結城友奈は勇者である×スーパーロボット大戦 鋼の章 作:ソメヤ タク
遂に始まりました第1話。ゆゆゆ本編は終わってしまいましたがこちらはこれから始まります。果たしたどんな物語になるのか?最後まで見届けて下さい。
第1話 時を超えた少年 その1
神世紀300年 香川県讃州市
市立讃州中学校
「讃州中学勇者部は、勇んで世のため人のためになることをする部活です。なるべくあきらめない、なせば大抵なんとかなるなどの精神でがんばっています。きょうも元気にしゅっぱーつ。」
と元気いっぱいに語る少女は結城友奈。赤い髪に短いポニーテール、桜の花びらの髪飾りを身に着けているのが特徴だ。彼女は勇者部のムードメーカー的存在である。何やら文章を書いてるようだ。
「小学生の作文か!」
とツッコミを入れるのは三好夏凛。同じく勇者部のメンバー。茶色い髪の毛に短いツインテールをしている。
体力づくりの為のトレーニングと煮干しとサプリメントの摂取が日課だ。ちなみに身長は友奈よりも低い。
「中学生だよ」
「知ってるわよ」
二人の会話に一人の少年が割り込んでくる。
「何言ってんだ三好。結城の明るい笑顔と元気な笑顔は俺達の力の源だぜ?」
彼の名前は高津英次。勇者部唯一の男子部員だ。一見大人しそう見た目だが人に話し掛けられると夢中になり我を忘れてしまう事がある。
「あんたが言うとセクハラにしか聞こえないわよ英次」
夏凛は友奈が英次に警告する。まるで自分の大切な娘を何処ぞの馬の骨に渡したくない父親のように。大赦から派遣されてきたある彼女は当初、部員たちに対し冷たい態度を取っていたが友奈達の努力の甲斐もあって次第に心を開き打ち解けていくようになる。
「げっ!俺は褒めてるんだぞ?」
「さすが英次君えらいえらい」
「褒めてくれてありがとよ」
(そう、この明るささえあれば俺の世界は救われるはずだ)
「はーい二人とも痴話喧嘩はその辺にしなさい。友奈、タウン誌で勇者部の活動を紹介してもらうんだから、いいキャッチコピーを考えなさいよね」
と栗色の長髪のおさげをぶら下げた少女が口を挟む。彼女の名は犬吠埼風。中学3年生で勇者部の部長であり母親がいない英次にとっては母親代わりの存在だ。一言目には女子力とうるさい上に妹を溺愛してる。
「はーい」
どうやら友奈は風にタウン誌に掲載する勇者部のキャッチコピーを書いているようだ。
「お姉ちゃん。幼稚園からお礼のメールがたくさん来たよ」
そう風に告げたのは風の妹であり1年生の犬吠埼樹。背は低く内気だがタロット占いが得意でよく当たると評判がいい。
「この前の劇がバカ受けだったからねぇ」
「親御さんは困惑してたからね…」
「お待たせ―。もう始まってる?掃除当番の途中で寝てしまったんよ―。」
そこへ英次のクラスメイトの乃木園子が入ってくる。彼女は大赦の中でももっとも権限が強い乃木家の令嬢である。容姿端麗、成績超優秀…と言いたいが普段からボーっとしており同じ勇者部部員や友人を変なニックネームで読んだり斜め上の性格と発想で周囲を引っ掻き回したりと色々と残念なところが多い。所謂残念お嬢様だ。
「園子…。そんな時に寝るのはあなたくらいよね」
呆れる夏凜。
「わーい褒められたー。」
「よかったね園ちゃん!夏凜ちゃんは中々人を褒めないんだよ。」
「「わーいわーい」」
「褒めてないわよ!!」
子供のようにはしゃぐ友奈と園子に対し夏凜はさらに駄目だしする。
「にぼっしー!!」
「関係ないでしょう!!」
