明『はぁ。』
僕は今、自分の教室の出入口の扉の前にいる。すぐに教室に入ればいいのだが、正直あまり入りたくない。絶対事件の事は勿論、仮免の事なども含めて根掘り葉掘り聞かれるに決まっているからだ。だからといってこのまま立っているわけにもいかないので、僕は意を決して教室に入る事にした。
明『ただいま。』
一同『明ーーーーーーーー!!!』
教室に入った途端、みんなが僕に詰め寄ってきた。
取蔭『ねぇ明、仮免持ってるって本当なの?』
鎌切『おい明、なんで仮免の事隠してたんだよ!』
小森『ねぇねぇ明、免許証見せてほしいノコ。』
拳藤『明、A組の生徒や先生達は大丈夫なの?』
鉄哲『ヴィランの奴らはどうなったんだ?』
もう初日のテストの時とは比べ物にならないくらいの勢いでみんな聞いてくる。
しかもテストの時は茨の他にブラド先生と骨抜君と取蔭さんがみんなを鎮めてくれたが、今は先生はいないし骨抜君と取蔭さんは聞く側にまわっている為僕と茨の2人だけではとても鎮められない。
明『みんな落ち着いて。ちゃんと順番に話していくから。』
茨『皆さん落ち着いて下さい。明はちゃんと話してくれますから。』
なんとかみんなを鎮めようとするが、とても聞いてくれそうにないので、僕は最後の手段を使う事にした。
明『仕方がない。茨、ちょっと目を閉じてて。』
茨『あ、はい。』
明『太陽拳!』
僕はみんなに向かって太陽拳を放った。
柳『きゃっ、眩しい!』
庄田『なんだこの光?』
円場『おい明、なんで太陽拳使うんだよ!』
明『仕方ないでしょ。こうでもしないとみんな落ち着いてくれないんだから。やれやれ、まさかクラスメイトに太陽拳を使う事になるとは。みんな、誘導するから席についてよね。茨、悪いけど女子のみんなを誘導してあげてくれる。』
茨『分かりました。』
僕と茨はみんなを誘導してそれぞれの席に座らせた。その後みんなの視力が回復したので話を始める事にした。
茨『明、ごめんなさい。バラしてしまいました。』
明『気にしなくていいよ。あの状況じゃどうしようもないからね。そろそろ始めるから、茨も席について。』
茨『はい。』
明『みんな目は大丈夫だね。じゃあ順番に話していくよ。まずは…』
僕は首にかけてあるライセンスカードを外して泡瀬君の机の前に立った。
明『泡瀬君、これ預けるから見終わったら後ろの人にまわしてくれる。』
泡瀬『わかった。』
明『で、たぶん吹出君が最後だと思うから、見終わったら僕に返してね。』
吹出『OK。』
泡瀬『スゲェ。これが本物の仮免の免許証か。』
回原『おい泡瀬、早く後ろにまわせよ!』
小大『泡瀬、見るの長すぎ。』
泡瀬君や後ろの回原君、隣の小大さんは僕のライセンスカードを見て大興奮していた。
明『じゃあまずはA組の生徒と先生の事だけど、生徒の方は軽傷の人は何人かいたそうだけど全員無事だよ。』
凡戸『よかったぁ。』
明『先生の方だけど、A組担任の相澤先生と13号先生が重傷だったらしいけど、仙豆を食べさせたから問題なし。』
鱗『やっぱ仙豆はスゲェなぁ。』
明『次にヴィランね。主犯の2人には逃げられたけど、一緒にいた大柄で脳みそがむき出しのような見た目のヴィランはオールマイトが倒したって。』
角取『流石オールマイトです!』
明『あと、各ゾーンにいた手下のヴィランは他の先生や警察によって全員確保されたって。』
黒色『ただの有象無象の集まりだったか。』
明『ここまでで何か質問ある?』
物間『なぁ明、明はUSJで何してたんだい?』
明『僕は到着後に出入口から1番遠い生徒の気を読んで、山岳ゾーンにいた3人と火災ゾーンにいた1人の生徒を救出したんだ。』
宍田『ヴィランと戦ったのですか?』
明『大した事はしてないよ。山岳ゾーンでは人質を取っていたヴィランの背後に降り立って当て身をくらわせただけだし、火災ゾーンではヴィランに太陽拳をくらわせてその隙にみんなを連れて離脱したからね。』
骨抜『生徒の安全を第一に行動したわけだ。』
明『事件については以上ね。次は仮免の事だけど、まずはみんな、今まで隠していてごめんなさい。』
柳『ねぇ明、どうして仮免持ってる事隠していたの?』
明『僕はみんなと同等の立場で高校生活を送りたかったんだ。ただでさえ特別推薦枠で入学してるのに、仮免を持ってる事まで知られたら、みんなから特別扱いされて、逆に孤立するんじゃないかと思って黙ってたんだ。』
