リリカル龍騎ライダーズinミッドチルダ EXTRA   作:ロンギヌス

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どうも、ロンギヌスです。

またこちら側で短編ストーリーを投稿しました。今回の主役はまさかのあのライダーです。

それではどうぞ。

















次回予告BGM(※):○○○ ○の○○







※今回の話を読めば、↑の曲名が何なのか判明します。










RIDER TIME 仮面ライダー??? in Mirror World
rorrim eht ni wodahS 話1第


ミラーワールド。

 

ありとあらゆる物が反転した不思議な世界。

 

生物がおらず、誰もいないはずのこの世界では、異形の怪物が無数に巣食っている。

 

命を持たない怪物達は、命を求めるが故に、今を生きる人間達を狙い続ける。

 

しかし、この謎の異世界に存在しているのは、異形の怪物だけではない。

 

怪物と戦う仮面の戦士は再び、人の姿をした異形(・・・・・・・・)と相対する事となる―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぉりゃあ!!」

 

「ぬぉっ!?」

 

ミラーワールド、ミッドチルダのとある森林内部。たくさんの落ち葉で覆われた地面を、アビスが凄い勢いで転がり落ちていく。その様子別の仮面ライダーが見下ろしていた。

 

「うふふ……どうしたの? あなたの実力はそんな物なのかしら?」

 

背中に孔雀のような派手なカラーリングのマントを羽織った青緑色の戦士―――“仮面ライダーエンプレス”が不敵に微笑みながら迫り来る中、アビスはその手に持っていたアビスセイバーを杖代わりにして立ち上がり、仮面の下で面倒臭そうに舌打ちする。

 

(とんだ災難だ……漂流して来たばかりのライダーに襲撃されるとはな)

 

この日、いつものようにアビスラッシャー達に餌を与えるべく、ミラーワールドを散策していたアビス。しかしそんな彼が出会ったのはモンスターではなく、元いた地球から次元漂流して来たと思われるエンプレスという名の仮面ライダーだった。エンプレスはアビスの姿を見るや否や、自身の武器を携えて攻撃を仕掛けて来たのである。おまけに……

 

「私はいずれ、この世界の女王として君臨する身……今この場で跪けば、あなたも私の家臣として迎え入れてあげても良いわ」

 

(……こっちの話を碌に聞かねぇ上に、プライドも無駄に高いと見た)

 

この言動から恐らく、エンプレスは世界の頂点に立つ為にライダーになったのだろう。この手の人間は、その傲慢な性格故に、自分以外の人間と手を組むという考えなど存在しない。こちらの一派に引き入れるのは無理だろうとアビスは判断していた。

 

「断ると言ったらどうする?」

 

「その時は残念だけれど……ここで死んで貰うわ!」

 

「ッ……!!」

 

エンプレスは両手に装備した孔雀の羽根のような鉄扇―――“ウイングファン”でアビスに斬りかかり、アビスはそれをアビスセイバーで的確に防御する。すると後方に跳躍したエンプレスがウイングファンを振るうと、そこから放たれた数本の羽根が飛び、アビスの周囲の地面に着弾し小さな爆発を起こす。

 

(刺さると爆発する羽根か、厄介な……!)

 

世界の女王を目指す者として、その実力は決して伊達ではないらしい。想像よりも厄介な武器を使って来るエンプレスにアビスが舌打ちする中、何故かエンプレスも同じように「チッ」と舌打ちをしてみせた。

 

「それにしても本当に最悪な日。あのボンボンのクソガキ(・・・・・・・・・)、奴隷の分際でこの私に歯向かうなんて……この報い、いずれ受けさせてやるわ……!!」

 

「ほぉ? 奴隷に反逆された女王か。そんな情けない女に仕えるなんぞ、ご免被りたいところだな」

 

「あぁ、ここにもいたわね……この私を苛立たせてくれる男が!!」

 

エンプレスが両手のウイングファンを力強く振るい、複数の羽根による乱れ撃ちがアビスに襲い掛かる。アビスが転がって回避し、地面に羽根が刺さるたびに爆発が起こる中……2人は気付かなかった。

