全員が体操服に着替えてグラウンドに集合するとブラド先生の説明が始まった。
ブラド『これよりお前達には個性把握テストを受けてもらう。』
ブラド先生の言葉に生徒全員が動揺し、ざわざわしていた。
拳藤『あのブラド先生、個性把握テストって一体?』
ブラド『簡単に言えば中学時代、みんな個性なしのスポーツテストをした事があるだろう。それを個性を使ってするというものだ。種目は全部で8種類。勿論手抜きなどせず全力で、そして1秒でも速く、1mでも長くという雄英高校の校訓でもあるPlus Ultra(プルス ウルトラ=更に 向こうへ)の精神で挑んでくれ。』
小森『個性ありのスポーツテストなんて面白そうノコ。』
鉄哲『うぉぉぉっ!燃えてきたぜ!!』
みんなが盛り上がっている中、僕は少し複雑な表情をしていた。
茨『明、どうかしましたか?』
明『うん。楽しみ半分、不安半分って感じかな。』
茨『それはどういう意味ですか?』
明『僕中学の時、個性のせいでスポーツテストやらせてもらえなかったでしょ、だから楽しみなんだ。』
茨『そういえば、界王拳無しでも凄い記録出してましたよね。』
明『うん。あと、これからテストをすれば、確実に僕が特別推薦枠だってバレる気がしてね。』
茨『なるほど。』
明『まぁ、特別推薦枠の事はもう諦めてるけどね。』
ブラド『それでは早速始めていくから全員アップをしておいてくれ。』
第1種目 50m走
ブラド『位置に付いて、ヨーイ…スタート!』
それぞれ個性を駆使して好タイムを出していた人もいたし、走るのには不向きな個性の人は普通に走っていた。中でも宍田君が体を獣のような姿に変えてここまでで1番の記録を出していた。
今まで取蔭さんまで出席番号順に測定していたので、次は僕の番だと思い、僕はコースに向かおうとした。しかし…
ブラド『次、吹出と骨抜。』
何故か僕は飛ばされ、僕の次の吹出君と骨抜君が呼ばれた。
吹出『あれ、ブラド先生、出席番号順じゃないんですか?』
ブラド『ああ、申し訳ないが野沢には全種目最後にやってもらう。』
ブラド先生のその言葉を聞いて、みんなが僕に注目した。
『まさか、あいつが特別なのか?』
『でも見た感じ異形型ではないよな。一体どんな個性なんだ?』
茨『明…』
明『うん。確実にバレたね。』
骨抜『明、やっぱりお前だったか。』
明『ゴメン。詳しい事は終わったら話すから。』
茨『それにしても、ブラド先生もあんな事言えばバレるに決まっていますのに。』
骨抜『ブラド先生は初めから隠す気がないようだったな。じゃ、行ってくるぜ。』
その後、僕以外の20人のテストが無事に終了した。
ブラド『よし。じゃあ最後野沢、準備してくれ。』
ようやく僕の番が来たので、僕はスタート位置に向かおうとすると
茨『あっ、待ってください明、チョーカーを忘れていますよ。』
明『おっとそうだった《アンテ!》茨、預かっといて。』
僕は外したチョーカーを茨に預けた。
小森『ねぇ茨、なんであいつチョーカー外したノコ?』
茨『これを付けていると全力が出せないからです。』
小森『?』
僕は元の重力に慣れる為に屈伸やその場駆け足などをして体を慣らした。そして…
明『ブラド先生、2倍でいいですか。』
ブラド『3倍はまだ使えんか。』
明『すいません。試験後も修行は続けているんですが、未だに3倍はコントロール出来なくて。』
ブラド先生『そうか分かった。なら2倍で頼む。』
『2倍3倍って何言ってるんだあいつ?』
『さぁ?』
骨抜『出るぞ、明の《アレ》が。』
取蔭『みんな見たらビックリするだろなぁ。』
僕はスタート位置に付いて軽く深呼吸をした。そして…
明『界王拳2倍!』
界王拳2倍を使った。おなじみの赤いオーラが体中に出現した。
庄田『な、なんだあれ!?』
鉄哲『ス、スゲェ!?』
宍田『明氏の体から赤いオーラが発生していますぞ。』
小森『茨、あれは一体何ノコ?』
茨『あれは界王拳という技です。』
茨の界王拳という言葉にみんなが反応した。
拳藤『界王拳?界王拳ってドラゴンボールで悟空が使ったあの界王拳?』
茨『はい、そうです。』
鎌切『界王拳使えるなんて、一体どんな個性なんだよ。』
