり着く。

朝にマジックペンや魚の皮などで汚くなっていた靴箱はいつの間にか匂いごと綺麗にされており、使ってもいい状態になっていたのだが、また汚されるかもしれないと思うととても使う気にはなれず、そのまま上履きを持ち帰ろうと、靴を脱いだ瞬間。

「ねぇ、ちょっといい?」

「……あ?」

後ろから声をかけられ、振り向くと見知らぬ顔の少女が数人……全員心底俺のことが嫌そうな雰囲気を纏いながら集まっていた。

その証拠に、少女全員が俺を見下している上に、目を汚いものでも見ているように細めている。

その様子は、まるで嫌々声をかけているといった感じだ。

「この後暇?だったら第二アリーナに来て欲しいんだけど」

中央にいるリーダー格らしい少女が、俺を若干見下しながら……しかし笑顔でそう言ってくる。

……ここまで隠し方が下手だと、露骨すぎて笑えてきた。

────恐らく、こいつらはクソ兄の命令かクソ姉の命令、もしくは女尊男卑思考の国家代表候補クラスの奴に言われて俺を呼びに来たんだろう。

でなきゃ、こんな嫌な態度を取りながら聞いてこない。

正直拒否したいんだが……まぁアイツらが来るかもしれないなら、言いたいことをハッキリ言うにはいい機会か。

俺は靴を履き替えるのをやめて、女子らの方を向く。

「わかった、第二アリーナだな。今行く」

そう返すと、女子の一人が俯きボソボソと何かを言い出した。

よく聞いてみると……案の定なことを言っていた。

「やっぱり聞いた通りの出来損ない。理由も特に言ってないのに」

────アリーナ行ったらこいつらぶっ飛ばしてやろうかな……

そんなことを考えながら、女子らに着いて第二アリーナへ向けて歩き出す。

そこまで時間はかからず、目的地の第二アリーナへ着く。

「着いたよ。この先が目的地」

言いながら、リーダー格の少女の横にいる少女が目の前にある扉を指さす。

その少女が手元の端末を操作すると、ギギギと重い音を立てながら開く。

「────やっぱりか」

その、扉の先には。

────織斑百秋。俺の、兄とも思いたくないクソ兄が、砂が敷かれているアリーナの中央で俯いていた。

しかし、顔を上げて俺を見るなり口を大きく開けて驚く。

「な!?なんで一夏が!?」

……どうやら、クソ兄は俺が来るのを知らなかったらしい。

「百秋くん、朝言ってた通り連れてきたよ」

俺の隣にいる少女がクソ兄に向けて言う。

「は!?何を言って……!?」

「朝言ってたじゃん、弟にもう一度会いたいって。だから連れてきたよ」

「いやでも、頼んでないぞ!?あれはただぼやいただけだ!!!」

────どうやら俺をここに招いた少女らは、クソ兄の願いを叶えるため独断で俺を呼び出したらしい。

「……アホらし。俺帰る」

用も無いのに呼び出されたのなら、もう帰ってもいいだろ。

そう思いながら、踵を返しアリーナから去ろうとする。

「ま、待ってくれ一夏!!!」

が、クソ兄が俺の名を叫んで来たので嫌々足を止める。

「……なんだよ。こちとらテメェの顔すら見たくないんだよ。とっとと帰らせろ」

返すと、少女らが先程とは打って変わって俺を睨みつけてくるが、クソ兄は。

 

「────すまなかった!!!」

 

「……は?」

頭を下げて、そう言ってきた。

「今更謝るのは俺もどうかと思う!!!けど言わせてくれ!!!

