光の巨人を目指す   作:目指せ焼豚

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巨人との出会い

 世界総人口の八割が"個性"と呼ばれる不思議な特殊能力である力を持つ超人社会。ある時、中国で光り輝く赤ん坊が生まれ、世界は新しい時代になっていく。不可思議な能力、のちに個性と改められる力を持った人間たち。『超常黎明期』とも呼ばれたその時代の中で徐々に個性という力は超常というカテゴリーから常識というカテゴリーに変化していった歴史を持った世界が存在する。その世界では個性は当たり前、常識であり強い個性で在れば憧れを持たれたり将来への道を開けるという事もある。

 

 だが、総人口の二割に当たる個性を持たないものたち…その能力の無い者は”無個性”と呼ばれ、蔑まれているのが今のこの社会でもある。

 個性社会は新しい時代を築く一方で、無個性に対する風当たりを強くする環境を作ってしまった。

 

 

 そんな個性社会で、無個性でヒーローを目指す少年が早速その環境での洗礼を受けた。

 少年の名前は「緑谷出久」。彼はヒーローを目指し個性が出るのを心待ちにしていたが、結果は個性『なし』。

 

 

 出久は”無個性”だったのだ。

 

 そして、その”無個性”というところから容赦のない洗礼を受ける。

 幼稚園などの同年代は出久の”無個性”というところから、自分より下の存在として見ていじめを、幼稚園の職員も”無個性”からいじめを見向きもしない、関わりたくなかったのだろう。

 

 

 そんな環境で育っていった出久が、塞ぎ込んだ暗い子供に成長するのも時間の問題だった。

 ヒーローには憧れているが、”無個性”であることや、「無個性にヒーローなんかできるはずがない」と周りから馬鹿にされていたことから自身の心の中にも「ヒーローにはなれない」と諦めている節があった。

 

 そんなくらい日常を過ごし、中学に入学てすぐの頃、出久は夢を見るようになった。

 今までは周りの環境から逃げるようにヒーロー知識をノートで分析し、泥のように眠るような毎日だったからか、夢などを見ることはないはずだった。

 

 夢の内容は、やけにリアルだった。

 

 時代はおそらく個性が生まれるより前のかなり昔。だが、教科書とかで学ぶような内容とは違う、2007年ごろ。核兵器や公害などが完全に廃絶した世界で、東京はメトロポリスと呼ばれていた。

 そんな世界で起こっていたのが「怪獣」と呼ばれる怪物や地球を侵略しようとしている宇宙人達との戦いだった。

 

 そしてその戦いに現れた超古代の『光の巨人』と、それに変身する特捜隊の青年の記憶を出久はみた。

 

 光の巨人との融合から、戦い、敗北そして……復活。

 

 人々が希望をたやさずに、『光』になり戦った勇敢な記憶を見て出久は思った。

 

 自分もこの青年…いや、この世界のような人たちになりたいと

 

 そう思った瞬間、出久は一面真っ白い空間にいた。

 何事かとあたりを見渡したら自分以外にも人がいたことに気がついた。

 

 その人は記憶で見た特捜隊の隊服に身を包み、超古代の英雄戦士の遺伝子を受け継いだ「光であり、人である」青年ーーマドカ・ダイゴだった。

 たまらず出久はその人に向かって叫んだ。

 

 「僕もあなたのような……あなた達の世界の人たちのようになれますか!!」

 

 そう言った出久にダイゴは微笑みながら答えた。

 

 「なれるさ。最後まで諦めなければ…みんなが『光』になれるのだから」

 

 ダイゴは出久に近寄り、綺麗な金の模様が入った白い水晶のネックレスを出久の首にかけて頭を撫でる。

 そして、とびっきりの眩しい笑顔でこう言った。

 

 「人は光になれる。もちろん、君もね!」

 

 その笑顔を見て出久は夢から覚めた。

 起きて辺りを見回すと、いつもの自分の部屋。いつもなら憂鬱な感情が出久の頭の中を支配するのだが、今日は違った。

 

 例え夢の中ででも、自分は『光』になれると言ってもらえたのだから。

 出久の表情には今までの暗いものはなく、自分の目指すものになるために努力する決意に満ちていた。

 

 決意を胸に早速と言った感じで何も書いていないノートを手に取ると、出久は自分のためのトレーニングメニューを様々な本やヒーロー分析ノートを参考に組み立ていった。

 そしてその出久を、()()()()()()()水晶のネックレスが、彼の行動を見守っているように淡く光っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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