と、夏凜は園子からにぼっしーと呼ばれてる。だが本人は快く思ってない。
「三好。乃木は2年間寝たきりだったんだ。大目に見てやれよ。」
「英次、あんた園子を甘やかしてない?そんなんじゃ将来やってけないわよ?」
「だからと言って、厳しすぎても駄目だぜ?それじゃ圧力でつぶされて人間駄目になる。お前が乃木と同じ境遇にあったらどうするよ?」
「…その時になってみないと…わからないわよ。」
「だよな。でも、お前なら大丈夫だ。お前は心が強い子だからな。」
「そうね。でも覚えておきなさい。厳しい世の中を生きていくには強さと忍耐力が必要だって。」
「あぁ。」
(でなきゃ、死ぬからな…。)
「さてと。勇者部12月の部会、始めるわよー。」
「「「「「おー!!」」」」」
「はい!」
勇者部。友奈曰く人の為になる事を自ら進んでやる讃州中学校家庭科準備室を拠点に構えるボランティア活動を目的とした部活動である。街中のゴミ掃除をはじめ、他の部活動の助っ人や学校外での演劇、商業施設や地元自治体のイベントの手伝い等多岐に渡る。部員一人々々の人柄の良さと親切心もあってか学校内や一般市民からの評判を大変良い。1年前に犬吠埼風が中心となって設立し今年は樹と園子が入部して人手も足りている。
だがそれは表向きであり実態はこの世界、神世紀世界を構成してる地の神の集合体、神樹を崇拝している大赦と呼ばれる組織が人類の敵、バーテックスに対抗出来る唯一の存在である勇者に選ばれた中学生の少女達を意図的に集め戦わせるのが真の目的だ。勇者とは年端のいかない少女が神樹の力を借りてバーテックスと戦う。全国に勇者候補生がおりその中から神樹に選ばれた少女は勇者となりバーテックスと戦う使命を背負う。悲惨な運命が待ち受けている事も知らずに…。
(そう、皆はそうやって賑やかにしてるのが一番だ。あんな地獄は似合わない。そうだよな?銀)
(それにしても、違和感のある写真だよなぁ。)
英次は家庭科準備室に掲げられたボードに張られた写真を見て心の中で呟く。文化祭の出し物の劇の終了後に取った記念写真だ。友奈と夏凜の間に不自然な程人ひとり分の間が空いている。他にも全員で旅行に出かけた時を初め、あらゆる写真が同じような写り方をしているのだ。まるで誰か居たかのように。
「というわけで今週日曜は幼稚園で劇をやるって事で各自よろしく。」
風は部員たちにそう伝える。今週日曜日にお馴染みの幼稚園で勇者と魔王の物語をやるのだ。
「私も木の役でがんばるんよー。」
と言って張り切る園子。
「英次は欠席でいいのよね?」
風が英次に訪ねる。
「すいません。家の用事で忙しくてね。この埋め合わせは必ずします。それじゃ、失礼します。」
そう言って英次は部室から退室していく。
「そういや英次君のお家って…。」
「学校から自転車で30分の所にあるって言ってましたよね?」
「確かお父さんがロボット関係の技術者だったはずよ。私もこれ以上の事は何も。」
友奈と樹の問いかけに対し夏凛が答える。
「ま、それは追々本人から聞き出すとして。新しい依頼よ。これを調べてほしいって。」
「空飛ぶ人間?」
「海岸で写真撮ってた人がたまたま見つけたらしくてね。」
「もしかしてUMA?」
風が説明すると友奈が訪ねる。そこへ園子が割り込みパソコンのデスクトップ画面を覗き込む。画面には小さいが空を人間らしき物体が飛んでいる姿が写っているのだ。
「どれどれ?私にも見せ―!!」
(ゲッ、バレてる!!?)
