プリンセスコネクト!Re:転生カリバーさん、悪夢に泣く(仮) 作:ジュンチェ
ブルアカはじめました。
だんだん、鎧武後半の時みたいな気分になってきました。
「…えっと、つまり僕達の結成するギルドに入りたいってことか?」
「そゆこと!」
な ん だ テ メ ェ ?( イラァ )
いや、いきなり過ぎないかコイツ。僕らを助けた例のセイバーなのは分かった…で、今は根無し草で立ち行かなくなって美食殿に入れてもらいたいと?
いやまあ、助けてもらったことは恩はあるにしても…それはそれ、これはこれ。プリコネって美少女とキャキャイチャイチャするのも重要な要素だよな?なのに、男が来るの…?よりにもよって、活動の中心になる美食殿に?
オイオイオイ、美食殿に騎士クン以外の男が居ていいと思ってんのか? ああん?
「おまいう。(正論)」
いやぁ、仰るとおり……ハイ、すみません。
「私は構いませんよ!ルイスくんが仲間になるなら百人力です☆」
「流石、我が主!ペットとして誠心誠意尽くさせて頂きますワン!」
「あ、そういうのはもういいんで(真顔)」
ペコリーヌも仲間にすることには乗り気か…うん、確かに僕らより強いのはメタルビルドとルシファーの時で分かってるからなぁ。覇王剣聖十刃も持っているところから、相当の実力者だろう…今後の仲間になってくれるなら戦力としては申し分ない。いずれ敵対するであろう覇瞳皇帝やエリスとか考えたらカリバーの伸び代では些か心許ないし。カリバーがジャオウドラゴンになったとしてもキツいよね流石に…
「じゃあ、私はパス。3人いるならギルドの最低人員確保出来てるわけだし、別に要らないでしょ…」
おっと、キャルちゃんが逃げようとしている。
駄目だよ?
――シコシコシコシコシコシコ(キャルちゃんの尻尾を擦る音)
「にぃ゛ぃ゛ぃ゛!?!? 乙女のデリケートなとこに何すんじゃ!?ブッ殺すぞ!!」
引き留め、ヨシッ!
何かヒロインの尻尾からしてはいけない音がした気がするんですが、それは気にしないでおこう。
取り敢えずだ。ギルドリーダーになるペコリーヌが拒否しないなら、僕が改めて何か言うことはない。パーティーの趣味嗜好なんて些細な問題とこれから迫りくる脅威や問題の対処とで天秤にかけたら後者を優先すべきだろう。ユウキもそれで問題な……
ん?なんで、コッコロちゃん気まずそうな顔をしてるの?
「申し訳ありません、ペコリーヌ様。お話は嬉しいのですが主様は現状はギルド活動にあまり積極的では…」
え゛ぇ゛!?!?(白眼)
お前いないなら、もうそれ美食殿の存在意義揺らぐじゃん!? つまり、コッコロちゃんも居ないってなると……これ諸々駄目では? 原作どころじゃないぞそれ…!? 説得しなくては!
「…しかし、君等だって根無し草だろう?またサレンに世話になるわけにもいかないだろう?」
「はい。ですが、主さまも何かしらのお考えがある様子…… 恐縮ですが、今回は…」
「わかった。参加する…その美食殿に。」
「!?(0×0;)」
あれ、フツーに乗り気だな。コッコロちゃんビックリしてんぞ? う〜ん、この転生騎士クンなに考えているのかよくわからないんだが…目的は『魔女を殺すこと』とか言ってたけど、原作キャラの誰かを狙っているということか?いや、それはないか…なんか摑みどころが無いんだよな…
「主様、よろしいのですか?」
「ああ。信用できるからな。コッコロも構わんだろう。」
そして、サラサラとギルド登録表にサイン。改めて、赤ちゃんとファンから呼ばれたあの騎士クンとは別モノなんだと実感できる…。顔も服装も同じだが、物腰が外見とは不釣り合いに落ち着いていてコッコロに頼りきりだった原作とは大きな違いだ。
……ユウキ自身の意識もあるそうだが、彼はこの物語に何を望む?
