夕方頃、隣に引っ越してきた一家が引っ越し作業を終えて僕の家に挨拶に来た。
「この度隣に引っ越してきました塩崎といいます。よろしくおねがいします。」
『野沢です。こちらこそよろしくおねがいします。』
「この子はうちの一人娘の茨です。茨、ご挨拶しなさい。」
「塩崎茨です。よろしくおねがいします。」
『あらあらかわいいお嬢さんね。よろしくね茨ちゃん。ならうちの息子も紹介しますね。明ぁ、ちょっと来なさい。』
『はーい、なぁにお母さん?』
『こちら今日お隣に引っ越してきた塩崎さん御一家よ。この子がうちの一人息子の明です。』
「はじめまして明くん、今日隣に引っ越してきた塩崎です、よろしくね。この子は娘の茨です。仲良くしてあげてね。」
「塩崎茨です。よろしくおねがいします。」
『野沢明です。よろしくおねがいします。』
話を聞くと塩崎さんは僕と同い年で4月からは僕と同じ小学校に通うそうだ。僕は彼女を一目見たときすぐにその特徴的な髪の毛に目がいった。緑色でトゲトゲがたくさん付いた腰辺りまで伸びる髪の毛を見て、これがあの子の個性なんだろうなぁとすぐに思った。
それから何日かして朝のジョギングを終えて家に帰ってきた時に塩崎さんと顔を合わせた。
『おはよう塩崎さん。』
「おはよう御座います、野沢さん。どちらにいらしてたのですか?」
『朝のジョギングから帰ってきたところだよ』
「ジョギングですか。毎日行ってるのですか?」
『うん。朝の6時から1時間、4歳になってから毎日ね。』
「じゃあもう2年もですか。すごいですね。」
『そんなことないよ。個性を使えるようになるためにはもっともっと修行しないとね。』
「えっ、個性を使えるようになるって、どういうことですか?」
『えっと、話すと長くなるから、朝ごはん食べたら話すから、家に来てくれないかな。』
「わかりました。聞かせて下さい。」
その後、朝食を食べた後家にやってきた塩崎さんに全てを話した。個性のこと、修行のこと、いじめられている事も全て。塩崎さんは僕が話している間黙って話を聞いていてくれた。そして僕が話し終えた後、塩崎さんに質問してみた。
『やっぱり個性が発現しているのに使えないなんて、塩崎さんもおかしいと思うよね。』
「そんなことありません。個性を使えるようにするためにイジメにもめげずに修行する野沢さんを私は尊敬します。」
『そんなふうに言われるとちょっと照れるけど嬉しいな。ありがとう。』
「それに、私は自分の個性が嫌いですし、こんな個性なければと思います。」
『塩崎さんの個性ってその髪の毛だよね。素敵な個性だと思うけど、どこが嫌いなの?』
「私、この髪のトゲのせいで両親や祖父母から頭を撫でられたことがないんです。それによく引っかかるので着替えとか大変なんです。」
『なるほど、個性っていいことばかりじゃないんだね。』
塩崎さんの話を聞いた僕はスッと立ち上がり塩崎さんの横に座り彼女の頭を撫でた。
「だっ、だめですよ野沢さん!手をケガしてしまいますよ!」
『大丈夫だよこんなキズ、いつもやってる修行に比べたら大したことないよ。それに塩崎さん僕のこと尊敬するって言ってくれたでしょ。そんなふうに言われたの初めてだったからとっても嬉しかった。だから僕も塩崎さんの初めてになってあげたいんだ。』
「野沢さん、ありがとうございます。」
塩崎さんの頭を撫でて手のひらは傷だらけになったけど全然気にしなかった。むしろ塩崎さんの髪に血を付けた事を謝ったけど、塩崎さんも全然気にしてないと笑ってくれた。
『ねぇ塩崎さん、塩崎さんの個性のこともっと詳しく聞いてもいいかな?僕もっと塩崎さんとお話したいし、塩崎さんと友達になりたいんだ。』
「もちろんです。私も野沢さんとお話したいですし、野沢さんとお友達になりたいです。」
それから僕達はお昼頃まで話をしていた。塩崎さんの個性のこと、僕がドラゴンボールが大好きなこと、お互いどんなヒーローが好きだとかいろんな話をした。特に塩崎さんの個性の話を聞いて『水と日光を摂っていればすぐに髪が生えるなら、いろんな髪型ができるね』と言ったら塩崎さんは驚いた顔をしていた。そしてもうすぐお昼だから帰ろうとなったとき、
「あの野沢さん、これからは名前で呼んでも構いませんか?」
『もちろん。僕も名字じゃなくて名前で呼んでもいいかな?』
「もちろんです野沢さん、じゃなかった、明さん」
『別にさん付けじゃなくても呼び捨てでいいよ、茨さん。』
「なら私の事も茨と呼んで下さい、明。」
『わかったよ。これからもよろしくね、茨』
「はい!」
こうして僕に初めて友達ができました。
今回は私の一押しの塩崎茨さんとの出会いの話となりました。オリ主の個性は次回少し使用させます。次回もお楽しみに。ご意見・ご感想お待ちしております。