「どうしたの園子?」
顔面を真っ青にし、驚いた園子に夏凛が問いかける。
「私も用意を思い出したんで失礼するんよー!!」
そう告げると血相を変えて慌てて部室から退出する。
「行っちゃった…」
「怪しいわね乃木。英次も最近よそよそしいけど。」
園子が去って行く光景を見て樹が呟くと風が喋る。
「そういえば夏凛ちゃんのお兄さんって大赦で働いてるんだっけ?何か知らない?」
「兄貴は何も言ってこないわよ。ただ、防人やってるあたしの知り合いがV2計画っていうのを耳にしたこと位よ。」
夏凜には兄がおり大赦で神官として勤務している。
「V2計画?」
ここで友奈が夏凜から聞きなれない言葉を耳にする。因みに防人とは勇者システムの量産型であり少女ならだれでも使えるのが特徴だ。ただし戦闘力は勇者より低くバーテッツクスの尖兵である星屑を倒せるのが精一杯だ。
「さぁ?それがわからなければ苦労しないわよ。」
讃州市郊外
山の中に存在する広大な敷地に複数の未来的な倉庫と事務所。ここが英次の家だ
正門の警衛所で入門の手続きを済ませると警備員に挨拶して自転車を大きな倉庫に向かって漕ぎ出す。
倉庫の入り口前に自転車を止め降りると扉を開け、中へ入ると背の高い中年の男に声をかける。
「父さんただいま!」
「帰ったか英次。」
英次が挨拶をしたこの男こそ英次の父親、高津晋三。この施設、高津ロボット工学研究所の所長を務めている。彼自身も優秀な技術者だ。
「今日のメニューは?」
「いつも通り、筋トレの後はMSバトルシミュレーターで遊んどけ。難易度MAXでな。」
「…マジ?」
「出来なかったら実戦で戦死することになる。戦場では状況は選べないぞ。」
「だな。アムロ・レイやアスノ家だってそうして来たからな。」
「まぁまぁ晋三さん。ご子息に無理させるのはよくないですよ。」
2人が会話してる処に割り込んでくる3組の中年夫婦と2人の少年に英次が声を掛ける。
「って鷲尾のおじさん達!それに鉄男君も!」
「英次兄ちゃん!こんにちは。今日も訓練?」
彼らは鷲尾、乃木、三ノ輪家の当主とその婦人。そして二人の少年は三ノ輪鉄男と弟の金太郎。金太郎は2年前に生まれ今年で0歳になる。鉄男にはかつて銀という姉がおり、乃木園子と共に勇者のお役目に就いていたが2年前に死亡している。葬儀は大赦の元、盛大に執り行われたが葬儀に参列した大赦の神官の大人達は悲しみに暮れる処か英霊になって羨ましいだの三ノ輪家は大赦から法外な援助を受けられて誇らしいと、身勝手な事を言ってきた。耐えかねた鉄男は葬儀中叫んだ。しかし、鉄男の叫びは大人達の心に届く事はなく空しく響くだけだった。英次も当時、大赦に技術提供していた晋三に連れられ出席していたが何の泣くどころか無表情だった大人たちに怒りを覚えた。それは晋三も同じだった。その後鷲尾、乃木、三ノ輪家の当主が晋三のもとを訪れ勇者システムに代わる対バーテックス用兵器の開発を持ち掛けた。ここでは晋三の指揮の元、それを開発している。
「そう。戦う為のな。」
「姉ちゃん、天国で見守ってくれてるかな?」
「きっと応援してると思うぜ?」
そう話す英二のもとに宮司の装束を着た一人の青年が話しかけてくる。
「英次君も大変だね。出来れば変わってやりたいよ。」
この青年は三好春信。夏凜の兄である。歪な組織である大赦では数少ない良心的な人間だ。
「違いますよ春信さん。俺がやるって決めたことですから。でも支援してくれたのは―」
「英〈ひで〉くーん!!」
「噂をすれば。」
英次と晋造、春信が話してる所に乃木園子が大慌てで駆け寄ってくる。
「大変大変!!ヴィーちゃんが飛んでるところ見られてる。勇者部のサイトに写真が上がってるのみたの。取られたのは偶然だけど。」
「何ッ!!」
「この件が大赦に知れ渡ったら大変です。上層部には皆さんを快く思わない者たちが大勢います。大赦が本気を出せばこの計画、V2計画どころかこの研究所自体が潰されかねません。」
大赦は神樹を奉っている関係上権限は政府、ひいては内閣総理大臣―引いては政府を遙かに凌ぐ。大赦が総理大臣を国の指導者としてふさわしくないと判断すれば直ぐに交代させられるし、大赦に楯突く者がいれば社会的に潰すこともできる。