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「わあ、6人なんていきなり大所帯!ヤバいですね☆」
大はしゃぎのペコリーヌ。確かにギルドとしてはそこそこ人数は多いほうだろう…そもそも、原作だと美食殿ははじまりが4人だったことを考えればだいぶ多い。しかも男。
やれやれと溜め息をつくカリバー…まあ、自分に文句を言える立場もチカラもない。あー、ルシファーのことを思い出すとどうも首が疼く気がする……
「それじゃ、届け出を出してきますね!」
そして、ペコリーヌを見送る男たち。コッコロとキャルもお手洗いで離席している…カリバーはルイスに改めて向き直る。
「さて、ではルイス…色々と話してもらいたい。僕達が知らないことについて。」
「…ま、そうなるよね。改めて、色々と話さないとチンプンカンプンだろうしな。何が聞きたい?」
さて、何から聞いたものか。カリバーにとっても気になることは多くある…。ペコリーヌたちがいない内に転生者同士でしか話し辛いこともあるし、今は良い機会だ。
「転生者なのはわかった。だが、君はこの世界で何をするつもりなんだ?」
「なにも? …ああ、正確にはアンタたちのやることに特別口出しはしない。他人の物語への介入は本来なら俺も望まねえし、あくまでその場しのぎだ。帰る算段がつき次第この世界からは離れるさ。最も、あのメタルビルドとルシファーを放っておくわけにはいかないがな…」
「? 帰る算段はともかく、なぜ奴等を追う必要が?」
実は尚もあの侵略転生者たちは逃げたままだ。王宮騎士団の必死な捜索も虚しく、恐らくはランドソルの何処かに息を潜めているらしい。彼等をなんとかしてくれるなら有り難いが、別に彼にとって利益は特に無いはず…
そんな疑問に『あー…』と面倒そうに答えるルイス。
「ほら、俺は『VEトライブ』だからさ、方針としてPK行為は見逃せないわけ。だから、しっかり縄にかけるか、最悪でも討伐しなきゃならないの。」
「…と、トライブ?」
「え? …『トライブ』の概念すら知らない? もしかしなくても、アンタたちってマジで初心者転生者ってわけか?」
トライブ……意味は『部族』を表す言葉なのはカリバーも知っている。それが、転生者とどう関わりがあるというのだ?
よくわからないが、転生者界隈というのは思った以上に複雑なのだらしい。
「すまない、僕はまだ転生して一月なるかならないかくらいなんだ。」
「あらら、つまり早々に初心者狩りの被害にあったわけね…ご愁傷さま。わかった取り敢えず色々と教える。ちいと面倒くせえがちゃんと聞けよ?」
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『トライブ』とは…
言ってしまえば、転生者同士のギルド。ただ規模はひとつの異世界の範囲に留まるそれとは違い、構成員は転生者が大半を占める。並行世界を超越し構成員たちが手をとりあい、場合によっては物々交換や旅行、単独で解決出来ない問題の対処にあたったりなどもする。規模な統治形態も会社、騎士団、傭兵団、多々諸々…と多様性があり個性的だ。
いつからこんな超次元組織が形成されたかは誰も知らない…ただ、ある時から並行世界を行き来する転生者が爆発的に増え始めたことが理由のひとつだとも囁かれている。真相は不明だが…
ルイスもまたトライブ『時の円卓・ナイトオブゼイン』の構成員。彼の所属する時の円卓は非力な転生者に手を貸し、PK行為(※プレイヤーキラーの意。要は転生者狩り)などを行う侵略転生者の討伐を活動の主軸とする時空の秩序を担う騎士団なのだ。
……そして、こういった他者に危害を加えることを目的としないトライブを『VE(vsエネミー)トライブ』と判別される。
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「…ま、ざっとこんなところだな。安心安全を求めるなら俺らのようなトライブに入るのも一考の余地ありだぜ? 今時、フリーはキツいぞ?」
成る程。転生者同士の巨大な組織か…トライブについて理解を深め頷いたカリバー。大きい組織がバックなら侵略転生者といった無法者も簡単に手出し出来なくなるわけか…それはかなり大きい恩恵だ。自分の世界に加えて並行世界からの招かねざる客にまで気を巡らせなくて良いとなれば…
(……なら僕もトライブに入ったほうが都合が良くないか色々と? だが、うまい話は裏があると言うしな…)
「おい、俺も聞きたいことがある。」
わ、なんだ!? ヌッとルイスとの話に割って入るユウキ…その顔は妙に険しい。
「貴様の聖剣、火炎剣烈火は何処で手に入れた?」
「え? …いや、これフツーに俺が転生した時に貰ったギフトだけど?」
ギフト…つまり、転生特典。カリバーで言えば、闇黒剣月闇や各種ライドブックがそれにあたるだろう。
しかし、それをわざわざ訊くとはどういうことだろうか? 確かに前世の知識がプリコネどころかラノベすら知らない有様の彼だったが聖剣に拘る意味は何なのだ? 元よりわからない奴だが、ますます解らない。
「……『前の持ち主』はどうした?」
「なんでそんなこと…… いやまあ、生きてはいないだろうけどよ…」
「…!」
前の持ち主? 転生特典に?
カリバーは首を傾げる傍ら、ユウキは一変して静かに『そうか…』と顔を伏せる。一体、どういうことなのだろう…取り敢えず、今度ヒルマに聞いてみるか。そろそろ、ペコリーヌたちも帰ってくるはずだし……
「ちょっと、何なのよアンタたち!?」
突如、響くキャルの声。明らかに穏やかではない様子に男たちは慌てて立ち上がり、騒ぎの場所へ向かう。場所はクエスト掲示板前…
そこで、キャルとコッコロが数名のガラが悪い男たちに絡まれている真っ只中だった…。