鏖殺☆ステゴロエルフちゃん♡   作:Tホシ

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まず、最初に投稿が遅れてしまったことを深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
楽しみにしていた読者の皆様にご納得いただけるように、頑張って制作いたしました。どうぞ宜しくお願いします。


第四話

『アレミア・ウアリス・ファーミスト』の朝は早い。

農村育ちのベルもそれなりに早く起きてくるがそれよりも早く起床している。ファミリアの皆が起きてくる前に自室、リビング、キッチンなどを掃除し、朝の鍛錬を始める。鍛錬といっても今まで戦ってきた『強者』たちのリアルなイメージの幻影の作り出し、その幻影に殴りかかるだけなのだが。極東に泳いで渡り、道場破りをして回った際に会った小柄な老人、女だらけの国家系ファミリアに乗り込んだ時に互いを潰し合って遊んだアマゾネスの団長など、上げればキリがないが彼ら彼女らの幻影と毎朝戦う。勝つ時も多いがたまに負けることもある、その日は凄く機嫌が悪くなる。今日は相手(幻影)を叩きのめせた為、朝からルンルン気分だ。鍛錬を終え、そろそろベルが起きてくる時間になると、軽くシャワーを浴びてベルと共に朝食の用意をする。未だに惰眠を貪る我がファミリアの駄女神を叩き起こし、皆で食卓を囲む。ベルと私はダンジョンに潜る準備、ヘスティアは屋台のバイトの準備をし、ホームの教会を出る。

 

ここまでがヘスティア・ファミリア(暫定)副団長『アレミア・ウアリス・ファーミスト』の朝のルーティーンである。

 

朝霧立ち込めるメインストリートを歩く私とベル。まだ時間的に早朝と呼べる時間だがメインストリートにはチラホラとダンジョンに向かう冒険者の姿や露店の準備を始める商人の姿が見える。夜と比べて朝は人通りも少なく、昨日通った道と本当に同じなのか疑ってしまう。

 

「ふぁ〜あ、クッソねみぃなぁオイ」

「ア、アレミアさん・・・!流石にエルフの女性がそんな言葉遣いはよろしくないんじゃ・・・」

「いいんだよ、別に。誰かに迷惑かけてる訳じゃねぇんだし・・・お?」

「そう、なのかなぁ?・・・ッ⁉︎」

 

ダンジョンに向かう道中、何処からか視線を感じた。ベルも気づいたのか周りをキョロキョロしている。おい、あまり目立つ行動をすんなよ、ほら、露店のオッサンが怪訝な表情でこっち見てんぞ。しかしこの視線、まるでこちらを品定めをされているような嫌な視線だ。だが、殺気を向けられるよりかはマシだな。

 

「ア、アレミアさん・・・、今のって・・・⁉︎」

「気づいてないフリしろ。こう言うのは無視すんのが一番だ」

「で、でもぉ・・・」

「あのぉ、すみません。冒険者さん?」

 

私たちが周りに気を向けていると背後から声をかけられた。まったく気配を感じなかったんだが、コイツ何者だ?とてもじゃないが、冒険者にゃ見えない。ベルも気づかなかったのか、驚きながら勢いよく振り返っている。私たちに話しかけてきたのは『町娘』と言う言葉が似合う薄鈍色の髪をしたウェイトレスの少女だった。恐らく近くの酒場の従業員だろう。いきなり女に話しかけられたからかベルはドギマギしている。本当に女への免疫がねぇなうちの団長くんは。するとウェイトレスの少女は、こちらに手のひらを見せてきた。

 

「これ、落としましたよ?」

「あれ?『魔石』?僕たち、昨日全部換金したよね、アレミアさん?」

「あぁ。だが、こんだけ小さいと換金のとき見落としてたのかもな。ありがとうよ、お嬢ちゃん」

「いえいえ〜、当然のことをしたまでですよ」

 

そう言って愛想のいい笑みを浮かべる少女。少し不思議な感じがするが、多分気のせいだろう。「朝早いんですね!」「えぇ、まぁ、ハハハ・・・」と二人が話しているのを聞いているとベルの腹から空腹を伝える情け無い音が聞こえてくる。

 

「・・・」

「・・・」

「・・・」

 

