プリンセスコネクト!Re:転生カリバーさん、悪夢に泣く(仮)   作:ジュンチェ

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☆転生カリバーさんの設定
 実はセイバー最終回前に転生しているから結末を知らない。勿論、リバイスは先行情報以外のことは知らない。


転生カリバーさんと再会の王女(真)

 ……空が落ちてくる

 

 

 大地を呑み込むような曇天の渦から空が落ちてくる。

 

 

 

「…世界を…救う!」

 

 

 そして、カリバー・ジャオウドラゴンが立っていたのは聖剣がいくつも刺さる嵐の丘…その頂上。その手に握るオムニバスライドブックをバックルに接続して、力を解き放つ。

 

 

「変身!」

 

オープン・ザ・オムニバス! 仮面ライダーソォォロモォォンッッ!!

 

 

 カリバーは禍々しいエネルギーに包まれ、仮面ライダーソロモンへ。紫の鎧はうって代わり金と赤の毒々しい意匠に…兜の面影は残っているが完全な別物だ。左手に新たに大剣カラドボルグを握り見据えるは破滅を招く空の大穴。滅びへのカウントダウンが間近となる中、カラドボルグと天に掲げ…全ての聖剣と本で空中に大樹を模した魔法陣を創りあげる。そして、形を為すのは…

 

 

「…これだけの力ならば!」

 

 

 空に弓引く、天を穿つ一矢

 

 

 大気のマナ、地面の霊脈からすらもエネルギーをありったけ吸い上げて形成する強大な光の砲撃。人の身では聖剣の力を持ってしても灼き切れるだろうが構わない。もうこの男に帰る場所などないのだから…

 

 

「ご照覧あれ! クラヤミの騎士、最後の意地を!!」

 

 

 放つ、文字通り命を賭けた全力全霊を…!見届けよ、誑かされ死した哀れな友たちよ!最後の最後で正しかったのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――ザクッ

 

 

 

「…ぐふっ!?」

 

 

 

 しかし、ソロモンは背後から貫かれる。

 

 胸から突き出る血よりも紅い刃…火炎剣烈火。

 

 

「き…さま…ァァ……」

 

 

 振り向けば見知った顔…それは火炎の龍騎士。

 

 

 

 最期の花舞台…全てを台無しにした張本人は仮面ライダーセイバーだったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…っ」

 

 

 最悪の夢見だ… そして、最悪の寝覚め

 

 僕は悪臭が立ち込める暗闇の中にいる。カリバーに変身してたおかげでギリギリのラインで生きていたが、状況はかなり芳しくない…息苦しい肉壁がぎゅうぎゅうと迫ってきて、ちょっと強めな酸性の液体がじゅわじゅわと染み出して足許に溜まる上に鎧はびちゃびちゃ…ほんとにクソy…コホン。

 

 そう僕は今、わけあって『魔物の胃袋の中』にいる。

 

 

 

 …まず、この状況を説明し

 

 

 

 

 

「プリンセス・ストライィィク!!」

 

 

 

 

 ――ん?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 

「久しぶりの大物、ヤバいですね☆」

 

 

 ランドソル外れにある湿地帯にて…

 

 横たわる鮫とフグと蝦蟇を足して割ったような巨大クリーチャーの上で大喜びしているのは我等がヒロイン、ペコリーヌ。まあまだその名前は貰っていないので呼び方としてはまだ不当かもしれないが…

 

 さてこのクリーチャー、要は魔物だが彼女の手によりシバかれた半陸生のヌマシャークの一種である。鮫が沼にいて手脚があるとか意味がわからないという方もいると思うが、ファンタジー界隈でサメは家の下水から宇宙に霊界まで幅広く活動する生物でありツッコむのは野暮。むしろ、沼にいてちょっと化け物してるくらいは薄味過ぎる個性だ。

 そして、どんなシャークだろうとゲテモノだろうが取り敢えずは胃袋に放り込むのがペコリーヌというヒロインなのだ。

 

 

「ここ最近はひもじかったですから、これでお腹いっぱいです☆」

 

 

 そして、何処からともなく取り出す解体グッズ。何処ぞのモンスターを狩るゲームで見たような大型のナイフを取り出して手際よくゴリゴリとウロコを剥ごうと……

 

 

 ゴッゴッ…

 

 

「あ、あれ…。ウロコが堅すぎて刃が入らないですね…。フグシャーク系の魔物は、柔らかいお腹が毒袋に近いので背中から捌かないといけないのですが…」

 

 

 ぐぅぅ〜〜…

 

 

