アイツの距離が近すぎる   作:ぽむQ

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お久しぶりです。離職したり就活したり再就職したりしてました。これからは投稿ペースも戻っていくと思います。(#13はかなり出来上がっているので近々投稿します)

☆果林さんお誕生日おめでとうございました!遅れてごめん!!☆


#EX19 スターライトは勉強ができない【2022.6/29 朝香果林生誕祭】

「補習」。

 文字通り、学習を補うと書いて補習だ。学業の成績が芳しくない者が受けさせられるもので、提示されたプリントを全て終わらせるまで帰れないよくあるやつだ。

 そして当然、それを管理するのは生徒会の仕事である。だが生徒会長や副会長はデスクワークで手一杯、会計や書記の皆様もやるべき計算や資料作りでてんやわんやしており、結局庶務である俺にお鉢が回ってきたというわけ。

 

 という訳で、俺は今補習会場である3年B組の教室へと向かっている。勿論、問題が記載されたプリントを持ってだ。さきほと確認したところ枚数——補習対象者の数——はそれほど多くなく、3年生に至ってはたったの1人だ(とはいえ高3の春に補習を受ける者など本来はゼロであって欲しいが……)。どうやら今日は比較的早めに帰れそうだな。

 

「ここか……ん?」

 

「……」

 

 教室のドアを開けると、席にはまだ誰も座ってなく、ただ一人、窓際で黄昏ているスタイル抜群な美女の姿が見てとれた。深い青の髪が靡き、怠惰の欠片も見せない完璧なボディ。街を歩けば秒でスカウトが来るであろうほどの妖艶なヴィーナスが、学園指定の紺色のセーターを可憐に纏っている。

 

「……あら、何か用?」

 

 彼女は俺に気づいたらしく、視線をこちらに向けて様子を伺っている。そのセクシーな声色に思わずドギマギしてしまうが、今はそんなことを考えてる場合ではない。

 

「あの……この教室、これから補習に使うので……」

 

「あら、そう。……キミが監督?」

 

「ええ、まあ。一応生徒会なもので」

 

「へぇ……ちなみに、3年生は何人受けるのかしら?」

 

「今回は1人だけですね」

 

「そう………1人、か」

 

 俺の回答に対して何やら悲しげで寂しげな表情を浮かべる彼女(リボンの色、そもそもこの教室にいる時点で3年生なのでこれからは「先輩」と呼称する)。その表情を変えぬまま俺に向き直り、さらに言葉を続けた。

 

「みっともないわよね。3年のこの時期に補習なんて」

 

「どう……でしょうか。確かに褒められた事ではないと思いますけれど」

 

「本当ならもう将来を考えて動く時期。ペーパーテスト如きでつまづいてるなんて、詰めが甘い証拠よ」

 

「……おっしゃる通り、だと思います」

 

 聞く限り、先輩はかなりストイックな性格のようだ。きっと本人のスタイルや美貌も、努力の積み重ねによって体得したのだろう。たった1学年違うだけで、こんなに意識に差があるとは……3年生への尊敬の意が深まった瞬間だった。

 

 そんな話をしているうちに、補習対象者がぞろぞろと集まってきた(当然のごとく中須かすみが混じっていたのは見なかった事にしよう)。

 

「先輩。そろそろ補習始まるんで」

 

「あら、もうそんな時間?じゃあ移動しないとね」

 

「すみません、お願いします」

 

 先輩は悠然と歩き出し、補習会場から出る……と思いきや、プリントが置かれた座席に座った。

 

「いやアンタが受けるんかい!!」

 

「……?当然じゃない。私赤点よ?」

 

「さっきの話自虐だったのかよ!?わかるかそんなもん!!」

 

「ほら、どうどう。全員揃ったわよ?始めの合図してくれるかしら、試験官くん?」

 

「なんで補習受ける側がそんな余裕なんだ!?」

 

 せっかく抱いた尊敬の意を2秒で破壊され、この大物赤点美女に振り回されつつも、補習が始まった……。

 

