迷宮異聞録~マヨナカダンジョン(ダンまち×PERSONA4)   作:37級建築士

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アルカナを増やしていくのが楽しい。ダンまちキャラのタロット診断が楽しくて、設定練ってるだけで半日過ぎてた。




Day20~影からの依頼

 早朝、城壁で太陽が遮られるこの街は少しばかり薄暗い。だけど、時計の針にしたがい人々はこの薄暗い闇で朝を始めていく。虫のさえずりのような小さく、有象無象の響きが徐々に音階を上げて喧騒へと変わっていく。街に日が灯る頃には、すっかりと喧騒のBGMは最高潮だ。火を焚き、店の宣伝を叫ぶ。

 

 喧騒は乱雑としているようで、中には一定の流れもある。それはこの街の中心点、ダンジョンへ赴く大勢の冒険者達が轍を踏み鳴らすのだ。流れは中央へ、傾斜に沿って流れ落ちていく水のごとく

 

 だが、若干二名ほどその流れから反して別の穴を目指すものがいた。

 

 天高くそびえるバベルの塔を背に、ダンジョンへ赴く冒険者たちの顔を流し目に通り過ぎて、彼らは寂れた教会の地下へと踏み入った。

 

 冒険者は怠惰ではない。彼らも無論、冒険をするべくダンジョンへと目指している。しかし、潜るダンジョン、この一点だけは他者と異なる。

 

 

 

 

「……気張るとするか、なあベル」

 

 

 拳を合わせ音をならす。ヴェルフの声に僕も頷いた。

 

 すでに何度も往来してきた彼の世界、しかし未だにその世界は未知が多く予断は許されない。

 

 

『ぬ、先生とヴェル助クマね……待ってたクマ、今日も鍛錬ですかな?』

 

「いや、今日は少し違うよ……うん、今から行くから、話はそれから」

 

 

 鏡に話しかける。気が狂ったわけではない、その世界こそ異世界への入り口だ

 

 

 ダンジョンは一つにあらず。かつて人工迷宮に驚きを経たように、このオラリオには第三のダンジョンがある。

 

 その名を噂からなぞらえマヨナカダンジョン。長いから、僕たちは異世界と呼称する。

 

 

 

「さて、人助けの時間だ……なあ、ヒーロー」

 

 

 背中をパンと、ヴェルフは先に鏡へ進んだ。無論、ベルも続いていく

 

 

「……ヒーロー、それも悪くないかな」

 

 

 そんなことを独り言つる。一歩踏み出し、僕も異世界へと足を進め、そして跳んだ

 

 

 世界が回る。ぐるぐるぐるぐると、重力を放り捨てた次元の通り道が僕の形を捻じ曲げる、異世界の旅路はかくも奇々怪々なまま、一向に慣れる気配を感じ得ない。

 

 

  

 

 

 

 

   ×   ×   ×

 

 

 

 

 

 ことの始まりは彼、いや彼女からの呼び出したからだ。

 

 フクロウの使いに呼び出されて待っていたのはフェルズさん本人、ローブに隠れた虚ろの顔は表情を見せないけど、でもどこか不機嫌そうに見える。

 

 

……あの、フェルズさん

 

 

 もしかして、不機嫌だったりするんですかと、僕は尋ねた。すると、少し考えてから

 

 

 

……まあ、無茶なことをしてくれたなと……思ってない、思ってないさ。思っているはずがない

 

 

 

 あとから人づてに聞いた。フェルズさんは今回の行方不明事件で秘密裏に捜査をしていたらしくて、別に手柄を横取りされたとかそう言う器の小さな話ではなく、単に僕の無茶に苦言を呈していただけ、要は心配してくれていたのだ。

 

 ふたしかな異世界、鏡の先にあるその存在を今はフェルズさん達も知っている。シャドウの存在を想えば慎重にならざるを得ないのに、僕はあろうことかあの世界で日を跨いでいたし、その間もたっぷり周りから心配されていたから何も言えない。今度から、探索は一日以内にとどめようと胸に決めていたりする。

 

 少し話がそれた。僕を呼び出したフェルズさんの要件、それは突き渡された一枚の羊皮紙に記されていた。

 

 

 

……ベル・クラネル、此度のことは君に一任する。故に、仕事はきっちりとこなしてもらおう

 

 

 

……情報、誰のですかこれ

 

 

 

……まだ見つかっていない行方不明者のものだ。私が調べていた、な

 

 

 

