騎馬戦が終わり昼休みとなったので、僕達は食堂で食事を取る事にした。
物間『クソッ!もう少しで勝ち残れたはずなのに…』
円場『物間、お前爆豪の事煽りすぎなんだよ。』
回原『そうそう。怒りで我を忘れるどころか、逆に集中力研ぎ澄ませる結果になっちまうし。』
黒色『まさに身から出た錆。やれやれ。』
柳『私達もA組の轟に凍らされて、途中から全く動けなかったよ。』
取蔭『みんなゴメン。私がもっとしっかりしていれば。』
小森『切奈は悪くないノコ。切奈1人の力じゃ限界があるノコ。』
小大『ん。切奈、気にしないで。』
鎌切『結局、B組から最終種目に進んだのは5人か。』
宍田『A組13人、B組5人、普通科とサポート科から1人ずつの20人ですか。』
角取『A組から半分以上モ進まれてシマイマシタ。』
鱗『でも、量より質って言うしな。』
凡戸『質のことを言えば、明なんて超上質だよね。』
明『ちょっと、人の事を年代物のワインみたいに言わないでよ。』
一同『アハハハハ!』
泡瀬『それに、明以外の4人だって、B組の精鋭揃いだぜ。』
骨抜『明と幼馴染みの塩崎、チョーカーを付けて修行した鉄哲と拳藤、そして庄田。なるほど、確かに精鋭だな。』
物間『みんな頼むぞ!君達5人で表彰台を独占して、ヒーロー科1年はA組よりB組の方が優秀だって事を、世界中の人に知らしめてくれ!』
拳藤『アンタまだそんな事言ってんの!』
明『ま、まぁA組B組どうこうはともかく、優勝目指して頑張るよ。』
回原『鉄哲も頑張れよな、応援してるぜ!』
鉄哲『おう!絶対優勝してみせるぜ!!』
取蔭『一佳と茨はB組女子の代表だからね。頑張ってよね。』
柳『一佳、応援してるからね。』
小森『一佳、頑張るノコ!』
拳藤『みんなありがとう。私も優勝目指して頑張る!』
小大『ん。茨、頑張れ。』
角取『茨、応援してマスからね!』
茨『皆さんありがとうございます。私、優勝出来るよう全力を尽くします。』
と、みんなが優勝目指して盛り上がっている中…
吹出『ん?どうした庄田、なんだか元気無さそうな顔してるけど。』
庄田『……みんなゴメン、僕最終種目辞退しようと思うんだ。』
一同『エーーーーーーーーッ!!!?』
突然の庄田君の発言にクラスメイトの数人が驚愕し、大声を出してしまい、そのせいで周りから注目を集めてしまった。
明『み、みんな静かに!他の人だって食事してるんだよ。』
円場『なんで辞退するんだよ!せっかくのチャンスなんだぜ!!』
鎌切『本戦で活躍すれば、プロヒーローの目にも止まるかもしれないんだぞ!』
柳『もしかして、体調悪いの?それとも騎馬戦の時に何処かケガしたとか?』
小森『それなら、早くリカバリーガールのところに行くノコ!』
庄田『いや、ケガや体調の問題じゃないんだ。』
泡瀬『じゃあ、どうして…』
拳藤『みんなSTOP!』
鉄哲『拳藤?』
拳藤『庄田、理由を話してくれる。そうじゃないとみんなも私も納得できないから。』
庄田『うん。実は騎馬戦のチーム決めの途中から、騎馬戦が終わるまでの記憶が全然ないんだ。』
宍田『庄田氏、一体どういう事ですか?』
庄田『多分、僕と組んだ普通科の生徒の個性だと思うんだけど、彼に話しかけられて、返事をした瞬間から騎馬戦終了までの記憶がないんだ。』
鱗『つまり、その普通科の生徒に声をかけられて、返事をしたら庄田はそいつに操られてしまったって事か?』
庄田『多分、そうだと思う。』
泡瀬『あっ!思い出した!!!』
回原『ど、どうしたんだよ泡瀬。いきなり声上げて?』
泡瀬『俺達もだよ。俺達も騎馬戦終盤に普通科の奴に挑発されて、言い返したら頭がボーッとして、気が付いたらハチマキ取られて終わってたんだ。』
骨抜『そういえば、確かそうだったな。』
凡戸『僕も彼に挑発されたの覚えてるよ。』
吹出『僕も。それで言い返したら、騎馬戦終わるまでの記憶がないんだ。』
物間『でも、どうしてそれで最終種目を辞退するんだ?別に出場してもいいじゃないか。』
庄田『明達4人は実力で勝ち残った。明に至ってはハンデがあるにも拘らずわだ。それなのに、実力如何以前に…
黒色『庄田…』
吹出『庄田、考え過ぎじゃないか?』
取蔭『そうだよ。それに庄田と組んだA組の2人も何もしてないんだから気にする事ないと思うよ。』
みんなは庄田君に最終種目に出場してもらおうと説得を続けた。そんな中、僕は庄田君の後ろに立ち、彼の肩を軽く叩いた。
