楽しんでってください
戻ってくるとは言ったけどこの出迎えはひどいよねby???
「んあー…さてどうしよっか?」
その場は一言でいうと荒廃した土地。生き物が消え去った土地。死の大地。様々な名称がつけることが出来るが要は荒廃しきった土地でありその中で彼は独り寝そべっていた。
無論周りには建物もなく水平線を見ても何もなかった。木はもちろんビルだろうが山だろうが海だろうが、その先に続いていたのはただまっ平らな土地。
枯れきった土地だけだった。
彼のそばには枯れきった草や女の子が抱いていたであろう熊のようなぬいぐるみが首が取れた状態で転がっていた。
「いやいやまさか、今までめぐってきた世界である意味一番面白かったけどまさかこんなことになって終わってしまうなんて…ね」
口調は愉快そうにだが声色は寂しそうなそんな風にして彼は誰に聞かせるわけでもなく呟く。
この世界がこのようなことになった原因。
答えは単純明快
「人間ってのはやっぱり争いからは離れられないんだろうね…僕たちと同じで」
戦争だった。
この世界は彼が箱庭に来る前に来ていた世界と似ていた。ただ違うとすればその技術力と人種選別主義であった。
それゆえの当然の結果なのか戦争が起こり納め時、敗北、勝利その他もろもろを決める間もなく人類は滅んだ。
その世界にある兵器全てを人類は余すことなく使い滅んだ。
核兵器はもちろん細菌兵器やレ-ザー兵器、果てには彼のいた世界では開発不可能と思われた永久機関までもが戦争に駆り出された。
当たり前だがすべて壊されているが。
とにかく彼にとって戦争はさほど珍しいものでもなかった。
彼自身何度も戦争を体験しそのたび大きな修羅場を潜り抜けてきた。
それゆえの感性であり、あきらめであり落胆もいくらか含まれていた。
では、その落胆はどこから来るものか?
端的に言えば戦争の先である。
彼は戦争の先に常に可能性ある平和を見ていた。この世界には彼の求めるものがない。
それゆえに彼は少々気に入らなかった。
掲げるべき志も何もないまま泥沼化とした戦争が何よりも嫌いで嫌いで仕方がなかった。
「それでも、やっぱり人間の可能性はすごいね~…でも戦争に使ったのはちょっといただけなかったかな?」
まぁこの世界の人間の主義じゃぁ仕方ないよね、と先ほどとは違いイラつきを含みながら言うと彼は立ち上がり軽く周りを見渡す。
さてここで疑問が生じる。
彼はなぜ生きているか、である。
先に記述したと通りこの世界は核兵器やら細菌兵器やらと人体に大変よろしくない物質を使っており通常の人間がいれば一分と持たず死に足るほど猛毒物質が周りには浮遊していた。
それどころかこの世界には空気というものが存在していなかった。
ではなぜ彼は死なないのか。
これもまた単純な話。
彼が人間が死ぬ程度の死因では基本的に死なないだけだった。
力の大部分は彼女に渡したとしても彼の本質たる力は持っているうえあらゆる世界を渡り新たにつけた力を重ねるとはっきり言ってこの程度の障害は難なく突破できるものだった。
故に死なないただそれだけの話だった。
「さてっと…そろそろ次の世界…お?」
彼が声を上げたのは何の不思議でもないことだった。
この空間に存在しないものが降ってきたからである。
「…封筒…かな?」
そう呟き手元に降ってきたこの世界では見たくなった封筒。そして
「……!?」
その封されているシールの紋章と
天之御中主神
己の神名と人名の書かれたことを確認してクスリと笑った。
「そっか…うん。里帰りも悪くないね。可能性がなかったらばれる前にふければいいし」
そう笑いながら言うと丁寧に封を切り中身を取り出しその文章を読む。
『悩み多きし異才を持つ少年少女に告げる。
その才能を試すことを望むのならば、
己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、
我らの”箱庭”に来らたし』
「…………うん?」
その分を読み終えてとたん、彼の足もとに在った感覚がなくなり勢いよく下から風の吹く感覚が伝わる。
周りに三人と一匹の気配を感じながら
「あ~~~…これなんて罰ゲーム?…そんなに怒ってんのかな?白ちゃん…」
上空4000mからのアポなしスカイダイビングに軽い冷や汗を感じながら呼び出されたこの鬱憤は愛すべき駄神にでも発散しようと心に決めた。
かくして呼び出された彼ら
箱庭に未知を求めに来た三人
箱庭に可能性を求めに戻ってきた一人
形や目的は違えど、箱庭に新たな風が吹き始めたことは彼ら自身も
呼び出した本人たちも知らないまま。
そして、箱庭最強の一角とまで言われた者の帰還に気付く者もまた誰一人いないまま
こんなところですね~
おまけ
死の大地→篠田一
なんでさ