キョトンとするウェイトレスの少女と赤面するベル。朝飯食ったばっかだろう・・・、もう腹減ってんのかよ。

 

「ふふっ、お腹が空いてらっしゃるんですか?」

「いやぁ、さっき食べてきたんですけどねぇ・・・」

「いくらなんでも早すぎだろお前。ステイタスが成長期なら肉体の方も成長期ってか?」

 

ベルが恥ずかしそうに俯いていると、少女は少し考える素振りを見せると彼女が働いていると思われる酒場にパタパタと入って、程なくして戻ってくると小さなバケットを持って出てきた。そして、そのバケットをベルに差し出してきた。

 

「よかったら、これどうぞ!」

「ええっ⁉︎そんな、悪いですよ!」

「いいんです。このままだと私の良心が傷ついちゃうので!その代わりに、今夜の夕食は是非、私がお世話になっているお店で召し上がってくださいね!」

「なかなかに強かな女だな、お嬢ちゃん・・・」

 

結構強引な店の売り込みだったが、ここオラリオでは普通なのだろうか?さすが『世界の中心』だぜ。この少女の話し方が上手いのか、先ほどまで遠慮がちだったベルが少しずつ打ち解けていく。

 

「じゃあ、今日の夜に伺わせてもらいますね。アレミアさんもそれでいいかな?」

「そうだな。たまには外食もいいかもしれんな、ヘスティアも誘ってくか」

「本当ですか!では、来店を心よりお待ちしておりますね!」

 

そう言うと少女はバケットをベルに手渡し、こちらを見送ってくる。しかし、私たちはまだ自己紹介をしてないことに気づき、ベルと共に少女に向かって言う。

「あ、そういや自己紹介がまだだったよな。私はアレミア・ウアリス・ファーミストってんだ」

「僕はベル・クラネルって言います。貴女の名前は?」

「私は『シル・フローヴァ』です。よろしくお願いしますね。ベルさん、アレミアさん」

 

シルと別れた後私たちはダンジョンに潜り、モンスター共を蹴散らしまくった。エイナの言う通りに浅い階層でゴブリンやコボルトを相手に戦った。ベルはまだモンスターとは言え命を奪うことに抵抗があるのかトドメを刺す瞬間に戸惑いが見られる。私はと言うと、この階層のモンスターは背丈が小さく、私の場合屈まなければ殴れないのでポケットに手を突っ込んでゴブリンやコボルトの蹴り殺している。そんな私の姿を見てベルは「わぁ!スゴイなぁ!」とよそ見をしてゴブリンから一発攻撃を喰らっていた。

バックパックがいっぱいになり、時計も夕刻を示していたので今日は探索を切り上げることにする。ギルドに寄って魔石やドロップアイテムを換金し、ホームへ戻る。ヘスティアもバイトが終わって帰ってきたようで、早速ベルと私のステイタスを更新してもらった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『ベル・クラネル』

 Lv.1

 力:I 82→H 120

耐久:I 13→I 42

器用:I 96→H 139

敏捷:H 172→G 225

魔力:I 0

 

《魔法》

 【】

《スキル》

 【】

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「えっ」

「これはもう、スゴイを通り越して逆に気持ち悪ぃな」

「えぇ⁉︎」

 

やはりベルの『レアスキル』の影響か、ステイタスの伸びが著しいことになっている。これ、ベルに誤魔化し切れるのか怪しくなってきたぞ?そんなヘスティアは少し不機嫌そうだ。

 

「あの・・・神様?これ、書き間違いとかじゃ・・・」

「・・・君はボクが簡単な読み書きも出来ないと思ってるのかい?」

「い、いえ⁉︎そう言うことではなくてっ⁉︎」

 

まぁ、ベルが大好きなヘスティアのことだ、ベルの成長の一端が他所の女にあるのだから、本人にすれば堪ったもんじゃないのだろう。ベルがヘスティアに説明を求めるがヘスティアの機嫌はますます悪くなるばかりだ。

 

「あのー、な、なんでこんなに成長したのかなー、なんて・・・」

「・・・フンッ、知るもんかっ!」

 

ヘスティアはこちらに背を向けてクローゼットへ向かった。ヘスティアはクローゼットから出したコートを羽織り、部屋を出て行こうとする。

 

