プリンセスコネクト!Re:転生カリバーさん、悪夢に泣く(仮)   作:ジュンチェ

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 キタサン大爆死(本日のウマガチャ)

※タイトル変更しました。


転生カリバーさんと過ぎた力 その1

 ――とある青年の話。

 

 

 青年はとある遠方の町に住む豪族の次男坊。

 

 

 故に彼は産まれながらにして家督を継げる立場にはありませんでした。当主である両親は長男である兄にのみ心血を注ぎ、青年には最低限しか接しません。それ故に自由だった彼は領民と交流を持ち、身分の差がありながらも慕われるようになりました…。

 

 

 ですが、それを快く思わなかったのは兄である長男。いずれ領民からの心が自分に向かなくなると危惧した彼は両親を言い包め、中央の大臣に賄賂を渡して弟である青年を無理矢理に王宮騎士団へ入団という建前の領地から追放をしたのです…。

  

 王宮騎士団は多くの生粋の貴族や有力な豪族の血縁から成る騎士団。青年は片田舎の出身として肩身が狭く、加えて元々の素養が低かったため徐々に孤立していきその精神を擦り減らしていきました。でも、家族が帰郷を許してはくれません…。

 

 

 

 

 辛くて、寂しくて、泣きたくて……そんな時でした。

 

 

 

 

 青年が『聖母』に出逢ったのは

 

 

 聖母の名前はサレン…王宮騎士団の副団長、彼女の目に『僕』が目に留まったのは本当に偶々で剣術の稽古で散々先輩方に恥をかかされた夕方。道場の片付けを押し付けられ、泣かされているみっともない姿なんて見られたくなかった…。でも、彼女はそんな僕の手を笑顔でとってくれたんだ。きっと努力は報われる、応援しているからと。

 

 貴い御方だ、あなたに恥じない自分でありたいと思って努力した… 剣も! 知識も! 魔術も! 死物狂いで、あなたの隣に居て恥じない騎士でいたいとただそれだけで…! なのに!

 

 どうして王宮騎士団を離れたんですか!? 救護院? そんなもの、プリンセスナイトの老人どもの天下り先で充分でしょう!?なんであなたがわざわざそんなことのために全てを捨てなきゃいけないんですか…!?!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――言いたいことはそれだけ?」

 

 

 サレンは睨む。夜更けだが、まだ昼間の戦いで散乱する救護院…その隅っこに手脚を縛られ追いやられていた。向かい合う先のテーブルにはふてぶてしく座る甲冑姿のモヒカン団員…昼間、彼女へ暴言を吐いたあの団員である。この場にはふたりだけで子供たちを近所の宿舎に預けていたのがせめてもの幸いだったか。

 明らかに異常な会話の光景…さながら、犯人と人質といったシュチエーションだがサレンは一切、怯まない。

 

 

「悪いけど、あたしは必要だと思ったからやっただけ。子供たちに手を伸ばすことは王宮騎士団にいる限り出来なかった…だから、抜けたの。例え、今が苦しかったとしても一度も後悔なんてしてない。」

 

「…ククッ。やはり、あなたは貴い御方だ。それで、愚かでもある。だからこそ、アナタは然るべきところに居るべきなんですよ…王宮騎士団にね。」

 

 

 一方、団員は不敵に嘲笑う。その手には穢れたライドブックが握られていた…その本は

 

 

 

 

【 鎧 武 】

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、お嬢様は…!?」

 

「ああ、今頃は敵とふたりっきりだろうな。」

 

 

 カリバーの予想は的中している。

 

 今、ランドソル城を飛び出した彼とスズメは救護院を目指して走っている。道すがら同僚たちに死人が動いている事態にギョッとされたが構っている暇はない。

 

 

「スズメ、君をランドソル城に医務室の手伝いを頼んだ団員が来たと言ったな…それが恐らく敵だ。今の救護院は子供たちもいないし、彼女ひとりとなればまたとない襲撃のチャンスだ。黙っているわけがない!」

 

「で、でも!…」

 

「君たちを襲ったアナザーライダーという怪人は原則、自然発生はしない。現れるとしたら必ずそこには糸を引く誰かがいる。目的はなんであれ、彼女自身か救護院に向いていると考えるのが妥当だ!」

 

 

 …そんなっ!? とスズメの顔がみるみる青ざめていく。無理もない、主をむざむざ危険に晒してきたともなれば背筋が凍るだろう。

 しかし、このまま仲良く走っていては時間を無駄に喰うだろう。仕方ないと月闇とライドブックを取り出すカリバー。

 