明『庄田君、君がその決断をして後悔しないって言うなら、僕は君の意思を尊重するよ。』
庄田『明……』
明『みんなも、庄田君のしたいようにさせてあげてくれないかな。中途半端な気持ちで戦っても、いい結果なんて出ないと思うしさ。みんな、どうだろう。』
少しの間沈黙が続いた。そして…
拳藤『わかったよ。庄田、私もアンタの意思を尊重するよ。』
鉄哲『俺もだ庄田、お前の分まで戦ってやるぜ!』
茨『私もです、庄田さん。』
その後、他のみんなも納得してくれたようで返事をしてくれた。
明『庄田君、君の思い、僕達4人が引き継ぐよ。』
庄田『明、みんな、ありがとう。』
庄田君は安心したようで少し笑っていた。僕はその笑顔を確認して自分が座っていた席に戻った。そしてふと、庄田君が話した普通科の生徒の個性の事を考えていた。
明『それにしても、人を操る個性か…』
茨『明、もしかして掛かってみたいなんて思ってないですよね?』
明『えっ!?ど、どうしてわかったの?』
茨『はぁ。まったく、この後戦うかもしれないのに、不謹慎な事考えないで下さい!』
明『ご、ゴメン。そんなに怒らないでよ。』
吹出『明、お前の事だ、どうせドラゴンボールの魔道士バビディとベジータの事考えてたんだろ。』
明『ふ、吹出君、どうして分かるの?』
吹出『僕だってドラゴンボールが大好きだからね。明の考えてる事位手に取るように分かるさ。どうせ「自分も支配されて、ベジータみたいに逆らう事が出来るかなぁ」なんて考えてたんだろ。』
明『その通りです。』
角取『明、アレはベジータのとてつもなく高いPrideがあったから逆らえたんですよ。明にそんな高いPrideがあるんですか?』
明『そう言われると、ないです。』
吹出『だろ。そもそもバビディの魔術と普通科の生徒の個性なんて全く別物なんだから、逆らうなんて無理だって。』
角取『ソウデス。明、諦めて下サイ。』
明『は、はい。』
小森『ウ、ウフフ…』
取蔭『アハハハハ!』
僕が怒られている姿を見て、クラスメイトの何人かが笑いだしていた。
明『み、みんな、なんで笑うの?』
泡瀬『だってよ、普段真面目な明がくだらない事考えてこんなに怒られてるんだぜ。』
円場『そうそう。普段とのギャップがスゲェあってメチャメチャおもしれぇじゃねえか。アッハハハハ!』
明『そ、そんなに笑わなくても…』
茨『自業自得ですよ明、反省してください。』
明『はい。』
とまあ、色々あった昼食を終えて、僕達は会場に戻ることにした。会場に戻ると何故か1年A組の女子生徒6人がチアリーダーの格好をしており、みんな不思議がっていた。僕は八百万さんに話を聞いてみる事にした。
明『八百万さん、どうしてそんな格好してるの?』
八百万『明さん、実は…』
話を聞くと上鳴君と同じクラスの峰田という生徒に騙されてしまったそうだ。僕はくだらない事を考えるなぁと少し呆れてしまったが、同時にB組の女子(特に茨)に被害がなくてよかったと少し安堵した。
その後マイク先生の実況で、午後はまずレクリエーションが行われ、その後最終種目の1対1のトーナメントが行われると説明された。なお、ミッドナイト先生からトーナメント出場者はレクリエーションへの参加は自由と説明された。そして先にトーナメントの組み合わせを決めるくじ引きが行われる事になった。
そしてくじ引きが行われる前に、予定通り庄田君となんとA組の尾白君までもがトーナメント出場辞退を申し出た。話を聞くと尾白君も庄田君と似たような理由だった。そしてミッドナイト先生の“好み”という采配で2人の棄権は認められた。
ミッド『では、くじ引きの前にトーナメント表を見てもらうわ!』
ミッドナイト先生がそう言うと巨大モニターにトーナメント表が映し出された。
ミッド『トーナメント出場者が18人という事で、1番と18番がシード枠になっているわ。なので2番・3番・16番・17番に入った人は優勝までに他の人より1試合多い5試合する事になるけど、そこはPlus Ultraの精神で乗り越えてね。あと、試合順は連戦にならないよう考慮するから安心しなさい。』
上鳴『2・3・16・17には入りたくねぇなぁ。』
芦戸『試合数多いもんね。』
瀬呂『そう考えると、1番いいのは18番か。』
麗日『一番最後だから、他の選手の手の内がじっくり見られるよね。』
A組の生徒は皆思い思いの事を口にしていたが、正直僕はどこでも良かった。誰と戦っても楽しい勝負になると思っているからだ。