柳『ねぇ切奈、あなた驚いてないようだけど、知ってたの?』
取蔭『うん。私と明と骨抜は推薦入学なの。で、推薦入試の個性披露って試験で見たから知ってるわけ。』
みんながそんな話をしている中、僕はスタート位置に付いた。
ブラド『では行くぞ。位置に付いて、ヨーイ…スタート!』
合図と同時に僕は50mを一気に駆け抜けた。
《キュイーン!!》
お馴染みの移動音がグラウンドに木霊した。
角取『Oh!That's amazing!』
吹出『今のキュイーン!て音、本物だ、本物の界王拳だ!』
明『先生何秒でした?』
ブラド『0秒05だ。』
骨抜『速えぇ。』
取蔭『流石界王拳だね。』
タイムを確認しているとみんなが僕の周りに集まってきた。
角取『ハジメマシテ。私角取ポニーとイイマス。アメリカから来マシタ。私Dragon Ballのアニメ大好きデス。ダカラ本物の界王拳見られて感激シマシタ。』
吹出『ボクは吹出漫我。個性柄音に凄く敏感でさ、今の界王拳の《キュイーン!!》て音、生で聞けてスッゲー感動したよ。』
鎌切『おい!お前なんで界王拳が出来るんだ!どういう個性してるんだよ!』
小森『ねぇねぇ、界王拳以外にも使える技あるノコ?』
もう僕への自己紹介やら質問やらで収集がつかなくなっていた。
ブラド『おいお前達、この後もテストはあるんだ、質問なら終わってからにしろ!』
明『みっ、みんな落ち着いて!ちょっと茨助けて。骨抜君と取蔭さんもみんなを止めるの手伝ってよ。』
茨『皆さん、落ち着いて下さい。』
取蔭『みんなストップストップ!』
骨抜『みんな落ち着け、明が困ってるじゃないか。』
先生や茨達の協力もあり、なんとかみんなを鎮める事が出来た。
明『ふぅ。ブラド先生、個性の説明だけするので少しだけ時間を下さい。』
ブラド『わかった。手短に頼むぞ。』
明『ありがとうございます。では改めて、僕の名前は野沢明。名前の明で呼んで下さい。
で、僕の個性ですけど、個性の名前は【孫悟空】簡単に言えばドラゴンボールの悟空の力が使える個性です。ただし、技を使うにはその技に見合った厳しい修行をしなければいけません。』
鎌切『マジかよ。』
鉄哲『もう悟空本人じゃねえか!』
拳藤『ブラド先生、やっぱり明が特別なんですか?』
ブラド『ああそうだ。実は野沢は通常の推薦枠4人とは別の特別推薦枠として入学したんだ。』
骨抜『明、お前特別推薦枠だったのか!?』
取蔭『入試の時から一際スゴイと思ってたけど、まさか特別推薦枠とはねぇ。』
ブラド『それだけじゃない。野沢は既に仮』
明『わぁぁぁぁぁ!!』
仮免の事を話そうとしたブラド先生の口を慌てて塞いで後ろを向いた。
明『(ブラド先生、お願いします。仮免を持ってる事はみんなには秘密にしておいて下さい。)』
ブラド『(そ、それは構わんが、一体どうしてだ?)』
明『(特別扱いされたくないんです。先生も言ってたじゃないですか、特別扱いはしないって。だからお願いします。)』
ブラド『(わ、分かった。お前がそう言うなら黙っておこう。)』
拳藤『あのー、2人共どうしたんですか?』
ブラド『な、なんでもない。気にしないでくれ。』
明『ご、ゴメンね、急に取り乱したりして。』
ブラド『さて、余計な事に時間を食ってしまったから、次からはテンポよくやっていくぞ。』
ブラド先生が次の種目の準備を始めると
物間『君スゴイ個性してるね。僕は物間寧人、よろしく。』
明『こちらこそよろしく。』
僕は差し出された右手を握り握手を交わした。その時物間君が笑ったような気がしたがあまり気にしなかった。
第2種目 握力
ここでも宍田君の記録が目立っていたが、茨もツルを握力計に巻き付けて計測して高記録を出していた。あと物間君が測定前に『ちぇ、スカか。』と言っていたが何だったんだろう?そして最後、僕の番(ちなみにチョーカーはテスト中は外しておく事にした)
【ERROR】
明『ブラド先生、エラーって出たんですけど。』
ブラド『測定不能だ。この握力計は1トンまで計測できるのだが、それ以上とは。』
ちなみに左も【ERROR】だった。
泡瀬『お前やっぱスゲェなぁ。俺は泡瀬洋雪。個性は【溶接】だ。よろしくな。』