 

「すまない、一足先にいかせてもらう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

「…!」

 

『驚きましたかぁ副団長? これが俺の力なんでしよぉ??』

 

 

 サレンの目の前で団員の青年は和風の落武者を彷彿させる薄汚れた怪人・アナザー鎧武へと変身した。禁断の果実の力を操る鎧武者の戦士・仮面ライダー鎧武…その物語から生まれたアナザーライダーである。

 その歪な姿はサレンにも覚えがあった。

 

 

「あなたは…まさか!」

 

 

 脳裏に浮かぶ薄っすらとした記憶。ギルド管理協会へ救護院運営の相談に向かう道の途中…確かコイツが現れて……そこで記憶が途絶えた。そのあとだ、アナザーファイズの一件を王宮騎士団に保護されて聞かされたのは…

 

 ――つまり

 

 

『お気づきになりましたかぁ? アンタに本を埋め込んだのは俺なんですよぉぉ…自分で救護院をぶっ壊したら目ぇさましてくれるんじゃないかって期待したんですけど? まさか、暴走しても意地でも壊そうとしなかったのは本当に脱帽しますよ。』

 

「!」

 

 

 一連の全てが彼の仕業。他人の夢を自分の手で壊させる…悪魔的所業。もし、救護院がアナザーファイズの手で破壊してサレン自身がそれを自覚する事態になっていれば…確実に立ち直れなかっただろう。

 

 

『本当はここまでする気はなかったんですから。あなたが悪いんです…俺が投資家ども脅して融資を辞めさせ、そうすれば諦めて現実見てくれるって。でも中々諦めなかったじゃないですか、挙句の果てに金づるの男まで抱え込んで。』

 

「金づる? ユウキのこと…? 悪いけど、家賃以上のお金は貰ってないの。あとこんな卑怯な真似をするアナタに彼のことを悪く言う権利は無い!!」

 

『っ! そういうこと言ってんじゃねえんだよ!!』

 

 

 自分のことは棚に上げ、逆上するアナザー鎧武。8割はヒステリーに走っているように狂いだし、テーブルを蹴りとばす。そのまま、胸倉をグイッと掴み上げ怒りで燃え盛るバイザーでサレンを睨む。

 

 

『アンタは副団長だろ!そんな小汚え売女みたいに見えることしてんじゃねえって言ってんだ! どんなに言い繕うが俺達を捨ててオトコ囲ってるようにしたら見えねえんだよ!!何が、ガキを救うためだ、あぁ!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――サレンママどうしたの? 誰かいるの?

 

 

 

「!」

 

 

 怒号が響く中、似つかわしくない幼子の声…

 

 救護院のドアから…まさか孤児の誰かが!?

 

 

「来たら駄目!はやく逃げなさい!!」

 

 

 ――サレンママどうしたの?

 

 

『おや?おやおやおやぁ? こんな夜更けに出歩いている悪い子ちゃんは誰かなぁ〜??』

 

 

 青ざめるサレンとニタリと嘲笑うアナザー鎧武。飛んで火に入る夏の虫とはこのことよ、サレンから手を離したアナザー鎧武はドアノブに手をかける。こんな非常事態など露と知らぬだろう幼子なら人質に丁度良い…ガチャリと開ければ

 

 

 

 

 

「悪い子ちゃんとは上司に向かって随分じゃないか?ンン?」(27さい)

 

 

 

『!?』

 

 

 クリスティーナちゃん、27さいが満面の笑みで待ち構えていた。幼女どころの騒ぎじゃない、面食らったアナザー鎧武に鉄拳制裁が顔面ヒットし救護院から叩き出すとクリスティーナはすぐにサレンを助け起こす。

 

 

 

「大丈夫か?」

 

「クリスティーナ…え、今の声ってあなただったの?」

 

「そうだが、何か問題でも?」

 

 

 あ…いや…と目そらしするサレン。仮にも助けに入った恩人にツッコミを入れるのは野暮だろう…今は優先すべき問題は眼の前だ。

 

 

『てぇんめぇぇ!?!? なんで、ここにいやがる!?』

 

 

 想定外の来訪者と仕打ちに激昂するアナザー鎧武…対して、不遜に笑うクリスティーナ。

 

 

