マイク『BATTLE…START!!!』
合図と同時に僕達は相手に向かって突っ込み、ぶつかりあった。そして互いにパンチやキックを繰り出し、激しい攻防が続いた。そしてしばらく攻防が続いた後、一旦体勢を整える為間合いを取った。
明『ふう、拳藤さんも鉄哲君同様、初訓練の時よりパワーアップしてるね。』
拳藤『私も明を見習って、出来るだけチョーカーを付けて2倍の重力の下で生活してたんだ。修行は大変だったけど、おかげでパワーもスピードも随分アップしたよ。明、アンタには本当に感謝してるよ。』
明『そりゃどうも。父さんもその話を聞いたら喜ぶよ。』
拳藤『でも、それと勝負は別だよ。修行の成果、アンタに全部見せてあげるからね!』
そう言うと拳藤さんは両手を巨大化させその手で地面を叩き、2つの大岩を作り出した。なんと今まで片手でやっていた砕大拳を両手でやってみせたのだ。
拳藤『ダブル砕大拳!』
そしてその2つの岩を僕に向かって投げ飛ばした。が、僕はその岩を簡単に避けてみせた。
明『手数が2つになっても変わらないよ。』
拳藤『ならこれならどう!』
そう言うと今度は両手で地面を何度も叩いて大岩を大量に作り出し、僕に投げつけてきた。
拳藤『砕大拳・乱れ撃ち!』
明『無茶苦茶やるなぁ。』
僕は後ろの観客の事を考えて避けるのではなく飛んできた岩をパンチやキックですべて破壊した。そして全ての岩を粉々にすると拳藤さんは武舞台から姿を消していた。
拳藤『こっちだよ!』
聞こえた声の方を向くと上空に拳藤さんがいた。そして巨大化した両手を組んで僕に向かって振り下ろしてきた。
僕は咄嗟にガードしたが、その威力は凄まじく、僕の立っていた地面にクレーターが出来る程だった。
拳藤『続けていくよ、景華!』
拳藤さんは着地すると続けざまに初訓練で見せた景華を放ってきた。
明『なら力比べだ、激烈連脚!』
僕も激烈連脚で応戦した。景華と激烈連脚、互いの手と脚がぶつかり合い、物凄い炸裂音が何度も木霊していた。だが拳藤さんは一歩も引かなかった。そして拳藤さんは景華を打ち終えた後、巨大化した左の掌底で僕を突き飛ばした。このパターンは…
拳藤『ならこれはどう、追大拳!』
やはり初訓練で見せた追大拳だ。なら僕も、
明『それなら、龍閃拳!』
僕も今度は龍閃拳で迎え撃った。拳藤さんの右拳と僕の左拳、互いの渾身の一撃がぶつかり合い、先程以上の炸裂音が会場全体に響き渡った。その後僕達は互いに後ろに飛んで間合いをとった。
マイク『す、スゲェ。界王拳なしとはいえ、拳藤の奴、野沢と互角に渡り合ってるぞ!』
相澤『拳藤も鉄哲と同様、体育祭までの間2倍の重力の下で修行したらしいな。それに武道を習ってる為戦闘力も高い。初戦は一瞬で勝負が着いたから分からなかったが、まさかここまでとは。』
会場の観客達は僕達の試合を見て大興奮しており、大きな歓声が鳴り響いていた。
明『さて、体も温まってきたし、そろそろ拳藤さんのお望みの全開でいこうか。』
拳藤『ようやくかい。さあ、鉄哲に見せた3倍界王拳、私にも見せてみな!』
明『なら……界王拳3倍だああっ!』
僕は3倍界王拳を使った。今回は最初から一気に倍率を3倍まで上げて発動した。
拳藤『(す、スゴイ!明の物凄いパワーが体全体に伝わってくる。)』
明『拳藤さん、僕も拳藤さんと同じ戦法で戦わせてもらうよ。』
そう言うと僕は武舞台全体を動き回り、移動と停止を超スピードで繰り返した。そう、この技は…
マイク『なっ!何だ!?野沢の奴が何十人にも見えるぞ!分身したのか?』