回原『俺は回原旋。ところで、50m走の前に言ってた2倍3倍って何だ?』
明『あれは界王拳の倍率だよ。現状1.5倍と2倍が使えてそれ以上だと使った反動で僕もダメージを受けてしまうんだ。』
泡瀬『じゃあもし3倍界王拳を使ったら』
明『全身筋肉痛みたいな状態になって動けなくなる。原作で悟空がベジータ戦で使ってなってたでしょ。あんな状態。』
回原『なるほどなぁ。』
第3種目 立ち幅跳び
立ち幅跳びで特に目立ったのが角取さんだ。彼女は頭の角を飛ばしてその角に乗って空を飛ぶという方法で【測定不能】という記録を出していた。
明『すごいね角取さん。僕の他にも空を飛べる人がいるなんてビックリしたよ。』
角取『ありがとうゴザイマス。あと、私ノ事は“ポニー”と呼んで下サイ。』
明『じゃあ、“ポニーちゃん”でいいかな?』
角取『off courseこれで私達はトモダチです。』
そして最後に僕の番。僕はジャンプすると《舞空術》を使い空中で静止した。
骨抜『当然舞空術を使うよな。』
拳藤『いいなぁ。私も舞空術できたらなぁ。』
明『先生、このまま端っこの方まで行きますか?』
ブラド『野沢、舞空術はどの位の時間使える?』
明『えっと、やった事ないから分からないですけど、舞空術だけなら多分丸1日は出来ると思いますよ。界王拳を併用すれば短くなるでしょうけど。』
ブラド『わかった。お前も【測定不能】にしておく。』
凡戸『スゴーイ。2人目の測定不能だ。』
角取『流石明デス。私タチ空中戦なら最強のコンビになれるカモです。』
明『アハハ、その時はよろしくね。』
取蔭『ねぇ茨、アンタ平気なの?』
茨『平気って、何がですか切奈さん?』
取蔭『何がって、明が他の女子と楽しそうに話してるのに、アンタやきもち焼いたりしないワケ?』
茨『そんな事ですか。そんなの気にするような事ではありません。それに私は明の事を信じていますから。』
取蔭『大した信頼ね。』
柳『幼馴染みの余裕ってヤツかしら。』
第4種目 反復横跳び
ここでは宍田君が他の人より高記録を出していたが特に目立った人はいなかった。僕は通常の横の動きに前後の動きを加えた《多重残像拳》を使いテストに挑んだ。
鱗『スゲェ。明が3人になった!』
小森『分身したノコ?』
明『先生、何回でした?』
ブラド『987回だ。』
明『くっそーっ、1000回いかなかったかぁ。』
鱗『今のスッゲーな。俺は鱗飛竜。中国出身の中国人だ。よろしくな。』
明『よろしく鱗君。それにしても、中国出身なのに日本語上手いね。』
鱗『小学生の頃に日本に引っ越してきたからな。ところで、今のは3人に分身したのか?』
明『違うよ。今のは多重残像拳。移動と停止を超スピードで繰り返して眼に残像を写し出したんだ。初期のドラゴンボールじゃよく使われてた技なんだけど、最近じゃあまり見ないから知らないかな。』
鱗『なるほどな。やっぱスゲェなお前。』
第5種目 ソフトボール投げ
この種目では宍田君の他に柳さんと庄田君が個性を使って高記録を出していた。
明『2人共凄いね。一体どんな個性なの?』
柳『私の個性は“ポルターガイスト”身近にあるものを操ることができるわ。』
庄田『僕の個性は“ツインインパクト”打撃を与えた場所に自分のタイミングでもう一度打撃を発生させる。つまり1度打撃を与えたボールにもう1度打撃を与えたんだ。そして2度目の打撃は1度目の数倍の威力になる。』
明『なるほど。2人共凄い個性だね。』
柳『なに言ってるのよ。私達より明の方がよっぽど凄いじゃない。』
庄田『そうそう。界王拳・舞空術・残像拳、他にも出来る技があるんだろう。』
明『まあね。このテストで全部見せられるか分からないけどね。』
そして僕の番。とりあえず思い付かなかったので界王拳2倍を使い普通に投げる事にした。
明『せーのっ!』
ボールは勢いよく飛んでいった。
ブラド『記録、8590m』
明『1万いかなかったかぁ。』
拳藤『それでも十分凄いよ。』
ブラド『野沢、挑戦は1人2回だ。2回目は別の投げ方でやってみろ。』
明『別の投げ方ですか。』
僕はどうするか考えた。そして
明『分かりました。』
