プリンセスコネクト!Re:転生カリバーさん、悪夢に泣く(仮)   作:ジュンチェ

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手術後、息抜きに書いただけのふわっとしたやつ…

多分、続かない…




序章 転生、王宮騎士団へようこそ!
転生先が敵サイドってあんまりじゃない?その1


 

 …プリンセスコネクト! Re:Dive 略してプリコネR。

 

 

 異世界ファンタジーものと見せかけて、実はバーチャルゲームの世界だったというアレ。僕の前世では『最ママ』を探す赤ちゃん(年齢不詳)たちが多くのユーザーを占めるとかいうが、まあ人気ソシャゲの例に洩れず幼女から成人女性まで美人が多いのは『実感』出来る。アニメを見ただけでゲーム自体はついに未プレイだったが、ネタバレやら何やらで美食殿やらなかよし部とか姉を名乗るヤベーやつとかふわっと知っている。

 

 

 さて。『実感』…というのは、そう今自分がいる世界がそのプリコネの世界だならだ。俗に言う転生というやつだろう。

 

 

 

 

 

 …カリカリカリカリ

 

 

 あと転生特典もついてきた。仮面ライダーセイバーの闇黒剣月闇にジャアクドラゴンをはじめとしたワンダーライドブック数冊。要は仮面ライダーカリバーへの変身セットと追加武装といったところ。残念ながら、通貨やその他衣食住の類は無かったが…

 

 

 

 …カリカリカリカリカリカリ

 

 

 幸いなことに、職はすぐに見つかった。

 

 見つかりはした…そこが、また新しい問題でもある。

 

 

「ふぅ…」

 

 

 

 溜息をついて執務机に羽ペンを置いて書類を投げ出した。

 こなしても、こなしても、決して減らない書類の山。いつまで経っても同じ作業の繰り返しに流石にうんざりとしてくる。ギルド団員の各々から備品の要望や、庶民からのモンスター討伐依頼に加え、城の修繕やら何やら… 一応、タイプライターとパソコンをハイブリッドしたような魔導アイテムとかもあるが、残念ながら今回は役に立たない。

 

 そして、自分はこれらの仕事をカリバーに変身しながら当たっている……理由は簡単。

 

 

「…!」

 

 

 ―ギャンッ!!

 

 

 咄嗟にデスクに立て掛けていた闇黒剣月闇を手にとり、いきなり背後から脳天目掛けて振り下ろされた大剣をスレスレのところで防ぐ。

 

 鈍く轟く刃の音。やがて、ゆらゆらと薄暗い執務室の景色がとけるように不敵な笑みを浮かべた襲撃者の顔が現れて…思わず大きく溜息をついた。

 

 

「今更、こんな雑な隠密魔法で誤魔化せると思ってたんですか。…『クリス師匠』?」

 

「ほう、言うようになったじゃないか、副団長補佐…いや、『我が弟子』?」

 

 

 クリスティーナ・モーガン。ランドソルを護る王宮騎士団【NIGHT MARE】の副団長であり……僕の師匠。なんでさ。

 

 

 ご察しかもしれないが、今の職場は王宮騎士団…則ち、原作主人公ら美食殿と敵対する側の傘下である。…なんでさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ふむ、これでダークライダーとかどう見ても主人公たちの敵にならざらえないな…これは。 ……なんでさ。

 

 

 

 

 

 

 

 ―― 誰 か 助 け て く れ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 

 

 

 転生前、別にありふれた社会人(事務職)だった僕…25歳。

 

 家族は居るが、彼女はいない…気ままに仮面ライダーといった特撮作品を鑑賞したり、たまには関連商品を購入したりして親をはじめとした身内から嫌味を時々言われるくらいの生活をしていたただの一般人だ。まあ、嫌味くらいで数少ない趣味を辞めるつもりはない。趣味にあてる資金だって自分で稼いでるし、生活費も入れてる…文句は言わせない。

 

 

 そんな僕は今日も今日とて、贔屓にしている電気屋へ。いつからか、模型から本に果ては酒類まで置くようになって最早、電気屋とは何だと問いたくなる某・チェーン店で購入したのは闇黒剣月闇やジャアクドラゴンワンダーライドブックセットの玩具…要は仮面ライダーカリバーセットだ。基本、模型しか買わない僕だがこう闇のヒーローというか、暗黒面の戦士という肩書きに弱くつい手が伸びてしまった…。そして、顔馴染みの店員さんに『お子さんへのプレゼントですか?』とニコニコと聞かれ、思わず変な返事をしてしまったがために、勘違いから綺麗にラッピングされてしまうカリバーセット。やめてくれたまえよ、その言葉はこの歳になると胸に刺さる…。

 

 

 そして、思わぬ痛みと高揚感を抱えながら乗った帰りのバス…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――――そして、僕の前世の記憶はここで途切れている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…」

 

 

 …おい ……おい!