「おい、どこ行くんだよヘスティア」

「ボクはバイト先の打ち上げがあるから、それに行ってくるよ。君たちもたまには二人で羽を伸ばして、寂しく豪華な食事でもしてくればいいのさ!フンッ!」

 

そう言い残すとヘスティアはホームから出て行ってしまった。結局、ヘスティアを夕食に誘うことが出来ず、ヘスティアには散々な扱いをされたベルはかなりヘコんでいる。

 

「神様・・・誘えなかったね・・・はぁ、僕、また失礼なことしちゃったかなぁ・・・」

「あれはヘスティアが勝手に暴走しただけだからお前が気にすることじゃねぇよ。ステイタスについては・・・、私も分かんねぇ。それより、さっさとシルの店行こうぜ。腹減ったぜ」

「うん、そうだね。神様のことは残念だけど、シルさんを待たせる訳にはいかないよね」

 

とりあえず、ベルと私は今朝の酒場に向かうことにした。記憶を頼りにシルの勤務する店を探しているとベルが「あそこ、だよね?」とある方向を指差して言った。その酒場には『豊穣の女主人』と看板が店先に出ている。チラッと店内を覗くと冒険者と思われる者たちが店内にひしめき合い、客の注文を受けながら忙しそうに走り回っている店員の姿が見えた。どうやらかなり売れている店のようだ。これは当たりの店かもしれない。ベルはと言うと私に続いて店内を見て、店員が女ばかりな為か尻込みしている。こんなんでもハーレム志望なんだよなぁ、コイツ・・・。すると、店内からこちらに駆け寄ってくる人影があった。シルである。

 

「ベルさんっ、アレミアさんっ!」

「・・・こ、こんばんは。やってきました、シルさん」

「おう、飯食いにきたわ」

 

シルは私たちを店内へ招き入れ、店内中に聞こえるように「お客様二名入りまーす!」と声を張り上げた。この店はこんな目立つことすんのかよ。やっぱハズレか?シルの後に続いて店内を進む。ベルはビクビクしながら体を縮こませている。しっかりしろよ、未来の英雄くんよぉ。こっちが恥ずかしいわ。そしてシルは私たちをカウンター席に案内した。さて、何食おうかとメニューに目を向けていると、カウンターから乗り出してきたドワーフの女将と思しき女性が話しかけてきた。

 

「アンタらがシルのお客さんかい?冒険者のくせに可愛らしい顔してるじゃないか!そっちのエルフはいいガタイしてるね!本当にエルフかい?ヒューマンとドワーフのハーフって言われた方がまだ信じられるよ!ハッハッハ!」

「悪いが、私は純度100%のハイパー可愛いエルフちゃんだぜ、女将さんよぉ」

「なんだい、エルフのくせになかなか面白いじゃないか!それに、何でもアタシ達が悲鳴を上げるほどの大食漢なんだそうじゃないか!じゃんじゃん料理出すから、じゃんじゃん金を落としていきなよ!」

 

そんな言葉に驚愕したベルはバッとシルの方を向くと、シルは「・・・えへへ」と誤魔化そうとしている。この女、本当に抜け目がないヤツだ。

 

「その、ミア母さんに沢山振る舞ってあげてって言ったら、尾鰭がついてしまって・・・」

「絶対に故意じゃないですか⁉︎僕たち、大食いなんて出来ませんよ⁉︎ただでさえうちのファミリアは貧乏なんですから!」

「頑張ってくださいね!私のお給金のために!」

「ちゃっかりしてんなぁ、お前」

 

そんな会話を繰り広げながら二人でメニューを手に取り、料理の内容を見る。ほぉ、結構美味そうな料理の数々か並んでいる。値段も見てみると、かなり高額な値段設定となっている。まぁ、素材に拘っているようだし、これぐらいは普通なのだろう。ベルは値段を見て、目玉が飛び出すんじゃないかと言うぐらいに目を見開いている、田舎育ちのベルには刺激が強すぎたようだ。

 

「ア、アレミアさん・・・!この値段は、大丈夫なのかなぁ?足りる?」

「大丈夫だ、ベル。念のため多めに金持ってきてるから、好きなの頼め」

「は、はぃ・・・、あ、ありがとうございます・・・」

 

