悟空の化身のヒーローアカデミア   作:烈光

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大変お待たせ致しました。42話です、どうぞ。


第42話 保須市の惨劇

〜職場体験2日目〜

 

この日も午前中はリューキュウと一緒にパトロールをしていた。すると、職場体験初の事件が起こった。

 

『火事だーっ!』

 

何人かの大きな叫び声と共に、沢山の人が逃げ惑っていた。そして逃げてきた人達の先を見ると、空に黒煙が登っていた。

 

リューキュウ『KAKAROT(カカロット)、行くわよ!』

 

明『ハイ!』

 

リューキュウはドラゴンに変身し、黒煙の登る方へ飛び立った。僕もすぐさま舞空術であとを追いかけた。

 

現場に到着すると高層ビルから煙が上がっていた。どうやらこのビルから火災が発生したようだ。そして僕達が到着すると、消防隊員が消火活動を始めようとしていた。

 

リューキュウ『すいません、状況はどうなってますか?』

 

『あ、リューキュウ!よく来てくれました。実はビルの上階にはまだ逃げ遅れた人が何人もいるんです。しかしヘリやはしご車ではとても間に合いません!』

 

リューキュウ『わかりました。私達で逃げ遅れた人達を助け出します。KAKAROT(カカロット)、行くわよ!』

 

明『ハイ!』

 

僕とリューキュウはビルの上階へと飛び上がった。

 

リューキュウ『皆さん大丈夫ですか、すぐに助け出しますからね。』

 

明『皆さん落ち着いてください。子供や女性、ケガをしている人を優先してあげてください。』

 

上階に飛び上がると僕達はすぐさま救助を開始した。ビルの上階にいた人は皆パニックを起こしていたが、なんとか落ち着かせて助け出した。途中別の場所をパトロールしていた波動さん達も合流して、救助に協力してくれた。そして見る限りすべての人を救助したが、僕は逃げ遅れた人がいないか気を探ってみた。すると…

 

明『リューキュウ、まだビルの奥に逃げ遅れた人がいます。気の感じからしてどうやら小さい子供のようです。』

 

リューキュウ『わかったわ。ここは私達に任せて、KAKAROT(カカロット)はその子を助けに行って!』

 

明『ハイ!』

 

僕は逃げ遅れた子供を助け出す為、ビルの内部に突入した。しばらくして階段の下で泣いている女の子を見つけた。

 

『ウェェェン、パパー!ママー!』

 

明『お嬢ちゃん、もう大丈夫だよ。すぐに外に出してあげるからね。』

 

僕は着ていた道着(戦闘服(コスチューム))を脱ぎ、女の子の体に巻き付けた。

 

明『これで熱くないはずだよ。すぐに外に出してあげるからね。』

 

僕は女の子を抱き上げ来た道を引き返そうとした。しかし通路は炎や煙で充満していた。

 

明『ハァッ!』

 

僕は左手から衝撃波を放ち炎や煙を吹き飛ばした。

 

明『これで大丈夫、しっかり掴まっててね。』

 

女の子が小さく頷いたのを確認すると、僕は外に向かって走り出した。

 

しばらくして無事にビルから外に脱出した。地上に降り立つと女の子のご両親と思われる人が近付いてきた。

 

明『この子のお父さんとお母さんですか?命の心配はありませんが、早く病院に連れて行ってあげて下さい。』

 

僕は女の子をご両親に引き渡した。

 

『ハイ!本当にありがとうございました。』

 

そうお礼を言うと女の子とその両親は救急車に乗って病院へと走り去った。

 

リューキュウ『KAKAROT(カカロット)、大丈夫?』

 

明『はい大丈夫です。それよりリューキュウ、火事の方は?』

 

リューキュウ『逃げ遅れた人達は全員助け出したし、火事の方ももうすぐ鎮火するって事だから、心配ないわ。』

 

明『そうですか、それなら安心ですね。』

 

波動『さっすが明君、あんな小さな女の子の気も見つけちゃうんだね。』

 

リューキュウ『みんな、あとは消防の方々にお任せして、私達は一旦事務所に戻るわよ。KAKAROT(カカロット)の火傷の手当てもしないといけないしね。』

 

『ハイ!』

 

こうして、僕の職場体験最初の事件は無事に解決した。その後は一旦事務所に戻って火傷の手当てをした後、昼食を取る事にした。昼食後は再びパトロールを再開したが、特に事件は起こらず、職場体験2日目は終了した。

 

〜職場体験3日目〜

 

リューキュウ『今日は私と2人で保須に行くわよ。』

 

明『保須?保須って確か、ヒーロー殺しが最後に現れた場所ですよね。』

 

リューキュウ『そう。“ヒーロー殺し”ステイン、奴が現れた街では少なくても4人のヒーローが被害を受けているわ。けど保須ではまだインゲニウムの1件のみ。今後も奴が保須で事件を起こす可能性が十分あるわ。そこで私の事務所に保須の警察から警備強化の依頼が来たのよ。』

 

明『そうですか。あれ、でも波動さんやサイドキックのみなさんは?』

 

