今更始めるポケモンBW 作:雨上がり
「……朝かな」
なんか目が覚めた。
AM10:00である。大寝坊だ馬鹿者。
ツタージャとヨーテリーに謝りながらポケモンフーズ(オレン味)を与えながら私はパンを食べる。
それにしてもなんだか外が騒がしい気がする。
サクッとパンを食べ終え鍵を返して外に出る。
「ていうかもうお昼前なんだよなぁ……」
「ほんとだよ」
「うわっと、チェレンいたの?てっきりもうサンヨウシティに行ったのかと」
ポケモンセンターから出るとチェレンがぬるっと入り込んできた。
「止む終えない事情があってね。ほらアレ」
チェレンが指す方はカラクサタウンの広場。
なんかやってる。
「何アレ」
「なんか演説するんだってさ。昨日から準備してたらしくて2番道路の道も封鎖されてた」
「なんとまあ」
「レインも聞きに行く?」
「まあちょっと気になるかな」
灰色の頭巾かぶった人が横並び1列で整列してる。
騎士団の隊服にも見えなくはない。けどなんかダサい。
左右には青い稲妻のような絵柄の描かれた旗が立ててある。
ダサい灰色頭巾の真ん中からおじさんが出てきた。
『ワタクシの名はゲーチス。プラズマ団のゲーチスです』
「プラズマ団?」
どっかで聞いたことあるような、ないような?
ともかくおじさんもといプラズマ団のゲーチスさんの話を聞こう。
『今日皆さんにお話するのはポケモンの解放についてです』
「えっ?」「何?」
『我々人間はポケモンと共に暮らしてきました。「お互いを求め合い必要としあうパートナー」そう思っておられる方が多いでしょう』
私はどうだろう。
まだツタージャとヨーテリーが仲間になったのは昨日だし旅立ってまだ隣町までっていう初めてのおつかいレベルだし冒険をしたって言えないけれども。
私はツタージャとヨーテリーに信頼されてるんだろうか。もちろんだけど私はツタージャもヨーテリーも割と無条件で信頼してる。
何かあったら私だって身体を張るし私がピンチだったら頼らせてもらうとも思ってる。
一応朝もスキンシップとして頭をなでてあげたりはした。
私は信用に値するんだろうか……やめたやめ!こんな思考は置いとこう。
信頼されてなくてもされるように努力すれば
『ですが、本当にそうなのでしょうか?我々人間がそう思い込んでるだけ……そんなふうに考えたことはありませんか?』
言えない。絶賛今考えてたなんて言えない。
『トレーナーはポケモンに好き勝手命令している、仕事のパートナーとしてもこき使っている。そんなことはないと誰がはっきりと言い切れるでしょうか』
その言葉にあたりがざわめく。
確かに今の社会でポケモンが居ないところなんてない。
あらゆるところで人とポケモンが協力して生活している。
でも……それは違うんじゃないかな。
私だってはっきりとゲーチスさんの言葉を否定出来るわけではない。
でもちゃんと信頼関係で結ばれているパートナーがちゃんといるはずだ。
私だってまだまだ未熟だけどちょっとは信頼関係が……出来てたらいいなー。
『いいですか、皆さん。ポケモンは人間と異なり未知の可能性を秘めた生き物なのです。我々が学ぶべきところを数多く持つ存在なのです。そんなポケモンたちに対しワタクシたち人間がすべきことは何でしょうか』
再びざわめきが広がる。
その中から「解放?」という声にゲーチスさんは反応する。
『そうです!ポケモンを解放することです!!そうしてこそ人間とポケモンは初めて対等になれるのです』
怖い。
純粋にそう思った。
ゲーチスさんの目に狂気が宿っていた。
『皆さんポケモンと正しく付き合うためにどうすべきかよく考えてください。というところでワタクシ、ゲーチスの話を終わらせていただきます。ご清聴、感謝いたします』
ゲーチスさんと灰色頭巾……じゃなくてプラズマ団は旗を片付けて撤収してしまい、困惑した人たちが取り残されたのだった。
「……レイン?ねえレイン?」
「……あ、チェレン」
私はその場を離れられなかった。
「どうしたのさ、レイン」
「いやなんでもないよ」
狂気に当てられていた……のかな?
