転生したら魔王の次男だった件! しかも双子の片割れは悪友でした!   作:こんろんかずお

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ユガの涙

「しかし、成程ね。非加護の兵を潜伏させ壊滅を免れる方法を作るとか見事なもんだわ」

 

 おっ、いいぞっ雫さんの時間稼ぎのよいしょトーク!

 

「ご名答……。そして兵と『黄昏の剣』は『アデレの加護』との取引で得たものよ。じゃ渡して」

 

 成程、そういうことか。

 ならば……。

 

「……スイさんその前に教えてくれ、条件次第では腕輪は渡してもいい」

「……なんなりと」

 

 かかった!

 よしよし、これで冷静に話し合いに持っていける。

 

「スイさんが俺達に近づいた理由は?」

「『御剣プロジェクト』に関係する息子の御剣守とその護衛をする人造人間御剣学に近づくためよ? 学は貴方の盾となるため御剣の名前をつけられ、代わりに貴方には偽名がつけられていたのよ」

 

 な、なんだって……?

 そ、それで学は、俺を……。

 そういえば、学校も全て同じだったのって……。

 

 く、くそっ。

 取り敢えず、落ち込んでる場合じゃない。

 

「……その『御剣プロジェクト』って何?」

「別名、()()()()()()()()()()()。移動するための鍵と触媒が貴方と学さん。学さんが女性型だったのは触媒が異性である必要があるためらしいわ」

 

 ……。

 もしかして学はこのプロジェクトを知ってて、な、なんてことを……。

 

「……あの時の黒のクラウンはメールで連絡して?」

「察しの通り私のお仲間。鍵に命の危険が及ぶのが異世界転生のトリガーだから」

 

 ふ、ふざけるなよ……。

 

「何故俺達にその話をしてくれなかったんだ?」

「そ、そうよスイ」

 

 雫さんも俺の意見に賛同する。

 

「大体プロジェクトの話なんか貴方信じないでしょ?」

 

 そ、そんな問題じゃねーだろっ!

 俺は怒りの余り、顔が真っ赤になる。

 

 俺は先代の形見である薄い赤色のペンダントを握りしめた。

 

「学がっ、学だったら理解できたんじゃないのか? そしてこの世界の誰も不幸にならなくて死ななくてもよかったんじゃないのか? それに俺が送った同盟の文書読んだよな?」

 

「そうね。そして文書も読んだわよ? でもね、研究者として色んなこと見て見たかったのよね? ありきたりの内容って見ても面白くないじゃない?」

 

「成程、面白くないからか……」

「ははっ、そうよ。実際今、色んな物が見れて貴方達も面白かったでしょ?」

 

「す、スイ貴方……」

 

 お、俺達はプロジェクトとこの女に振り回されたってわけか……。

 こんなくだらないことのために学は……。

 

 俺は悲しみと怒りの感情に包まれ、先代の形見であるペンダントをぎゅっと握りしめた。

 

 ペンダントの色は先ほどとは違い血の色のように真っ赤なっていた。

 

 このペンダント『ユガの涙』は魔力を無限にため込める貯蔵庫になっている。

 

 そう、何年も先代と俺がここに来てせっせとため込んで使っていない魔力がだ。

 そして条件が発動すると国宝同様の能力を得ることができる。

 条件は使用者の怒りが頂点に達し、かつため込んだ魔力で真っ赤に染まったときだ。

 

 俺は泣きながら、『ユガの涙』に書かれたマジックワードを静かに読み上げた。

 

「我が敵を全て打ち滅ぼせ……」

 

 大粒の涙が頬をつたうと同時に、敵である残存兵数万はすべて消滅した。

 

 恐らく、この戦に関与していたファイラス及びエルシードの連中も例外なく消滅していることだろう……。

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