プリンセスコネクト!Re:転生カリバーさん、悪夢に泣く(仮)   作:ジュンチェ

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あけましておめでとう(今更)


新年早々、胸くそ注意なのだ…!




サレンディア救護院に行こう!(唐突)

 サレンディア救護院に行こう!(唐突)

 

 

 

 

「――――は?」

 

 アナザーオーズ襲来・ペコリーヌ逃走からおおよそ1週間…

 

 僕はそんな提案を出した騎士団長ジュンに首を傾げた。一応、王宮騎士団の幹部会議の最中だ…唐突な議題に面食らっている。この議題を持ってきたのは理由は何なのか…アナザーオーズはまだ捕まってほしいし、その正体の目星すらついていない。そんな中、奴からの襲撃は度々続いているのに加え、騎士団員や一部の大臣などが死んでこそいないが被害は看過できない…。

 それを今、どうして救護院に行かなければならないのか?

 

 騎士団長によれば…

 

 

「戸惑うのも無理はないか。君達も、前・副団長であるサレンの一件が記憶に新しいだろう。本人の希望もあって、既に彼女は療養施設から帰っているが、気に乗じて不埒な輩をが近づくとも限らない。」

 

「つまり、同じプリンセスナイト傘下ギルドに騎士団長と副団長自らが出向くことで周回に睨みを効かせてやるということだな。」

 

 

 …成程。……いや、待て待て待て待て

 

 

「お待ち下さい。王宮騎士団の中枢であるおふたりが御自らとなれば、城の護りは…」

 

「その点は抜かり無い。不在の間は君と彼女に任せる。」

 

 

 僕かッ!? あと、彼女って…ああ、キャルちゃんか。柱の影でめっちゃムスッてしてる…やっぱり、不服なんだな…。

 

 

(ギロッ)

 

 

 やべ、睨まれた…僕、そんな嫌われることした記憶はないんだが…(すっとぼけ)

 

 

「陛下からの許可も降りている。明日、正午に起つ。指定された団員はくれぐれも遅れの無いように。」 

 

 

 そして…騎士団長の号令にて、解散。やれやれ、と集まっていた団員たちも持ち場に戻っていく…さ、僕も帰ろう。大事な見回りがあるんだ。サンタキョウカちゃん筆頭のリトルリリカル欲張り年越しセットが僕を待って……

 

 

 

「――おい」

 

 

 

 ―グイッ

 

 

 ぐえっ

 

 

 不意に首根っこを掴まれて…あ、師匠。僕は特に用事は無いんですが…

 

 

「話がある、ついてこい。」

 

 

 あ、そうですか…。(諦め)

 

 グッバイ、キョウカちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日

 

 

 サレンディア救護院にて。

 

 

「…一段落ね、取り敢えず。」

 

 

 まだ全快とはいかない身体を動かし、子供たちとの昼食を終えたサレンはやっと訪れた休息の一時に溜息をつく。身体が本調子で無い分、やっぱり気疲れしやすい…でも、子供たちには自分しかいない。孤児たちの親代わりであり、このギルドの中核である自分が立ち止まったりしたら仲間のスズメに迷惑がかかってしまう。特に怪人化の一件は心身共に強い負担を強いてしまった…。

 

 

(しっかりしろ、あたし! ……しっかり …しないと……)

 

 

 自らを奮い立たせようとするが、どうしてだろう…その度に胸の奥に隙間風が吹きぬけるような寂しさを覚えるのは。何も悲しいことなんてないはずなのに。どうしてこうも、力が入らないのか……

 

 

「怪人化の影響? でも、身体には異常が無いって話だったし… どうしちゃったの…。」

 

 

 

 ――力み過ぎなんだよ、お前は。ほら、洗濯物だ。

 

 

 

「…?」

 

 

 あれ、今なにか聞こえたような?

 

 顔をあげると窓の外で午前中に干していた洗濯物を見慣れたメイド姿の背中と子供たちがカゴに取り込んでいる。特に変わった様子は無い…無いのに……

 

 

「…誰かが欠けている気がする。」

 

 

 ギルド・サレンディア救護院は中核である自分とスズメ…あとは子供たちしかいないのに。やっぱり、疲れているのかも…

 

 

 一応、これから来客もあるのに。

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 それから、暫くして…

 

 

 

「サレンちゃん、身体の調子はどうかな?」

 

「ええ、おかげさまで。普段の生活には特に支障は無いし…感謝しているわ。」

 

 

 王宮騎士団一行は救護院に到着。テーブルに着き、サレンと向かい合うのは騎士団トップであるジュンとクリスティーナのふたり…一般の団員たちの大半は外で見回りにあたっている。数名の団員が残る中、彼女たちの話はピリピリとした空気で進み、察した子供たちが物陰に隠れながら様子を窺っていた…。

 

 

「それはよかった。そんな君に失礼は承知だけど、君が怪人化した時に持っていたあの本…出処に心当たりは?」

 

「…療養中にも話したけど、全く心当たりが無いの。暴れていた時とその前後の記憶はすっぽり抜け落ちていて。」

 

「そっか。いや、良いんだ。嫌なことを訊いてしまったね。しかし、今回の一件のこともあって大変だっただろう…元より救護院の運営は切迫していると聞いている。私からの提案なんだが…この際、プリンセスナイトの傘下のギルドとして手を……」

