転生者がトレーナーとしててえてえを拝みたい話 作:Siranui
リーグ オブ ヒーローズの準備はどうでしょうか? それぞれ自分のペースで頑張りましょうね
05/04 追記
VISP様、リア10爆発46様、誤字脱字報告ありがとうございました。
05/05 追記
琥珀石様 誤字脱字報告ありがとうございます。
漢字間違い、読み辛い所の修正の細かい所まで本当に助かります
さて時間は夜になったのだが参った事がある。 俺の担当から見て分かると思うがブルボンは逃げ、ライスは先行策だ。 そして協力してくれているタキオンも先行、カフェが差しだ。
ジュニアメイクデビュー前の娘達も大体は先行・差しが大半で追い込みを選ぶ娘は少ないのだ。 他のトレーナーも言っていると思うが追い込みは最後に全員を追い抜く走法で相当の実力差があるか、バ群に囲まれるのを嫌う娘でも無ければ選ばない走法だ。
勝率が安定しない、確かに前を走る娘達が横に広がってしまうと抜け出すのは難しい。 それ故に前方に付ける先行、それが苦手ならば差しを選ぶ事を勧めるトレーナーが多いのだ。
となると参考になる育成方針や教本等は先行・差しが最も多くなり、次いで逃げ、最後に追い込みとなる。 過去の経験や覚えている知識からだけでは適切な助言は出来ないだろう。
「と、なると……まあやっぱり先人、専門家に聞くしかないよなあ……」
映像を見返して思いつくところは色々とある。 だがどれも基礎の基礎、後は足に対する事だけだ。 もっともっと深い助言となると知識量が足りない。 勉強しようにもその根幹になる教本が少ないのじゃどうしようもない。
ネットや図書館で付け焼刃であろうが蔵書を読み、ゼンノロブロイにも協力して貰ったが……それでも自分自身納得できるものが出来ていない。
「明日連絡してみるかな……尤も、片方は出てくれるか分からないし、もう片方はそれ相応の対価が必要だが……これも頼られた大人のやるべき事だな」
外はもう真っ暗であり、月明かりが優しく校舎やターフを照らしている……さて、もう少し頑張ろうか。
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などと昨日の夜に考えていた事を思い出し全力で現実逃避をしていた。 なんでかって? いやいや奥様、それでしたら現状を説明しましょうか。
右手を御覧下さい、深緑色の勝負服を纏った皇帝陛下がスタッフの方々と最終調整をしていらっしゃいます。 視線に気付いたのか軽く微笑みながら緊張しているのかい? と聞いてくれます。
イエダイジョウブデス、シカシ ナゼオレハココニイルンデショウカ?
ぎこちなく返事をしていると左側より肩を少しだけ強く叩かれます。 叩く……というか、気合を入れさせる為や激励の様な平手打ちというのでしょうか。 振り向くとこれまた同じく彼女らしい勝負服姿のエアグルーヴが今更怖気づくなたわけが と少し呆れた様なそれでも立て直せ と言わんばかりにやれやれと手を叩いておられます。
アッ、ハイ スミマセン。 キアイ・イレテ・イキマス……うん、これ以上はみっともないから少し落ち着こう。
さてそれではお客様、正面を御覧下さい……ええ、緞帳が下りております。 その奥からはなにやら何人もの生徒が居るようなザワザワとした声が聞こえて来ます……つまりこちら側はステージ上であり、これからなにか演し物でも行なわれるみたいですね。 中央に立ってるのが俺で無ければとても楽しそうなことが起こりそうですね。
もう現実逃避は止めよう、ブルボン達の為にうまぴょい伝説の見本をステージ上でライブを行う。 その為に生徒会に野外ステージ使用許可証を出して申請したし、昨日長距離を走ったブルボン達の休息には丁度いいと思っていたんだ。
身内だけでやるつもりだった練習が、なにをどう間違えたのか何処からそうなったのか分からないのだが、いつの間にか見学無料の生徒会総出のライブになってしまったのだ。
いや、それだけならばまだいい。 元々ブルボン達にうまぴょい伝説の踊り方を一通り見せようとしていたのだし、ビデオ等の映像だとイマイチ臨場感が無いだろうと思って野外ステージを借りて実際に踊り方を見せようとしたのだから結果的にはオーライなのだ。
ただそこで致命的な悪魔合体が発生してしまい、生徒会二人が横を固め、中央俺! になってるのが問題なのだ。 いや待ってくれ、そこはルドルフでいいじゃんなんで俺なんだよブライアンや他の生徒は?