リューキュウ『ねじれは学校。ヒーロー活動ばっかりで勉強が疎かになっちゃダメだからね。後、残った2人は留守番。全員で保須に行ってここを守るヒーローが居なくなって事件が起きたら話にならないわ。』

 

明『なるほど。』

 

リューキュウ『それじゃあ明君、私に付いて来てね。』

 

そう言うとリューキュウは個性を発動し、ドラゴンに変身した。

 

明『えっ!空を飛んで保須まで行くんですか?』

 

リューキュウ『そうよ。公共の交通手段を使うより飛んで行った方がずっと早く着くわ。それに私が付いてるんだし、明君も仮免を持ってるんだから、個性を使っても問題無いわ。』

 

明『分かりました。それじぁ…』

 

僕は舞空術を使い、上空へ飛び上がった。同じくリューキュウも翼を羽ばたかせ飛び上がった。

 

リューキュウ『じゃあ、行きましょうか。』

 

明『ハイ!』

 

僕達2人は保須へ向けて飛び立った。

 

リューキュウ『そういえば、“ヒーロー殺しに襲われて再起不能になったインゲニウムが奇跡の復活を遂げた”ってニュースで見たけど、あれってもしかして、明君が関係してるの?』

 

明『はい。僕の同級生にインゲニウムの弟って子がいて、その子に兄さんを助けたいから仙豆を分けてほしいって頼まれたんです。』

 

リューキュウ『そうだったの、弟さん喜んでたでしょ。』

 

明『ええ。涙ながらにお礼を言われましたよ。』

 

そんな話をしながらしばらく飛んでいると保須に到着した。

 

到着後まずは警察署に行き署長さんに挨拶をした。署長さんはリューキュウが来てくれた事をとても感謝しており、さらに僕の姿を見て

 

『リューキュウに加えて体育祭を優勝した野沢君まで来てくれるなんて、とても心強い。』

 

とありがたがっていた。その後挨拶を済ませると僕達は早速保須の街のパトロールを開始した。ヒーロー殺しが事件を起こした街という事もあり、僕達以外にも沢山のヒーローがパトロールをしており、厳重な警戒がされていた。

 

その後午前中は特に事件は無く、お昼になりリューキュウと2人で昼食を食べる事にし、昼食後パトロールを再開した。

 

午後は空からも警備してみようということになり、空中から街をパトロールしたりしてみたが、特に事件は起こらなかった。そしてその日の午後5時を過ぎた頃…

 

リューキュウ『6時までパトロールして何も無かったら、今日は切り上げましょうか。』

 

明『ハイ。』

 

僕とリューキュウがそんな会話をしていると

 

『ドォォォォン』

 

突然街に爆音が響き渡った。

 

明『な、なんだ今の音?』

 

リューキュウ『KAKAROT(カカロット)、行くわよ!』

 

明『ハイ!』

 

僕達は爆音があった場所に急行した。

 

リューキュウ『な、なんなのコイツら…』

 

現場に着くと異様な姿をした2体の怪物が大暴れをしていた。片方は変身したリューキュウのように背中から巨大な翼を生やしており、もう片方は筋骨隆々で真っ黒な体をしていた。

 

そして特徴的だったのは2体共脳みそが頭から剥き出しのような見た目をしていた。この特徴は確か…

 

明『リューキュウ、コイツらUSJを襲撃したヴィランと見た目がソックリです!もしかしたら奴らの仲間なのかも。』

 

リューキュウ『なるほど。ともかく、これ以上コイツらを野放しにはできないわ。翼の奴は私が。KAKAROT(カカロット)はあっちの大男をお願い。』

 

明『わかりました!』

 

リューキュウ『でも決して無理はしないこと。敵わないと思ったら遠慮なく逃げて後は他のヒーローに任せなさい。いいわね!』

 

明『ハイ!』

 

僕とリューキュウはそれぞれ怪物の相手をする事にした。

 

リューキュウ『みんな下がって、コイツらは私とKAKAROT(カカロット)が相手をするわ!』

 

明『皆さんは怪我人や市民の避難誘導をお願いします!』

 

『リューキュウ!それに君は体育祭で優勝した悟空の個性の子じゃないか。』

 

他のヒーロー達は僕達の登場に驚いていたが、僕達は構わず2体の怪物に対峙した。

 

明『《アンテ!》さて、これ以上被害を拡大させる訳にはいかない、短時間で一気に決める!』

 

僕はチョーカーを外し、大男のヴィランに向かって突っ込んだ。

 

明『ふんっ!《ズドン!!》』

 

僕はヴィランの腹にボディブローを打ち込んだ。しかしヴィランには全く効いていなかった。

 

明『まるでこたえていない?だったら!』

 

僕は再びヴィランに向かって突っ込んだ。

 

明『はああああっ!』

 

一発で倒れないならと今度は連続攻撃で攻め立てた。

 

明『どうだ、これだけやったら…』

 

しかしあれだけ攻め立てたにもかかわらずヴィランは立ち上がってきた。しかもダメージを与えたはずの体の部位が再生していた。

 

明『くそっ、このままじゃきりが無いな。こうなった界王拳で…』

 