「前から貴様が怪しいと踏んでいたからだ。救護院での言動…そして、元々は大人しく犬っ子のようにサレンを慕っていた貴様がある日を境に性格が豹変し血統主義に走り出したとな。噂によれば、愛すべき前・副団長に名前は愚か顔すら覚えられていなかったからとかなんとか…」

 

 

「え?」

 

 

 面食らうサレン。まさか、動機がそんな程度の理由なんて夢にも思わない…しかし、アナザー鎧武は強く歯軋りをしていた。図星だったのだろう、声を荒げる。

 

 

『ああ、そうだよ!忘れてやがった…部下だったのに!救護院が開いたばかりの頃、すぐに顔を出しに行ったのさ…そしたら、すっとぼけた顔で誰ってよ。こっちはずっとアンタを信じてきたのにこの仕打ち…!だがな、神様はチャンスを下さった…この力を授けて下さった…!』

 

(神様…?)

 

 

 犯行動機はあまりにも呆れかえるばかりの内容だが、クリスティーナは気づく…力を授かったという言い回しなら、『力を与えた存在』がいるということ。同時に過るカリバーが言っていた言葉…

 

 

 ――アナザーライダーは極稀な事例を除いて自然発生はまず発生しないし、大抵は特殊な存在から力を与えられた人間が変身する。対処は今の所、大火力で押し切るオーバーキルしてコアである本を取り上げるしかない。

 

 

 ――生身の状態で見分けるとしたら、今まで持っていなかったはずの超能力なんかの発現やよくあるパターンとしては『性格の豹変』だ。大人しかった人間が急に不遜な態度や情緒不安定になったりとか割と目に見えてあったりするぞ。

 

 

 ―――ただ、根本的な対処は裏で糸を引く存在を抑えるしかないな。

 

 

 

(…成程。ガッツリそのままだな。)

 

 

 アナザー鎧武が笑いたくなるほどパターンに当てはまるじゃないか。どうやら、随分とはた迷惑な『神様』とやらがいたものだ…さっさと引きずりだして叩きのめしてしまわねば。どうせ、邪神きどりの類いだ、ぶちのめしたところで罰などあたるまい。

 

 

『神に感謝を、私に正しさを与える機会を下さったことを!』

 

「では、その神とやらについてじっくり洗いざらい話してもらおうか。」

 

『出来ますかねぇ〜?部下死なせる不始末なんてサレン副団長もやってませんよぉ??』

 

「…ッ」

 

 

 安い挑発だ。――だが、苛立ちは顔に出てしまうくらい昂る。

 

 そう、自分が大人しく留守番させておけばあの男は死なずに済んだ。失策の責任は、己でつけ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「死んでないぞ、この腐れオレンジ野郎!!」

 

 

 

 ドゴッ!!

 

 

『ぐえっ!?』

 

 

「「!」」

 

 

 

 その時、屋根を飛び越えて乱入してきたのはウルフオルフェノクのビジョンと共にダブルライダーキックをかましてきた仮面ライダーカリバー。スズメは一端置いて先に救護院へ駆けつけたのである。

 無論、彼が生きていた…もとい蘇生したことなんてこの場の誰も知らないので混乱が巻き起こるのは必然…サレンどころかクリスティーナでさえすぐに声が出なかった。

 

 

 だが、悠長にはしてられない。

 

 

『お前、なんで生きてやがる!?』

 

「ヒーローは一度死んで蘇る…というやつさ。」

 

『バカにしてんのかァ!!』

 

 

 激昂したアナザー鎧武は次元の裂け目クラックを頭上に生成するや、中から昆虫の蛹のようにずんぐりとした灰色の怪人たちインベスを呼び出す。ダース単位の群れだ…アナザーライダーとセットはザコの部類だろうとカリバーだけでは骨が折れるのは明白。流石にまた死にたくはないので…

 

 

「師匠…!」

 

「ええい、話はあとだ。奴を倒すぞ。」

 

 

 再び師弟の背中合わせ… 闇夜を照らす月光がその行く末を照らす…

 

 

 




アナザー鎧武になった団員さん、補足するとサレンママ好きすぎて救護院にめっちゃおめかしして行って花まで用意したんだけど、甲冑姿と違い過ぎるのと救護院の忙しさが相まって誰かわかんなかったていう痛々しいエピソードが今回の発端。落ち込んでたところをつけこまれてアナザーライダー化。不憫。

 そして、カリバーさんの名前…追い抜かれて名前ナシになりそうやな…
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