という訳で、第1話です
轟音と共に放たれた戦斧の一撃によって、30人もいた護衛が一瞬で殺られてしまった。
「グッ…」
私も、武器を壊された上、お腹に攻撃を食らってしまった。
「へぇ…お姉ちゃんやるねぇ。ダイダラの攻撃で死なないなんて」
動けない私の前に、あどけない、中性的な顔立ちの少年がしゃがみ込み、『でも』と言いながら懐からナイフを取り出す。
「これから起こることを考えると、死んどいた方が楽だったかもね?」
「グッ…何を…」
「ん~? フフフ、僕ね? 戦った相手が美人だったら戦利品として、顔の皮を剥ぎ取ってコレクションにしてるんだ~♪」
「なっ…!?」
何なんだコイツは!? 顔の皮を剥ぐだと? 狂ってる、常軌を逸している……!
私は理解できないモノを見る目を目の前の少年に向ける
「あっ、良いねぇその表情♪ すっごく剥ぎ取り甲斐があるよ!」
「ひっ...!?」
駄目だ、今すぐにこの異常者から逃げないと!
そう思い、必死に身体を動かして逃げようとするが、お腹の傷のせいで思うように身体が動かない。それでもなんとか逃げようとするが、少年に蹴り跳ばされ、馬乗りにされてしまう。
「ほ~ら、動かないで! 動いたらキレイに剥げないでしょ!」
言いながら少年は私の顔にナイフを添える。ああ、もう駄目だ…そう思った瞬間、まるで巨獣の嘶きの様な轟音が聞こえてきた。
「? 何の…ッ!? チィッ!!」
少年が私の上から跳び跳ねて後ろに下がる。すると、倒れている私の真上を何かが高速で飛び越える。そして、ガリガリと凍りついた地面を削りながら着地した。顔を上げ、何かが着地したであろう方を見やると、そこには、見た事も無いモノが鎮座していた。
「あれ、は…?」
前後に車輪が付いているし、先程もかなりの速度で私の上を飛び越えていた事を考えれば、恐らくは乗り物なのだろう。上に人が乗ってるし。だが、それを牽く為の動物が何処にもいない上に、ドッドッドッ…と、その乗り物自体が重低音を出している。
『アレは一体何なのだろう?』そう考えていると、残りの襲撃者達が駆け付けて来た。
「ミャウ無事か?」
「うん、ぶつかる寸前でかわしたから大丈夫。しっかし、何だろうねアレ? ってゆーか、二人共。ターゲットは?」
「仕留めようとした所で
「ああ、つー訳で、だ。
おい、その黒いのに乗ってるお前! 取り敢えず抵抗しないで降りてきな! 聞きたい事がタップリ有るからなぁ!」
私達を倒した大男が、アレに乗っている人――ヘルメットを被っていて性別が判らない――に投降する様に怒鳴りつける。
「……ふん…」
その人の短い笑い声が重低音に混じって聞こえてきた。そう思った次の瞬間、アレが、大きな駆動音と共に形を変えたのである。
「何ッ!?」
「なにそれ!?」
「まさか...帝具か!?」
恐らく、本体であろうモノの隣に付いていた、小振りな荷車の様なモノが外れる。それはそのまま真ん中から二つに分かれた後、先端部から少し後ろの部分が垂直にそそり立ち、さながら脚の様になる。
本体は荷車部が変形すると同時に荷車だった物の上に載る。人が座っている所の少し下の部位が90度程回転すると、前後の車輪部がせり出して横(アレにとっての正面)を向き、車輪の周りの部位が変形して腕の様になる。
「これは…」
その姿はまるで生物――巨大な
「うおおおおおおおっ!?」
「危なぁっ!?」
「ぬうっ!」
三人は先程の余裕そうな表情とは打って変わって必死の形相で銃撃を避けるが、鉄兎は左腕から巨大な、相手を追い掛けて爆発する弾を放った。その後も襲撃者達は何とか弾雨を避け続けていたが、一向に銃撃が止む気配が無い事に焦り始めてきたようだ。
「おい、コレはヤベぇぞ! どうするリヴァ!?」
「クッ、やむを得ん! 退くぞ! ミャウ!」
「了解!」
先の少年が懐から笛を取り出して吹き始めると、三人の動きが格段に上がった。そのまま大男があの巨大な斧を地面に叩き付けると、大量の雪と粉塵が巻き上がる。数十秒程で粉塵は消えたが、その時にはすでにあの三人組は居なかった。
「た、助かったの…?…うっ…」
目に見える脅威が消えた事で気が抜け、お腹の痛みが戻ってくる。不味い、少し血を流し過ぎたのだろうか、頭がフラつく。
「私、ここで死んじゃうのかなぁ…」
そんな事を言っていると、あの乗り物に乗っていた人が、私の方にやって来た。
そうだ、この人にお礼を言わないと…
「あ、あの…助けて下さって、ありがとうござ…」
ビリッと、何かを引き裂く様な音が私の胸元から聞こえた。
「ほぇ?」
自分でもどうかと思う様な間の抜けた声が口から漏れる。音のした場所に目を向ければ、そこにはヘルメットの人に服を引き裂かれた事によって、ポロリと寒空に晒されている私のおっぱいがあった。
…………ふぇ?
