悟空の化身のヒーローアカデミア   作:烈光

21 / 42
前回の投稿から随分時間が空いてしまいました。ごめんなさい。引き続き、体育祭に向けての修行です。どうぞ。


第21話 雄英体育祭に向けて その2

重力を20倍にして日曜日を1日挟んだ月曜、僕は動きづらそうに登校していた。無理もない、土曜の夜倍率を20倍にしてたった1日修行しただけなのだから、そう簡単に20倍の重力を自分の物にできる訳が無い。そのせいで日曜の朝と今朝のジョギングも普段の2/3程度しか走れず、茨に迷惑をかけてしまった。

 

だが時間は待ってくれない。体育祭までの2週間でなんとか20倍の重力を自分の物にして、3倍界王拳を使える体に仕上げないと。だから今まで通り、風呂と寝る時、あと学校での訓練の時以外はチョーカーを付けて生活する予定だ。

 

そして動きづらそうにしながらも、なんとか教室に到着した。

 

明『みんなおはよう。』

 

柳『おはよう明。なんだか動きづらそうにしているけど、どうかしたの?』

 

明『チョーカーの倍率を、今までの10倍から20倍に上げたんだ。』

 

庄田『20倍か。という事は明の体重が75kgだとすると1500kgになるわけだ。すごいな。』

 

宍田『明氏、あまり無理をしてはかえって逆効果ではないですか?』

 

明『それは分かってるよ。でも体育祭では必ず3倍界王拳が必要になると思うんだ。だから体育祭までに20倍の重力を少しでも自分の物にして、長時間3倍界王拳を使える体に仕上げたいんだ。』

 

取蔭『なるほどねぇ。でも宍田の言うとおりあまり無理しちゃダメだよ。修行で頑張りすぎて本番動けないじゃ話にならないからね。』

 

明『大丈夫。修行はいつも茨と一緒だし、もし何かあれば茨が動いてくれる事になってるから。』

 

柳『あらあら、相変わらず仲が良くてウラメシいわねぇ。』

 

と、僕の席の周りの友達は驚いたり、心配したり、からかったりしてきた。僕はそんなやり取りがとても嬉しく、そして楽しかった。

 

一方で…

 

鉄哲『(クソッ!俺も明位に体に負荷をかけて特訓出来れば。)』

 

拳藤『(いいなぁ。私もあのチョーカー付けて修行出来たらなぁ。)』

 

と、鉄哲君と拳藤さんは僕の事を羨ましがっていた。

 

〜昼休み〜

 

この日は鉄哲君と拳藤さんが聞きたい事があるということで、茨を含めた4人でお昼を食べることになった。

 

明『それで2人共、僕に聞きたい事って何?』

 

鉄哲『なぁ、明のチョーカーって、誕生日のプレゼントで明の父さんから貰ったんだったよなぁ。』

 

明『うん、僕が12歳の時にね。父さんが務めてるサポート会社に協力してもらって作ったらしいよ。』

 

拳藤『明のお父さんって、たしかドラゴン・コーポレーションに務めてるんだよね。』

 

明『そうだよ。それがどうかしたの?』

 

鉄哲『なあ明、お前の父さんに俺の分のチョーカー作ってくれるよう頼んでくれないか。』

 

明『えっ!?グラビティ・チョーカーを?』

 

拳藤『明、私からもお願い。私の分のチョーカー作ってくれるよう明のお父さんに頼んでよ。』

 

明『そ、それは別にいいけど…』

 

2人の突然のお願いに僕は少し困惑していた。

 

茨『お二人共、どうしてそんなにグラビティ・チョーカーが欲しいのですか?』

 

拳藤『体育祭で活躍するためにも、私も明のように体に負荷をかけて修行したいんだ。』

 

鉄哲『俺も拳藤と一緒だ。明のような強力な重力の下で体を鍛えたいんだ。』

 

茨『しかし、超重力下での修行は明だから出来る修行であって、お2人には負荷がかかり過ぎて、逆に体を痛める事になるのではないでしょうか。』

 

拳藤『茨の言う事もわかるよ。でも、私も鉄哲も明のように厳しい修行をして強くなりたいんだ!』

 

鉄哲『明頼む!お前の父さんに俺達の分のチョーカー作ってくれるよう頼んでくれよ!』

 

明『わ、わかったよ。帰ったら父さんに話してみるよ。でも2人共、あまり期待しないで待っててよね。』

 

拳藤『ありがとう、明。』

 

鉄哲『頼んだぜ!』

 

