プリンセスコネクト!Re:転生カリバーさん、悪夢に泣く(仮) 作:ジュンチェ
ファイズとシンフォギア公式コラボだとッ!?(驚愕)
しかも井上脚本!?(悲鳴)
…すっかり日は暮れて
集まった各々は手に入れた食材を出し合うことに
「ふふん♪ アンタたちの食材、見せてもらおうじゃない?」
何故かキャルだけは得意げで早くしろと催促せんばかりに張り切っているが…余程、釣果が良かったのだろうか。取り敢えず、カリバーとコッコロの野草採取組が披露……
「まあ、こんなところだな。」
「ぼちぼち、といったところでしょうか。」
ビーツらしき小さい根菜、あとは野草類が一握り…キャルからの評価は『ふ〜ん?まあ健闘したほうじゃないの〜?』とマウントをとられるくらい。土地勘無しの場所でよくやったのではなかろうか。流石に農家に管理された畑のようにはいかないし…
「キャルちゃんはどうなんだ?」
「きゃるん♪ よく聞いたわね、目ぇひん剥いて見なさいよ!」
そして、キャルが出したのは30センチは優に超えるくらいの魚…マス類の魚類に近くてかなり太い。6人分は賄えるだけ釣ってきているし、ドヤ顔するだけはある釣果だろう。
「あたしの勝ち♪」
なんで負けたか明日まで考えておいてください…別に競ってはないが。
ドンッ!!!
「きゃるっ!?」
「それじゃ、わたしはこのイノシシさんで勝負です☆」
しかし、その成果もペコリーヌがとってきた巨大な猪の前には些細なものだった。雄大な大自然をそれなりに生き抜いてきたであろう魔猪と言っても他言ではないビッグサイズにあっという間にシナシナとなっていくキャル。
そんな彼女の耳許で囁くカリバー…
「なんで負けたか、明日まで考えておいてください。」
「…」
―――このあと、カリバーは泣くまで殴られた。
★ ★ ★ ★ ★ ★
「…(つ〜ん)」
「きゃ、キャルちゃん! 機嫌直してくださいよ! そうだ、私のお肉わけてあげますから!」
時は進み、夜。
キャルの機嫌を損ね、カリバーは前が見えなくなりまるでボコボコにされコッコロに治療されているという初クエストの夕食にしては混沌とした風景が拡がる。良いのかこれは…
そんな様相を苦笑しながらもルイスは少し距離を置いて見守りながら串焼きの魚をかじっていると…ユウキが近づいてた。
「楽しそうだな。」
「ん? ああ、こうやって旅をするのも久しぶりだなと思ってな。やっぱり、仲間と歩いて下らねえ話をしたり喧嘩したり…そうやってひとつひとつが思い出に成る。その経験は何物にも代え難い。」
目を細めるルイス……視線は美食殿に向けているが、視ているのはおそらく『今』ではないだろう。
言葉から察するに彼にも仲間や友がいて旅をしていたのか。そして、その旅は素晴らしかったのかもしれない。最もユウキ…正確にはデザストの人格には理解しえないものだが。
「そうか。前世の頃は友にも…旅の良縁にも恵まれなかった俺には羨ましい限りだ。そのように想える旅の仲間…さぞ、お前の失踪を心配しているだろう。」
「え……あ、うん。そ、そうだな。」
ん? 何だその歯切れの悪い受け答えは。
目が泳ぎだしたルイス。ユウキとしては別に変なことを言ったつもりはない…いや、もしかしたら何気ない言葉が彼の琴線に触れたのか?