「……キャアアアアアア!?」
い、いい、イキナリ私の服を引き裂いたあああ!? な、なに!? 何なのこの人!? ま、まさか私に卑猥な事をする気!?
「キャアアアアアア! 誰か、助けて! 犯されちゃいますぅぅぅぅ!!」
嗚呼、神様はなんて無慈悲なんでしょう。折角残虐な死を避けられたと思ったら、女としての尊厳を奪われる事になるなんて…
「…落ち着け、傷を治療するだけだ」
その人が私の傷口に手をかざす。すると、淡い緑色の温かな光が発せられ、私の傷口が照されていく
「…終わったぞ」
「…痛く、ない…?」
数十秒程でしょうか? その人が手を退かしてから傷口を見ると、なんと綺麗サッパリ治っているのです! 傷痕も一切残っていない!
ビックリして立ち上がったのですが、身体がフラついて倒れそうになります。
「おっと……傷は完璧に治したが、失った血液まで補充した訳じゃ無いからな。暫くは安静にしていろ」
「あ、ありがとうございますぅ…」
倒れそうになった所を、彼に支えられた。うう...情けない…
「スピア! 無事か!?」
自分の不甲斐なさに恥ずかしくなっていると、父上が此方に駆け付けて来ました。
「落ち着け、おっさん。傷は完璧に治した。ちょっと血を流し過ぎて貧血気味になっているだけだ。食って寝れば治る」
「お、おお、そうか…申し遅れた、私は元帝国大臣のチョウリと言う者だ。良く娘と私を救ってくれた! 君には礼をせねばならんな!」
あっ、そうだ、お礼を言わなきゃ…! 頭を下げる父上を目にした事で、漸くその事を思い出した私は、重い体に喝をいれて立ち上がり、深々と頭を下げる。
「あっ! わ、私はスピアです! 危ない所を救っていただき、ありがとうございました!」
「…いや、気にするな。偶然通り掛かっただけだしな……それに、彼らは助けられなかった」
その人は、無惨に散った護衛達の方を向いた。ヘルメットのせいで表情は伺えませんが、無念そうな声をしています。
「…私が言うべきでは無いが、彼らの事を君が気に病む必要は無い。彼らは己の任務をまっとうしただけだ」
「…そうか。所で、アンタ等はこの後どうするつもりだ? 見た所、荷車はこっぴどく壊された様だが…帝都までなら、乗せて行っても構わないぞ?」
「ほ、本当ですか!?」
良かった、助かりました! こんな場所で父上と二人きりでは、そう遠く無い内に凍死、或いは餓死してしまいかねませんもの。
「ああ、俺も帝都に行くつもりだったからな。
こんな所に放置したら死ぬかもしれん。ここで死なれたら何の為に助けたのか分からんからな」
「重ね重ね申し訳無いのう。それならば、是非頼む!」
「わかった。じゃあ、おっさんはニーラー...そっちの小さい方に乗ってくれ。申し訳無いが、お嬢さんは俺の後ろに乗ってくれ。もうじき日が暮れそうだからな、直ぐに行くぞ」
「うむ、了解した。所で、君の名前を教えてくれんか?」
あ、そういえばまだお名前を伺っていませんでした!