こうして僕は父さんに拳藤さんと鉄哲君の分のチョーカーを作ってくれるよう頼む事になったのだった。

 

〜その日の夜〜

 

明『ねぇ父さん、ちょっと話したい事があるんだけど、今時間いいかな?』

 

明父『別に構わないが、何だ急に改まって。もしかして、また学校で事件でも起きたのか?』

 

明『いや、事件じゃないんだけど、実は…』

 

僕は今日学校で拳藤さんと鉄哲君に頼まれた事を話した。

 

明『という訳なんだけど。』

 

明父『なるほど、話は分かった。』

 

明『流石に無理だよね。クラスメイトの為にグラビティ・チョーカーを作るなんて。』

 

明父『いや、そんな事はないぞ。』

 

明『えっ!?本当に?』

 

明父『ああ、ただ条件や制約はあるけどな。』

 

その後父さんは詳しい話をしてくれた。

 

〜翌日〜

 

僕と茨が登校すると早速拳藤さんと鉄哲君が近付いてきた。

 

鉄哲『明、昨日のチョーカーの事、お前の父さんに話してくれたか?』

 

明『うん、ちゃんと話したよ。』

 

拳藤『それで、お父さんはなんて?』

 

明『それが、父さんは廉価版ならすぐに用意できるって言ってたんだけど。』

 

拳藤『廉価版?』

 

鉄哲『廉価版ってどういう事だ?』

 

明『僕のチョーカーは最大100倍の重力が設定出来るんだ。で、廉価版はその10分の1、つまり最大10倍の重力が設定出来るんだけど、それでもいいかな。』

 

拳藤『もちろん!』

 

鉄哲『俺もそれで構わないぜ。』

 

明『わかったよ。ただ、2人に渡す際に条件が出されたんだけど、呑んでくれるかな?』

 

鉄哲『条件?やっぱ金か?』

 

明『お金じゃないよ。父さんも僕のクラスメイト相手に商売する気はないって。』

 

拳藤『それじゃあ、条件って一体?』

 

明『今後の商品開発の参考にしたいから、使って1ヶ月経過したら、使った感想のレポートを提出する。これが父さんの出した条件なんだけど。』

 

拳藤『条件って、それだけでいいの?』

 

明『2人共この条件、呑めそう?』

 

鉄哲『もちろんだ!そんな事でグラビティ・チョーカーが手に入るなら何枚でも書いてやるぜ!』

 

拳藤『私もいいよ。ちゃんとレポート提出するから。』

 

明『じゃあ、父さんにLINE送るね。』

 

その後僕は父さんに廉価版の事や条件の事を了承してくれた事をLINEで送った。送り終えると同時にブラド先生が教室に入ってきたので、続きは昼休みに話す事になった。

 

〜昼休み〜

 

昼休みになると早速拳藤さんと鉄哲君が朝の続きを話してきた。

 

拳藤『ねぇ明、チョーカーはいつ私達の手元に届くの?』

 

明『それが、父さん土曜日は午前中仕事で、その仕事が終わったら持って帰るって言うんだ。』

 

鉄哲『という事は、俺達に届くのは来週の月曜になるのか。』

 

拳藤『せっかくチョーカー貰っても大した時間修行出来ないか。』

 

2人はチョーカーを貰うのが遅くなる事にガッカリしていたので、僕はある提案をした。

 

明『そこでなんだけど、2人共、土曜日学校が終わったら僕の家に泊まりに来ない?』

 

鉄哲『えっ!?』

 

拳藤『明の家に?』

 

明『うん。そうすれば土曜日にチョーカーが渡せるし、そのまま僕の家のトレーニングルームで修行も出来るよ。なんなら日曜の夜も泊まって月曜の朝そのまま学校に登校してもいいよ。』

 

鉄哲『いいのかよ明、お前の家に2泊もして。』

 

明『うん。これは父さんが提案してくれた事だし、母さんもOKしてくれたから問題ないよ。だから遠慮しないで泊まりに来てよ。』

 

鉄哲『そうか。なら遠慮なく泊めさせてもらうぜ。』

 

拳藤『私も行くよ。土日を使ってしっかり修行したいからね。』

 

明『じゃあ決まりだね。茨、土曜と日曜拳藤さんが泊めてもらえるようおじさんとおばさんに頼んでもらえるかな。』

 

茨『分かりました。今日帰ったら頼んでみますね。』

 

鉄哲『お、おい明!お前の家に泊まるのにどうして塩崎が出てくるんだ?』

 

