プリンセスコネクト!Re:転生カリバーさん、悪夢に泣く(仮) 作:ジュンチェ
お久しぶりです。
アンケートは今回で〆切。ご協力ありがとうございました。
「あー、いっけねえ。殺しちまったよお…。はぁ〜あ。」
物言わなくなったカリバーの死体が無造作にキャルの眼前へ放り出された。
瞳は左右ともあらぬ方向を向き、口はだらしなく開き血が滴り落ちる死にたての表情に迸る悪寒…それと恐怖。たった今、自分の目の前で人命が奪われた事実にキャルは気が動転して腰が抜けてしまっていた。
一方のルシファーはというと、人を殺めたというのにヘラヘラとまるで気に留めない。うっかり、道端の犬の糞でも踏んでしまったくらいの軽い言葉は罪悪感など皆無だと雄弁に語る。
「ま、いっか。もうひとりいるし。」
そして、悪魔はメタルビルドが踏みつける満身創痍のユウキへと標的を移す。
「さあ、坊や。次はお前だゾ? 正直に吐いたら、身包み剥ぐだけで勘弁してやるからドクターの力は何処にやったノォ?」
「……知るか。」
「はー、見てないのかな?テメェも死にたいのかァ?ああん??」
ユウキは答えない…答えようがない、本当に知らないのだから。
すると、メタルビルドは踏みつける足を離して威圧するルシファーを制す。
「待て、本当に知らないコイツは持ってはいないのかもしれない。となれば、そこの転がっている小娘どもの誰かが持っているのかもな…?」
「お? じゃあここで剥いちゃうかァ?」
「盛るな。そういう意味で言ったんじゃない。」
下衆な会話が耳に入る…次は自分たちに悪魔の指先が移ろうとしている。それなのに、キャルの足は生存本能よりも絶望の恐怖で支配されて動かない。
文字通りの震える仔猫。ルシファーがジリジリと迫る……
「やめろ、キャルに触るな…!」
ユウキの悲痛な叫び虚しく、邪悪な手は伸びていく……
「あんまり、乳臭いガキには興味ないんだけどねぇ?」
「……ひっ」
その指先が無垢な白い肌に触れ…
「うわっ、きっしょ。」
――斬!!
……触れることはなかった。
下衆の腕は宙を舞い、白いナノマシンと鮮血の混合物をまき散らしながらボトリと地面に落ちる。『あ?』と首を傾げるルシファーの目の前には何処から現れたのか、見知らぬ赤毛の青年が割って入り剣を握り締めていた。右腕を斬り落としたのはコイツだろう。
「なんだ、テメェ…エ゛!?」
青年はそこから間髪入れずにエデンドライバーに蹴りを叩き込みルシファーをふっとばす。如何に強力な仮面ライダーであろうと、変身ツールは急所…生身の人間からの攻撃だろうと場合によっては致命的なダメージになりうる。彼の動きは明らかにそれを『解っていた』もの。
「…!」
「遅い。」
すぐさま、メタルビルドもスチームガンに手を伸ばそうとするも…それより早く切っ先がビルドドライバーのハザードトリガーを突く。直後、ライダーシステムの維持そのものへのダメージがプラズマとなって変身者本人に牙を剥いた。これで、メタルビルドも一時的ながら行動不能となり地面に転がる…
「いやあ、悪いね。『組織』の人間ってのは動くのに手間がかかっていけねぇや。」
何者なのだ? 突如として、飄々とした態度でダークライダー2人を蹴散らしたこの赤毛の青年は?
誰もなにもわからない………否、ユウキだけは彼の握る刃の名前を知っている…!
「――『火炎剣烈火』だと!?」
「お?リアクション大袈裟過ぎないか? お前さんも『転生者』なんだろ? そんなに驚くことは無いじゃん?」
火炎剣烈火…炎の聖剣。その登場はヒルマさえも目を見開いていた。
(嘘…。虚無に続いて失った最後の一振りが…まさか!?)
「おいィ゛イ、ドクターァァァ!! 転生者が他にいるなんて聞いてねえぞ!?」
ここにきて、番狂わせ。ルシファーは怒り狂い、意識があるキャルも置いてきぼりとぽけぇ…と呆けている。今、物語の流れは炎の聖剣を握る彼へと中心を据えていた…。廻る世界、紡がれるシナリオは足元をすくわれた卑劣漢たちを見放そうとしている。
「俺の名前は『ルイス』、VEトライブ・時の円卓に属する転生者。そして…」
青年は『2021』と刻印された無機質なライドウォッチを取り出す。すると、女性の無機質な電子音声が流れはじめた。
【 ――Lv3相当のPK行為を確認。変身による実力行使を許可、速やかに対象を排除してください。 】
【 セイバー!! 】
続けて青年がスイッチを押して起動すれば腹部にファルシオンのそれと酷似した聖剣ソードライバーが出現。同時にライドウォッチは紅い龍が描かれたライドブックへ姿を変える。
まさか…。ユウキは目を見張る…炎の聖剣に勇気を冠す龍を綴った本は選ばれた者にしか扱えない。もうその人間はいないはずなのに…!
