プリンセスコネクト!Re:転生カリバーさん、悪夢に泣く(仮) 作:ジュンチェ
…仮面ライダーメタルビルド
登場作品は平成ライダーシリーズである仮面ライダービルド…その後日談にあたるスピンオフ作品である仮面ライダーグリスにのみ登場するメインヴィランたるダークライダー。本来ならビルドの暴走フォームであるハザードフォームを完全に制御、あまつさえ強化まで施された仮面ライダーだ。
ただ、このライダーは…いや、仮面ライダービルドという物語は世界線の直接的な繋がりはセイバーとは無い。
だからこそ、カリバーにとってその登場は想定外であり…故に『転生者』と即断するには充分だったのである。
「…カリバー、ファルシオンに続きレア物だな。」
メタルビルドの飛び退き際、耳に届いた淡々とした声もやはり前世で知る演者の声と違う。それに、カリバーやファルシオンの名を知る時点で確定だ。
「まさか、僕以外の転生者がいるとはな…。しかも、メタルビルド……統一性ないぞ。」
「? 何を言ってるんだキミ…?」
首を傾げるメタルビルド… カリバーとしても特におかしなことを言ったつもりはないのだが。
一方、コッコロを庇ったペコリーヌは怒り心頭に切っ先を向けた。
「あなたは一体、何者なんですか!? こんな小さな子を躊躇いなく…!」
「また新しい原性のNPCか。鬱陶しい、そこのふたり以外に用は無いんだが…」
しかし、彼女の問いを受け流しメタルビルドは新しいフルボトルに手を伸ばす…
それを『待ってくれ』と制止するカリバー。
「君はどうして敵対する? ライダー同士なら助け合えばいいだろう? 争うことはない!」
「…」
固まった…
そして、数秒の沈黙を経て…
「……驚いた。」
「は?」
「未だにそんな寝言をほざく輩がいるのか。…いいや、君等もしかして転生してから日が浅いな?」
何を言っている? 呆れながらの口ぶりから少なくとも自分より転生者キャリアが長いことは察せるカリバーだが、奴の真意が掴めない。転生者キャリアがなんだというのだ…。
「…僕はまだ数ヶ月といったところだな。それがどうした?」
「成程、界隈の事情など知る由もないということか。道理でセキュリティが甘いわけだ。」
セキュリティが甘い? なんだ、何を言っている?
「補足しておくが、ワタシはこの世界の転生者じゃない。『インベーダー』…所為、敵対侵入者という奴だ。」
「…?」
「知らないならそれで構わない。君達を狩らせてもらう。」
そう告げるとフルボトルバスターを大剣形態に変形させ有無を言わさず襲いかかるメタルビルド…その一撃をペコリーヌが刃ですかさず防ぐ。ガキン!と音を金属音が響き、ザリザリと少女の踏ん張る足に舞いあがる土煙が一撃の重さを物語る…。
(お、重い…!)
「だから、君に用はないんだがね…。」
「ペコリーヌ!」
庇われたカリバーは焦る…このままではいけない。されど、前衛向き彼女の前へ強引に出るのはかえって悪手だろい…焦燥にかられながら、メタルビルドの封じるべくライドブックを選ぶ。
【 ジャアク昆虫大百科! 】
「これで!」
「!」
昆虫大百科…何気にカリバーのお気に入りの一冊だ。闇黒剣月闇の刃に翳すと人間大ほどの巨大な毛虫が降ってきて粘着質な糸を吐きつける。これにより、糸まみれになったメタルビルドは勢いと機動力を封じられペコリーヌに圧しかえし、ギャン!と弾かれ火花が散った。
尚、毛虫は蛾・蝶などの幼虫なので昆虫の括りではある。(キャルちゃんには見せられない)
「ぐぬッ!?…舐めてくれるなよ。」
しかし、メタルビルドもそう簡単には怯まない。
【 アギト!! 】
紅いフルボドルを取り出すとベルトのメタルタンクボトルと交換しハンドルを回す。形成されるのは金の双角のような唾をあしらわれた紅い片刃の剣…明らかにビルド系とは不釣り合いな神秘的なそれにカリバーは目を丸くする。
「アギトの武器…だと!?」
「転生者ならこれくらい普通だ。むんっ!」
メタルビルドが手にしたのは本来から仮面ライダーアギトが持つフレイムカリバーと呼ばれる武装だ。間違ってもメタルビルドが持つ縁も無い刃が振り抜かれるかり、炎のキャタピラ状の斬撃をとばしてくる。カリバーとペコリーヌも自らの刃で防ごうとするも、ガリガリと抉るような勢いと灼け付く高熱に耐えられず、今度はこちらが弾きとばされ地面に転がった。
「転生者の…力か、これが…っ!」
「…ぐっ、あ… 流石にヤバいです…ね…。」
追い詰められるふたり…しかし、メタルビルドの背後からファルシオンが迫る!