今まですまなかった!!!お前に……酷いことをして!!!」

────は?待て、理解が追いつかん。

何故あのクズが頭を下げている。まさかとは思うが反省したのか?いや、このクズに限って反省はしないだろ。

────まぁ、反省したところで俺の答えは決まってるんだがな。

「……謝るだけか?」

「────え?」

クソ兄が、予想外の返事が返ってきたと言わんばかりに頭にハテナを浮かべる。

「謝るだけか?言葉だけか?お前はそれで許されると思ってるのか?」

「え……?え?」

「……はぁ、呆れた。お前、謝れば許されると本気で思ってたのか」

なんということだ。この馬鹿はあれだけのことをしておきながら謝れば済むと本気で思ってたらしい。

────不愉快、極まりない。

ならその舐め腐った態度を……矯正してやる。

「……よし。本当なら末代までお前を恨む予定だったが、条件付きでお前を許す。

────ここで俺と一戦して勝て。それで許してやる」

俺は【火人】を展開し、腰から<ジー・エッジ>を引き抜きその刃先をクソ兄の喉元に向ける。

事前に、クソ兄が研究目的で政府から専用ISを渡されていることは知っていたので、それを踏まえた上での戦いだ。

「……わかった。勝てば……許してくれるんだな」

クソ兄も覚悟を決めたようで、右腕を差し出し、その腕を左手で掴む。

「……来い、『黒式』(こくしき)!!!」

直後、クソ兄の腕に付いていた黒のブレスレットから黒の粒子が放出され、その粒子がクソ兄を包んでゆく。

数秒待てば、そこにはクソ兄専用のISと思わしき……黒のISがあった。

そのISは、装甲は滑らかな流線型で、背には大型の翼状スラスター。

様々な特徴が目立つが、その中でも一番俺の目を引いたのは……その手に持つ『刀』だった。

その刀は、かつてクソ姉が握っていたものにそっくりな見た目をしていた。

「……<雪片>(ゆきひら)。いや、その後継か」

「ああ。<雪片弐型>(ゆきひらにがた)が、この武器の名前だ。

────行くぞ、一夏」

クソ兄も、<雪片弐型>を俺の喉元に向けて構える。

そしてそのまま、俺めがけ刀を突き出したまま加速してくる。

────真っ直ぐすぎる。工夫の工の字すらない。

俺は右手の<ジー・エッジ>で<雪片弐型>を弾き、左手でもう一本の<ジー・エッジ>を抜くと、それを使い切るのではなく押し付けるように刃先をクソ兄の胸の中央、心臓がある箇所に当て体を軽く押す。

「……三回」

「……っ?」

「今の攻撃に反撃して、お前を戦闘不能にできた回数だ。はっきり言ってお前の太刀筋は愚直すぎる。

────専用機を与えられてそのザマか?お前の尊敬する姉の刃の名を冠した武器を持ってそのザマか?」

事実を、クソ兄に向けて言い放つ。

クソ兄の顔が段々と青ざめ、<雪片弐型>を握る力が弱まってゆくのが目に見えてわかる。

軟弱者め。もう戦意喪失したか。

「……興ざめだ。今日の試合はここまでにしてやる。挑みたくなったら呼べ。可能な範囲で付き合ってやる。まぁ、それじゃ無限に挑まれてキリねぇからあと三回以内って制限設けさせてもらうけどな」

クソ兄の軟弱さに呆れた俺は、<ジー・エッジ>を鞘に戻し【火人】を解除して去ろうとした。

────が。後ろから何者かに殺気を放たれていることに気付き、拡張領域からすぐさま<ストライク・ブレイス>を左腕に展開、装着し殺気めがけ振り向き構える。

ガキィン!!!!と、火花と共に甲高い音が響き、<ストライク・ブレイス>を構えている左腕に衝撃が伝わる。

見ると、<ストライク・ブレイス>に日本刀のような刃が当てられており、その刃を握っているのは……『専用機』と思わしき、紅のIS。

「逃げるな!!!」

その叫び声で、誰がそのISに乗っているのか確信する。

「……なんでお前が専用機乗ってんだよ……!!!!

────クソモップ!!!!」

<ストライク・ブレイス>に力を込め、刀を弾くように押しのけると再び<ジー・エッジ>を鞘から引き抜き紅のISのパイロット……篠ノ乃箒、俺が憎んでいる人物の一人に向けて上段から振り下ろす。

しかし、その刃はクソモップが左手に持っていた刀に打ち止められる。

「一夏!!!なぜ百秋と戦わない!!!男なら──」

久々に聞いた、俺に理不尽を押し付ける時に使ってきた言葉に、心の中で何かがキレる。

「うるせぇな!!!数年前も毎度毎度男なら男なら言いやがって!!!!クソ兄と一緒に俺に木刀振り下ろして来たクソモップが!!!俺は心底テメェが嫌いなんだよ!!!」

「なっ!?あれはお前のためを思って……」

「ア゙ア゙!?あれはただテメェの自己満足になってたに過ぎねぇだろうが!!あれで俺の何が強化されたか言ってみろ!!!なぁオイ!!!!」

クソモップの、全て俺のためにやったことだから、自身は悪くないと言うような態度に、更に怒りが湧き上がる。

力任せに<ストライク・ブレイス>で刃を押し退け、鋭い<ストライク・ブレイス>の先を殴るようにクソモップの腹に叩き込む。

「かはっ……」

絶対防御により<ストライク・ブレイス>の先が止められはしたものの、相当な苦痛が走ったようでクソモップの顔が苦悶に満ちる。

もちろんその隙を見逃す俺ではない。クソモップのISに左右四枚ずつ存在する花弁型の翼を手で掴み、根元の接続部に向けて<ジー・エッジ>を振り下ろす。

接合部を狙ったおかげか、またはIS自体が脆かったのかは分からないが容易く羽を切り落とすことができた。

「……じっくりボロボロにしてやるよ、テメェのIS。

──数年前、俺にしたようにな」

切り落とした羽を放り捨て、<ジー・エッジ>を鞘に戻し、俺は拡張領域から未だに使用した事の無い武装である……大型の鎌状の武装<ブレーデッド・バイケン>と両端に矛が付いた槍型の武装<メテオール・プレート>を取り出しクソモップに向けて構える。

「……っ、目を覚ませ一夏!!!」

「……は?」

が、そんな俺に対して、クソモップが放ったのは意外な言葉だった。

──目を覚ませ?寝てるわけじゃねぇぞ俺。

「きっとお前は操られているんだろう!?でなければ屋上であんな阿婆擦れと抱き合っているはずがない!!!」

「……」

屋上で阿婆擦れと……セシリアのことか……

ン?今こいツなンて言っタ?アバズレ?セシリアが?

