リリカル龍騎ライダーズinミッドチルダ EXTRA 作:ロンギヌス
ここ最近、小説を全く投稿できなくて申し訳ありませんでした。ちなみにこれまで小説を投稿できなかった、というかしなかった理由は何かと言いますと……
ごめんなさい、今頃になって鬼○の刃にハマり始めました(チュドーン
現在も単行本を順番に購入中です。
アニメも見ました。最初の1話目でもう泣きました←
劇場版も見ました。何回も見に行って何回も泣きました←
アニメ第2期が楽しみで仕方ありません。
そんな話はさておき。
今回はリリカル龍騎本編の第1部で死亡退場してしまった、あのキャラを主人公に話を進めていきます。
それではどうぞ。
次回予告BGM:Go! Now! ~Alive A life neo~
Chapter1 EXIS
少年は、少女と出会った。
少年は、少女の為に戦い、そして散った。
しかし、少年の物語は、これで終わりではなかった……
「―――ん」
少年―――
薄暗い空間の中を、彼は俯いたまま先へと進み続けていた。しばらく歩き続けた後、健吾は歩みを止め、静かに顔を上げる。虚ろだった両目は、少しずつ光を取り戻し始めていた。
「……!?」
健吾はハッとした表情を浮かべ、周囲を見渡す。彼の周囲は今もなお、薄暗い闇が広がっていた。
(何だ……何処なんだここは……? 僕は確か、あの男にやられて……)
健吾の記憶が、少しずつ呼び起こされていく。
ミッドチルダという、地球とは違う世界。
そこで出会った1人の少女。
その少女と共に過ごしてきた日々。
ミッドで初めて出会った仮面ライダー達。
かつて地球で自分を殺した眼帯の男。
ミッドで遭遇した仮面ライダーのような戦士。
ミッドで自分を殺した凶悪な殺人犯。
そして雨の降る中、1人孤独に息絶えていった自分自身。
(そうだ……僕は、死んだんだったな)
健吾は記憶がハッキリしてくると同時に、自らの死を理解しつつあった。しかし腑に落ちない点もあった。
死んだのであれば、何故自分は今もこうして意識が残っているのか。もしかして、ここは死後の世界なのか。
わからない事だらけだったが、それは健吾にとって、大した問題ではなかった。
ここが何処だろうと関係ない。死んでしまったのであれば、今更どう足掻いたって何の意味もないのだから。
(……ラグナちゃん)
それでも、未練がないかと言えば嘘にはなる。
初めてミッドにやって来た時、倒れていた自分を拾ってくれた少女。死してなお、健吾は彼女の事が忘れられずにいた。
(元気にしてるかな……)
できる事なら、最後にもう一度会いたかった。
できる事なら、彼女に一言謝りたかった。
でも、それはもう叶わない願いだった。それ故、健吾は足掻こうとは思わなかった。自分はもう、二度と彼女に会える事はないのだからと。彼は自分にそう言い聞かせた。
(ごめんね、ラグナちゃん……)
『諦めるのか?』
(―――!)
声がした。
聞こえてくるはずのない声を、健吾の耳は確かに聞き取った。
(誰だ……?)
『本当に、お前はここで諦めるのか?』
(何だ……何が言いたい……?)
男の声だった。それが誰の声かなんて、当然わかるはずもなかった。
『まだここで終わりじゃない』
(何……?)