「成程、その手合いの力なら俺にもある。」
【 ディケイド世界旅行記! 仮面ライダーディケイド!! 】
無銘剣虚無にライドブックを翳せば、マゼンタと山吹色の幻影が斬撃の嵐となり牙を剥く。世界の破壊者と全てを無に帰す滅却の業火が織り交ぜられた縦横無尽な苛烈なる鎌鼬、メタルビルドはフレイムカリバーとフルボドルバスターを交差させてガードをするが、防ぎきれず身体のあちこちから激しく火花が散る。
好機ッ、戦いのケリを一気につけるべくファルシオンが畳みかける!
「コッコロ!」
「はい! 精霊たちよ、主様に力を!!」
コッコロによるバフ魔法支援、呼応してファルシオンに強い業火が纏われ…怯むメタルビルドに向かって金色の人間大ほどのカードの列が伸びていく。
「カラミティストライクッ!」
そのカードの列を弾丸のように回転し、突き抜けるファルシオン。一点突破に趣きを置いた必殺技カラミティストライクと仮面ライダーディケイドの力を上乗せした一撃は容易くぶち抜き、目が眩むほどの爆発を引き起こす。
「…他愛もない。」
「ほう、やるじゃないか。」
「!」
だが、尚も燃え盛る炎から声がする。
声は人間ひとりがすっぽり入るキャタピラの繭とも言うべき球体から…。やがて、表面が剥がれると中からメタルビルドの姿 が現れる。ダメージは多少なりとも蓄積しているようだが、余裕が見える立ち姿は本来の威力はかなり軽減されてしまっているのだろう。
「では、次はこちらの番だ。」
【 マックスハザード・オン! オーバーフロー!! 】
【 ハザードフィニッシュ!! 】
そして、攻撃のターンはメタルビルドへ。
ハザードトリガーのスイッチを押し、ビルドドライバーのハンドルを回すと灰色のエネルギーが炎のように滾りキャタピラのエフェクトが大蛇の群れのように右足に収束していく。間違いなく大技を放つつもりだろう。
まずい!カリバーは慌て雷鳴剣黄雷に持ち替え、ファルシオンに並び立ちライドブックを取り出す。
「ファルシオン!」
【 戦国鎧武絵巻! 仮面ライダー鎧武・ジンバーレモン!! 】
「…フン。」
【 オーズアニマルコンボ録! 仮面ライダーオーズ・タジャドルコンボ!! 】
恐らく、個々だけでメタルビルドへの対抗は困難。それは、カリバーとファルシオンどちらも認識していたこと…だからこそ、一言だけでそれ以上の意思疎通は不要だった。互いにライドブックを読み込ませ、必殺技で迎えうつ。
「迅刃雷鳴斬ッ!!」
「エターナルロストブレイズ…!」
「ムンッ!!」
剣撃な稲妻を伴う柑橘を思わせるエフェクトをした斬撃と紫の不死鳥へ。そして、メタルビルドの回し蹴りは津波のような灰色の炎とキャタピラを象るエネルギーとなり、両者は激しく衝突。ぶつかりあう衝撃だけで周囲は大嵐が如き有様で、ペコリーヌとコッコロが互いの武器を杖がわりにしないと直立できないくらいの暴風が吹き荒れていた…。
それが続くこと数秒、一際大きい爆発と共に技はどちらも相殺されて仮面ライダーたちが地面に転がる。
「…ど、どうだ!?」
「…っ!」
痛みに呻きながらも、黒煙の先に目を凝らすカリバーとファルシオン……流石に、メタルビルドが如何に凶悪なライダーとは言え、ひとたまりもないだろう。というより、これ以上は勘弁してもらいた……い…
「ワタシとしたことが…。やれやれ、ビキナーと侮り過ぎたか。」
「「!?」」
嘘だろ。……思わず口から洩れてしまう。
メタルビルド、未だ尚も健在。装甲も亀裂が走りビルドドライバーもパチパチと火花を散らして煙をあげているが、膝をつきながらまだ変身を保っている。
「いい加減にしてもらいたいものだがな…。」
ファルシオンも悪態をつかずにはいれない。
しかし、メタルビルドは立ち上がるも手をあげて制止の姿勢をとった。
「まあ、待て。これ以上の戦いはお互いに不毛だ。君達にとってもワタシを敵に回すことは大きいリスクを伴う。
……ここはひとつ、『交渉』と行こうじゃないか。」
交渉…?
もうろくでもない臭いしかしないのだが…と思う矢先のカリバーたちの眼前にドズン!と巨大なロボットが立ちはだかる。タイムマジーン…?
む…待て、手に誰かを握って……あの黒い猫耳は!?
「キャルちゃん!?」
★転生者ライダーたち。
転生者は転生界隈において『プレイヤー』と呼ばれる。仮面ライダー系の転生者は並行世界規模になればかなり数が存在する。原作のように強化を積んでいく転生者もいれば、独自の路線の進化を歩む転生者もいる。千差万別。一部には並行世界を渡り歩く者もおり…?
★NPC
並行世界に元からいる純粋な原作キャラのことを指す。主にこの物語ではペコリーヌやコッコロなどがあたる。基本、転生事情なんて知る由もない。……尚、今作のデザスト騎士クンはかなり特殊な立ち位置。