骨抜『なるほど、確かにそうなるかもしれないな。』
明『だからみんな、これからも今までどおり接してほしいんだけど、いいかな?』
鉄哲『当たり前だぜ!それに俺はお前の事を特別だなんて思った事ないぜ。』
拳藤『そうだよ。確かに個性は凄いし仙豆も持ってるけど、私達同じプロヒーローを目指すクラスメイトで、仲間で、友達でしょ。だからこれからもみんなで一緒に頑張っていこうよ!』
明『鉄哲君、拳藤さん。』
拳藤『みんなもいいよね!』
拳藤さんがみんなに同意の返事を求めるとみんなすぐに『うん』『もちろん』『当然だ』と返事を返してくれた。それが本当に嬉しかった。
明『みんなありがとう。あと、茨には僕から内緒にするよう頼んだんだ。だから茨の事を責めないであげてくれるかな。』
取蔭『当たり前じゃない!そんなの当然だよ。』
角取『ソウです。明も茨も大切なMy friendデス。』
凡戸『誰も塩崎の事責めたりしないよ。』
茨『皆さん、本当にありがとうございます。』
明『じゃあ次は仮免の事で聞きたい事があれば質問してくれる。なんでも答えるから。』
その後はヒーロー名を《
話し終えた頃にブラド先生が教室に戻ってきて、明日は臨時休校になり、今日は先生がそれぞれ自宅まで車で送ってくれる事になったのだが
ブラド『野沢、お前は塩崎を連れて舞空術で飛んで帰ってくれ。』
明『えっ、いいんですか?空を飛んで帰っても?』
ブラド『大丈夫だ、問題無い。もしヒーローや警察に見つかったら、仮免と学生証を見せて「学校には許可をもらっている」と伝えてくれ。』
明『わかりました。それじゃあ茨、カバン頼むね。』
僕は自分のカバンを茨に預けると、浮き上がり茨を背中に乗せるために横になった。
茨『それでは明、失礼しますね。』
小森『いいなぁ。私も明の背中に乗って空飛びたいノコ。』
明『雄英の敷地内なら乗せて飛んであげられるよ。いいですよね、先生。』
ブラド『ああ、それなら問題ない。』
小森『やったノコ。明、約束ノコ!』
柳『ねぇ明、私もいいかしら。』
小大『明、私も。』
明『いいよ。今度放課後にでも飛んであげるよ。それじゃみんな、またね。』
茨『皆さん、さようなら。』
拳藤『明、茨、また明後日ね。』
取蔭『2人共、気をつけてな。』
角取『Good byeです。』
こうして僕達は家に帰るために飛び立った。
明『そういえば、茨を背中に乗せてこうして夜空を飛ぶのって初めてだね。』
茨『そういえばそうですね。今まではトレーニングルームの中だけでしたから。』
明『思わぬ形で初体験しちゃったね。』
茨『明、今日は本当にお疲れ様でした。』
明『ありがとう。でも、できればこんな事は2度と起きて欲しくないけどね。』
そんな思いを胸に、僕達は家路を急いだ。
〜何処かのとあるバー〜
???『話が違うじゃないか先生!オールマイトの奴、弱ってるどころか復活してるじゃないか!』
???『復活?それはどういう事だい?』
???『本人がそう言ったんだ。アイツ「野沢少年のおかげで完全復活した」ってなあ。おかげで脳無もあっさりやられちまったし、手下共も全員掴まっちまった。』
???『ほう。ところで誰だい、その「野沢少年」というのは?』
???『知らねぇよそんな奴!それに、妙な事も起こりやがるし。』
???『妙な事?一体何があったんだい。』
???『脳無や黒霧が倒したはずの教師が復活したんだ。2人共かなりの深手を負ってたはずなのにだ!』
???『それは不可解だねぇ。何か変わった事はなかったかい?』
???『途中で2人の教師と生徒が助けに来たんだ。復活したのはそれからだ。生徒の方は赤く光りながら空を飛んでいた。』
???『なるほど。思っていた以上に見通しが甘かったようだ。もっと時間をかけてじっくりと精鋭を集めなければならないね。
後情報も必要だ。特にオールマイトの言った「野沢少年」という人物、そして教師2人が復活した理由。この2つについては徹底的に調べる必要があるね。』
野沢明にヴィランの魔の手が伸びようとしていることを、まだ誰も知らない。
19話いかがだったでしょう。次回からは体育祭編になります。次回もお楽しみに。ご意見・ご感想お待ちしています。