「ん? ああ、俺の名前はソウだ」
父上がそう聞くと、彼――ソウさんはヘルメットを外してから、そう名乗りました。
◇◇◇
「ふっほっほ! これは凄いのう!」
「…おっさん、あんまり身を乗り出すなよ。落ちたら死ぬぞ」
「分かっておるわい!」
今私達はソウさんと一緒に帝都に向かっています。この乗り物…サイドバッシャー、でしたか。これは凄いです。馬等とは比べ物にならない位の速度が出ますし、さっきみたいに戦う事も出来ます……こうして、二人乗りも出来ますし…
……そうなんですよね…私、今ソウさんの後ろに乗ってるんですよね…落っこちたらいけないから、ギュウッ~と抱き付いてるんですよね…
と言うか、私が今冠ってるヘルメット…さっきまでソウさんが冠ってたんですよね…
どうしよう、意識したら急に凄く恥ずかしくなってきちゃった。え? チョロ過ぎ? …だって、しょうがないじゃないですか! 私、男の人に抱き付くのなんて初めてなんですよ!? と、と言うか…コ、コレ…間接キス…
そ、それに…ソウさん、凄く優しいし、紳士的だし…カ、カッコイイし…♡
「…どうかしたか?」
「ふぇ!? あ、イエ、何でもないです!」
おっとっと…思わず抱き付く腕に力を入れ過ぎてしまいました。
「そうか…疲れたなら言ってくれ、キチンと休憩にするぞ」
「い、いえ、大丈夫です! どうぞ、お気になさらずに! ちょっと力を入れ過ぎてしまっただけなので!」
私が慌てていると、隣りの荷車――ニーラーシャトルに乗っている父上がニヤニヤと私の方を見てきました。何ですか、その顔は…
「フム、時にソウ君。君は今恋人や妻子は居るかな?」
「ブフォウッ!?」
い、いきなり何て事を聞いて居るのですか、このハゲオヤジは!?
「いや、特にいないが…それがどうかしたか?」
え! ウソ、ホントに!? ホントにいないんですか!?
「ほっほっほ。なぁに、チョイと気になっただけじゃ。なあソウ君、キミはスピアを見てどう思う?」
ちょ…父上、直球過ぎます!
「…そこそこ強いな」
ソウさん違うんです。聞きたいのはそう言う事じゃ無いんです。いや、出逢って直ぐにそう言う事を聞いてる方が非常識なんですけどね?
「そう言う事じゃ無いんじゃが…まあ、良いじゃろう……そう言えば、キミはどうして帝都に?」
「まあ、出稼ぎだな。ありふれた話さ」
「ふむ…ならばソウ君、ワシの護衛として傭われてはくれんかね?」
やはり、そう考えていましたか…
父上が話を切り出すと、ソウさんが驚愕の表情になりました。
「…こんな何処の馬の骨かも解らんヤツに頼むのか? ひょっとしたら、アンタを殺そうとしたヤツ等の仲間かもしれないんだぞ?」
「なあに、これでも人を見る眼はあるつもりでな、キミは十分に信用に値する人間じゃ。それに、正直に言ってキミ程の実力者を手放しにしておくのは余りに惜しいのでな。まかり間違って、大臣なんぞの手に渡ってしまったらとんでも無いんじゃよ……で、どうじゃ? 勿論、ワシに出来る範囲で最高の待遇にするつもりじゃが?」
「フム……分かった、これからよろしく頼む」
「そうか! コチラこそよろしく頼むぞ!」
ソウさんは少し考えてから話に乗ってくれました!
…あれ、ソウさんが父上の護衛になるとしたら、ほぼ常に父上の近くにいるって事ですよね? つまり、私の近くにもいるって事ですよね? 護衛なんだから、一緒に暮らすんですよね?
