『迷宮都市オラリオ』
『ダンジョン』と呼ばれるモンスターが這い出てくる大穴を取り囲むように城壁が築かれた「世界の中心」とも呼ばれる有名な都市で数多くの種族と、千年以上前に天界から我々の住む下界に降りてきた神々が多く暮らしている。
その大穴から生まれ出るモンスターを倒し、その死骸の灰から採取出来る「魔石」やドロップアイテムを金に換金することで生計を立てる者たちを「冒険者」と呼ぶ。
ダンジョンには神々からの恩恵を受けたファミリアの冒険者しか入ることが出来ない。仮にファミリアに入れたとしてもダンジョンの上層では、迷宮の中でも特に弱いモンスターしか発生しないため、取れる魔石も小さいものばかりだ。なので、恩恵を受けたばかりの冒険者の収入はとても低いものとなっているため、適正階層より下に潜ったせいでダンジョンの洗礼を受け、最悪の場合死に至る者もあるのだ。
そんな一時も油断が出来ない迷宮内で『私』は・・・
「何処だここ?」
たった一人の仲間と逸れ、盛大に迷子になっていた。
いっけな〜い!地獄♡地獄♡
私、スーパーアルティメットハイパーキューティーデリシャスグレート筋肉モリモリマッチョエルフの『アレミア・ウアリス・ファーミスト』、ピッチピチの18歳!(身長193
今日は同じファミリアのベル・クラネルくんと一緒にダンジョンデート♡キャピ DE・MO☆たいへ〜ん!魔石採集の効率化の為にベルくんと分かれて行動してたら(デートノイミトハ…)黒塗りの牛さんと曲がり角でごっつんこ!こわぁい顔と大きな声で襲って来ちゃった!私、どーなっちゃうの〜⁉︎
次回、「アレミア、死す」さーて来週もサービス!サービス!
「いい加減鬱陶しいんだよクソ牛野郎が」
「ヴゥモォォォォォ⁉︎」
どうでもいいことを考えながらの追いかけっこにも飽きてきたので走っている途中でいきなり振り返り、ミノタウロスの顔面に渾身の右ストレートを叩き込む。
ミノタウロスは顔を醜く変形させながら地面に倒れる。私はミノタウロスに飛び乗り、馬乗り状態でさらに顔面に拳を連続でぶち込む。
「少しはッ、骨のあるヤツかとッ、思ったけどッ、雑魚雑魚の雑魚ジャンッ!経験値の足しにもならんわクソがッ!!」
「ヴゴッ⁉︎ガッ、グギャ!⁉︎ヴゥモォォォ‼︎⁉︎」
この雑魚クソ牛への文句を連ねながら徹底的に顔面を殴打する。クソ牛を殴るごとに返り血が戦闘服や顔に掛かる。汚ねぇなぁ・・・!
「フンッッ!」
「ヴモッ」ゴシャ
湿った音と無様な断末魔を迷宮内に響かせながらクソ牛の頭蓋がスイカ割りのスイカのように潰れ、頭のないミノタウロスの体が脱力し、灰に変わる。
灰の中を弄りお目当ての魔石を取り出す。ミノタウロスの魔石は上層で取れるゴブリンなどより大きく、色も少し澄んでいる(気がする)。
「ふー、ダンジョンのミノタウロスを倒すのは初めてだけど、なんとかなったな。経験値もそれなりに手に入れただろうし、魔石もゲットでいい事尽くめだな。つか、ここ何処だよ⁉︎ベルのヤツ何処いった⁉︎ はぁ、世話の焼ける団長様だぜ、まったくよぉ」
「あ、あのぉ・・・、ヒィ⁉︎」
クソ牛をぶん殴った感触に浸って、我らが偉大(笑)な団長様の心配をしていると私が走ってきた通路からひょっこりと茶髪のエルフの少女が現れる。どうやらクソ牛の返り血塗れの私の顔を見て怯えているようだ。
「あ、あの!ここにミノタウロスが来ませんでしたか⁉︎遠征帰りの途中でミノタウロスの群れと遭遇して逃がしてしまって!」
彼女の話を聞くに彼女のファミリアの遠征帰りにミノタウロスの群れに遭遇したがミノタウロスがソイツらの強さに恐れをなして逃げ出したらしい。道理でクソ雑魚だった訳だ。
「あー、アイツなら私が始末しといたけど・・・」
「ほ、本当ですか⁉︎他に怪我人などはいましたか⁉︎」
