プリンセスコネクト!Re:転生カリバーさん、悪夢に泣く(仮) 作:ジュンチェ
あとワクチンうちました。熱はもう下がりましたが歯茎が腫れるんですよ…何故?
――さん! ――さん!
今、僕は天使キョウカちゃんと天高く舞い上がっている…ああ、なんて幸せなんだ。前世でもこんな四肢の先から五臓六腑まで行き渡る暖かい多幸感に満たされるなんて無かった!
うん、ロリ最高。まこと貴い。
前世で精神誠意育てて下さった父上、母上、もうしわけございませぬッ! 早死して異世界転生した親不孝のせがれは異世界にてロリコンに堕ちまするぅぅぅ…!!!
「キャルちゃんスパークッ・ボンバーァァァ!!!」
ドゴッ(何処からともなくとんできたキャルちゃんが直撃する音)
ぐえっ
★ ★ ★ ★ ★
――ひゅるるる〜〜〜 ズドーーン!!
「はーい、楽しい夢の時間は終わり。」
「…ごふっ、ごふ…出たな、キャルドラゴ…… ヒルマか?」
「あたし以外、この世界に誰がいるっての?」
楽しい夢の終わりは唐突に。まだ眠りからは覚めないが、物哀しい野原に叩き落されたものの痛みは無いかわりにこちらをクスクスと見下ろす小悪魔的な笑顔に憎らしさがわいてくる。どうやら、強引に意識をセーフポイントに持ってこられたらしい。
「親より先に逝ったくせに、異世界転生して幼女に手を出すとか…本当に畜生ね。」
出してない。夢だからセーフ…だよな?(震え)
というか、20代の折り返しが10代のうら若き乙女たちに手を出そうもんなら犯罪だし、並行世界の騎士クンが大挙して殺しにかかってきそうだ…怖気。でもひとりくらい貰っても良いよな折角の異世界転生だし。
無論、20歳以下に下劣な感情を催す気などこれぽっちも……ん?、ヒロインのおよそ9割が対象外になるのでは?
「ま、誰であろうと本気で手をだしたらその時は剣もその身体も取り上げるから注意しなさいよ?」
――まじか。
どうやら、命も金玉も握られてしまった僕はどうしたら…
「それよりも、新しい拠点を建ててみたの。こんな殺風景な場所に野晒しより良いわ。」
見上げれば、丸太小屋の別荘が目の前に。凄いな、キャンプも何も前世に縁が無かっただけにサスペンスドラマくらいでしか見たことがない建築物が…凄いな、彼女が造ったのか。
「さ、中へ中へ…」
「む…」
★ ★ ★ ★ ★
「いや、…よりにもよってか?」
「あら?不満かしら?」
ヒルマに案内された木造の別荘とおぼしき建物…外観は童話に出てくるような愛らしい屋敷で良かった。良かったのだが…
(これは…黒い本棚のアジトじゃないか……)
ステンドグラスに暖炉とだけならまだ良いとして、ブランクのライドブックが乱雑に押し込まれた本棚や、何か机の上には呪物かそれに相応するようなアイテムが散らかっていたりするこの場所は見覚えがある。
『黒い本棚』とは…仮面ライダーセイバーの物語において敵組織にあたる怪人メギドを中心に構成された勢力。確かに物語の前半こそはカリバーとも縁かあるといえあったのだが…せめて、ノーザンベースとは言わずとも、もっと他に無かったのかと隣でニコニコしている用意した張本人を問い詰めてやりたい。
「うーん、あなたの記憶からその力が相応しい場所ってイメージの記憶を頭から抽出して造ったんだけど…」
「………頭から抽出?」
何か聞き捨てならないこと言ったぞこの女。
セーフポイントといい、ヒルマといい、理屈のわからない事ばかりだが… なんだろう、知らないうちに脳みそとか吸い出されていないか気になってきたぞ。怖くて深く聞けなかったが…
とりあえず、あの墓場のような野原だけじゃなくて良かったと一息……適当な椅子を手にかけて腰を降ろすと、ふと目に入った手鏡を手に取る。無論、写るのは自分の顔、ただ……
(やっぱりこれ、元々の顔じゃないよな?)
今更だが、明らかに生前とは違う顔…灰寄りの銀髪(もしくは白髪?)に土気色寄りの肌…あと、何というか擦りきれた琥珀色の眼。シャープなデザインの眼鏡も相まってとても冷たい印象を与える…多分、陰キャだ。(偏見)
まあ、まだ若そうだがプリコネ世界では10代がキャラクターの大半を占めるので、数少ないなアダルティ男性側に入るだろう。…ふむ、ファンタジー寄りだけど転生前よりイケメンなのは確かだろうしヨシ!(???