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
◇◇◇
「――といった具合で、先日から我々の偽者による、良識派文官の殺害事件が起きている」
「あれ? なあボス、どうして4件目は未遂だったんだ?」
「正確に言えば未遂では無いんだ。襲撃された際に護衛が30人殺られている。通りすがりの男が撃退したらしいがな」
「へぇ…」
「その際に得た情報によると、相手は3人組の男。内二人は帝具持ち、帝具はスクリームとベルヴァーグだ」
『通りすがりの男スゲェっ!?』
「帝具持ちを撃退したのか…」
「どうにかソイツを引き込めないかねぇ…少なくとも、大臣側にだけは行かない様にしないと…帝具持ちを撃退出来る程の実力のヤツが相手に回るのは……ッ! ナジェンダさん、侵入者だ!」
「何? 数は?」
「恐らく一人! 川の上流、結界ギリギリの辺りにいるッ!」
「ついこの間侵入者が在ったばかりだというのに…総員、緊急出動だ」
『了解ッ!』
◇◇◇
「なあ、アカメ…侵入者って多分あの人…だよな?」
「…恐らく」
ラバックから侵入者がいると言われ、アカメとタツミは急いで現場に駆けつけた。
「あの人…ただ釣りしてるだけじゃね?」
「……」
駆け付けた現場には確かに一人の男がいたのだが、どう見てもタダの釣り人なのである。
「オイ、どうするんだよ? アレきっと普通に釣りに来ただけだぞ?」
「いや、まだ分からない。油断を誘う為にワザとああしているのかもしれない」
アカメは再び注意深く男を見る。が、タツミの顔は微妙な表情を浮べている
「でもコウガマグロ30匹位釣ってるぞ? 普通そんな悠長な事するか?」
「…取り敢えず、皆が来るのを待とう。仕掛けるかどうかはその後決めるぞ」
「了解」
数分後、ナジェンダを除く全員が到着したのだが、皆困った顔をしている。
『あの人どうする?』
『うーむ、どう見ても釣りしてるだけなんだよなぁ…ん?』
――ニャーン――
タツミとブラートが話していると、猫の様な生き物が釣り人――ソウの元にヨチヨチと歩み寄っていた。
「…何だ、お前は?」
『あ、あの人初めて喋ったな』
『アレ…マーグパンサーの子供か? なんだってこんな場所に?』
『野良かなんかじゃない? アイツ等って人恐れないんだよねー』
タツミ達がそんな事を話していると、ソウがスッとマーグパンサーの子供に近づいた。
「お前…一人か?」
――うにゃあ~…――
「ふむ…親は殺されたのか」
――にゃうぅ~…――
「…俺に仇を取ってほしいだと?」
――ニャッ!!――
『…ねえ、あの人マーグパンサーと喋ってるんだけど…』
『ああ、恐ろしい事に会話が成立している』
『ひょっとして…帝具か?』
『解かんないけど…ラバ、アンタ一旦ボスの所に報告に行きなさい』
『了解ッ!』
「…良いだろう、案内しろ」
――ニャアッ!!――
タツミ達が相談している内に話がついたのか、ソウがマーグパンサーを肩に乗せて移動し始めた。
『あ! 移動するっぽいぞ!』
『ふむ…取り敢えず、アジトとは別方向だな…良し、付いていくぞ』
『オッケー!』
◇◇◇
「…コイツか」
――ニャウッ! ニャウッ!――
「良し、お前は離れていろ」
――うにゃっ!――
ソウの言葉に応じて、マーグパンサーはソウの肩から飛び降り、近くの茂みに駆け込んで行った。
「――待たせたな。それじゃ、始めるか」
マーグパンサーの子供が駆け込んで行った茂みから顔を反らすと、ソウは正面の獲物を見据えて腰の鞘からロングソードを抜き放ち、中段に構えた。