チェレンはなんともないみたいだし……。
「キミのポケモン。今話してたよね」
突然横から話しかけられた。
振り向くと白黒の帽子をかぶった緑の長髪を束ねた男の人が居た。
ポケモンが話していた?私の?ツタージャたちは今モンスターボールの中だけど……。
「…………随分と早口なんだな」
「なんで喧嘩腰⁉……ポケモンが話していたってどういうことですか?」
「おかしなことを言うね」
だからチェレン煽らないで!
どうしたのさ⁉
「ああ、話しているよ。……そうか君たちにも聞こえないのか。かわいそうに」
「かわいそうだって?」
「ボクの名前はN。Nと呼んで構わない」
「……僕はチェレン。こっちはレイン」
「あ、えっと……どうも」
なんかNと私の間にチェレンが立ってる。
あと私にも名乗らせろ。
「私たちポケモン図鑑を完成させるために旅に出たんです」
「もっとも僕はチャンピオンを目指しているんだけどね」
「ポケモン図鑑ね……そのために幾多のポケモンをモンスターボールに閉じ込めるんだ」
「ッ⁉」
心をキュッと掴まれた気がした。
さっきの演説から少し調子がおかしい。
「ボクもトレーナーだがいつも疑問で仕方ない。ポケモンはそれでシアワセなのかって」
「ポケモンのシアワセ……」
「そうだね。レインだったか」
「はい……そうですけど」
「キミのポケモンの声をもっと聴かせて貰おう!ゆけっ!チョロネコ!」
そういうとNはいきなりチョロネコを繰り出した。
「おい!いきなり何するんだ」
「いいチェレン!私も全然訳解んないけど、これってバトルってことだよねッと」
少し距離を取りツタージャを出した。
「キミのポケモンの声を聴かせてくれ!」
「全然わかんないけどわかった!ツタージャ!「つるのムチ」!」
ツタージャのつるのムチはあっさりとかわされる。
「「ひっかく」だ」
「ツタージャ右よ!」
お互いに牽制しあう。
「「つるのムチ」を振り回して!」
「!チョロネコ「ひっかく」で応戦だ」
振り回して遠心力が加わったつるのムチはチョロネコをふっとばす。
「キミのポケモンは……そんなことを言うポケモンがいるのか……⁉」
「……え?」
Nは飛ばされたチョロネコが戦えそうにないのを見るとあっさり引き下がった。
「モンスターボールに閉じ込められているかぎり……ポケモンは完全な存在になれない」
ポケモンが完全な存在になる……いったいどういうことなんだろう。
「ボクはポケモンというトモダチのため世界を変えなければならない」
そういうとNは踵を返して去って行った。
「……おかしなヤツ」
「チェレンさっきから変だよ?」
チェレンってこんな初対面に毒吐くような子だったっけ?
私とベルはしょっちゅうだけど。
「だけど気にしなくていいと思うよ。トレーナーとポケモンは助け合っている!」
「そう……だよね」
「じゃあ僕は先に行く。次の街……サンヨウシティのジムリーダーと早く戦いたいんだ」
そういえばあったなー。サンヨウシティにはジムが。
イッシュのジムバッチ8つでチャンピオンロードを通れる。
私もジムに挑戦しないと。
「……ねえツタージャ。あなたはどんなことをお話してるの?私に何を伝えたいの?」
Nの言葉が私の中に響き続けていた。
レインの心を掻き乱してくれ。
BWってこういうところ考えさせるの多いからね。
ゲームでは主人公しゃべれないからその分レインちゃんに悩んでもらいます。
文字にするとNっていきなりバトル挑んでくるんだよなぁ。