私が知る限り、他にミノタウロスに遭遇した冒険者はいないことを告げるとエルフの少女は「よ、よかったぁ」と疲れた顔をしながら安堵した。そりゃそうか。遠征と言えば短くても一か月は掛かるだろうし、彼女はギルドから遠征を任されるほどの大手ファミリアに所属しているのだろう。真面目そうだし気苦労が絶えないのかな?可哀想に。あっ、そういや
「なぁ、白髪で赤い目をした小柄なヒューマンの冒険者知らね?私の仲間なんだ」
「い、いえ見てません。もしかして!ミノタウロスに襲われて逸れたんですか⁉︎」
「いや、その前に迷宮内で分かれて探索してたんだわ。そんで、ミノタウロスと追いかけっこしてたら見たことないとこまで来ちまったって訳」
「そうなんですね、よかったら一緒に探しましょうか?ここまで話したら見捨てられませんし」
「お、本当か!助かるわぁ! んじゃ、さっそk『ほあああああああああああああああああ‼︎⁉︎』・・・あ?」
「い、今のって・・・!」
「あぁ、私の探し人の声にそっくりだ、悪いが手伝ってくれ」
「はい!急ぎましょう!こっちです!」
エルフの少女に後に続き、叫び声のした方へと駆け出す。彼女は私が思っていたより足が速かった。恐らくレベルは3か4にランクアップする手前ってところだろう。
などと考えながら、彼女に着いていくと金髪のヒューマンの少女と銀髪のウェアウルフの青年がいた。しかし、そこに探していた冒険者の姿はなく、モンスター一体分の灰の山と通路に点々と続く血の跡、呆然とする金髪少女と腹を抱えて下品に笑うウェアウルフしかいない。そこでエルフの少女が口を開く。
「アイズさん!ベートさん!ミノタウロスを仕留めたんですね!」
「あ、レフィーヤ・・・うん、今倒したよ」
「さすがアイズさん!あっ!アイズさん、この辺りで白髪の冒険者を見ませんでしたか⁉︎この方が探していて、先程聞こえた悲鳴が探している冒険者の声に似ていたみたいで、・・・アイズさん?」
「・・・・・・」ドンヨリ
「あ、あのぉ・・・?」
金髪少女『アイズ』は、エルフの少女『レフィーヤ』の問いに対し俯きながらドンヨリしている。レフィーヤはなんかオドオドしだしたし、相変わらずウェアウルフの青年『ベート』とやらは腹が捻れるんじゃないかと思うほど笑っている。
「あー、ちょっといいかい?白髪頭の冒険者を探してるんだが、知らねぇか?」
「あ、その子なら・・・」
「ギャハハ‼︎あのガキ!うちのお姫様に助けられて、牛野郎の血ぃ浴びて真っ赤なトマトになって逃げやがったぁ!ギャハハハハ⁉︎情けなさすぎて笑いが止まんねぇよ!!」
「ちょっとベートさん⁉︎」
ベートの笑い話によれば、ベルも私と同じミノタウロスに襲われたらしい。そこをアイズに助けられて、何故か逃げ出してしまったと。さっきの情け無い叫び声はその声か。あんだけ叫べるんならまだ元気だな。よかったよかった。
「・・・ごめんね。あの子は地上に続く道に走っていったから、多分大丈夫、だと思う」
「す、すみません!ベートさんが失礼なことをっ!本当にすみません!えっと、名前は・・・」
ベルは地上に続く道へ走っていったらしい。返り血塗れで?イカレてんのかアイツ?本当に、ほんっっっとうにっ!世話の焼ける団長だよ!
あ、そういえばまだレフィーヤにもアイズにも自己紹介してなかったな(ベートは・・・どうでもいいか!)
「あぁ、自己紹介がまだだったな同胞よ。私は、ヘスティア・ファミリア所属の『アレミア・ウアリス・ファーミスト』だ。よろしく頼むぜ」
この物語は私が私の仲間と共に仲良くバカ騒ぎしながらオラリオを引っ掻き回す物語ってヤツだ
多分ネ☆
リアルが忙しいので週一から週二程度の投稿になるかもしれません。
気軽にコメントくださると嬉しいです!