 そう驚くことは無いと、フェルズさんは続けて話す。数は五人、未だ遺体も見つかっていないそれはおそらく向こうの世界に

 

 

 

……期限はそう残っていない。被害者は行方不明になって一週間、早ければそれよりも早い

 

 

 

 被害者はどうなるか、言わずもがなそれは最悪の未来だ。

 

 行動はすぐに起こさなければ、僕は一礼して足早に去ろうとした。けど、呼び声が僕を止める

 

 

 

 

 

 

「……ベル・クラネル」

 

 神妙に、今度は優しく僕の手を掴んだ。骨の指が手の平を握り、託すように言の葉もそこへ乗せる

 

「また、君に頼らないといけなくなった。身勝手だが、君を信じている……助力もしよう。だから、無事に帰って来なさい」

 

「……はい」

 

 声色が、いつものおどろしい声の奥に優しい女性らしさを感じたのは気のせいじゃない。

 

 年若い僕に、フェルズさんは今本心から声をかけた。もし生きていて、その身が満ちていれば戸惑い顔を染めていたかもしれない。そんなことを、ふと考えてしまった

 

「がんばります、フェルズさんの依頼……必ず、遂行して見せます」

 

「……気を張りすぎるな、と言いたいが。あぁ、そうしておくれ……がんばりなさい、ベル・クラネル」

 

 強く、握り返した手の平。体温の無い手の平の奥に、僕は信頼という熱を感じた

 

 

 

……ドクンッ

 

 

 

「!」

 

 

 

 

————繋がりを感じる。フェルズさんと僕の間に、新たな絆の力が芽生えた。

 

 

 

 

 愚者から繋ぐ光は刑死者のアルカナ。運命を試練と受け入れ、己を知り成長を叶える者へ至らんことを

 

 

 

 

 

 

 

 

~ダイダロス通り~

 

 

 

 フェルズさんの依頼を受けて、僕たちはこの場所へと来た。依頼の情報通りなら、このダイダロスの住人が5人、ここで行方不明になっている。実際に街の手前に来て、クマ君も匂いがすると言ったこともあり情報は確かだ。 

 異世界と現実は表裏一体。エイナさんと同様に、消えた場所と同じ場所に閉じ込められているはず。

 

 そして、人が閉じ込められている場所には

 

 

 

 

「クマママァアアアアッ!!?!?!?」

 

 

 

 

 シャドウが、大量のシャドウが巣を作っているのも、また同じだ。

 

 

 

「クマ君!……今、くッ」

 

 

 取り囲むシャドウの大軍、強さはそれほどじゃないけどこうも数が集まれば中々自由にはさせてくれない。

 サイコロの姿をしたシャドウ、手首で人の形を模したようなシャドウ、逃げるクマ君を弄ぶように追い回し、さらには氷のスキルで攻撃も放っている。

 

 不気味な笑い声をあげて、目の前の対象ばかりに気を取られている。その後ろは隙だらけだ

 

 

 

[マハラギオン]

 

 

 

「クマ!?」

 

 

 

 爆炎、氷の攻撃もまとめてシャドウ達が消し飛んだ。未だ消えきらない火柱から姿を現した。炎をまくり上げ、火の粉の雨を浴びながら見切りを切るように姿を見せている。

 

 ペルソナによる跳躍。高所からスキルや物理攻撃をばらまき敵を一蹴して回る姿はまさに鬼神。猛々しいこと炎のごとく、ヴェルフ・クロッゾは大いに燃えている。

 

 

「消し炭だ!ヴァルカンッ!!」

 

 

 勢いよく告げる攻撃命令、獣の大槌が大地を砕きシャドウ達を吹き飛ばした。今、僕たちがいるのは街の路地裏、狭い場所故に一息に敵も吹き飛ぶ。ガラクタの家財に仮面が付いた姿のシャドウ達が消える様、それはまさしく鎧袖一触というべきか

 

 

……ペルソナ、もうあんなに使いこなしている

 

 

 覚醒したペルソナの力、ヴァルカンを呼び出せるようになってからヴェルフはずっと快調だ。もうダンジョンの毒気にやられることも無いし、今は横どころか僕よりも前に進んでいる。

 

 レベルの差なんて感じない。今この場において僕とヴェルフの力の差を感じないのは、きっと僕たちがペルソナを使って戦っているからだ。

 

 等しく目覚めた力、表のダンジョンの時のように役割に区切る必要はない。肩を並べ、共に競うように戦うスタイルはまさに戦友だ。

 

 

「……どうした、ベル」

 