 

 

 

「ふぅ……回答完了、ね」

 

「ああ………やっと終わった…………」

 

 すでに他の生徒は全員帰っており、残るは先輩と俺の2人だけ。先ほどの会話ぶりから薄々予感していたがまさか成績面がここまで壊滅的だったとは……。

 そしてやるべき事を終えた先輩はゆっくりと帰り支度を始め、それがすむと教室のドアめがけすたすたと歩き、そのまま帰る……と思いきやくるりと踵を返す。

 

「ねえ、生徒会くん。このあと時間ある?」

 

「はあ……?一応暇ですけれど」

 

俺の回答を聞く先輩の表情がみるみる妖艶なものに変わってゆく。まるでカナリヤを目の前にした猫のようで、思わず視線がいってしまう。

 ガラにもなく見とれていると、そのセクシー美女はしなやかな人差し指をぷっくり官能的な唇に当て、誘い文句を続けた。

 

「お礼はちゃんとするわ、身体で♡

 

「body!?」

 

「お姉さんとひと汗かきましょ?」

 

「ファースト汗!?」

 

「裸の付き合いで……ねっ♡」

 

「付き合いwith裸!?」

 

 先輩からのアレなお誘いを受け、そのまま手を引かれた……が途中で迷い、最終的には俺が目的地まで案内した。

 なんで誘われた側が案内しているのか疑問に思うだろうが、先輩は究極の方向音痴らしく、ガイドがいないとダメ、らしい。なぜ三年生が校舎で迷うのか……不思議だ。

 

 

 

 

「あー……あっつ……」

 

 俺たちがやってきたのは学園内のサウナ室だ。虹ヶ咲の設備は最新式のものを取り揃えており、シャワー室もあればジャグジーもあればサウナもあるのだ。おまけに水着は無料で貸してくれるという好待遇っぷりだ。

 

 こうして先輩と2人、日々の疲れを汗とともに流すことになったのだ。まあ正直俺はそれどころじゃないけど。。

 

「んっ……ふぅ……あっ……やっぱり、サウナはいいわね。身体がリセットされる感じ……すごく、好きなのっ………」

 

 先輩がエロすぎる。サウナ用の水着といえば機能性重視だから、おへそやらふとももやら肩やらがまる見えなのだ。しかも汗ばんだ身体に上気して赤く火照った顔、色っぽい吐息………心臓に悪すぎる。

 

「ところで生徒会くん。君の名前を教えてほしいのだけれど」

 

「………悠。高城悠です」

 

「いい名前ね。よろしく、生徒会くん」

 

「いや呼ばないんかい。つーか、俺も先輩の名前、知らないんすけど」

 

「朝香 果林(あさか かりん)よ。以後、お見知り置きを」

 

 どこかで聞いた名前だが……あ、思い出した。はんぺんに犯された人だ(詳しくはEX1をお読みください)。

 

「はい、生徒会くん」

 

「あふっ」

 

 記憶を呼び覚ましている途中で、先輩が俺の顔に何かをかけ、視界が塞がれた。あったかくて柔らかくていい匂いがして……なんだこれ?

 

「私のタオル。使用済みよ」

 

「なんちゅうもん渡してんだアンタはぁ!!」

 

 顔に掛けられたどエロい劇物を剥がしつつツッコミをねじ込む。朝香先輩は一体なんなんだ、男のペースを見出す達人か?

 

「お礼にあげるわ。男の子ってこういうの欲しいでしょ?」

 

「貰えませんよ!!」

 

「あら、そう……。ふふっ、『いりません』とは言わないところ、正直で好きよ?」

 

「じゃかあしいわエロ魔女!!!」

 

 

 こうして補習監督を終えた俺は、セクシー系ポンコツエロ美人に振り回される放課後を送ったのだった…….。

 まあ、朝香先輩にもこれから色々とお世話になるのだが……それはまた次の機会に話そう。

 

おしまい

 

 

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