相澤『違う、あれは残像拳だ。移動と停止を超スピードで繰り返して俺達の眼に残像を写してるんだ。しかも一度に何人も写し出す多重残像拳だ。』
マイク『ああそうか!初期のドラゴンボールじゃよく使われてたな。』
床田『スゴイ。個性把握テストの時は3人だったけど、こんなに大量に残像を写しだせるのか。』
凡戸『これじゃあどれが本物の明か分かんないよ。』
正直残像拳なんて僕からしたら子供だましの技だ。相手の気を読めば本体の位置なんてすぐ分かるのだから。だが、僕以外で気を読める人なんて亮1人しか僕は知らない。だから気が読めない拳藤さんには効果的な技なのだ。
拳藤『くそっ!どれが本物だ!!』
案の定拳藤さんは本物の僕がわからず、闇雲に残像に攻撃して体力を消耗していた。そしてある程度体力を消耗したところで
明『おーい!拳藤さーん!!』
上空にいた僕は上から拳藤さんに声をかけた。
黒色『明の奴、いつの間に。』
鎌切『あんな所にいやがったのか!』
明『悪いけど、決めさせてもらうよ。
ダダダダダダダダ!』
僕は拳藤さんに向かって連続エネルギー弾を放った。
マイク『野沢の奴、拳藤に気弾のグミ打ちを使いやがったぞ。流石にやり過ぎじゃねえか!?』
相澤『ミッドナイトにきつく言われてるんだ。心配無いだろ。』
そう。僕は拳藤さんに直撃しないように連続エネルギー弾を放っていた。だが、それでも弾が地面に着弾したときの衝撃や爆風で多少なりとも拳藤さんはダメージを負っていた。
拳藤『くっ、くそっ!明の奴!!』
そして僕はある程度エネルギー弾を打ち終えると、3倍界王拳を解除し拳藤さんの正面に躍り出た。
拳藤『なっ!?』
明『はあっ!』
拳藤さんの正面に立つと僕は拳藤さんを上空へ思いっきり蹴り上げた。そして蹴り上げると僕はその場から消え、拳藤さんより先に上空に移動した。
明『ふんっ!』
拳藤『きゃっ!?』
拳藤さんが僕が待っている上空まで到達すると、今度は両手を組んで振り下ろし、拳藤さんを地上に叩き落とした。そして拳藤さんが地上に落ちる前に、僕は先に地上に降り、拳藤さんが落ちてくるのを待った。
明『でやあっ!』
そして最後に僕は拳藤さんが地面に激突する直前、場外の壁にむけて拳藤さんに肘打ちを放った。
拳藤『うわぁ!?』
拳藤さんは勢いよく飛んでいき、壁に激突しそうだった。だが激突する直前、
明『よっと。』
僕は壁の前に先に回り込み、拳藤さんを受け止め壁への激突を回避した。
拳藤『あ、明?』
明『ゴメンね拳藤さん、勝負ありだよ。』
僕がそう言って拳藤さんを下ろして地面に立たせると、
ミッド『拳藤さん場外! 勝者、野沢君!!準決勝進出決定!!!』
ミッドナイト先生によって僕の勝ちが宣言された。
鉄哲『明の奴、今度はメテオスマッシュかよ。』
回原『鉄哲、お前明が使った技知ってるのか?』
鉄哲『ああ。あれはメテオスマッシュって言ってな、ドラゴンボールZの初の格ゲーで悟空が使った技だ。俺も実際プレイしたことはないけど、SNSのプレイ動画を見て知ったんだ。』
吹出『最初は悟空しか使えなかったけど、次回作以降はいろんなキャラが使えるようになって、その後はスマブラなんかのメテオ技の原点となった技なんて言われてるんだよ。』
物間『へぇ。でも、最後壁に激突しそうな拳藤を受け止めてダメージを最小限にするあたりは、明らしいな。』
柳『これで準決勝は轟対爆豪と茨対明のカードに決まったわね。』
小森『茨、明は約束を守ったノコ。』
茨『ハイ。では、私は控え室に向かいますね。』