 

 

 

 

 

 

2人の戦場に、ある人物(・・・・)が近付いて来ていた事に。

 

 

 

 

 

 

爆発音が響き渡る中、その者はただ静かに、森の中を歩いていた。

 

近くの地面に羽根が刺さり、爆発が起こっても、その者が怯む様子はなかった。

 

爆発による土煙が舞い上がろうとも、その者は何も躊躇う事なく、ただまっすぐ歩み続けた。

 

「……あら、誰かしら?」

 

「ん?」

 

その姿に気付いたエンプレスが動きを止め、それを見たアビスも後ろに振り向く事で、その者の存在に気付いた。2人が疑問の目を向ける中、森の中を歩き続けていたその者は、2人が見ている前で立ち止まった。

 

「アイツは……」

 

「……子供ですって?」

 

その者は、茶髪の少年の姿をしていた。10代後半の、なんて事ない普通の少年……であるはずだが、アビスは薄々気付いていた。

 

(何だ、この感じ……これは……)

 

その少年が放っている、恐ろしいほどの殺気に。これと似たような殺気を、アビスは過去に感じた事があった。

 

「誰だか知らないけれど、可哀想な坊や。あなた、もうじき消えて死ぬ事になるわ」

 

どちらにせよ、普通の人間がこのミラーワールドに長時間滞在する事は不可能。目の前にいる少年も、あと数分の命だろうと。そう考えるエンプレスだったが……その考えは外れる事となる。

 

「……龍騎の世界のライダーか(・・・・・・・・・・・)

 

「何……?」

 

少年が呟いた一言。それを聞いたアビスが仮面の下で眉を顰める一方、少年は何処からか白いドライバーのようなデバイスを取り出し、それを自身の腰の前に置いた。

 

≪ジクウドライバー!≫

 

「「ッ!?」」

 

白いデバイス―――“ジクウドライバー”からベルトが伸び、一瞬で少年の腰に巻き付く形で装着される。アビスとエンプレスが驚く中、少年は上着のポケットから取り出した時計のようなアイテムを取り出し、リング状のパーツを左手の指で回転させ、上部のボタンを押す。

 

≪ジオウ!≫

 

くぐもった電子音が鳴り響き、少年がその時計状のアイテム―――“ライドウォッチ”をジクウドライバーの左側のスロットに装填。すると少年の背後に大きな時計のようなエフェクトが出現し、そこに「ライダー」の文字が左右反転した状態で浮かび上がる。少年は右手を斜めに向けた状態で静かに構えた後……あの台詞を口にした。

 

 

 

 

「―――変身」

 

 

 

 

≪ライダータイム!≫

 

「!? きゃあっ!?」

 

「くっ……!?」

 

そして少年の右手が、ジクウドライバーのバックル部分を時計回りに回転させる。少年の周囲を時計のリングの輪のようなエフェクトが回転し、背後の時計の反転した「ライダー」の文字が飛び出し、エンプレスとアビスに命中してから少年の方へと戻って行く。

 

≪仮面ライダージオウ……!≫

 

その間に、少年の全身はスーツに包まれていき、その顔が仮面に覆われる。そして仮面に反転した「ライダー」の文字が複眼として嵌まり込む事で、少年は時計の意匠を持った仮面の戦士―――“仮面ライダージオウ”への変身を完了させたのだった。

 

「何だと……!?」

 

アビスは仮面の下で目を見開いた。目の前に存在しているのは、自分達とは全く違う特徴を持った仮面ライダー。まさかあのコソ泥(・・・)以外にも、別世界の仮面ライダーが存在していたのかと、アビスは厄介そうに目の前のジオウを睨みつけた。

 

「……あなた、一体何なの? 私達とは違う姿をしているけれど」

 

「……俺は()だ。()を失った()だ」

 

「何ですって?」

 

ジオウは右手の指先をパキポキ鳴らした後、ただ一言そう告げてからエンプレスに近付いて行く。それを見たエンプレスもウイングファンを構え直そうとしたが……この時、彼女はある事に気付いた。

 

(ッ……な、何これ……?)