「困りましたねぇ…もっと本格的な解体の道具を用意しておくべきでした…。漁村に戻ろうにもその前にお腹と背中がぺったんこしてくっついちゃいそうです…。はぁ…」

 

 

 まさかのトラブル。これにはペコリーヌも途方に暮れる…残念ながらここ数日は満腹にいたる食事が出来ていない彼女。充電切れギリギリのラインでそこら辺の草木や動物で踏ん張ってはきたものの、これ以上は根性でもどうにもならない。動けるうちにこのヌマシャークを解体して胃袋に放り込まないと…

 

 

「何か代わりになるものは… なるものは…」

 

 

 うーん…と唸っている彼女の目についたのは瑠璃色に輝く愛剣。その切れ味、強靱度はランドソルの王家に伝わる秘宝なだけあり折り紙つき…この魔物をしとめたのもこのプリンセスソードのおかげだ。

 

 ………ということはウロコを剥ぐくらいなんて造作もないはず…

 

 

「…はっ! 駄目駄目駄目駄目! これは大切なお父様とお母様から授かった…」

 

 

 ぐぅぅ〜〜〜…

 

 

「でも、背に腹は代えられない…のです…

 

 

 

 お父様、お母様、お許しください!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから、暫くして…

 

 

 

 

「Oh…」

 

 

 プリンセスソードをゴリゴリと解体包丁扱いという覇瞳皇帝も知ったらドン引きするような行為をした彼女が目にしたのは…やはり

 

 

「死体…ですよねこれ?」

 

 

 背中をかっ捌くとズルリと出てきた体液まみれのカリバー。刃先に異物感を感じて引っ張り出してみたらちょうど彼の角の部分を掴む形でぶらさげる形になっている。ピクリとも動かない…まあ、胃袋から出てきて生きているのは赤ずきんか寄生虫くらいなもの。魔物食を嗜む上で腹を捌くとヤバいぐらいじゃ済まない光景なんてザラにあったりするし特別に驚いたりしない…

 過去に討伐した大物、村を丸ごと呑み込んだドラゴンサイズのオオナマズの胃袋には……皆まで言うまい。取り敢えず、これくらいならまだ許容範囲内だ。

 

 

「どうしましょう…流石にこれは躊躇われますね…。」

 

 

 躊躇うより食べるべきじゃないと即断するべきじゃないか…一国の王女の精神は悪い方向に図太くなっていた。…これも覇瞳皇帝って奴の仕業なんだ。(言い掛かり)

 

 

 しかし、腹は倫理観など知らぬとぐぅぐぅと訴えてくる。

 

 

「お腹が…もう…。でも、この一線を越えるわけには……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「生きてるよ(唐突)」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぉうっ!?」

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 

 …まあ、取り敢えずだ。ちょっと時計の針を戻そうか。

 

 

 

 

「(えい、えい、)むんっ!」

 

『グギャアアアア!!?』

 

 

 ヌマシャークの脳天に月闇を突き立て、僕はその巨体から命を奪い取った。巨体はぐらぐらと断末魔をあげながら湿地の泥に沈み、やがて踞るような形で動かなくなる…。

 

 

「討伐完了だな。」

 

「流石ッスね、カリバー…あのオバサンの弟子なだけあるッス。」

 

 

 今回は王宮騎士団の仕事として泥怪鮫ヌマシャークの討伐を獣人族の少女・マツリちゃんと赴いている。ゲーム・アニメ共にトモの相方(?)の彼女。それがどうして一緒にいるかといえば、前回のアナザーオーズ事件のせいでトモが離脱中だから副団長に体よく押し付……短期間のコンビを任せられたのだ。

 騎士団長も『――君は特に獣人族に忌避感を抱いてないようだし、短い間だが頼む。』だと。

 

 

(でも、師匠…もとい副団長を割と毛嫌いしてた記憶があるんだが…。)

 

 

 そうマツリちゃん、クリスティーナを堂々と『オバサン』呼びするほど毛嫌いしていて噛み付いたり(物理的な意味ではない)している様子がうっすら原作知識としてある。そして、僕は副団長の弟子かつ何処ぞの馬の骨と知れぬ輩…絶対、印象悪いなこれ。

 

 

「しかしまあ、なんでこんなランドソルの近くに…。早めに対処できたのが幸いッス。」

 

「…ああ。」

 

 

 そして、今回はこのヌマシャークの討伐。本来ならもっと人里離れた泥沼の湿地に棲息する魔物のはずがどういうわけかランドソル郊外…しかも、人々が往来する道に出没し旅人や商団を襲うようになったらしい。