そんな事を考えているとヴィランは地面を叩き割って土煙を発生させた。

 

明『目眩ましのつもりか?けど、気を読めばお前の位置なんて!』

 

僕は気を読んでヴィランを追いかけた。ヴィランは土煙の中を移動し他のヒーローに攻撃を仕掛けようとしていた。

 

明『危ない、逃げて下さい!』

 

僕がヴィランの攻撃を止めようとしたその時

 

『ふん!』

 

誰かがヴィランを殴り飛ばした。

 

明『あなたは、エンデヴァーさん!』

 

殴ったのはフレイムヒーロー《エンデヴァー》だった。

 

エンデヴァー『お前は、体育祭で優勝した小僧じゃないか。お前も保須(ここ)で職場体験をしていたのか。』

 

僕達が話をしているとヴィランは立ち上がり、殴られた左腕を再生させていた。

 

エンデヴァー『コイツ、再生か。』

 

明『そうです。僕がいくら攻撃しても立ち上がってきます。』

 

エンデヴァー『小僧、コイツは俺に任せてもらおう。』

 

明『お願いします。僕はリューキュウの援護に行きます。あと、僕のヒーロー名は“KAKAROT(カカロット)”です。』

 

エンデヴァー『リューキュウも来ているのか。わかった、行けKAKAROT(カカロット)!』

 

僕はヴィランをエンデヴァーに任せ、リューキュウの援護に向かった。

 

リューキュウは翼の生えたヴィランと戦闘していた。しかし、ヴィランのスピードと鳥のような足で掴んだヒーローを盾にされ、攻めあぐねていた。

 

リューキュウ『マズイわね。迂闊に攻撃したら囚われたヒーローに当たってしまう。かといってこのままじゃジリ貧だわ。』

 

リューキュウがそんなふうに考えていると

 

明『リューキュウ、大丈夫ですか!』

 

僕はリューキュウの元へ辿り着いた。

 

リューキュウ『KAKAROT(カカロット)、どうしてこっちに!それにあの大男はどうしたの?』

 

明『エンデヴァーさんが助っ人に来てくれました。それであっちはエンデヴァーさんに任せて、リューキュウの援護に来ました。』

 

リューキュウ『そうだったの。それじぁ、2人であのヴィランを倒すわよ。まずは囚われているヒーローを救出するわ。』

 

明『了解!』

 

僕達2人はヴィランに向かって突っ込んだ。しかしヴィランは2対1で分が悪いと思ったのか、ヒーローを掴んだまま逃げ出してしまった。

 

明『(あのスピード、界王拳じゃなきゃ捉えられないか)リューキュウ、僕が奴に仕掛けます。リューキュウは解放されたヒーローを救出してください。』

 

リューキュウ『わかったわ、頼んだわよ!』

 

僕は界王拳を使い逃走するヴィランの前に躍り出た。そして、

 

明『太陽拳!』

 

太陽拳を使いヴィランの目を眩ませた。ヴィランは眩しさで目が眩み掴んでいたヒーローを離してしまうが、遅れてやってきたリューキュウによって無事に救出された。

 

リューキュウ『KAKAROT(カカロット)、一旦下に降りるわよ。』

 

僕達は救出したヒーローを安全な場所に降ろすため、一旦地上に降りることにした。そしてヒーローを安全な場所に降ろすと再び戦闘態勢を取った。

 

リューキュウ『さあ、これでなんの気兼ねもなく戦えるわ。行くわよKAKAROT(カカロット)!』

 

明『ハイ!』

 

僕達がヴィランに仕掛けようとしたその時

 

明『!?』

 

路地裏の方からかなりデカい気を感じた。今まで戦っていた2体のヴィランと同じか、それ以上の気だった。

 

明『(なんだこの気は!?他にもコイツらの仲間がいるのか?ん?それにその近くに1、2、3、4つの気が!)』

 

リューキュウ『どうしたのKAKAROT(カカロット)?』

 

明『リューキュウ、向こうの路地裏の方でデカい気を感じました。それにその近くに大小4つの気が。もしかしたらコイツらの他にもヴィランが暴れているのかも。』

 

リューキュウ『(路地裏って、もしかしたら…)わかったわ。KAKAROT(カカロット)はその4人の援護に向かいなさい。私やエンデヴァーもこっちが片付いたらすぐに応援に行くわ。』

 

明『分かりました。』

 

リューキュウ『ただし怪我人がいれば戦闘は避け救助を最優先にすること。いいわね!』

 

明『ハイ!』

 

僕は翼の生えたヴィランをリューキュウに任せ、気を感じた路地裏へと急行した。

 

43話に続く…




42話いかがだったでしょう。2日目の火事の下りは入れようか入れまいか迷ったのですが、保須に行く前に1つくらい事件があっても良いかなと思い書きました。おかげで文字数が5000文字を超えてしまいました。次回はステインとの戦闘がメインになると思います。相変わらず投稿日がいつになるかわかりませんが、長い目で待っていただけるとありがたいです。ここまで読んでいただきありがとうございました。ご意見・ご感想・誤字報告等ありましたらなんでもご連絡下さい。次回もお楽しみに。
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