プリンセスコネクト!Re:転生カリバーさん、悪夢に泣く(仮)   作:ジュンチェ

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 この世界は騎士クンには優しい世界。

 


転生カリバーさん、死す(窒息)

『許さない、お前みたいな奴等がいるから…!』

 

 

 唐突なアナザーオーズの襲来。

 

 

 同時に大量の屑ヤミーたちも屋内と外にも湧いて、団員たちは浮き足立つし子供たちはあっという間にパニック状態だ。すぐさま、ジュンは剣を抜きサレンは子供たちを庇い孤児院の外に逃がそうと行動に入る。

 

 阿鼻叫喚。最中、アナザーオーズはサレンを責めていた団員に牙を剥きクローを振り上げるが寸前でクリスティーナが剣で割って入り受け止めた。

 

 

「お前、何を呆けている…!」

 

「おっと、スミマセン。お仕事、お仕事。」

 

 

 団員の男は借りにも上司に庇われたにも関わらず、ヘラヘラとしながらやっと剣を抜く。そのまま近くの屑ヤミーの頭を鷲掴みにするなり、『オラァ!』と壁に叩きつけてフラフラする背中を滅多切り…お巡りさんよりかはチンピラ寄りな剣法は周囲の花瓶やテーブルなども破壊していく。

 

 

 一方、アナザーオーズはクリスティーナに蹴りとばされて窓から外に放られ…運悪く、子供たちを連れて逃げるサレンの前に。呻きをあげながら立ち上がる怪人に咄嗟に剣を抜き構えるサレン…だったが、その前に団員のひとりが立つ。

 

 

「ここは僕に任せてもらおう。」

 

「……へ?」

 

 

 灰のような銀髪に眼鏡…団員にこんな人間がいた記憶は無いのだが……

 

 

(…覚えてないのか。まあ、面会もしなかったしな。)

 

 

 残念そうに団員は顔をしかめながら、邪竜が描かれたライドブックを取り出す…そう、彼は…

 

 

【 ジャアクドラゴン!! 】

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 

「――変身!!」

 

 

【 ジャアァァクドラゴン!! 】

 

 

 月闇の柄でドライバーのライドブックを開いて変身完了、仮面ライダーカリバー見参。うん、サレンは変身終わった僕の姿を見てやっと『あの噂の!』という顔…もしかしてこの格好じゃないと印象残らないのか僕。こっそり、一般団員のよろいを着て紛れこんで救護院に来たが特に誰も気にしなかったぞ…

 

 

『カリバー!? 何故、ここに!?』

 

 

 アナザーオーズが大袈裟なリアクションしている。

 

 まあ、驚くほどのことじゃない。師匠に『鎧着込んでついてこい』と言われただけ…お留守番はキャルちゃんに任せて(事後承諾)恐らく襲ってくるであろうお前を待ち伏せしていたんだよ。そして、僕が本来ならここにいないということを知っているということは…

 

 

「お前、王宮騎士団の人間だな。」

 

『ッ!?』

 

 

 図星か。と言っても、この予測は既に師匠が考えていた内容を吹き込まれただけで、僕自身は皆目検討もついていなかったのは内緒。サレンも『なによ、それ?』と戸惑っているが事情は僕にもわからない、これ以上はクリスティーナ師匠は説明してくれなかった。

 

 取り敢えず、素性の一端がわかったところでダメ元で投降を呼びかけてみるか…

 

 

「悪いことは言わない、本をこちらに渡せ。貴公には過ぎた力だ。」

 

『うるさい!あの女のお気に入りなんて気に食わ ない!!八つ裂きにしてやる!』

 

 

 

 知ってた(予定調和)

 

 両腕のクローを展開して襲いかかってくる。こちらも、月闇で弾いて応戦…カンッ!!カンッ!といなしてからの蹴って跳躍。相性が噛み合わないアナザーライダー相手は必然的に火力勝負になるので、お気に入りの青いライドブックを使う。

 

 

【 キングオブアーサー!! 】

 

 

「むんッ!」

 

 

 

 召喚の勢いで振り下ろすキングエクスカリバー、元ネタがあのアーサー王の剣となれば威力は伊達では…

 

 

『やはり、お前の剣は芸が無い。』

 

 

 

 ―ガッ!!

 

 

 

 っ!?