 

 

 

 

 

 

 

「その話は以前からお断りをさせて貰っています。」

 

 

 

 

 

 

 

 ジュンは王宮騎士団と救護院の提携を切り出す…無論、善意だ。しかし、言い終わるより早くサレンは明確に強く拒否の意を示した。両者のギルドの母体は同じであるが、関わり合いになることを嫌っているサレン…別に騎士団長であるジュンと険悪な仲だからというそういった理由ではない。

 

 

「元より子供たちの支援に関心を示さなかったプリンセスナイトから距離をとるため救護院を作ったのに、傘下組織筆頭である貴女たちと距離を近づけたら元も子もないでしょう。」

 

 

 そもそも、サレンディア救護院設営は政府中枢を司るプリンセスナイトが孤児たちの支援に消極的だったことも理由のひとつ。声を張り上げ続けるも、聞く耳を持たないプリンセスナイトの人間らに対してついに我慢の限界を迎えたサレンは積み上げた王宮騎士団・副団長というキャリアを投げ捨て、孤児たちを保護するギルドを設営するに踏み切ったのである。

 

 それだけ、正義感が強く優しい彼女だったが…

 

 盟友の崇高な信念の現実をジュンは知っている。

 

 

「…サレンちゃん、気持ちは解る。でもね…あんまり、こういうことは言いたくは無いんだけど、融資をまた断られたんだろう?」

 

「!」

 

 

 信念・理念だけで全てがうまくいくほどギルドの運営は甘くはなかった…ましてや、孤児遺児支援となれば尚の事。されど、プリンセスナイトから距離をとっている分、支援は無に等しい。だからといって、第三者からの支援も前・副団長の肩書き持ってして何とか自転車営業にこぎつけるのがやっとな有様。ましてや、非営利のギルド…お世辞にもうまくいっているとは言い難い。   

 

 

「運営に苦労していることはこちらの耳にしている。このままだと、そう遠くないうちに限界が来るのは明白だ。このギルドも…君自身も。だからこそ、傘下ギルドの仲間として友として力になりたい。だから…」

 

「気持ちはありがたい…でも、あたしが始めたこと、だから自分でなんとかする。そう決めたから。」

 

「サレンちゃん…!」

 

 

 ジュンが説得するも、頑として首を縦に振らないサレン… その時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オイオイオイオイ、さっきから黙って聞いてりゃ何なんだアンタはよぉ??」

 

 

 

 

 

 突然、ふたりの会話に割り込む騎士団員の男。兜をとり、ズケズケとやってくるモヒカン頭…治安維持より専らチンピラ地味た野犬のような顔が牙を剥き笑む。近くにいた女性団員が制止しようとするが、振りほどいて強引に顔を突っ込んでくる。

 こんな無礼極まりない行為、勿論ジュンが黙ってはいない。

 

 

「無礼な!誰が口を挟んで良いと言った!?」 

 

「いいや、挟ませてもらうね許可なんて貰わなくても!前・副団長様どうにも気に入らなくてねぇ!」

 

 

 しかし、男は全く怯まずサレンに噛みつく。

 

 

「元副団長さんよ、アンタの理想は立派だとも…なんたって『聖女』とまで言われているくらいだもんなぁ。身寄りの無いガキどもを一手に引き取るなんてそう出来るもんじゃない。でも、本気で救う気があるのか?理想を追い求める自分に酔っているだけじゃないか?」

 

「…なっ、なんですって!?」

 

「だって、そうだろ?他人の手は借りてえが、元仲間の助けはカンに触るから借りたくねえとか損得勘定抜きにしたただのエゴじゃなきゃなんだって言うのかなァ?産まれも才能も、何もかもを恵まれながら出世を蹴って偽善に走るなんざ残された俺達を馬鹿にしてるとしか思えねえ!他の奴等もそうだろ!」

 

 

 辛辣な言葉…でも全てが間違ってはいない。 

 

 男の言葉に目を逸らす他の団員たちが、何よりも証拠。皆が何処かで思っていた…義憤を抑え、他人の不幸に目を瞑ればどれだけ輝かしい誰もが羨む未来が待っていたか。かつて、彼女の門出を祝った者でさえ片隅で愚かなと惜しむ思いがあったのだ。だからこそ、暴力地味た論でさえ誰も『違う』と否定出来ないのである。

 

 空気の流れは最悪、まずいと悟ったジュンが強引に止めに入った。

 

 

「やめないか! クリスちゃんも止めてくれ!!」

 

 

 流石にここまでの事態となれば止めに入るであろう現・副団長…されど、ジュンが言葉を強くしても彼女の目は泳いでいた。心ここにあらず、まるで別の何かに気をとられているように…

 

 

 その時だった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――お前みたいな奴等がいるからァ…!

 

 

 

 

「「「!」」」

 

 

 

 地鳴りのような声、憤怒に帯びていたおぞましい憎悪が救護院を満たす。

 

 

 直後、戸惑う面々の前に黒いヘドロのようなものが床から滲み出し怪人として形を為す…

 

 

 

 

【 オーズ!! 】

 

 

 

招かねざる客、アナザーオーズの襲来だった。

 

 

 

 

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