「春信君、本部に戻って大赦の動向を探ってくれ。少しでも動きがあったら報告しろ。」
「わかりました。」
春信は2~3人の神官を連れて急いで研究所を後にする。
「おじさん達も大変だね」
「だが計画がここまで軌道に乗ったのは園子ちゃんのおかげだよ。」
「そう。ミノさんが死んで、私も満開して体が動かなくなった。そして勇者部の皆も悲しい思いをして…。」
「そうならない為にもこれを作った。」
英次が続けて言うと上を見上げる。目の前には晋三が開発してるそれがある。
そこには大きさが18メートルもある白で彩られた鋼鉄の巨人が佇んでいる。
「いつ見てもカッコいいロボットだね。」
「だろ?こいつはバーテックスと戦うために作ったマシンだからな。対バーテックス用試作パーソナルトルーパーPT-300X1。名前はヴィランサス。」
ヴィランサスと呼ばれる白い巨人。勇者服を纏ったその白い巨人は晋三が開発した近接戦闘、空中戦を念頭に置いて開発されたパーソナルトルーパーに分類される対バーテックス用人型機動兵器。空中での飛行を可能とする背中から生えた長く伸びたバインダー。胸部ダクトを初め方や前腕部、脚部に露出したスリット上のようなもの。ヴィランサスの操縦は基本操作を担当するメインパイロットと機体のナビゲートから敵の索敵、戦闘指揮や通信を担当するナビゲーターの2名で構成される。
「そして俺がメインパイロットで父さんがサブパイロット。こいつはこの世界の救世主だ。」
「ヴィランサスがバーテックスと戦えるようになったのは鷲尾さん達が持ち込んだ神樹の力を生成、結晶化した物を組み込んだアルラウネドライブのおかげだ。しかも使い手を選ばない。こいつのテストが完了と神樹の結晶を生産の目途が付き次第、量産に移る。そして全国からパイロット志願者を集め勇者に代わる戦闘部隊を編成する。」
「一見バカな事だと承知しているが園子が味わった悲劇を他の娘達に味遭わせたくない。だから貴方方に協力を申し出た。」
「そう、これは私達にとって最後の希望」
英次は心の中で誓った。皆が再び勇者になり絶望するくらいなら自分が戦うと。戦って死んだ三ノ輪銀の悲劇を繰り返さない為にも。残された者たちが悲しまない為にも。この先どんな困難が待ち受けているかわからない。それでも戦うと決めたあの日から。 あの日、自分と自分の街を救ってくれた救世主のように。時に神世紀300年、この物語は一人の少年、高津英次から始まる。
「日曜日、もう終わっちゃったね。」
夕方、友奈と夏凜は帰路に就いていた。今日はソフトボール部の依頼で練習試合の助っ人を頼まれていた。
「明日から学校か。憂鬱よね。ところで友奈宿題終わった?あたしは終わったわよ。」
「えっ!?夏凜ちゃん凄い!あたしなんてまだだよ。」
「あんたねぇ…、ところで友奈。英次の事どう思ってる訳?」
「どうって?うーん英次くんかぁ。英次君何故かあたし達に積極的に関わろうとしないんだよね。でもいざって時にはあたし達を支えてくれるし頼りになるよ?もしかして夏凜ちゃん英次の事好きなの?」
「////バババババ馬鹿言ってんじゃないわよ!!ただ心配なだけよ。あいつ、自分の事あまり話さないじゃない。昔の事とか。」
「確かに。あたしも感じるんだ。英次君、あたし達とは違う気がするんだ。いつも遠くを見ていて。自分だけ別の場所にいる気がするの。」
「あたしと同じね。英次の奴、あたし達に隠し事をしてる気がするのよね。一人で背負い込んで。このままだと消えちゃいそうで…。心配なのよ。」
「だったらあたし達で引き留めようよ。例えどっか行っちゃっても引き留めよう?離れちゃっても追いかけよう!!」
「あんたらしいわね。」
「映画も劇もバッドエンドよりもハッピーエンドがいいでしょ?それに、V2計画だってきっと凄い事だと思うよ?」
「・・・そうね。」
(ここ最近の英次の顔はいつになく真剣だった。もしかしてあいつ、V2計画に関係してる?英次、あんた何しようとしているの?)
