プリンセスコネクト!Re:転生カリバーさん、悪夢に泣く(仮) 作:ジュンチェ
更新しました。
感想お待ちしてます。
あと本日公開の劇場版戦隊ライダーも見てきました。感想は後ほど、活動報告にあげたいと思います。
ヒルマ「さ〜て、これまでの転生カリバーさんは…
…ちょっと事故りつつも原作がはじまるとウキウキに思ってた転生者くん。しかし、立ちはだかったのはメタルビルド=転生者ウラガ! 目的はなんとカリバーとファルシオンの力を奪うこと!」
カリバーさん「おい待て、今回のタイトル…(困惑)」
ヒルマ「辛くも退けたものの…(´Д`)ハァ…厄介な奴に喧嘩を売ってくれたわホント。転生者同士のイザコザはマジで面倒くさいのに。」
カリバー「なぁ…!なぁ…!?」
ヒルマ「主人公の選別ミスったかしら?それじゃ、最新話をどうぞ〜♪」
カリバーさん「『転生セイバーさん』って何なんだ!?!?」
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――汝、何故に『クラヤミ』に惑ったのだ…?
信じていた。異なる信念を抱いた…道は確かに違えた…でも辿り着く行く末は同じだと信じてその背中を見送った。遥か彼方に感じるあの日、友と握った聖剣の誓いは決して変わりはたいと…
しかし、『お前』はかつて闇の剣を担った者と同じく力に溺れた。
友を、神官を、まだ若い騎士たちも、王族も、何もかもを斬り捨て…剣を奪い、本を奪い、大いなる力へお前は手を伸ばした。その果てに世界の破滅を望む心は野心なのか絶望なのかわからない。
――………教えてくれよ、友よ。何故、裏切った?
火炎剣烈火を引き抜き、そのまま血溜まりに没む遺体に問いかけても答えるはずもない。紅い剣士セイバーの胸にあるのは勇気ではなく、あまりにも虚しい嘆きのみ。最早、騎士の生き残りは自分のみ…息絶えだえになりながらも狂気に堕ちた盟友を自分は斬り捨てた。聖剣と本で成り立つ術式は消え、力を失った聖剣たちが墓標のように地面に突き刺さる。
終わった、何もかも。これで、全てが元通りに……
「元通りなんかにはならないわ。この世界は終わる。」
唐突に響いた女の声。そして、見上げれば…
―――空が、空が落ちてくる…!?
曇天を突き破り得体の知れない巨大な質量がこの大地に向かって迫りくる! 馬鹿な、アイツは死んだはず…たった今、この手にかけて……まさか…
―――アイツは世界を滅ぼそうとしていたのではなく、救おうとしていた…?
なら、自分がしたことは?
…あ …あ …空が…落ちてくる
空が落ちてくる空が落ちてくる空がががが落ちてくる空ががががががが落ちてくる空が落ちてくる空が落ちてくる空が落ちてくる空が落ちてくる空が落ちてくる空が落ちてくる空が落ちてくる空が落ちてくる空が落ちてくる空が落ちてくる空が落ちてくる空空が落ちてくる空が落ちてくる空が落ちてくる空が落ちてくる空が落ちてくる空が落ちてくる空が落ちてくる空が落ちてくる空が空が落ちてくる空が落ちてくる空が空が空が空が空が空が空が空が空が落ちて…
「うおっふぅ!? ……っ、夢か。」
歳の割に気抜けした渋めな声の悲鳴をあげてしまった悪夢から目覚め。タイムマジーンのコックピットに即席で作られたベッドの寝心地に時空移動しながらの睡眠のせいか夢見は最悪の一言…世界最後の日なんて縁起でもない。あんなものはB級映画にでも任せておけばいい。
モジャモジャの赤毛頭をかきながら、枕代わりにしていた『火炎剣烈火』を眺める…夢見の原因はこれか?何かセイバーとかも出てた気がするし…
「ふぁ〜あ。まあいいや、朝飯でも食べるか。」
時空移動しているから朝も夜もないとか野暮なツッコミはなしだ。目覚めた今が希望の朝、それで良い。ポーチからクソデカサンドイッチを取り出してムシャムシャ… ついでにタブレット端末を弄びながら組織からの依頼を確認する。項目が多いのは『PKトライブからの護衛依頼』…これに青年は顔をしかめる。
「またかよ。最近、多いぞ…」
あまり穏やかじゃない。この手の依頼の多さは『並行世界間での治安悪化』を意味する…起床早々気分が憂鬱になるが、ふとタブレットに一緒にポーチから出てきていた写真に目が移る。自分とそれを囲うように女の子たちが映る一枚…もう彼にとっては随分と昔に感じるも、尚色褪せぬ景色。
…無意識にしかめっ面が少しだけ緩む。
「帰りてぇなぁ…。帰れるのか……俺は…」
しかし、そんな顔にもすぐに影が刺す…
そんな物思いにふけっていたせいか、男は自分の愛剣が何かに呼応するように不思議な光を帯び始めていることに気が付かない。同時にガコン!と機体が揺れてタイムマジーンが制御を失う。