 

震えている。ウイングファンを構えている両手が、ガタガタと震えていた。自分の両手が震えている事に気付いたエンプレスは、信じられないといった様子で首を何度も横に振る。

 

(私が恐れてる? あんな子供を……嘘よ、あり得ない……そんな事、あり得るはずがない……!!)

 

自分はいずれ、世界の女王となる人間だ。

 

そんな自分に、恐れる物など何も存在しない。

 

ましてや、こんな子供相手に恐れを抱く事など、決してあってはならない。

 

その強過ぎるプライドが、彼女の視野を狭めてしまっていた。

 

「ッ……はぁあ!!」

 

恐怖心を無理やり払い除けるかのように、エンプレスは右手のウイングファンを振り上げ、ジオウ目掛けて勢い良く斬りかかる。それに対しジオウはと言うと、自身の頭部目掛けて振るわれて来たウイングファンを首を斜めに倒す(・・・・・・・)事で難なく回避し、逆に左手で握り締めた拳の一撃をエンプレスに叩き込んだ。

 

「ハァ!!」

 

「あぐっ!? こ、この……!!」

 

拳がエンプレスの顔面に直撃し、怯んだエンプレスは負けじと左手のウイングファンで斬りかかろうとする。しかしジオウはそれを右手で軽々と叩き落とし、彼女の肩を掴んでから自身の方へと引き寄せ、その腹部に膝蹴りを喰らわせてみせた。

 

「がはっ!?」

 

「……どうした。こんな物か?」

 

腹部にダメージを受けたエンプレスが膝を突いて咳き込み、そんな彼女をジオウが冷徹な口調で見下ろす。その様子を、アビスは少し離れた位置で大木の陰に隠れながら眺めていた。

 

(間違いない……あの雰囲気、奴と同じだ……!!)

 

アビスの脳裏に浮かび上がるのは、数年前に自身が対峙した、黒いドラゴンの騎士(・・・・・・・・・)。その時点で彼は何となく察していた。目の前でエンプレスを圧倒している戦士が、普通の人間ではない事を。

 

「ぐっ……この、調子に乗るなぁ!!」

 

≪ADVENT≫

 

『ピュイィィィィィッ!!』

 

「……!」

 

エンプレスは孔雀の羽根のような装飾が付いた杖型の召喚機―――“孔雀召杖(くじゃくしょうじょう)シャープバイザー”の装填口にカードを装填し、彼女の背後から孔雀のような大型の怪物―――“シャープウイング”が出現。ジオウに向かって複数の羽根を弾丸の連射し、ジオウは後方に下がって羽根を回避する。

 

「クソガキが!! この私の前に跪けぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

 

「フン……!」

 

≪ジカンギレード!≫

 

エンプレスがウイングファンを振り回し、シャープウイングと共に大量の羽根を飛ばして次々と爆発を起こす。しかしジオウは慌てる様子もなく、どこからか反転した文字で「ケン」と描かれた長剣―――“ジカンギレード”を取り出し、それを左手に構えて数本の羽根を弾き返す。そこからジカンギレードの持ち手上部にあるスロットに、ジクウドライバーに装填したのとは別のライドウォッチを装填する。

 

≪フィニッシュタイム!≫

 

「そんなこけおどしぃ!!」

 

≪FINAL VENT≫

 

するとジカンギレードにエネルギーが収束し、その刀身が光を放ち始める。エンプレスもすかさずシャープバイザーにカードを装填し、その場から高く跳躍して飛び蹴りの体勢に入る。

 

「死ねぇ!!!」

 

シャープウイングが翼を羽ばたかせ、無数の羽根と共に繰り出されたエンプレスの飛び蹴り―――“フェザーストライク”がジオウ目掛けて放たれる。勝った。これであのクソガキは死ぬ。そんなエンプレスの自信は……呆気なく崩れ去る事となる。

 

≪オーズギリギリスラッシュ!≫

 

「―――はぁっ!!」

 

ズバァァァァァンッ!!