そこには、一匹の赤い竜がいた――大きさは大体15メートル程だろうか? 口からはボウボウと吐息に混じって炎が漏れており、その瞳は気の弱い者ならば睨まれただけで体がすくんで動けなくなりそうな眼力を持っている――特級危険種の【火竜】リオレウスである。
――グルオオオオオオオオオオオッッッ!!!!――
竜はソウの言葉に応じる様に大きな咆哮をあげ、ソウに向って一直線に突撃する。
「フッ…!!」
ソウも竜に向かって突っ込む。
ソウはぶつかる直前にスライディングで竜の腹の下に潜り込み、持っていた剣を竜の腹に突き立てる。そのままスライディングと竜の走る勢いを利用して股下を潜り抜けながら一気に竜の腹を斬り裂き、序とばかりに脚部も斬りつける。
――グゴオオオオッッ!!――
リオレウスが腹と脚を斬られた事によりバランスを崩して転倒。ソウはすかさず竜の翼に跳び乗ると、翼の皮膜に剣を突き刺してその背を駆けずり回る。多少の刃こぼれをおこしながらも、ロングソードは見事にリオレウスの皮膜をズタズタに斬り裂いた。
足の踏み場も無い位に皮膜を斬り裂いたソウは、ロングソードを引き抜いて跳躍。空中で独楽の様にくるくると回転を始め、反対側の翼へ着地する寸前。回転による遠心力を利用して火竜の右翼を根本から豪快に叩き斬った。
「これで、もう逃げられんぞ」
――ガアアアアアアッ!!――
火竜は翼からの激痛に悶えながら、地面に着地したソウに向かって口から炎弾を放つ。だが、余り速いとは言えない速度な上に射線も単調な攻撃。ソウはサイドステップで火球を回避すると、腰に下げられていた大型ナイフを投擲する。
――ガルアアアアアアアアっ!!?――
ソウの投げ放った大型のナイフは、鋭い風切り音と共に、まるで吸い込まれるかの様にリオレウスの右眼に突き刺さった。突然視界の半分が塞がれた事によって、火竜はパニックを起こしてしまう。
無論、そんな隙をソウが見逃す訳も無い。
すぐさま竜の死角に移動し、剣を構えた左腕を後ろに引き絞る。そして、竜がソウの方を振り向くと同時に全身のバネを用いて一気に竜の左眼目掛けて跳躍する。
「――牙突・参式!!」
【空の王者】と呼ばれた竜が最後に目にした光景は、上半身を捻りながら剣を突き出してくる
◇◇◇
「す、スゲェ…!」
「ああ、大した腕だな。特級危険種のリオレウスを瞬殺か……」
『オイ、終わったぞ』
――ニャウッ!――
『別に構わんさ…さて、コイツをどうしもんか…』
――ウニャニャウ?――
『イヤ、こんなデカいヤツは俺とお前だけじゃあ、食いきれんよ』
――ニャニャーン!――
『…そうだな。取り敢えず、売れそうな部位を剥ぎ取って、残りを食うとしよう』
そう言うと、ソウは手慣れた感じでテキパキとリオレウスの死骸を解体していく。ある程度解体した所で、大きめに肉を切り取りって火で焼き始めた。
「…どうするアニキ?」
「取り敢えず、仕掛けるのは止めておくぞ。結構な実力者の様だしな」
「う~ん、アイツ、
「止めとけ。まだ俺達に気付いて無いみたいだからな。余計な事はしない方が良....」
――グゥゥゥ〜〜〜……――
『……』
「……スマナイ、私だ」
「知ってるわよ!」
朝食を食べていなかったのと、リオレウスの肉を焼くジューシーな匂いが流れて来たせいでアカメの腹が鳴る。
『…誰だ?』
アカメの腹の音が聞こえたのか、ソウがタツミ達のいる方向に話しかけてきた
「ヤバい、気付かれた!」
「チィッ…しょうがない! タツミ! アンタが行って来なさい!」
「お、オレ!?」
「しょうがないでしょ、まともに顔バレして無いのはアンタだけなんだから!」
「すまないタツミ。何とか誤魔化してくれ!」
「わ、わかった!」
皆に言われ、ソウに話し掛ける事になったタツミ。取り敢えず、両手を上げて敵意が無い事を示しながら近付いていく。