「お?おお!? な、なんだ!? 制御もきかねぇ…!どうしちまったんだ!?」
サンドイッチをほうりなげ、慌て握る操縦桿…されど、ハガネの暴れ馬と化した愛車は運転を受け付けずに引力に吸い寄せられるように本来の航行ルートを外れていく…。助けを求めようにも通信は繋がらない。
「うおおおぉおお!?!? 俺の今日はどっちなんだ!? ギャアアアアアア!?!?」
男と計器の劈く悲鳴だけが時空に響くのみで為す術もない。
そして、これが今回の物語の幕開け…新たなる出逢いのはじまりなのだ。
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「…自分が何しでかしたか解っとんのか?」
「…」
どうも、転生カリバーさんです。僕は今、コカトリス亭という食堂にいる…御察しの方もいると思うが後々にペコリーヌがバイトすることになるマスターが物騒なイケボのあの店。やってみせろよ、マ●ティー…なんて巫山戯る間もなく、とある理由があって立ち寄ったこの店で出待ちしていた案内役ヒルマに捕まった。
それから…
「解っとんのかって聞いとるんじゃーー!!」
めっちゃ、説教を受けてる。僕なにかした?
「虫丼食えよ…」
虫丼…? え、何それ…
「虫丼食えよぉオオオオ!!!」
やめろー! 白米に原型留めた虫乗っけた丼ぶり押し付けるなぁ!?
そんなもの、ペコリーヌしか喜ばない(キャルちゃんは死ぬ)
モラハラよ、パワハラよ、助けておまわりさん!…僕がおまわりさんだったな(絶望)
「おい、いつまでその茶番を続ける気だ?」
あ、ハイ すみません。
同じテーブルに座る騎士クン(?)からの凄まじい剣幕…コッコロも若干ながら怯えているじゃないか。
さて、僕とヒルマ…それと彼等がここに同席している理由はある。お互いの事情を知りたいということ…そして、先日襲撃してきたメタルビルドこと新たなる転生者ウラガについてヒルマに問うためだ。…まあ、僕はペコリーヌの現状を知る目的もあるのだが。
「これは失礼…そうね、そろそろはじめましょうか。」
空気が切り替わる…まず、話を切り出したのはヒルマ。
「改めて私は転生者の案内役ヒルマ…この世界の管理者と思ってくれて良い。あなたには色々と訊きたいことがあるから呼び出させてもらったの。
……どうやって、この世界に転生したのか? …その無銘剣虚無はどうやって手にいれたのか? 色々と見過ごせないのよあなた。」
あ、やっぱり転生者なのか。今更だけどな…
気になるのは案内役ヒルマが彼を把握していないという点。僕は何の因果か彼女に目をつけられる形での転生だが、彼はどんな経緯で騎士クンに憑依転生したのか…。憑依系にありがちなハーレムを作るとかそんな下卑た理由な気はしないんだかね。
「…まずひとつ訊きたい。」
お?どうした騎士クン…
「…………『転生』とはなんだ?」
…
……
「「はい?」」
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「買い出し〜♪買い出し〜♪今日は買い出し〜♪」
「ペコ姐さん、うちの八百屋に是非!」
「荷物持ちは俺らが引き受けますよぉ!」
ランドソルの商店街…ペコリーヌとそれに腰巾着のようについてまわるヒゲモジャな厳つい大男と細身なリーゼント男が上機嫌に歩きまわっている。そうこの男ふたりは『イカッチ』と『チャーリー』…アニメ版プリコネのオリジナルキャラクターでペコリーヌの舎弟のような役回りだ。じつはふたり、先日のメタルビルド襲来の被害者で今回はこれがペコリーヌと出逢うキッカケになったのである。(実はカリバーさんが最初に森で目撃した死んだおばけキノコに埋もれて干からびていたのも彼等)
「イカッチさんにチャーリーさんもそんなに気を遣わなくて大丈夫ですよ、自分で持てますから!」
「いやいや、ペコ姐さんに助けてもらった恩に比べればこれくらい!」
「そうですよ、俺達はペコ姐さんについていくって決めたんですから!」
気持ちは嬉しいが、力仕事の補佐なんて今の自分には必要ない…苦笑するペコリーヌだが不思議と胸に安心感と懐かしさがこみあげてくる。前にもこんなことがあったような…そうそう、『ショーイチくん』と買いだしに行った時もこんな話ををしましたったっけ…? コカトリス亭に帰ったら、マスターと一緒にメニューを考えたりして…
【 ―DEVOLUTION― 】
(…………しょ、ショーイチくん? 誰のことでしょう…。)
何だろう、聞き覚えのないはずの名前なのに。
まるで、旧来の知人のように自然と頭に浮かんだ名前…でも、頭の中で顔が輪郭を結ばない。なのになんで…
(私は…何かを忘れているんでしょうか?)