ミッド『それじゃあくじ引きよ。くじを引く順番は騎馬戦1位のチームの持ちポイントの多い人から引いてもらうわ。という事で、最初は野沢君、引いてちょうだい。』
明『ハイ。』
名前を呼ばれた僕はミッドナイト先生の前に行き、くじを引いた。その後茨達もくじを引いていき、以下の組み合わせになった。
トーナメント前半ブロック
トーナメント後半ブロック
物間『おいおい、何やってんだよ君達!片方のブロックにB組4人共固まっちゃったら、B組だけで表彰台独占出来ないじゃないか!』
回原『お前、まだそんな事言ってるのかよ。』
鱗『くじ引きなんだから仕方ないじゃないか。』
物間君はくじ引きの結果に不満を爆発させており、それをみんながたしなめていた。一方、当事者はというと…
鉄哲『ヨッシャー!明、1回戦絶対勝ち抜いてお前に初訓練のリベンジを果たしてやるからな!』
拳藤『鉄哲、それは私のセリフだよ!明、私も1回戦勝ち抜いて準々決勝で絶対明と勝負するんだからね。だから明も1回戦絶対勝ちなさいよね!』
明『うん、僕も2人と勝負出来るのを楽しみにしているよ。』
鉄哲君も拳藤さんも僕と勝負するのをとても楽しみにしていた。そして僕も2人と勝負するのをが楽しみだった。だがそれよりも僕が気がかりだったのは…
茨『明。』
明『あ、茨。』
茨『明、私必ず勝ち上がって準決勝に進出します。だから明も必ず準決勝まで勝ち上がってくださいね。』
明『う、うん。頑張るよ。』
茨『明と勝負するのを楽しみにしてますから。』
そう言って茨は僕から離れていった。正直頑張るとは言ったものの、茨を目の前にして果たして本当に勝負する事が出来るのかと考えていた。
柳『明…』
僕のまわりに柳さんや小森さん達が集まってきた。
小森『明、本当に茨と勝負するノコ?』
明『うん。正直戦いたくないって気持ちはあるよ。幼馴染で大切な彼女だからね。でも茨が僕と戦う事を望んでいるのに、僕が逃げるわけにはいかないよ。』
小大『明…』
明『だから戦うよ。茨のためにも、そして自分のためにも。』
角取『頑張ッテ下サイ。私明のコトも茨のコトも応援シテマス。』
取蔭『そういえば、トーナメントでの明のハンデってどうなるのかしら?』
明『そういえばそうだね。ミッドナイト先生に聞いてみないと。』
僕はミッドナイト先生にハンデの事を聞いてみる事にした。
ミッド『これにて、トーナメントの組み合わせ抽選会は終了よ。』
明『あの、ミッドナイト先生、質問いいですか?』
ミッド『どうぞ野沢君。そのかわり手短にね。』
明『トーナメントでも界王拳と舞空術は使用禁止なんですか?』
ミッド『ああそうだったわね。明君のハンデだけど、対戦相手に決めてもらう事にするわ。』
明『対戦相手って、どういう事ですか?』
ミッド『例えば、野沢君の最初の対戦相手は鉄哲君か切島君のどちらかよね。試合開始前に対戦相手にハンデが必要かどうか質問して、もし“いる”と答えた場合、かめはめ波・界王拳・舞空術の3つから2つを選んでもらい、明君にはその2つの技の使用を禁止してもらうわ。もし“いらない”と答えた場合、遠慮なく戦って構わないわ。わかったかしら?』
明『はい、分かりました。』
マイク『よーしそれじゃあトーナメントはひとまず置いといてイッツ束の間、楽しく遊ぶぞレクリエーション!』
その後、大玉転がしや借り物競走等のレクリエーションが行われた。トーナメントに出場する選手の殆どはレクリエーションには参加せず、神経を研ぎ澄ます者、緊張を解きほぐそうとする者と様々だった。そして僕もトーナメントに向けて集中力を高めていった。
そして楽しかったレクリエーションも終わり、セメントス先生の手により会場中央にトーナメント用の武舞台が用意された。この後、いよいよ最終種目のトーナメントが開始される!
27話いかがだったでしょう。色々考えた結果、このような組み合わせになりました。前半の9人の準決勝までで原作の決勝爆豪対轟を再現した結果、轟対瀬呂・爆豪対切島を削る事にしました。轟はともかく、爆豪は麗日・切島・常闇戦のどれを削るか悩みました。後半9人はほぼ小説オリジナルの組み合わせです。本当は明対A組メンバーを多くしたかったのですが、あまり原作を荒らさないような組み合わせにするとこのようになりました。せっかくアンケートな答えてもらったのに、申し訳ありません。次回もお楽しみに。ご意見・ご感想お待ちしています。