私はハンバーグと魚料理と酒を、ベルはパスタだけを頼んだ。別に遠慮しなくてもいいのに。料理はすぐに私たちの元に運ばれてきた。早速料理を口に運ぶ。おぉ!香りで分かっていたがすごく美味い‼︎ベルも美味そうにパスタを頬張っている。そこに、シルがエプロンを揺らしながらやってきてベルの隣に座った。仕事はどうすんだよ。

 

「お二人とも、楽しんでいますか?」

「・・・圧倒されてます」

「飯は美味いな。うん、当たりの店だって思ったわ」

 

ベルとシルが仲良くお話をしている中、私は料理を口に運びながら、店内を、特に店員を観察する。よく観察すると、あることに気づいた。店員の動きが良すぎるのだ、恐らくカタギの人間ではないだろう。特に強いと思うのはヒューマンのウェイトレスと黒髪のキャットピープルのウェイトレスと薄緑の髪のエルフだ。恐らくこの三人のレベルは4ぐらいだろう。少し殺気を飛ばしてみると面白いぐらい反応している。負けじと三人も殺気を飛ばしてくる。いいな、コイツら(・・・・・・・・)

 

「アレミアさん?どうかしました?」

「あ?あぁ、この店、かなり気に入ったなぁ、と思ってよ。結構楽しめそうだ」

「本当ですか!それは良かったです!今後ともご贔屓にお願いしますね!」

 

そんな会話をしていると入り口の方から茶髪のキャットピープルが「ご予約のお客様ニャー!」と声を張り上げる。私とベルが振り向くと入り口から色々な種族の集団が入ってきた。見ただけで只者ではないと私の直感が告げる。その集団の中にいくつか見知った顔があった。ベルも気づいたのかその方向を向いたまま停止している。ベルが見つめているのは、『アイズ・ヴァレンシュタイン』。『ロキ・ファミリア』の幹部だ(エイナから色々聞いた)。周りの客がコソコソとロキ・ファミリアのことを噂している。

 

「あれ?ベルさーん?どうしたんですか?大丈夫ですか?」

「あー、別に気にしなくてもいいぞ、シル。ただの発作だ」

「は、はぁ・・・?」

 

こんな状況でも、ベルはロキ・ファミリアから、いや、アイズ・ヴァレンシュタインから目と耳が離せないらしい。私もハンバーグを頬張りながら、一団の会話に耳を傾ける。

 

「よっしゃあ!ダンジョン遠征ごくろうさん皆!今日は宴や!飲めぇ!飲めぇ‼︎」

一人の人物・・・いや、恐らく神物が音頭を取り、ファミリアの者たちが騒ぎ出した。ジョッキをぶつけ合い、料理や酒を豪快に口に放り込んでいく。ファミリアの、恐らく団長と首脳陣と思われる人物は見た感じかなり強そうだ。他のヤツらも皆、レベルが高いようだ。しかし、あの緑髪のエルフ・・・いや、ハイエルフか?どっかで見たことある気がすんだけど・・・あ、あいつか。

 

「おい、アイズ!お前、あの話してやれよ!」

「・・・あの話?」

 

しばらく考えに耽っているとダンジョンで大笑いをしていたベートとか言った獣人の青年がアイズに話を振った。

 

「あれだって!帰る途中で逃げ出してったミノタウロス共!最後の一匹をお前が始末した時に居ただろ!あのトマト野郎!」

 

ベルの動きが完全に停止した。ベートが言っているのは確実にベルのことだ。酒の勢いのせいか、ベートの口は止まらない。

 

「ミノタウロスって襲いかかってきたのを返り討ちにしたら、すぐ集団で逃げ出してったやつ?」

「それだよ、それ!奇跡みてぇにどんどん上っていきやがって、こっちは帰りの途中で疲れてたってのによぉ!」

 

なるほど、あの時はベルが迷子で焦っていた為、レフィーヤから詳しく概要を聞かなかったので何があったのか分からなかったがそんなことがあったのか。ベルはいまだに固まったままだ。

 

「それでよ、ククッ、いたんだよ!いかにも駆け出しって言うようなひょろひょろのガキと馬鹿みたいにデカいエルフが!」

 

やっぱり、私たちじゃねぇか。あ、ベルがプルプル震えて来やがった。シルもベルの様子を見て只事ではないと気づいたようだ。

 