【 ブレイブドラゴン!! ――かつて、世界を滅ぼす程の力を秘めた神獣がいた! 】
変身シークエンスはカリバーやファルシオンと同じく、剣と本をドライバーに収めて力を溜める。フツフツと沸き立つエネルギーが火花となり、熱がこもった光が不敵な笑みを照らす。
…そして
「変身!!」
【 抜刀! 】
烈火が再び勢いよく抜き放たれ、ライドブックが表紙を開く。
同時に、炎の竜巻と紅龍の影が舞い上がり鎧を形成していった…。
【Wowow…! ブレイブドラゴン!! 】
【 烈火一冊!勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く! 】
権現するは烈火の騎士。勇気の炎を灯す聖なる刃その名は…
「――仮面ライダーセイバー!!」
目を見開くキャル。カリバー、ファルシオンに続く3人目の剣士の仮面ライダー…その登場を誰が予想出来ようか。そして、無謀にも彼は悪党どもへ挑もうとしている!
対するルシファーも黙ってはいない。切り落とされた腕を拾い上げ縫合すると怒り狂いながら飛びかかった。
「ぶち殺すッ!!」
「ふっ!」
振り回されるサウザンドジャッカー…しかし、一撃一撃をゆっくりと後退りされながら火炎烈火でいなされていく…。突きも薙ぎ払いも、なにひとつかすり傷すら与えられない。
「どうした、そんなもんか?」
【 エグゼイド医療日誌!! ノックアウトファイター!! 】
回避の刹那、ライドブックを刃に翳すセイバー。焦燥する連撃の隙を見逃さず、文字通りに防御力を無視した炎の一太刀で
カウンターを見舞う。
「ぐおァァァ!? 舐めるなよ!」
思わぬ反撃を受けたルシファーは汚い悲鳴あげながら錐揉み回転してとんでいく。しかし、意地とばかりに受け身をとるとサウザンドジャッカーのレバーを引き再びライダークレストを模したライダモデルや動物などのライダモデルをありったけ展開してセイバーへ向ける。ひとつひとつが間違いなく必殺技クラスのそれらだが、すり抜けるようにどれもこれも当たらない。風に舞う羽のようにフワリと躱し続けながら縫うようにユウキの元へ…
「借りるぜ。」
そして、散乱していたライドブックの1冊を拾い上げ火炎剣烈火へと翳して読み込ませた。
【 ディケイド世界旅行記! 】
発動したのは3体への分身。ライダモデルの嵐を相手するには一見、心許なささうだが…
【 刃王剣十聖刃!! 】
【 ATACK RIDE SLASH!! 】
心配することなかれ、かたや最強の蒼き聖剣『刃王剣十聖剣(クロスセイバー)』… かたや世界の破壊者の黒い刃『ライドブッカー』。創世と破壊、強大なふたつは余りあるだろう。
「はあっ!」
「せやっ!」
創世の蒼炎が焼き払う。破壊のマゼンタの斬撃が全てを粉砕する。ルシファーの全力はあまりに容易く捩じふせられた。
「なっ…」
「終わりだ!」
慄く暇など与えない。トドメ…
【 必殺読破! ドラゴン一冊斬り! ファイヤー!! 】
「うおおりゃぁ!!!!」
火炎烈火の刀身が深くルシファーの腹へと滑り込む。普通の人間なら臓物に届く深さに容赦なく聖火の灼熱が流れていき傷口を焼く…。これには断末魔に近いおぞましい悲鳴をあげるルシファー…それが勝敗を物語っていただろう。
「…貴様ッ ……覚えてろッッ 次合った時…ぎゃああああああああ!?!?」
「セイッ!!」
一閃。
振り抜かれたその数秒後、巻き起こる大爆発。
悪魔を滅した炎をバックに決めポーズをとるセイバーは軽く決めポーズ。
「ま〜た、カッコよく決めちまったぜ☆」
現れたる3人目。波乱の剣士は一体なにをもたらすのか、今は誰も知る由もない。
☆転生者ルイス(仮面ライダーセイバー)
物語に現れた3人目の剣士にして、転生者。彼自身は別の物語の主人公だが訳あって並行世界をさすらいながら行く先々で善良な転生者や初心者転生者を助けたり、悪事を働く侵略転生者などと戦っている。
強さはユウキ(デザスト)かそれ以上の可能性を秘めているが、彼は自身の刃王剣聖十刃を使いこなせていない様子。それでも、通常のカリバーさんより遥かに強い。
★近況
ブラックサン視聴中。もうじき終わりそうなのでその時に感想を書ければなと。
ライダー以外は水星の魔女とリコリスリコイル見てます。チェンソーマンも見ようか悩んでるのですが…全部見ようとすると休日一日中アマプラに齧りつく日々に。悩ましい。