 

 

「…? …っ!」

 

 

 しまった、寝過ごしたか! 覚醒した意識で事態を察知し跳ね起きた…って おや?

 

 

「君、聞いているのか! ギルドの入隊試験はここから先まっすぐだ。早く行きたまえ!」

 

 

 え? 何の話…? というか、西洋の騎士甲冑のコスプレ…すげえ完成度高いな。そんな兄ちゃんが僕に強く話しかけてくる。あれ、コミケってまだ時期早いような? というより、目が覚めたらまさかのコミケ会場ってなんでさ。

 

 

「…あの、ここは一体?」

 

「は? 寝ぼけているのかね? 貴公、その珍しい紫の甲冑から察するに王宮騎士団の入隊試験に参加しに来たのだろう。こんなところをウロウロしていては手続きが間に合わなくなるぞ…!」

 

 

 …? …??

 

 ギルド? それに、紫の甲冑って…そんなカリバーじゃあるまいし……

 

 

「…」

 

 

 ふと、右手を見た…握られているのは闇黒剣月闇。玩具のような小さいそれではなく、撮影とかに使われるようなソレで本物のような重量と質量がしっかりズシリと来る…。そして、腕…見覚えのある紫色の甲冑。ひたひたと顔を触れば、確かにある堅い兜の感覚…ん?

 

 違和感が絶大になり、暗黒剣暗闇を鏡代わりに自分の顔を見れば……

 

 

 

「…………は?」

 

 

 

 仮面ライダーカリバー ジャアクドラゴンがそこに。

 

 わ、すっげぇ。本物のスーツみたい。(放心)

 

 

「何を呆けているのかね? さぁ! さぁ!」

 

「あっ ちょ…!?」

 

 

 と、ボケッとしていら騎士サンに押されて城らしき建物に叩き出されてしまった…。え? 城?

 

 

「ああ、そうだ貴公!」

 

 

 え、騎士サン。まだ何か御用で…?

 

 

「中々のクセが強い面々が多い職場だが、給与も働きがいも悪くはない場所だ。縁があれば、共にランドソルのために共に剣をとる仲間としてまた会おう。貴公の健闘を祈っているとも!」

 

 

 

 

 ………めっちゃ良い人だ。

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 ギルド王宮騎士団が栄華を誇ったのはかつての話。

 

 

 一般隊員から上層部までそれなりの名家や血筋の高貴な出身者が大半を占める上、それが暗黙の加入前提条件だったが故にいずれ痩せ細っていくのは自明の理だったろう。狭い門の上に待遇などに不満を持つ者は実家に帰るなり、そこそこの腕のがたつ者も他ギルドに移籍したりという事態が後を絶たない。こんな時に肝心の騎士団長も憂いはすれど何の対策も打てずにいた…

 

 そんなあまりの惨状にランドソル王家はついに重い腰をあげ苦渋の決断…… 暗黙のルールを打ち破りに出た。

 

 

 大々的な身分・種族を問わない団員募集である。はっきり言えば王家でも苦々しい顔する輩もいたが、それだけ王宮騎士団の弱体化は疎かに出来ない問題だったため黙らざえない。

 

 

 

 

 

 

 せめて、焼け石に水でも…と淡い期待を持った皆々だが

 

 

 

 

 

 

 

「ふん、つまらんな。」

 

 

 淡い希望は王宮騎士団・副団長クリスティーナ、発案者である彼女御自ら粉砕するとは…

 

 大剣を担ぎ、鼻を鳴らす彼女の足元には立ち向かっていき蹴散らされた哀れな挑戦者たちの山。壁や柱にも何処ぞのあれくれ者な浪人と知れぬ者たちが叩きつけられ、団員たちが荷車に積んで外へ運び出していく…

 

 

 これには騎士団長ジュンをはじめとした試験官たちも頭を抱える。これの主旨理解していな……いや、理解してひっくり返すとか毎度のことながら勘弁してほしい。

 

 

「やれやれ、これでは暇つぶしにもならん…次!」

 

 

 余計な仕事増やさないで欲しいなと思いつつ、団員が後ろ振り向く……すると

 

 

 

「試験会場とやらは…ここか?」

 

 

 現れた紫の甲冑に息を呑む。

 

 醸し出す闇のオーラに明らかにランドソルの鍛冶場職人の業ではない異質な鉄仮面に一角の鎧。仮面ライダーカリバー ジャアクドラゴンがふらりと現れる。

 

 

「…ほう?」

 

 

 それに対し、クリスティーナははじめてニヤリと口角をあげた…

 

 

 

 わかるとも……何よりも大好きな強敵の臭いだ。

 

 

 

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