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 

 青い大剣が異形に届くことはなかった。

 振り下ろしきる寸前で、アナザーオーズはキングカリバーをスライディングからカリバーの懐に入り、蹴り上げて弾いたのである。当然、それなりの質量のものが急にあらぬ方向を向けばバランスが崩れてしまう。そこを問答無用にクローで斬り裂くアナザーオーズ。

 

 

「ぐああああっ!?」

 

 

 火花をあげカリバーは地面へ転がり、拍子で主の手から離れたキングエクスカリバーとライドブックはアナザーオーズの手がキャッチ。そのまま、ライドブックを胸に押しあて吸収すると蒼き大剣はドロドロと形を変え細身な片刃のシンプルな剣『メダジャリバー』へと変化した。

 怪人グリードから奪った力(=コアメダル)を己のものとするオーズの性質が、ライドブックという異質な核のアナザーライダーであるからこそ出来た技なのか。はたまた、欲望の王と王の剣の物語が相性が良かったからかは謎だが転じてかなりのピンチである。

 

 

『ふむ、悪くないな。よく馴染む!』

 

 

 感触を確かめるアナザーオーズ…馴染むってそれはそうだ、元々は奴自身のオリジナルが使っていた武器なのだから。

 

 

『ゆくぞっ!』

 

「!」

 

 

 直後、カリバーの眼前に異形の影

 

 繰り出される残像すら置いていかれるような素早い剣戟が迫り、月闇が暴れまわるように弾き続ける! 甲高い鉄の音の連打と達人というよりかは人の域を脱したかのような両者の立ち合い、近くには旋風が起きそうな激しい乱舞だが確実にカリバーが圧されつつあった。一撃、また一撃と紫の鎧が裂かれて血飛沫が跳ねていく…!

 

 

「ぐ…! あ…!」

 

『お前の剣、妙だ。太刀筋は悪くないのに、まるでスカスカ…形だけで中身がまるで無い!』

 

「うるさ…い…!」

 

 

 このままではジリ貧だ。

 

 悔しいが剣では勝てそうにない。ならば、わざわざ相手の得意分野で戦う必要は無いのだから と間合いをとったカリバーは控えのライドブックを取り出して月闇に読み込ませる。

 

 

【 ジャアクケルベロス!! 】

 

「これでどうだ!」

 

 

 切先から放つ雷の潮流。しかし…

 

 

『無駄だ。』

 

「!?」

 

 

 これをなんと、アナザーオーズは下半身を蛸のように変身と肉体を半ばスライムのように変質させて潜り抜けた。

 液状化、特定のライダーや怪人が持つ強力な特殊能力…オーズもこの能力を持つ。おまけに電撃を扱う分、こちらの雷に由来する力は減衰か通らない。

 

 

『ハーハハハッ!』

 

「…しまっ」

 

 

 こうなってはもう完全にアナザーオーズの流れ。下半身の触手に絡みつかれた上に液体化した異形の肉体が呼吸を奪いつつ、今度はカリバーに高圧電流を流しこむ。暴れて振り解こうとするカリバーだったが、獲物を捕えて離さない蛸の力は尋常ではなくライドブックも手を伸ばすことすらかなわなず徒労に息を消費するだけ…

 

 

「ゴボボボ…!(い、意識が…)」

 

 

 ついに視界も暗くなり、意識も遠のいていく

 

 

 駄目だ、この…ま……までは……  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゴボッ…」

 

 

 限界。

 

 ついに、完全に生命に必要な酸素を使い果たしてしまう。いくら闇の剣士として凄まじいポテンシャルを持てど、人間という枠組みに収まる生命体では呼吸を封じられるだけで容易く命をなど圧し折られるのだ。

 糸が切れたように崩れ落ちる紫の鎧…。ガシャン!と無機質な音が響き、それだけで変身者がどうなったかを示すにはあまりに十分。

 

 

『他愛もない。』

 

 

 事切れた騎士をつまらなげに吐き捨てるアナザーオーズ。なら特に用は無いと蛸の下半身でズルズルと彼を己の体内に引きずりこみはじめる…取り込んで喰らうつもりなのだろう。歪な欲望の王とて闇の剣士と他のライドブックも獲てしまえばどんな恐ろしい事態になりうるかは誰も検討がつかない…