「ん?」
友奈は車椅子に乗った少女とそれを押す母親らしき女性とすれ違った瞬間、ふと違和感を覚える。
(何だろう?何か大切なことを忘れてるような。)
「テストお疲れ。」
「疲れたと言いたいところだけど、1時間休めばまだまだいけるよ。」
「いや休め。いざって時に動けないんじゃこっちも困る。それにあの一件依頼、大赦の動向を気にせざるを得なくなった。これからは慎重に行かなければな。」
英次はヴィランサスのコクピットから降りると整備員に告げるが晋三に制止される。
「しかし小―、所長。それではヴィランサスの実戦配備が遅れます。」
「スケジュールは調整するさ。それに・・・。」
「皆さーん。夕飯の用意が出来ましたよー」
二人の会話を遮るように鷲尾家の婦人と使用人の女性数名が夕飯の支度が出来たと告げる。
「な?」
「はぁ。」
「英次、晩飯だぞ!」
「はーい。っと。」
英次は晋造にそう言われるとヴィランサスのコクピットから降り今着ているパイロットスーツから私服に着換えるべく更衣室へ向かう。
「おっ、和食か?」
「ちゃんと肉まであるぞ!」
「わざわざすいませんね鷲尾さん。お越しいただくばかりか食事まで用意していただいて。」
「この計画を提案したのは私達です。これくらいの事はさせてください。」
「デザートに羊羹とぼた餅もありますよ。」
「ってデザートまで和食かい。いい加減ステーキやケーキが恋しくなってきたぜ。」
「ぼやくなぼやくな。こっちの世界が俺達に都合良くしてくれるわけないだろ?でも、なんで和食なんです?」
長身の整備員の男が愚痴るが隣にいた体格のいい同僚が口を挟んでくる。
「私にもわからないんです。なぜこうなってしまうのか?」
「私達には子供がいません。もし子供がいたらハンバーグ作れと駄々こねるでしょうね。」
「・・・。」
「どうした英次。食べないのか?」
「和食を見て思い出したんだ。最近違和感を感じるんだよな。」
「違和感?」
「部室にある写真には人一人分のスペースがあるし、何か・・・というか誰か忘れてる気がするんだよな。」
「ま、そのうち思い出すだろ。」
「ん?」
「人間は忘れていた記憶を些細な事でフラッシュバックのように思い出す事がある。お前もそのうち思い出すさ。だが今は飯を食って休む事に集中しろ。これ以上大赦の連中を敵に回して計画を潰されたくはないからな。」
「うん。」
(俺の記憶を忘れさせているものの正体。お前は何者なんだ?)
英次は晋三に言われながら食事をしながら心の中で呟く。違和感を感じながら。
瀬戸大橋跡地
「ミノさんやっと来られたよ。元気にしてた?」
乃木園子は英霊の碑に訪れていた。三ノ輪銀の墓参りをするためだ。視線の先には崩壊した瀬戸大橋がある。1988年に完成し、本州と四国を道路と鉄道で結ぶ橋として機能していたがバーテックスの侵攻により四国以外は滅亡し今は機能していない。さらにそれに追い打ちをかけるかのように2年前の大災害により橋は崩壊、かつての面影は留めておらず無残な姿を晒しているにすぎず、今園子がいる場所は先祖である乃木若葉をはじめとした歴代勇者達を奉っている。
「イネスのしょうゆ味豆ジェラートのお店、別のお店になってたよ。ホント、時の流れは残酷だよね。」
園子は墓前に花束を供える。
「私、讃州中学の勇者部に入ったんだ。私たちのチームに負けずパワフルなんだよ。」
「それともう一つ話したい事があるんだ。ひで君のお父さんがバーテックスと戦う為の凄いロボットを作ってるんだ。ヒュッケバインって言うロボットを改造したんだって。」
「あ、そうそう。これ焼きそば。ミノさんが教えた通りに作ったんだよ。よかったら食べてね。でこれが私の分、そしてこれがわっしーの分。・・・えっ、わっしー?誰だろわっしーって?」
ーあたしたち、ズッ友だよな?須美、園子ー
(あたし乃木園子。もう一人は三ノ輪銀。通称ミノさん。そしてあなたは鷲尾須美。あたしたちはずっと友達だよ。)
「全部思い出したよ。ねぇ、何で消えちゃうの?もう離れないって約束したじゃない・・・。」
園子は忘れていた記憶を思い出す。自分にとって銀と同じく大切な少女。鷲尾須美と呼ぶ少女を
中断メッセージ
ひなた「私達の出番がないのは余りにも寂しいのでこちらに出させて頂きました。それよりも皆さん、第1話どうでしたか?不定期更新になりますがこれからもよろしくお願いします。」
若葉「しかし驚いたな。まさか300年後に巨大ロボットを作れるようになるなんてな。しかも主人公は男か。」
ひなた「男の子ですか。子孫に手を出すならともかく、もし若葉ちゃんをキズモノすれば・・・。フフフフフフ。」
邪悪なオーラと笑みを浮かべつつ。
若葉「わあぁぁぁ落ち着けひなた!!英次はあの性格なら恋愛は奥手と見える。だから冷静になれ!!」
ひなた「そうでしたすいません。今回は会話パートでしたが次回はいよいよ戦闘開始です。ですので期待して待っていて下さい。」
若葉「高津英次。お前の力、見せて貰うぞ。」