「あ、そうそう!これ渡しとくわ。さっき、修復終わったから!」
「…む?」
ヒルマからライドブックを投げ渡されたのでキャッチ…。
ふむ、――『ファイズ人類進化史』…仮面ライダーファイズの物語のライドブックか。あの腐食していたような部分は消えて元のライドブックの形に修繕されているが、恐らくサレンをアナザーライダー化させた原因でもあるこのアイテム。
さて、いい加減にはっきりさせなくてはならないだろう。
「…ヒルマ、改めて聞きたいことがある。君の目的はなんだ? 僕を何故、カリバーに選んで転生させた? それに、どうしてプリコネの世界にアナザーライダーが…」
「…」
この案内役の目的は何なのか。僕は一体、この物語に何を為すべきなのか……
真剣な顔をしていたつもりだったが、ヒルマは相変わらずクスクスと笑うのみ。
「良いじゃないそんなこと。あなたはあなたで『仮面ライダーごっこ』をしてくれれば、私はそれで良い。この物語をエピローグに導いてくれればそれで…」
「どういう意味だ?」
「この物語は異物が混じってる。だから、このままだと本来あるべき結末とは違う方向へ行ってしまう…だから、あなたはそのカリバーの力で迫りくる悪を捻じ伏せれば良い。それだけのこと…」
抽象的すぎる…! 異物とはアナザーライダーのことを示す可能性が高いが話の全体の意図は『取り敢えず黙ってろ』ということだろう。
「どうしても知りたいのなら、この物語…駆け抜けた先に答えがある。それまではあなたの味方。そういうことで、あなたは仮面ライダーごっこの続きをどうぞ。ほら、あの娘…ペコリーヌって娘がそろそろピンチの頃合いじゃないかしら?」
何!? 話を露骨に逸されたがペコリーヌが危機が訪れる…だと?
本当だとしたら…原作開始前のタイミングをとした場合なら最初の帰郷でランドソル城に帰ってきたところか。かつての自分の臣下たちどころか両親である国王夫妻まで自分を忘れ、成り代わった偽物に心に深く傷を負うイベント…原作において大きなターニングポイントのひとつにあたる。
(――くそ、納得いかないが!)
問い詰めるのは次回にすべきだろう。アナザーライダーの事もあり、今回のイベントも原作通りに終わるとは限らない。何らかの異常…再びアナザーライダーの発生などが起これば、物語が収拾つかない事態にだってなりうる。
「覚えていろ、次あった時は必ず…!」
「ハイハイ、せいぜい頑張りなさいな。」
捨て台詞と共に僕の意識は夢の中で微睡みを覚えていく…即ち、現実への覚醒だった。それでも、手を振りながら見送る憎らしい笑顔は暫く忘れそうにない…。
★ ★ ★ ★ ★ ★
「さて、はやく烈火と虚無を見つけないと…。これ以上、時間を廻すのはアメス様にとっても過負荷だし。ま、いずれ壊しちゃうんだけどね。」
テーブルに腰かけたヒルマは不敵に笑う。その手に握るのは浄化され手渡されたはずの穢れたファイズ人類史が指先で踊らされている。
「さて、今回はどんな『仮面ライダーごっこ』になるのか…楽しみ。」
セーフポイントにクスクスと響く笑い声…呼応するように、薄暗くなりはじめた剣の丘に差刺さる刃に火炎剣・烈火と無銘剣・虚無だけがない。これが何を意味するのかは転生者がわかるまでまだまだ先の話である。
★ ★ ★ ★ ★
「…(何か息苦しいな…)」
何だろうこの圧迫感…なんというか、満杯の賽銭箱に頭から突っ込まれたようなギュウギュウとジャリジャリとした感触と痛みがほぼ全身に感じる。あと何かやたらと足を引っ張られてるよう…な…?
「どっせい!」
「…ぶっ!?」
いや、確かに引っ張りだされたのだった!圧迫感からの開放と勢いで空中に放り出されるも『きゃるっ!?』と鳴く柔らかい何かにクッションになってもらい間一髪、床とのキスは避けられた。寝起きに一体、何事…あ、キャルちゃんじゃないか。僕のお尻で何をしているんだ?
「アホか!? あたしをお前を助けてやったのよ!周り見ろ、周り!」
――まわり?
キャルちゃんに怒鳴られて周囲を見回すとここは王宮騎士団の食堂…何か騒がしい。いや…あちこちで騎士団たちがミイラと戦っている?
(いや、これはミイラじゃない…屑ヤミーだ!?)
王宮騎士団、絶賛、敵襲中…マジか。
★オリ主
親不孝、ロリコン、仮免ライダー、駄目だなコイツ。なお、リバイス放送前に前世終了。
★キョウカちゃん
天使。え、日曜9時の悪魔サイドから同じ声…?
※すみません、勘違いでした。
★キャルちゃん
キャルちゃん=キャルちゃん=ヤバイですね☆
何かと健気にオリ主を助けてくれるキャルちゃん。
★アメス様
洒落にならないくらいエグいことになってる。