明『ああ、僕の家と茨の家は隣同士なんだよ。』

 

拳藤『えっ!そうだったの?』

 

明『うん。女の子同士だし、拳藤さんは茨の家に泊まった方がいいと思って提案したんだけど、もちろん僕の家にも客間があるから僕の家に泊まってもいいけど、どっちに泊まるかは拳藤さんにまかせるよ。』

 

拳藤『ね、ねぇ茨、私が茨の家に2泊もして、茨や茨のご両親にご迷惑じゃないかな?』

 

茨『そんな事ありませんよ。家は両親2人と私の3人暮らしですから、一佳さん1人増えたからって何も問題ありませんよ。それに野沢家とは家族ぐるみで仲良くしていますから、実質6人家族のようなものですから。』

 

鉄哲『お前ら、本当に仲がいいんだな。』

 

明『まあね。出会ってもう9年の付き合いだからね。』

 

拳藤『それじゃあ茨、泊めさせてもらえるかな。』

 

茨『はい。』

 

こうして、拳藤さんと鉄哲君は土日を使って僕達の家に泊まり掛けで修行する事になった。

 

〜土曜日の放課後〜

 

この日の授業も終わり、僕と茨はいつも通り一緒に帰宅していた。そして予定通り拳藤さんと鉄哲君も2泊する為の鞄を持って僕達の家に向かっていた。拳藤さんに至っては2家族分のお土産まで持って来ていた。ちなみに、茨のご両親も拳藤さんが2泊する事を快く了承してくれた。

 

明『拳藤さん、別にお土産なんてよかったのに…』

 

拳藤『これは家の両親が持たせてくれたんだ。それに私も2泊もするのに手ぶらじゃ失礼だと思ってたからね。だから気にしないで。』

 

鉄哲『おい拳藤、そんな事されたら手ぶらの俺の肩身が狭くなるじゃねえか。』

 

茨『鉄哲さん、そんなに気を使う事ないと思いますよ。』

 

明『そうだよ。僕達まだ子供なんだし、子供らしくしてればいいと思うよ。』

 

鉄哲『そ、そうかぁ。』

 

と、手ぶらな事を気にしている鉄哲君を励ましながら、僕達はそれぞれの家に到着した。

 

明『それじゃあ、夕飯まで修行するから荷物を置いて着替えたらトレーニングルームに来てね。』

 

茨『分かりました。』

 

拳藤『じゃあ、また後でね。』

 

〜明の家〜

 

明『ただいま。』

 

家に帰ると母さんが出迎えてくれた。

 

明母『お帰り、明。』

 

明『母さん、こちら僕のクラスメイトの鉄哲徹鐵君だよ。』

 

鉄哲『は、初めまして、鉄哲徹鐵です。2日間、よろしくお願いします。』

 

明母『いらっしゃい。遠慮しないでいいから、ゆっくりしていってね。』

 

鉄哲『あ、ありがとうございます。』

 

明『母さん、夕飯までみんなで修行してくるから。』

 

明母『わかったわ。時間になったら呼びに行くわね。あと、リビングにお父さんいるから行く前にチョーカー受け取って行くといいわ。』

 

明『わかった。さ、鉄哲君、僕の部屋に案内するよ。』

 

鉄哲『お、お邪魔します。』

 

僕は鉄哲君を自宅に招き入れ、自分の部屋に案内した。

 

鉄哲『うっわー!お前の部屋、ドラゴンボールだらけじゃねえか。』

 

明『まあね。両親の影響もあって、小さい頃からドラゴンボールのアニメや映画をよく見てたからね。』

 

鉄哲『それとお前の母さんすっげー美人じゃねえか。』

 

明『そうかな?他の人と比べた事無いからよくわかんないや。それより、2人を待たせても悪いから早く着替えよう。』

 

鉄哲『おう。』

 

僕達は手早くジャージに着替えてトレーニングルームにむかった。

 

〜一方、茨の家では〜

 

茨『ただいま。』

 

茨父『おお茨、おかえり。』

 

茨『あ、お父さん。彼女が家に2泊するクラスメイトの拳藤一佳さんです。』

 

拳藤『初めまして、拳藤一佳といいます。2日間お世話になります。』

 

茨父『初めまして、茨の父です。よろしく。』

 

拳藤『あ、これ家の両親からです。どうぞ。』

 

茨父『これはこれは、ご丁寧にどうも。』

 

茨『お父さん、お母さんは?』

 

茨父『母さんなら買い物に行っている。もうすぐ帰ってくるだろう。』

 