『最後に1つだけ、やって貰いたい事がある』
「……ッ!?」
その時、周囲の闇が静かに消え去っていく。それにより、健吾は自分が今いる場所を知る。そこは、健吾も見知った景色―――ミッドチルダだった。
「ここは……!?」
誰もいない、音もしないその街は、まるでミラーワールドのように静かだった。ミラーワールドと違うのは、文字などは反転していない事と、空が
「何でここに……それに、空が赤い……」
ますますわからなくなってきた健吾だったが、ひとまず歩みを再開させ、誰もいない街中を進んでいく。人間どころか犬や猫、鳥などの動物もいないその世界は驚くほど静かで、不気味な世界だった。
(さっきの声は、一体誰が……)
先程の声は聞こえなくなっていた。声の主は一体何者なのか。健吾は首を傾げつつ、たまたま目に入った喫茶店のある方向へと歩み続けようとした……その時。
「ひぃぃぃぃぃっ!?」
「!?」
喫茶店の近くの狭い路地から、何者かが飛び出して来た。思わず身構える健吾だったが、それが人間の男性であるとわかりすぐに構えを解く。その太った白髪の男性はと言うと、健吾の存在に気付き大急ぎで飛びついて来た。
「おぉ、良かった!! 僕以外にも人がいたんだな……!!」
「ア、アンタ、生きてるのか? それとも……」
「えぇい、この際ガキでも構わん!! 頼む、僕を守ってくれ!! 金ならいくらでも出してやるから!!」
男性は何かに怯えた様子で健吾に縋りつき、とてもまともに会話できる状態ではなかった。一体何なのかと困惑する健吾だったが、その理由はすぐに理解させられる事となった。
『フンッ……!!』
「ひぃ!? き、来たぁっ!!」
「!? アレは……!!」
狭い路地から姿を見せたのは、素顔を仮面で隠した謎の存在だった。2本の角を生やしたその存在は、黒と銀色のボディを持ち、その上に赤い装甲とマントを纏っていた。そして健吾の目についたのは、その謎の存在が腰に身に着けている赤いベルトだった。
「まさか、仮面ライダー……!?」
「い、良いか君!! 頼むから私を守るんだぞ!!」
その謎の戦士―――“仮面ライダータイラント”の特徴など知る由もない健吾は、彼の後ろに隠れて身を守ろうとする太った男性を連れて下がろうとしたが、それより前に動き出したタイラントが左手に赤い弓型の武器を構え、弓を引いて矢を放った。
『フッ!!』
「うわっ!?」
「ぎゃひぃっ!?」
放たれた矢は健吾と男性の足元に命中し、その衝撃で2人は同時に地面を転がされる。健吾が喫茶店の壁に背中を打ちつける中、太った男性の方にはタイラントが接近しようとしていた。
「ま、待て、やめろ!! 僕を誰だと思ってるんだ!! 僕に手を出せばタダでは済まな―――」
『フン!!』
「ぎゃあっ!?」
「なっ……」
タイラントはその赤い弓―――ソニックアローの鋭利な刃を振り下ろし、太った男性は斬られると同時にその体が一瞬で消滅。そこに残されたのは青白い人魂のような何かだけで、ふよふよと宙に浮かんでいるその人魂が、どこかに吸い寄せられるように飛び去って行く。
「消えた……!? 一体何を―――」
しかし、考えている暇はない。人魂が何処かに飛び去って行ったのを確認したタイラントが、次の標的として健吾に狙いを定めたからだ。タイラントはソニックアローを構え、健吾に向かって再び矢を発射した。
『ヌンッ!!』
「くっ!?」
ギリギリのタイミングで起き上がれた健吾が横に転がり、彼が立っていた場所に矢が着弾する。突然の襲撃者に対し、健吾はこの状況を打破できる方法を必死に考え始める。
(マズい、このままじゃ殺られる!! 何とかアイツから逃げ切るしか……!!)
選択肢は逃走の1つのみだった。当然だ。生身の状態で戦うなど自殺行為でしかない。そう判断した健吾だったが……そんな彼の目に、ある物が映り込んだ。
「―――え」
先程、自身が矢を避ける前に倒れ込んでいた場所。そこにある物が落ちていた。
(な、何で……)
その落ちていた物の正体を、健吾は嫌と言うほど知っていた。というか、忘れられるはずもなかった。
「何で、これがここに……!?」
狐の顔を象った金色の紋章が特徴的な、黒いカードデッキ。この場には存在しないはずの代物が、何故か健吾の視界の先には存在していたのだ。
それが何故ここにあるのか、健吾にはわからなかった。
しかしそれを見た瞬間から、健吾の行動は早かった。
『ハァッ!!』
「ッ!!」
再度ソニックアローの矢が飛び、健吾はそれを回避してからカードデッキを素早く拾い上げる。そして立ち上がった彼はカードデッキを左手に持ち、喫茶店の扉の窓ガラスに向けて突き出す。すると窓ガラスの中から銀色のベルトが出現し、それが健吾の腰に装着された。
「!! 出た……!!」
後はもう、やる事は1つだけ。振り下ろされて来たソニックアローの斬撃をかわし、タイラントを蹴りつけ後退させた健吾は、右手の拳を握り親指を立ててから、それを下に向けてサムズダウンを行い……あの台詞を叫んだ。
「―――変身!」
カードデッキをベルトに装填し、健吾の体に複数の鏡像が重なっていく。そして健吾の姿は一瞬にして、狐のような特徴を持ったオレンジ色の戦士―――“仮面ライダーエクシス”へと変化した。
「でやぁっ!!」
『グゥ!?』
エクシスは左腕のマグニバイザーを突き出し、タイラントの胸部装甲に命中させる。タイラントが怯んだ隙にエクシスはデッキから1枚のカードを抜き、マグニバイザーの装填口に挿し込んだ。
≪SWORD VENT≫
(色々訳がわからない状況だけど……コイツだけはここで倒した方が良い!!)