「いや、なんでもない……ただ、機嫌がよさそうだなって」

 

「そうか、まあそうだな……おらッ」

 

 大剣を一閃。ペルソナを展開しつつ本人も戦闘を行う。生身の技量もペルソナに引っ張られているせいかすこぶる好調だ。今、組手をすればどっちが勝つか、本当に予想もつかない

 

「ま、こっちの世界なら……俺もお前も同じ土俵ってわけだ。ベル、俺に追い越されんじゃねえぞ団長!」

 

 煽るように言葉を吐く、その顔は清々しく綺麗に笑っている。

 

 迷路のような街の中、次々と出てくるシャドウを相手に気づけば背中合わせに

 

「言ってろ……なんて、ねッ!」

 

 ナイフを振るう。口だけの球体シャドウを消し去り、続けてイナバギが道を開く。

 

 活路を作った。ヴェルフと、そしてクマ君も続けて走る。そうして躍り出た場所は円形の広場、そこはいつかに見た場所、かつて地上にてシルバーバックを倒した場所だ

 

 

 

「……ベル、いたぞ……目当てのボスだ」

 

 

「!」 

 

 

 広場の中心、そこには鳥かごがあった。中にいるのは拘束された人、情報に乗っていた街の住人だ。

 

 だけど、その人を逃がすまいと遮るのはこれまた大きなシャドウだ。騎士のように馬に乗馬して、馬も騎士も同じく仮面を付けている。顔の無いシュバリエが雄たけびを上げ、気づけば背後の道も、左右、奥の道、十字路の逃げ道が檻で閉ざされた。

 

「ひゃぇえええ!??」

 

「うるせえな、クマ公」

 

「だだ、だって閉じ込められてるクマ……というか、さっきからずっと戦ってばっかですし、ちょっとまずいんじゃあありませぬか?クマピンチクマ!!」

 

 叫ぶクマ君、確かに状況は不味いかもしれない。でも、もとより標的を求めてここに来た。むしろ、雑魚が入ってこないなら、逆に好都合だ。

 

 

「……倒すよ、それで助ける」

 

「だな、クマ公は下がってな……俺とベルでやる」

 

 

 意気揚々と、僕たちは前へと躍り出る。フェルズさんの依頼ではまだこれが一人目、この程度の相手に時間を食っている暇はない。

 

 敵は強敵、だけどエイナさんの方がずっと大きくて恐ろしくて、そして強かった。であれば、恐れる必要はない

 

 

「……行こう、ヴェルフ」

 

「ああ、戦ろうぜ……ベル!」

 

 

 ヴェルフが応えてくれる。心強く頼もしい味方、ただペルソナが使えるからじゃなく、ヴェルフ当人に僕は想いを預けている。

 

 戦場の絆、ふと胸の奥に深い音が響いた。繋いだ絆、僕とヴェルフを結ぶこの関係に、さらに力が重なっていく。

 

 

 

……ドクンッ

 

 

 

 

————繋がりを感じる。繋がれた絆は魔術師のアルカナ、未来を示す導きの奇跡はその手の中に。

 

 

 

「……ほんと、頼りになるよ」

 

「あ、なんか言ったか?」

 

「いや、なんでもない……何でもない、ことだから」

 

 

 

 

『――――——――――――ッ!!?!??!?!』

 

 

 

 影が叫ぶ、早く武器を抜けと、戦いを始めろと催促を促す。なまじ、騎士の見た目故にそんな風にしているのか

 

 二人は動じない。わかっていると、無言のままに武器を抜き、そして構えた。

 

 足に力を貯め、息を深く吸う。

 

 試合の鐘は無い。両者同時に駆けて、そして言の葉を放った。ベルの短剣、ヴェルフの大剣、敵シャドウの大槍と鍔競り合いを起こす刹那、さらに姿を現した彼らの剛撃が轟く

 

 

『祓え、イナバギ!!』

 

 

『灰に消せ、ヴァルカンッ!!』

 

 

 

 

 

 

次回に続く

 

 

 




今回はここまで、なんかまた救出劇やってるなって思われるかもですが、まあペルソナでよくある事件合間の自由行動と思ってください。今の展開はメメントスの攻略みたいなもの、レベル上げって大事よね

アルカナ増やしたりレベル上げしたり、それも次回でラストです。投稿は、出来るだけ早めに




ヘスティアとアイズとレフィーヤ、誰が恋愛のアルカナにふさわしいかずっと悩んでる。難しい、悩ましい
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