気付けば、俺は<ブレーデッド・バイケン>を地面に落とし、空いた左手でクソモップの口を握り、塞いで持ち上げていた。

かなり強めの力で握っているようで、クソモップが苦しそうに俺の手を離そうともがく。

「今お前なんて言った?セシリアが阿婆擦れ?」

怒りが限界以上に達したのか、感情が急速に消えてゆくのが分かる。

ただ、目の前に居るゴミを排除するという思考だけになる。

「────アバズレは……テメェだろうが」

クソモップのISの装甲めがけ、右手の<メテオール・プレート>を力一杯突き出す。

目に見えて分かるほどクソモップのIS……ああ、『紅椿』(べにつばき)って言うのか……のSEが減少し、装甲が傷付く。

口を塞いだおかげで、本来なら聞こえるはずのクソモップの汚い悲鳴が聞こえない。

そのまま何度も<メテオール・プレート>を突き出し、『紅椿』のSEを減らし、装甲を歪ませてゆく。

ただただ、事務的に。感情を含めず。

ふと俺を呼び出した少女らを見てみると、見えている光景に恐怖を覚え腰が抜けたのか、顔を真っ青にしながら地面に腰を下ろし、足を震えさせている。

<メテオール・プレート>を突き出し続けて一分も経たず、『紅椿』のSEが0になりISが強制解除される。

既にクソモップは気絶しているようで、手が地面に向けて揺れながら垂れている。

俺はクソモップを放り捨て、今度は顔をクソ兄に向ける。

向けた瞬間、クソ兄が怯えるように体を震えさせていたが、今の俺にはどうとも思わない。

再び左手で<ブレーデッド・バイケン>を持ち、刃がない方をクソ兄へ向ける。

「ま、待ってくれ!!!」

止めるよう懇願する声が聞こえた気がするが、気の所為だろう。

鈍器と化した<ブレーデッド・バイケン>を、クソ兄の頭に振り下ろす。

ガァン!!!!と鈍い音が鳴り、その一撃でクソ兄は白目を剥いて気絶し、後ろへ倒れる。

「……終わったな」

────特に、嬉しいといった感情が浮かばない。

死ぬほど恨んでいたはずなのに。殺したいほど憎んでいたはずなのに。

……復讐できたのに。

やるべき事をやり終えたかのような、ただ終わったという認識だけがある。

「────部屋に行くか」

この後、特にやりたい事も思い浮かばなかった俺は【火人】を解除し、寮の部屋に行くためアリーナから去る。

 

 

???side

「……ふむ、殺害に躊躇あり。練度評価C」

どこかの、青い空。そこでツインテールの小柄な少女が、宙に座り目を閉じながら手に持つプラスチックボードに乗せてある紙にシャープペンシルで字を書き込んでゆく。

そこには、人物の名前の横に『練度評価』と書かれており、人物ごとにSからEまでの評価が書かれていた。

この少女は、今とある場所を見ておりそこにいる人を見ては評価を付けていたのだ。

「……自身の実力を正確に把握。練度評価S。

……殺意を隠せていない。接近が愚直。練度評価C改めD。

……素人。練度評価E」

面白そうに、時にはつまらなさそうにしながら少女は評価を書き込んでゆく。

「……今日はとりあえずここまでにしておこう。これ以上見るとハッキングが発覚する恐れがある。だが、かなりの人物を見れただけ良しとしよう」

満足げに少女は笑うと、シャープペンシルをボードに挟んで空の椅子から立ち上がる。

「……それにしても、驚きだな。

──── 『一号機』だけならまだしも、全機現存していたとは。

私のこれも、大破したはずなのだが」

呟きながら、少女は自身の首元に触れる。

そこには、くの字が見えない三角形を形作るように間隔を空けて配置されたような模様が刻まれており、うっすらと赤紫の光を放っている。

「────まぁいい。あるなら有効活用するだけだ。

全ては、我が一族のため。手元に戻ってもらうぞ。

 

────我等が、花嫁よ」

 

少女は、言葉と共に決意を満たし、どこかへ去ってゆく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

念願だった復讐を行えた一夏。しかしその心は燻っていた。

燻った心のまま部屋に向かった一夏は、そこでセシリアに何故か甘やかされる。

自身を甘やかしてくれるその姿に、一夏は想像していた母の姿をセシリアに重ねる。

次回、インフィニット・ヴァルヴレイヴ、本編第三話。

『感ジル温モリ』

少年は、少女に惹かれてゆく。




アーシニソ_(›´ω`‹ 」∠)_
だが次回は甘々な話を書く予定だからやる気が自然と湧いてくるッ!!!!
────気がする!!!!
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