エクシスは構えたマグニブレードを振るい、タイラントのソニックアローと衝突する。そこから鍔迫り合いの状態が少し続いた後、エクシスがタイラントを蹴りつけ、体勢の崩れたタイラントを力強く斬りつける。すかさず反撃に動こうとするタイラントだったが、ソニックアローの大振りな攻撃をエクシスに回避され、続けて背中も斬りつけられる。
『グワッ!?』
(よし、行ける!! これなら……!!)
しかし、エクシスの奮闘もそこまでだった。
ズバァンッ!!
「ぐあぁっ!?」
突如、大きな斬撃音が鳴り響き、エクシスの背中に強烈な痛みが襲い掛かった。地面に倒れたエクシスが振り向いた先には、タイラントとは違う別の仮面ライダーが立っていたのだ。
「な、もう1人……!?」
『フッ……』
エクシスを背後から斬りつけたその仮面ライダーは、赤と黒の装甲に緑色の複眼、そして背中にマントを装備しており、皇帝を彷彿とさせる姿をしていた。その腰には蝙蝠のような機械的な生物がぶら下がっている。
(2対1か……ちょっとヤバいかも……!!)
『……ハァッ!!』
皇帝のような特徴の戦士―――“仮面ライダーダークキバ”はその手に構えていた長剣―――ザンバットソードを大きく振り上げ、再びエクシスに斬りかかって来た。エクシスは素早くマグニブレードで防御するも、今度はエクシスの左側からタイラントがソニックアローで矢を放ち、エクシスのボディに命中させる。
「があぁぁぁぁぁぁっ!?」
矢が直撃したエクシスは路上を何度も転がされ、うつ伏せの状態で倒れ込む。そこにタイラントとダークキバがそれぞれの武器を構え、エクシスを始末するべく迫り来ようとしていた。
(マズい、このままじゃ……!!)
「やれやれ、世話の焼けるガキだな」
≪ATTACK RIDE……BLUST!≫
『『グガァッ!?』』
「……え?」
謎の銃撃音と共に、タイラントとダークキバの装甲から火花が飛び散る。突然の事態に思わず呆けてしまったエクシスの前に、また別の仮面ライダーがシュタッと着地する。
「しょうがない、手を貸してやる。今はお前に倒されると困るからな」
「……アンタ、誰だ?」
「俺か? 俺は……」
白いデバイスから弾丸を放ったその戦士は、マゼンタ色のボディを持ち、緑色の複眼を怪しく光らせていた。その腰に装着されているのは、複数の紋章が描かれたマゼンタ色のドライバーで、そこには英語で『DECADE』と描かれていた。
「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ」
マゼンタ色の戦士―――“仮面ライダーディケイド”はそう告げてから、白いデバイス―――ライドブッカーから弾丸を発射したのだった。
場所は変わり、とある民家。
「う、んん……」
今ここには、この場にはいないはずの……
「ッ……健吾、さん……」
ベッドの上で眠る1人の少女。その口から、健吾の名前が呟かれる。
その時、閉ざされている少女の目からは、一筋の涙が零れ落ちていた……
To be continued……
次回、RIDER TIME エクシス……!
士「ここは生と死の狭間の世界だ」
健吾「どうして彼女がここに!?」
???「お前も、私の生贄となれ……!!」
ラグナ「助けて……」
戦わなければ、生き残れない……!