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

『ピュイィィィィィッ!?』

 

ジオウが放ったジカンギレードの斬撃―――“オーズギリギリスラッシュ”と正面から激突したエンプレスは、その圧倒的パワーの前に打ち破られ、大きく吹き飛ばされてしまった。落下したエンプレスが何度も地面を転がされる中、ジカンギレードの斬撃はエンプレスの後方にいたシャープウイングにまで届いたらしく、その身を斜めに真っ二つにされたシャープウイングは悲痛な鳴き声と共に、跡形もなく爆散してしまった。

 

「ッ……たった一撃で……!?」

 

その一部始終を隠れて見ていたアビスは、ジオウが繰り出した技のパワーを前に戦慄する。もしあの一撃が自分に向かって繰り出されていたらどうなっていた事か。その先はとても想像したくないと彼は思った。

 

「あ、あぁ……嘘よ、こんな……ッ」

 

そしてシャープウイングが消滅したとなれば、それと契約していたエンプレスも無事では済まない。彼女のボディは青緑色から灰色に変色し、孔雀のようなマントは特徴のない無地の物に変化し、シャープバイザーも孔雀の意匠がなくなり普通の杖になり果てる。エンプレスは力を失い、ブランク体にまで弱体化してしまった。

 

「終わりか……?」

 

「ひっ!?」

 

ブランク体の姿で尻餅をついているエンプレスに、ジオウがジカンギレードの剣先を向けながら歩み寄る。エンプレスは先程までの傲慢な態度が鳴りを潜め、怯え切った様子で後ろに下がろうとする。

 

「い、いや、やめて……来ないで……ッ!!」

 

 

 

 

こんなはずじゃなかった。

 

 

 

 

金持ちの娘として生まれた彼女は、不自由のない人生を送り、才能にも恵まれてきた。

 

 

 

 

それ故に、自分は周りの人間とは違うのだと、自分は特別な存在なのだと思い込むようになった。

 

 

 

 

だからこそ、彼女は世界の頂点に立つ事を望むようになった。

 

 

 

 

そんな彼女に近付いて来たのが、神崎士郎という男だった。

 

 

 

 

『その支配欲、満たしてみたいと思わないか……?』

 

 

 

 

彼女からすれば、まさに願ったり叶ったりな展開だった。

 

 

 

 

ライダー同士の戦いに勝ち残れば、自分は女王として世界の頂点に君臨できる。

 

 

 

 

世界中のありとあらゆる全てが、自分の思いのままになる。

 

 

 

 

特別な存在である自分なら、戦いに勝ち残る事など余裕に決まっていると、彼女はそう思っていた。

 

 

 

 

しかし……現実はそう甘くなかった。

 

 

 

 

『どうしたぁ? 世界の女王なんじゃないのか、お前……!』

 

 

 

 

暴力を振るう事しか能がないと思っていた男に、成す術なく追い詰められ死にかけた。

 

 

 

 

『バッカじゃねぇのアンタ? 俺がアンタみたいなクソ女に、忠誠なんか誓う訳ないじゃん』

 

 

 

 

自分に忠実な家来だと思っていた男に隙を突かれ、反逆を起こされた。

 

 

 

 

そして気付けば自分は、どこかもわからない森の中にいた。

 

 

 

 

当初、自分はもう駄目なのかと思っていた。

 

 

 

 

自分がまだ生きているとわかり、再び世界の女王になる事を強く求め始めた。

 

 

 

 

自分に恥をかかせた男達に、復讐してやる事を誓った。

 

 

 

 

自分が今いる世界が、元いた地球とは違う世界である事など、知る由もないまま。

 

 

 

 

「う、嘘……嘘よ……こんなの、こんなの何かの間違いよ……!!」

 

そして今、彼女に再び死の瞬間が迫り来ようとしていた。自分の目の前で、見た事のない姿をしたライダーが自分に剣を向けて来ている。その現実を、彼女の心は必死に受け入れまいとしていた。しかし、どれだけ現実から目を逸らしたところで、今の状況が何か変わるはずもなかった。