茨『そうですか。私はこれから明達と一緒に、夕食の時間まで修行してきますので。』

 

茨父『わかった。母さんには伝えておくよ。頑張ってきなさい。』

 

茨『それでは一佳さん、私の部屋にご案内しますね。』

 

拳藤『お邪魔します。』

 

茨は拳藤さんを自室へと案内した。

 

拳藤『へー、ちゃんとキレイに片付けてるんだね。それに観葉植物も置いてるんだ。』

 

茨『一佳さん、私の部屋に興味がお有りのようですが、早く着替えてトレーニングルームに参りましょう。私達は遊びに来た訳ではないのですから。』

 

拳藤『わかってるって。すぐ着替えるからさ。』

 

茨と拳藤さんは話もそこそこに、着替えてトレーニングルームにむかった。

 

〜トレーニングルームにて〜

 

鉄哲『へぇー、結構広いんだな。』

 

拳藤『体育館程じゃないけど、多目的ホールぐらいあるね。』

 

鉄哲『でも器具はそんなにある訳じゃないんだな。』

 

明『器具を使わずに体を動かして鍛えるようにしてるんだ。それに負荷ならチョーカーでかかってるからね。』

 

拳藤さんと鉄哲君は僕のトレーニングルームを見てそれぞれ思い思いの事を口にしていた。

 

明『それじゃあ、これから2人にチョーカーを渡すけど、その前に1つ約束してほしい事があるんだ。』

 

拳藤『約束?』

 

鉄哲『レポートならちゃんと出すぞ。』

 

明『その事じゃないよ。いきなり10倍なんて強力な倍率に設定せず、低い倍率から少しずつ慣れていってほしいんだ。2人共、約束してくれるかな?』

 

拳藤『わかった、約束するよ。』

 

鉄哲『俺も約束するぜ。』

 

明『ありがとう。じゃあチョーカー渡すね。』

 

僕は両手に持っていた赤と白のチョーカーを差し出した。

 

明『2人で相談して、好きな方を取ってよ。』

 

拳藤『鉄哲、私赤でもいい?』

 

鉄哲『いいぜ。じゃあ俺は白だな。』

 

拳藤さんは赤、鉄哲君は白のチョーカーをそれぞれ受け取った。(ちなみに明は黒)

 

明『じゃあまずは音声登録からね。拳藤さんからするから鉄哲君はしばらく黙っててね。拳藤さん、側面にあるボタンを長押ししてみて。』

 

拳藤『側面のボタンって、これだね。』

 

拳藤さんは言われた通りボタンを長押しした。

 

『音声登録ヲ開始シマス。使用者ノ名前ヲ仰ッテクダサイ。』

 

拳藤『拳藤一佳』

 

『拳藤一佳サンノ音声登録ヲ完了シマシタ』

 

明『よし、次は重力倍率の設定だよ。倍率は2倍〜10倍までの9段階調整ができるから、最初は2倍に設定してね。拳藤さん、もう1度ボタンを押して。今度は長押しじゃなくて1回押せばいいから。』

 

拳藤『わかった。』

 

『重力倍率ヲ設定シマス。希望ノ倍率ヲ仰ッテクダサイ』

 

拳藤『2倍』

 

『倍率2倍ニ設定シマシタ』

 

明『これでOKだよ。チョーカーを首にあててロックって言うんだ。そうすればチョーカーが装着されて重力が発生するから。』

 

拳藤『こうだね、ロック。』

 

すると拳藤さんの首にチョーカーが装着され、2倍の重力が発生した。

 

拳藤『うわっ!体が重くなった!』

 

明『じゃあ次は鉄哲くんだよ。』

 

その後鉄哲君も音声登録と倍率設定を完了させ、チョーカーを装着した。

 

鉄哲『くーっ!2倍でも結構キツイなぁ。』

 

明『2倍だから自分の体重と同じ重りを背負ってるって感じかな。』

 

2人共2倍の重力に悪戦苦闘していた。

 

茨『それでは皆さん、準備もできましたし、早速修行を始めましょう。』

 

こうして、土日に渡る僕達4人の修行が始まった。                    

 

次回に続く




21話いかがだったでしょう。原作にはっきりした時間軸がないので勝手に設定しました。自分の設定は
木曜に襲撃→金曜・臨時休校→土曜・体育祭まで2週間→2週間後の日曜に体育祭本番 という流れです。2週間なのに1日多いですが、気にしないで下さい。次回も体育祭に向けての修行になります。次回もお楽しみに。ご意見・ご感想お待ちしています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。