「…何か用か?」
タツミの方をに振り向かずに聞いてくるソウ。
「いや、アンタが焼いてる肉の匂いに釣られちまって……あ、オレはタツミって言うんだ!アンタは?」
「…ソウだ。お前、ここで何をしてる?」
「ああ、俺は修行でな。ココに山籠りしてるんだ」
「…そうか」
「あ、え~っと…うん…」
そのまま暫く無言が続く。が、突然ソウは程よく焼けた肉を差し出してきた。
「…食え」
「え、良いのかよ? コイツはアンタが狩ったんだろ?」
「…構わん。どうせ余るから、知り合いにやろうと思っていたからな」
「お、オウ! ありがとな!」
好意に甘える事にして、一気に肉にかぶりつくタツミ。
「……チョーウメェ!!」
サーロイン等よりも、肉の味が遥かに濃厚で無駄な脂身も無い。なおかつ、噛めば噛むほどあふれ出て来る肉汁の旨味に、あっという間に虜になるタツミ。そしてその様子を血涙が出そうな程見つめているアカメと、そんなアカメに若干引いた様子のマイン達。
「…俺は食い終わったら帰るが、お前はどうする?」
タツミが夢中で肉を食べていると、ソウが問いかけて来た
「ああ〜…ええ〜っと〜」
――ウニャウ!――
「え?」
「ああ、スマンな。お前ではなくコイツに言ったんだ」
――ニャーン!――
ソウに同意する様にマーグパンサーが鳴く。
「…あの、マーグパンサーと喋れるの?」
「…昔から、動物が何を言ってるかが何となく解ってな。俺の体質みたいなものだ」
「へぇ〜…因みに、今のは何て?」
「『アンタに付いていく』…だそうだ」
――ニャウッ!――
◇◇◇
『皆、ボスがアイツには手を出すなだってさ』
タツミがソウと話していると、ナジェンダの所に行っていたラバが戻って来た
『…良いのかよ?』
『うん、ボスに聞いてみたんだけどさ、標的でも無いしアジトを探ってる訳でも無いなら無視しておけ、だってさ。それに、どうもさっき言ってた生き残った文官の護衛らしいしね』
『アイツが?』
『うん、間違いないっぽい。さっき情報が回ってきたんだけど、顔写真とそっくりだったしね』
『なるほど、良識派なら削る訳にもいかないわね…って言うか、何で護衛が一人でこんな所にいるのよ?』
『休暇か何かじゃ無いの? という訳で、タツミ! 引きあげるぞ!』
タツミに括りつけた糸を引っ張って撤退する事を知らせるラバック。それと同時に、肉を食べ終えたソウが立ち上がる。
「…俺はそろそろ戻るとしよう。少年、あの肉は好きに持っていけ」
「え、マジで良いのかよ! じゃあ、遠慮なく貰っていくぜ! ありがとう、ソウさん!」
「…ああ、じゃあな」
マーグパンサーの子供を肩に乗せ、森の外に向かっていくソウ。が、不意に立ち止まる。
「…少年、見知らぬ相手に話し掛けるならもう少し警戒心を隠した方が良い。それと、もう少し小声で話した方が良いと仲間に伝えておけ。ではな」
そう言ってから去っていった。
「…バレてたのか……」
◇◇◇
「出来たぞ、コウガマグロの照り焼きと竜田揚げ、リオレウス肉の刺しだ」
「ほほぉッ! スピアの料理より遥かに旨そうじゃな!」
「じょ、女子力が私より上って……」
――ニャウッ!――
ハイ、という訳で、第1話でした
今更ながらのアニメ化決定記念+『アカメが斬る!の二次って無いなぁ.....良し、書くか!』と言う、感じで書き始めました
ソウ君の特典は『聖母の微笑』、『サイドバッシャー』、『カイザギア』、『アイテムボックス』です
なので、剣術と動物と会話出来る能力は自前です
最初はクウガかアギト、それかブレイドにしようか悩んだのですが.....一周廻ってカイザにしました(笑)
コッチもボチボチ更新していくのでよろしくお願いします