ブライアンはカメラと照明器具の操作やライブの曲周りの指揮をしてるから無理? いや他にも…… え、もう決まってる事で理事長にも許可は貰っているし、なんならトレーナーが何処までウマ娘達の事を知り、寄り添ってくれているのかを示す好機だとして宣伝した??
なんて事だ、もう助からないぞ。
ええい、高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変に対応せよ。 どちらにしろステージに立ったらキラキラの最前線、トレーナーという役職では無く演者と言うエンターテイナーだ。 目の前に集まった生徒達、それに共に踊るルドルフ達に迷惑を掛けない為にも全力で踊り切ってみせよう。
意識を切り替え、隣に立つ二人の手を握る……左を見るとルドルフが頷き握った手を軽く握り返す。 反対に振り向くとエアグルーヴが少し安心したように何かを呟く。 まあ口動きからしてたわけ だろうが……
前奏が始まり緞帳が上がる。 野外ステージの客席はほぼ満員だが、ブルボン達が座る位置は直ぐに分かった。 うーん……良し、じゃああの部分でファンサの仕方もちゃんとやっておこう。
位置について よーい ドン!
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「お疲れ様、流石に貴方でも疲れたかな?」
「お疲れ様、まああれだけ盛り上がってくれたのなら本望だよ。 疲れたと言っても心地よい疲労 と言うのかな? これをレース後に踊るってのは正直俺には無理だけどね」
「だがアンコールを含めて3曲も踊り切るのは流石と言わざるを得ないよ。 理事長が許可を出したのも頷ける。 適材適所、今回のライブ目的も見事達成したのだから感謝しているよ」
「winning the soulの振り付けはブルボンが踊る方だから覚えていて当然だけど、彩 Phantasiaは担当バがティアラ路線を走る予定が無い場合うろ覚えだとかアンコールで流す曲じゃないと思わないか?」
「貴方なら踊れると信じていただけだ。 今度機会があったら他の曲も如何かな?」
ライブ終了後、休憩だと休んでいたところにルドルフがペットボトルを両手に持ち隣に座ったと思ったら片方を差し出される。 一口飲み喉を潤すと今日の事を振り返る。 うまぴょい伝説は面白半分、興味半分で見に来ていた生徒達が途中から曲に合わせてくちずさんだり、ライブ映像の見よう見まねかそれとも振り付けを覚えているのか、ペンライトは流石に持っていなかったが手を振ってくれるのは踊っていて良く分かった。
やはりライブは良い……次は是非とも俺抜きで踊って欲しいものである。 客席で一緒にペンライトを振っていた方が相性的には良いと思うのだが、ルドルフは冗談か本気か分からない態度で次を誘って来る。
「マスター」
「やあブルボン、お疲れ様」
「マスターもお疲れ様でした。 あの様にステータス『高揚』を感じるのは子供の頃に見たダービーの時か、自分自身で三冠を達成した時以来だと思います。 それほどマスター達のライブは心を打つものがありました」
「褒めてくれるのは嬉しいけど……そりゃ周囲の人や隣のルドルフ達がすごいのであって俺は必死に合わせてただけだよ」
「それでも、私の心にマスターの歌は響きました。 また何時か機会がありましたら聞きたいと思います」
我が意を得たり と腕組みしたルドルフが胸を揺らす。 まあ次回はこんなに大掛かりな事は無いだろう……ないよね? ブルボン一人ならカラオケとかでも十分だろうから今度はそっちにしよう。
「そして必ず今年末、うまぴょい伝説をステージ上からマスターへ届けます。 必ずです」
「あははっ、まだ気が早い話だよブルボン。 だが……ありがとう、楽しみにしているよ」
「はい、楽しみにしていて下さい。 誰が相手であろうとも必ず勝ちますので」
うん? 何故その宣言の時に視線が俺から外れて隣に移動するんですか?? 有マで無くその後のURAファイナルズだから実力者が出てくるのは分かる。 だが何故わざわざルドルフにそれを言う必要があるんだ?
あとルドルフさん、とても楽しそうにほぉ……って口元に笑みを浮かべて受けて立つと言わんばかりにブルボンからの目線を正面から受け止めるのは良いんですがパリパリしてません? 流石に俺雷みたいな電圧受けたら真っ黒こげになっちゃうよ?
どうしてこうなった
「あっはは、相変わらず楽しそうな事をやってるねミスター?」
次回は別視点予定です(アドマイヤベガ)