そう言うと僕は思いついた方法を実行するべく、両手で包み込むようにボールを持ち、右下の腰のあたりに構えた。
拳藤『あの構えって、まさか…』
角取『Wow 本物ガ見ラレるんですか。』
吹出『悟空といえばやっぱりこれだよね。』
明『(イメージとしては大きさはボールの直径程に・威力はボールを破壊しないように・ただし勢いはMAXで。)』
頭の中で打つイメージを固定させた。
明『ではいきます!かーめーはーめー波ぁぁっ!』
上空に向かってかめはめ波を打ち出した。
小大『凄い。』
黒色『これぞまさしく本物のかめはめ波。』
明『いっけーっ!』
僕は打てる限界までかめはめ波を打ち続けた。
明『先生、記録は』
ブラド『測定不能だ。』
物間『測定不能ってどういう事ですか?』
ブラド『ボールが大気圏を突破して宇宙に行った。だから測定不能だ。』
鉄哲『やっぱスゲェなぁ明は。』
明『ふーっ。流石に界王拳2倍でのかめはめ波はキツイなぁ。』
僕が一息ついていると2人の生徒が近づいてきた。
小大『私、小大唯、よろしく。』
明『よろしく、小大さん。』
小大『さっきのかめはめ波、凄くカッコよかった。』
明『そう言ってもらえると嬉しいよ。ありがとう。』
黒色『俺は黒色支配、よろしく。』
明『よろしく、黒色君。』
黒色『明、お前こそまさに雄英に現れし孫悟空だ!』
明『な、何だかよく分からないけど、ありがとう。』
〜ちなみに明がかめはめ波を打った頃、1年A組の教室では〜
上鳴『な、なんだ今の光?』
麗日『青山君のレーザーみたいやったね。』
飯田『でも青山君とは全然違う感じがしたぞ。』
切島『みんな外見てみろ、俺たちみたいにテスト受けてる奴らがいるぞ!』
蛙吹『あれは、隣の1年B組の生徒かしら』
葉隠『今はソフトボール投げをやってるみたいだね。』
障子『という事は円の中の生徒が今の光を出したのか?』
轟『(アイツはたしか試験の時にいた孫悟空の個性の奴か。て事は今の光は)』
八百万『(あれは明さん。という事は今の光は)』
轟・八百万『(かめはめ波か/ですか)』
緑谷『一体どんな個性なんだろう?』
というやり取りがあったらしい
第6種目 上体起こし
明『宍田君、悪いけど足押さえてもらえないかな。』
宍田『お安い御用ですぞ。』
明『ありがとう。』
宍田君に足を押さえてもらい挑んだが、さっきのかめはめ波で消耗したせいか、余り記録は伸びなかった。
明『さっきのかめはめ波で消耗しすぎたかなぁ。もっといけるはずなのに。』
宍田『それでもクラスで1位の記録ですぞ明氏。さすがですなぁ。』
第7種目 長座体前屈
この種目では茨が髪の毛のツルを伸ばして、取蔭さんが手を分割させて高記録を出していた。
明『2人共凄い記録出してたね。』
茨『ありがとうございます、明。』
取蔭『流石の明もこの種目で1位取るのは無理なんじゃない。』
取蔭さんの言うとおりだった。長座体前屈では流石の界王拳も何の役にも立たないので普通に挑んで普通の結果が出た。
凡戸『初めて普通の結果が出たね。』
鎌切『今までが凄すぎて逆に新鮮だぜ。』
第8種目 持久走(1500m)
流石にここまでくるとみんな疲れの色が見えてきていたが全員無事に完走した。ここでもやはり宍田君が1着でゴールした。また、茨が女子7人の中でトップでゴールした。
明『スゴいよ茨!女子7人の中でトップだったよ。』
茨『ありがとうございます。毎日一緒にジョギングしてきた甲斐がありました。』
拳藤『茨って見掛けによらず体力あるよね。』
柳『どうやら明と一緒に修行してるみたいね。』
そして最後に僕の持久走。最後だから全力を出そうと頑張ったが、これまでの疲労と2倍界王拳のかめはめ波による消耗が思いの外激しく、1秒台を切るのを目指したが2秒近くかかってしまった。
明『あー疲れた。』
茨『明、お疲れ様でした。』
明『1秒台を狙ってたんだけどね、2倍界王拳のかめはめ波でかなり体力消耗したみたい。今後の課題だよ。』
こうして個性把握テストは無事に終了した。
いかがだったでしょう。その2はできるだけ早く上げる予定です。次回もお楽しみに。あとアンケートを受け付けますので回答お願いします。