 ジュンや他の騎士たちも屑ヤミーの相手に手間取り、サレンも子供たちがいる手前迂闊に動けない。

 

 …しかし、

 

 

「! 何をしている!?」

 

 

 

 それでも、唯一の蜘蛛の糸となったのは異常に気がついたクリスティーナが咄嗟に身を翻して走り出したこと。七冠の全速力ともなれば、間合いを詰めるなど一秒もいらないランドソル最速の…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「退け。」

 

 

 

「…!?」

 

 

 否、

 

 彼女を後ろから追い越した『炎』がアナザーオーズを勢いよく斬りつけ、カリバーを開放させた。異形の蛸足が千切れ飛び、悍ましい悲鳴が上がる…!カリバーはそこらに転がり、アナザーオーズは完全な実体・基本形態に戻ると己の強化を邪魔にした不届き者を睨む。許すまじ、力の渇望をもう少しで充たせるはずだったのに…

 

 対して、乱入してきた炎の正体は『少年』。

 

 若草色のマントと黒いマフラー…腹には怪しく橙と漆黒に輝く無銘剣・虚無がおさまるドライバー。その顔は…  

 

 

「ユウキ…?」

 

 

 サレンは思わず名を口にしてしまう…

 

 ここ最近になって救護院に幼い従者と共に転がり込んできた居候で、メタ的な視点から見れば原作主人公『ユウキ』、もといプレイヤーの分身にあたる存在『騎士クン』。本来、ある理由からまともな倫理観・思考能力を失い赤ん坊レベルの自我までになってしまったはずだが…その顔に子供のような緩んだ笑みも立ち振る舞いひとつ無い。歳に不相応な眉間に皺を寄せる鋭い眼つきに、浮かび上がる焼け爛れるような涙腺。間違っても赤ん坊なんて言えるものか…もっと熱く危険な『何か』。

 

 

 熱風が辺りを支配していく中、彼は一冊のライドブックを取り出す…

 

 

エターナルフェニックス!!

 

 ――かつてより伝わる不死鳥の伝説が今、現実となる! 】

 

 

 開放されたのは永遠なる不死鳥の本。

 それをドライバーにセットすれば、獲物を追う獣のような乾いた疾走感の溢れる駆動音が響く。

 

 

『何者…!』

 

「―――シーッ…」

 

 

 アナザーオーズを嗜めるように人差し指を口元に…

 

 そして、剣はドライバーから炎を迸しらせ、勢いよく引き抜かれる。

 

 

 

【 抜刀!! 】

 

 

「変身。」

 

 

 

エターナルフェニックス!!

 

   ――虚無! 漆黒の剣が無に帰す…! 】

 

 

 次の瞬間、彼は自分の背中から生えてきた灼熱の翼に包まれ変身。黒と橙の燃え盛る業火のような荒々しく鳳凰のような意匠も見て取れる騎士がそこに立つ…

 

 

 かつて、オリジナルのセイバーの物語で立ちはだかった世界に絶望した不死者・バハトの使う力と全く同じ姿、万物を滅却する永遠の戦士にしてダークライダーの系譜…その名を

 

 

 

 

 

 

 

 ――仮面ライダーファルシオン

 

 

 

 

 ただ、その名前を知る唯一の者は冷たい微睡みの底にいた。

 

 

 

 

 

 

 

 





★転生カリバーさん(窒息死)
 
 アンケート協力ありがとうございます。でも、ヒロインとろくに触れ合えることなく無事死亡。


★騎士クン(デザスト?)

 謎の騎士クン。ちゃんと、元々のユウキの意識もあるようだが本編とは違い自我も大人と大差ない。ある理由からファルシオンに変身出来るし、なんなら転生カリバーさんより強いツヨツヨ騎士クンなのだ! ―――俺達の赤ちゃんを返せ!(意味不)


★サレンママ

 救護院の資金繰りが文字通り火の車。アナザーライダーになったりかつての部下から暴言吐かれたりと踏んだり蹴ったりな彼女。実はユウキ(?)とコッコロを保護していた。今回の話は彼女の救護院運営が大きく左右される。


★アナザーオーズ

 オーズのコンボチェンジに加え、素早い剣技を持つ明らかに2体目に来て良い強さじゃないヤベーやつ。特定の騎士団員を狙っているようだが…



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