「姐さん…どうしました?」
「ふぁ!?だ、大丈夫です! 先を急ぎましょ〜!」
チャーリーが心配そうに覗き込こんでいる…いけない、いけない、心配をかけるわけにはいかない。きっと何かの思い過ごしに違いない…はやく買い出しを済ませてコカトリス亭に戻……
「あ゛ァん!? ふざけんじゃねえぜ!!」
「「「!」」」
突如として、平和な日常をぶち壊す怒号。
何事かとあたふたしていると、向こうの通りで山のような柄の悪い大男が山吹色のマフラーをした風来坊とおぼしき青年を突き飛ばしている様子が目に飛び込んできた。どうやら火元はあそこらしい…すると、チャーリーが青ざめた顔でペコリーヌに耳打ちする。
「…(ペコ姐さん、ありゃ質の悪い当たり屋ですよ!ランドソル外れにある洞窟を根城にしてるならず者で、力に物言わせて他人から金巻き上げたり、色んな店に言いがかりつけて潰してまわってるヤツッス!あのアンチャンには悪いですけど、関わらないほうが良いですよ!?)」
「……当たり屋…。」
ペコリーヌとてそんな手合いは旅する中で出会う機会はまあまああったので驚きはしない。問題としては、被害にあってる青年…地面に転がった彼は当たり屋に蹴られたり罵倒されたりとされるがまま。ドゴッドゴッと踏みつける音とうめき声が凄惨さを窺わせ、道行く人も思わず目を背けてしまう程。
「ごめんなさいで済めばよぉ、王宮騎士団も法律もいらねえんだよなあ? よくも俺の大事な女の服を汚してくれたこの落とし前、どうつけてくれるよ…えぇ?」
「悪かったよ、本当に。ワザとじゃないんだ…朝からろくに食べてなくてついうっかり……」
あー、成程。風来坊の彼、どんな成り行きか知らないが当たり屋の後ろにいる水商売を思わせる服を着た女性(恐らく当たり屋の恋人)に因縁をつけられてしまったのか。彼女のケチャップで汚れた服と手に持つサンドイッチが全てを物語っている。
「手持ちが無いないなら作りやがれ、それが誠意ってもんだろ? せめて、手拭いぐらいは出せ…」
リンチの次に、当たり屋は風来坊の山吹色のマフラーに手を伸ばす…布巾代わりにでもするつもりなのだろう。しかし…
ガシッ
「…おい、人が下に出てりゃつけ上がりやがってこの豚野郎。」
睨。
伸ばされた腕は逆に鰐に咬まれたが如く締め上げられ、赤毛に隠れていた憤怒を秘める瞳がチラリと覗く…。触れたのは手拭いにあらず、仏の顔も何度と言っても逆鱗に触れれば数えることなく堪忍袋の緒が切れる。グンと引っ張られるや自重に巨体が耐えられずよろめき、垂れてきた頭に砲弾のように凶暴な笑みを浮かべた頭突きがめり込む。
高慢な鼻は文字通りにへし折られ『ぐえぇ!?』と流血を伴う汚い悲鳴が上がり、転がる巨体。近くの通行人たちは慌て逃げ、商店街の店舗は煽りをくって魚や野菜やらが地面に投げ出される。
「て、テメェ!?」
「生憎、腹の虫が鳴いてる上に居所も最悪なんだ。ただで済むと思うなよ? その贅肉まみれの腹、挽肉にしてやるぜ!!」
そこからは大乱闘。殴る蹴るの応酬、投げる投げられたり血飛沫が舞う有様の阿鼻叫喚…喧嘩の嵐は大きくなっていき商店街の被害は甚大へまっしぐら。ペコリーヌにも顔面目掛け弾丸のように林檎が飛んできたため、パシッとキャッチ…その顔から笑顔は消え険しい。
「コイツはひでぇ…ペコ姐さん逃げましょう!このままじゃ、俺達も巻き込まれちまう!!」
「さ、はやくはやく……ペコ姐さん?」
イカッチとチャーリーが逃げるよう促すが、逆にペコリーヌは荒れ狂う喧嘩の嵐…その中心へ。
狂気の沙汰、飛び込むなんて自殺行為。しかし、彼女は拳を握りしめ…
「食べ物を…」
「「…え?」」
「粗末にしてはいけません!!!」
ドゴォオオ!!!!