「気にすんなよ俺のことは! 冷める前に食っちまおうぜ!」
「…(喧嘩別れでもしたのか?)」
決して背かないと誓った愛も、永劫揺らがぬ信念すらも、時にあるふとしたキッカケで瓦解することもある。そのまま、不和・決裂と繫がり人との縁は簡単に絶たれ…もう二度と戻らない。それだけは身に染みていた
想像することは心痛むがルイスも大切な仲間と良くない別れ方をしたのかもしれない。
まあ、自分も他人との付き合いや付き合い方に関しては自分言えなたものじゃないのも事実。特に突いたところで収穫はなさそうなのでプライベートな部分には踏み込まないほうが賢明だろう。
……そして、夜はふけていく。
晩飯の大半はペコリーヌが平らげ、後片付けを済ませると獣・魔物避けのお香を焚いて眠りにつく美食殿。明日は目的地の村に着き、本格的なクエスト開始となるだろう。野宿という形だが、しっかりと英気を養っておかなくては。
『さて……よく眠っているな。』
ただ、ユウキのみはむっくりと起き上がるとデザストへ変身。皆を起こさないように立つと静かにその場を後にする…
『……下見をしておくか。』
何かと胡散臭くてトラブルが多い今回のクエストだ…念には念を。用心に越したことはない。
★ ★ ★ ★ ★ ★
「……ここが、例の村のようだ。」
明朝。美食殿一行は山道を登り目的地へ到達。
カリバーは手持ちのクエスト用紙を確認し、看板と照らしあわせる…うん、間違っていないようだ。山を切り拓いて作られた小さな村…主に女子供しかいないそうで、若い男衆はランドソルに出稼ぎだとか。
そんな男手が少ない時にロックドレイクの襲撃を受けてしまい、僅かな人員と質素な生活をしている村では死活問題と化している。
(……やはり、こんなところまで王宮騎士団は手が回らないのか。)
荒れ果てた門前に立ちカリバーは思う。今更だが仮にも飛竜の獣害なら王宮騎士団が対処して良いものだが、ランドソルからそれなりに距離があって特に重要ではない片田舎は後回しにされがちなのだろう。慢性的な人手不足に加えて、今はランドソルの中ですらアナザーライダーや侵略転生者の無法に手が足りない状態なのだし仕方ないといえば仕方ないだろうが…
一応、美食殿名義の活動とはいえ、王宮騎士団の一員として責任もって対処しなくては。
「な〜んか、村…って言うより廃村一歩手前ってかんじよねぇ?」
「シーッ! キャルちゃん失礼ですよ!」
悪気はないにせよ、キャルが思わず口から洩らしてしまうのも解るくらい村はボロボロだ。雨風に晒され続けて傷みが目立つ木造住宅がチラホラ。ランドソルの街並みに慣れてるを抜きにしてもあばら家は言い過ぎにしてもそんな建物やあまり活気の無い住民たちを見てるとまあそんな印象を持っても仕方ないだろう。
まあ、悪口には変わりないので依頼人の耳に今の発言が耳に入らないことに越したことはない。
「それでは、依頼人の元へ向かいましょう。村として出された依頼となれば、役場に行くことが賢明ですね。」
コッコロの提案に乗り、村の中心に向かうことに。
通りすがりの村人に道を訊ね、寂しけな村の景色の中を進んでいくと…確かに役場とおぼしき建物が。ただ、やはりと言うべきかこちらも相応に古ぼけて傷んだ建物で仮にも公共施設すらこの有様ということが村の全てを物語っている。
「……ねえ、ちゃんとクエスト報酬出るのかしら?」
「「「「「…」」」」」
キャルの疑問に誰も答えられない。
流石に見合う報酬が用意出来なければクエストが発行されないとは思うのだが……大丈夫なのだろうか。万一、不払となれば早々に美食殿は赤字スタートを切る羽目になりかねない…
…なんて思っていた矢先だった。
「おんやまあ、お客様かね。随分と久しいねぇ。」
建物の中からローブを纏った老婆が出てきた。腰が曲がり、杖つき…あと眼が弱いのかサングラスをかけている。まだマシな服装をしている分、恐らくだが彼女がこの村の村長だろう。
『おばあさん、実は…』とペコリーヌが自分たちがクエストを受けてきたことを話すと老婆は『ほうほう』と頷いた。
「そうなのかい。なら、話が早いアタシがこの村の村長さ。代表して依頼したのもアタシじゃ。いやあ、駄目で元々だったが…これで村も助かるよ。ロックドレイクの群れなんてどうにも…」
「え? 待ってください、『群れ』?」
ペコリーヌは素っ頓狂な声をあげてクエスト用紙を確認するが、『群れ』とは書いていない。多少の魔物ならどうにかなれど、ロックドレイクは飛竜…それが群れとなれば危険度は桁違いだ。間違っても新人ギルドが受けて良い仕事ではない。
ギルド管理協会側の手違いか? 困惑する一行に対し、老婆は革袋を強引にキャルに手渡す。
「若者が四の五の言うんじゃない。さ、これは報酬の前金じゃよ。金はこれで渡したから契約成立…ほれ、さっさと行かんかい!!」
そして、あれよあれよ言う間に村を叩き出されてしまった。強引この上なさに、最初こそノリノリだったキャルですらも憤慨する。
「何なのよあの態度は!? 前金まで渡されちゃったら断るに断れないじゃない!」
「…」
一方、その傍らのユウキは顎を撫でて考えていた。
どうにもおかしい、ギルド管理協会からクエストを受けたことはサレンディナ救護院にいた時から幾度かあったがトラブルらしいトラブルが起きたことは無かった。しかし、美食殿として受けた任務でここまでに至る不手際といい依頼主の強引さといい違和感を覚えるなというのが無理だろう。
疑念を持った彼はキャルが持つ革袋の中身を覗き込む……中にはキラキラと輝く報酬の金貨。まだ新しいのか摩耗も見受けられない。あのボロボロな村の何処にこんな財が…
(……気にかけておくか。)
用心に越したことはない。