取蔭『頑張りなよ茨!相手が明だからって遠慮なんかしなくていいからね。おもいっきりやるんだよ。』
宍田『塩崎氏、ご武運を祈りますぞ。』
鉄哲『頑張れよ塩崎。
茨『皆さん応援ありがとうございます。では、行ってきます。』
皆からの応援を胸に、茨は控え室へと向かって行った。
〜リカバリーガールの出張保健所にて〜
試合終了後、僕は拳藤さんを連れてリカバリーガールの所へ向かって拳藤さんを治療してもらった。
明『ゴメン拳藤さん。拳藤さんに大ケガ負わせないよう勝つにはあんな戦い方しか思いつかなくて。』
拳藤『わかってる。それでも消化不良なのは本当だからね。だからこれからもっと修行して、いつかもう一度明に挑戦するからね。』
明『うん。僕もその日を楽しみ待ってるよ。僕ももっともっと腕を上げて。それじゃあリカバリーガール、失礼しますね。』
僕が保健所を出ようとしたその時
明『ぐあっ!』
突然強烈な痛みが体中を駆け巡った。
拳藤『あっ、明!』
RG『お前さん、大丈夫かい?』
明『だ、大丈夫です。どうやら3倍界王拳を使った反動のダメージが出てきたようです。』
鉄哲君、拳藤さんとの2戦で短時間だが3倍界王拳を使った為、遂に使った反動のダメージが出てきたようだ。無理もない。たった2週間で20倍の重力を自分の物に出来る訳がない。だから3倍界王拳を扱える体はまだ出来ていないのだ。
拳藤『明、無理しないで。リカバリーガールに治療してもらった方がいいよ。』
RG『ああそうしな。幸い体力は問題ないようだから、私の個性で治療してあげよう。』
その後僕はリカバリーガールの個性“癒やし”によって治療してもらい、完治まではいかないが体の痛みは柔らいだ。
明『ありがとうございますリカバリーガール。さっきより随分体が楽になりました。』
RG『そうかい、それは良かった。私の個性は患者の体力がないと使えないからね。その点お前さんの仙豆は食べれば傷が治り体力まで回復する。本当に便利な豆だよ。』
拳藤『リカバリーガールも仙豆の事を?』
RG『ええ、知ってるよ。だから今後も半死半生の人を最優先に食べさせてあげなさい。少々の傷なら私が私が治してあげるからね。』
明『はい。それじゃ、失礼しました。』
僕と拳藤さんは保健所を後にした。
RG『本当にスゴイ豆だよ。
僕達が退室した後、リカバリーガールは1人そんな事を言っていた。
明『拳藤さん、僕は準決勝に備えてこのまま控え室に行くよ。皆にそう言っといて。』
拳藤『わかった。でも明、茨相手に戦えるの?幼なじみで恋人なんでしょ。』
明『うん。でも茨が戦う事を望んでるからね。僕も逃げる訳にいかないよ。ただ一緒に修行はしたけど、拳藤さんや鉄哲君みたいに鍛えている訳じゃないからね。』
拳藤『じゃあどうやって戦うの? 茨相手じゃ界王拳なしで攻撃しても絶対大ケガしちゃうよ。』
明『うん。ただ1か所だけ僕がどんなに攻撃しても問題ない場所があるんだ。だからそこを攻める事にするよ。』
拳藤『茨の体にそんな場所があるの?一体どこなの?』
明『それは試合を観てのお楽しみって事で。じゃあね。』
そう言って僕は拳藤さんと別れ控え室へと向かった。
次回、準決勝試合開始!
31話いかがだったでしょう。OJ2とは少し違う拳藤の技やメテオスマッシュの解釈が実際のゲームと違ったりしてますが、大目にみてください。特にメテオスマッシュですが、ゲームでは下に叩き落とされると相手が地面でバウンドするのですが、絶対バウンドしないだろうと思い本編のような解釈になりました。ご意見等ありましたら、是非感想お願いします。次回もお楽しみ。