「ふーん?その冒険者どうなったん?たすかったんか?」

「アイズが間一髪ってとこで牛野郎を細切れにしたんだよ!そんで、あのガキ・・・っ、くっせー牛の血浴びて、真っ赤なトマト野郎になっちまったんだよ!クククッ、アイズ、あれ、狙ってやったんだよな⁉︎頼むから、そう言ってくれっ!」

「うわぁ・・・」

「・・・そんなことないです」

 

ベートは目に涙を溜めながら笑いを堪えている。他のメンバーは失笑したり、ベートと同じく笑いを堪えているようだ。一人が死にそうだったというのにこの態度はなんなんだろうか。

 

「しかもだぜ?ぶくくっ!うちのお姫様、助けたあのガキににげられてやんの!」

「くっ・・・!」

「あははは!そりゃ傑作やぁ!冒険者怖がらせてまうアイズたんマジ萌えー!」

「ふ、ふふっ!ご、ごめんなさい、アイズっ!流石に我慢できないっ!」

「・・・」

 

なんか、ムカついてきたわ。このファミリアの連中はみんなこんなんなのかよ?ベルは俯いてしまってここからではその表情は伺い知らない、

 

「しかしまぁ、久々にあんな情けねぇヤツを見ちまって胸糞悪くなったなぉ。ああいうヤツがいるから

俺達の品位が下がるって言うかよぉ・・・」

「そのうるさい口を閉じろ、ベート。逃したのは我々の不手際だ。その冒険者に謝罪することはあれ、酒の肴にする権利などない。恥を知れ」

「おーおー、流石、誇り高いこって。だがよ、ゴミをゴミって言って何が悪いんだ?あ?」

「やめぇ、ベートもリヴェリアも。酒が不味くなるわ」

 

何人かのまともなメンバーが止めに入るがベートの口は止まらない。

 

「アイズはどう思うよ?あれが俺達と同じ冒険者を名乗ってんだぜ?」

「・・・あの状況じゃ、しょうがなかったと、思います」

「チッ・・・じゃあ質問を変えるぜ、あのガキと俺、ツガイにするならどっちだ?」

「・・・ベート、キミ、酔ってるのかい?」

「うるせぇ!ほら、選べよ。お前はどっちの雄を選ぶんだ?」

 

なんか話が明後日の方向に進んでいる気がするんだが、あの変態なに考えたんだ?

 

「私は・・・そんなこと言うベートさんとだけはごめんです」

「無様だな」

「黙れババァ!じゃあ何か?お前はあのガキの好意を全て受け入れるってのか?そんなはずねぇよなぁ!自分より弱い雑魚野郎にお前の隣に立つ資格なんてねぇ、他ならないお前が認めねぇ!」

「・・・っ」

 

そしてベートが決定的なトドメをベルに刺す。

 

「雑魚じゃあ、アイズ・ヴァレンシュタインにゃ釣り合わねぇ」

 

その瞬間、ベルは弾かれたように席を立とうとする。そんなベルを私は肩をつかんで引き留める。ベルは今にも決壊してしまいそうな顔でこちらを見ている。

 

「ア・・・アレミア、さんっ、ぼ、僕・・・っ!」

「分かってる。これ、持ってけ」

 

そう言って私は先日、エイナから言われて渋々買った短刀をベルに渡す。カバンの中に放り込んでおいて良かったぜ。

 

「・・・ありがとう」

「おう、行ってこい。あとは任せろ」

 

そう言ってベルは走って店を飛び出していった。一部始終を見ていたシルは急いで「ベルさん⁉︎」といいベルを追いかけるが間に合わなかったようだ。周りの客やロキ・ファミリアの連中は「食い逃げか?」と少し騒いだが、直ぐに興味が失せたのかまた食事に戻っている。

 

「はぁ、まったく。世話のかかる団長だぜ・・・」

 

独り言を呟きながらグラスに残った酒を一気に煽る。すると、ロキ・ファミリアのいるテーブルの方から二人の女性が歩いてきた。一人は先程、彼らの話題にも上がったアイズ・ヴァレンシュタイン。そして、もう一人。そちらはアイズよりかはよく知った顔だった。

 

「お久しぶりです、アレミア姉様(・・・・・・)

「おう、久しぶりだなぁ、リヴェリア」




中途半端で本当にごめんなさい!

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