 本来、速やかに討伐クエストが行われるべきなのだがこのヌマシャークはどういうわけか受け持ったギルドは悉く失敗し、頼みの王宮騎士団はペコリーヌ帰省からアナザーオーズの一件で混乱の真っ只中で対処が遅れ、被害は拡がった。それから、遅れ遅れのやっとの対処を任されたのが僕とマツリちゃんというわけだな…。もっと他に適任の人いると思うんだが……

 

 

 

「…」

 

「…」

 

 

 

 ……………気まずい。

 

 

 本当に会話が続かない。そもそも、アナザーオーズ事件のはじまりはマツリちゃんに対する暴言だったらしい。そして、暴走したトモを止めたのも僕…一応。お互いに気まず過ぎてギクシャクとした空気がずっと続いている…。

 

 10代前半の女のコと何が悲しくてこんな…

 

 

 

 

「カリバー…。」

 

「!?」

 

 

 うわ、びっくりした…。な、なにかな…

 

 

「トモねえちゃんのこと怒ってるッスか?」

 

 

 …お、おう?

 

 

「…なんだ、急に。」

 

「この間の事件の時、アンタは命に関わる怪我をしたって聞いたッスよ。それをやったのもトモねえちゃんで酷い言葉をかけたって。」

 

 

 ああ、やはり彼女のことを気にしていたのか。命どころか致命傷をもらって死んでいるが…でも、蘇生したからノーカンくらいにしか僕は思ってない。まあ、蘇生云々は副団長以外に話してはいないからその認識になるのは仕方ないな。

 

 

「ほ、本当にトモねえちゃんは優しい人なんスよ! ただ、あの本のせいでおかしくなっちゃって…… 止めたかったけど… 何も出来なくて…。結局、副団長に泣きつくしか出来なかったッス…。」

 

「…」

 

 

 後から聞いたが、クリス師匠が事を把握していたのはマツリちゃんから泣きつかれたからだと。だからこそ、僕と協力して内密に処理を…可能なら団長にすら知られないように彼女たちからライドブックを取り上げる予定だった。

 

 結局、アナザーオーズ事件の真相は想定外が重なったものの何とか一般団員には怪人たちの正体を含めて洩れることはなかったが…

 

 

(…わかっている。原作知識もそうだが、明らかにアナザーライダーのライドブックが精神に影響を与えるのは明白だからな。)

 

 

 取り敢えず、特に僕としても責めるつもりはない…主要キャラではないといえ、万が一にも王宮騎士団を離脱なんてされようものなら原作にどんな影響があるかわかったもんじゃないし…それに

 

 

 

 

 

 ―――――ならアンタは正しいのかカリバー!同じ本の力を使うアンタと何が違う? 本が無ければ何も出来ないくたばり損ないが何をほざく!

 

 

 

「……彼女の言うことは…別に間違いでもない…。」

 

 

「カリバー……?

 

     …! うしろ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 え?

 

 

 

 

 

 

 

 

  ――ぱくん!

 

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 そして、トドメを刺し損ねていたヌマシャークに丸呑みされ冒頭に至る。

 

 

「なるほど~、とんだ災難でしたね☆」

 

「君にとってはとんだ災難程度なんだなコレが…」

 

 

 流石、メインヒロイン。呆れとも感心ともつかぬ物思いをしながら変身を解除するカリバー…それにペコリーヌは『おお!』と声をあげる。

 

 

「す、凄い。どうやってるんですか!?」

 

「企業秘密だ。」

 

「素顔は…だいぶ血色悪いですね。栄養が足りないのかも…ご飯にしましょう。」

 

「だいぶ失礼だなキミ?」

 

 

 血色の悪さは生まれつき…なはず。

 

 

「すぐに準備しますから、待っててください。それに、あなたには色々と訊きたいことがあるんです。どうして私のことを知っているのか… そして、今のランドソルはどうなっているのか…。」

 

「む…」

 

 

 ああ、やっぱりそんな展開か。

 

 再会は予期していたカリバーだが、正直なところ思ったより早かった…というより不意打ちだ。可能なら美食殿設立と同じタイミングが良いと思っていたが、ここで下手なネタばらしは物語の行末を歪めてしまう。これ以上、イレギュラーなんぞあってたまるか…というのが本心。しかし、この場で逃げるわけにもいかないか。

 

 

(腹を…括るか。)

 

 

 

 

 

 

 

 





☆悪夢のカリバー 
 カリバーさんが時折見る謎のカリバー。どういうわけかカリバーさんと素顔が同じ。原作とも違う物語を歩み、最終的にソロモンまで進化したがセイバーに刺されてしまう。
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