 

「ッ……ふざけんじゃないわよ!! 大体何なのよアンタ!! そんな訳のわからない姿!! このアタシを馬鹿にしてるって訳!?」

 

口ではそう言っているが、その声は震えており、仮面の下では恐怖のあまり涙も零れ落ちている。そんなあまりにも情けない今の彼女に対して、ジオウは低く冷たい声で言い放った。

 

「もう一度言ってやる。俺は影、光を失った影だ……そして」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ……う、あぁ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

エンプレスは逃げ出した。プライドだとか、願いだとか、そんなの事はもうどうでも良い。今はとにかく、この恐ろしい存在がいない場所から少しでも遠くへと逃げ出したかった。

 

しかし、魔王はそれを許さない。

 

≪フィニッシュタイム!≫

 

≪ジオウ!≫

 

鳴り響く電子音を聞いてエンプレスが振り向くと、彼女の後方でジオウが空中に高く跳躍し、飛び蹴りの体勢に入ろうとしていた。彼と彼女の間には、反転した「キック」の文字が無数に並んでおり、まるでターゲットとして彼女を捕捉しているかのようだった。

 

「終わりだ……!」

 

「い、いや……やめて!! 来ないでぇっ!!!」

 

そして……

 

≪タイムブレーク!≫

 

「ハァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

ズドォォォォォォォォンッ!!!

 

「くっ……!!」

 

必殺のライダーキック―――“タイムブレーク”がエンプレスの背中に直撃した瞬間、大爆発が起こる。その凄まじい衝撃は、大木の陰に隠れていたアビスにまで及ぶほどだった。

 

(なんて力だ……本当に何者なんだ奴は……ッ!?)

 

爆風が少しずつ収まっていき、アビスは爆発の中心部にいるジオウの姿を発見する。ジオウは左足で何かを踏みつけており、アビスがその足元に視線を向けると、そこにはうつ伏せの状態で背中を踏みつけられているエンプレスの姿があった。

 

「ふっははははは……!」

 

「う、あぁっ……あ……ぁ、う……ッ」

 

無惨にもジオウに足踏みにされたエンプレスは、もはや立ち上がる気力も存在していなかった。その姿は鏡のように罅割れると共に変身が解除され、お嬢様風の衣服に身を包んだ女性の姿に戻ってしまった。

 

「うぁ、あっ……痛いっ……た、助け、て……ッ……死にたくないっ……死に……たく……ッ」

 

死に恐怖した表情で涙を流しながら、彼女は隠れて眺めているアビスに必死に助けを求める。しかしその命が尽きる時が来たのか、アビスに向かって伸ばそうとした右手は力なく地面に落ち、最期は地面に顔を伏せたままピクリとも動かなくなった。

 

(マズい……アレ(・・)は人間じゃない、化け物だ……!!)

 

女相手だろうと容赦なく葬り去るジオウの冷酷性を前に、死の恐怖に駆られたアビスもまた、ゆっくりと後ろに下がり逃走を図ろうとする。しかしその前に、踏みつけたい女性に視線を向けていたジオウが顔を上げ、視線の先にいたアビスの姿を捕捉する。

 

「次は……お前だ」

 

「……ッ!!」

 

ジオウがそう告げた瞬間、アビスの背筋に冷たい物が走る。そんなアビスの心情など知った事ではないとでも言うかのように、ジオウは動かなくなった女性の背中からどかした左足を地面につけ、アビスに向かって1歩ずつ歩みを進め始めるのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




~次回予告~


???「教えてくれ。俺はどうしてこの世界にいる?」

二宮「奴は何者なんだ……ッ!!」

オーディン『同じミラーワールドの存在であるが故に、この世界に流れ着いて来てしまったのかもしれんな』

???「俺はいずれ、最低最悪の魔王となる……!!」

二宮「所詮は幻だ……とっとと消え去れぇ!!!」


~noisulli gnirednaW 話2第~
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