転生したら魔王の次男だった件! しかも双子の片割れは悪友でした! 作:こんろんかずお
「ふう……二人とも待たせたね?」
あれからしばらく良イベントを楽しんだ俺はトイレから戻ってくると、接客用のソファーに腰を掛ける。
「おそふぁったな?」
「気のせいだ……」
学はリスのようにリンゴをほおばりながら話す。
どうやらさっき、雫さんが用意してくれたフルーツのカット盛を食べているようだ。
「ホントだ? なんかすっきりしてない?」
「色んなものを生産、もとい清算してきたんだよ……。ちょっと考え事があってね?」
「ふーん……」
二人ともジト目で俺を見る。
「さ、さて、色々スッキリ? したことだし、皆で情報共有したいことがあるんだよね?」
「そうだな」
「うんうん」
「えっと……。とりあえず、俺が仕切って良い? 何か詳しい情報がでたら、その人に主導権投げる形にしたいんだけど?」
「意義なーし」
二人とも挙手のジェスチャーと賛同の言葉を放つ。
「こほん……。では取り敢えず、現状を把握したい。でだ、ファイラスにいる俺達の地位と元々の二人の王子達がどうなったかを知りたいかな」
「あ、はい。それは私に任せて」
俺と学は頷き、地の利がある雫さんに任せることにした。
「まずね、元々の二人の王子はいない」
「あー、代わりに俺達が来て役者が代わったってことなんかな?」
「みたいね。さっき宰相のガウスに色々話を聞いたら、二人は最初から存在していない状態になってて、私が第一王女、学が第二王女、守君が第一王子になってる状態」
「え? てことは?」
「そう、ここでは守君が一番偉い状態で、国総出で何でも出来る事になるわ」
「なっ⁉ 何でも……」
俺は先ほどの充実したピンクイベントを思い出していた。
こ、これ以上の事を何でも?
「た、例えば、例えばだよ? 厳選したCカップ以上のきゃわいいメイドさんを俺の世話係に複数人配置することとかは……可能?」
「……出来るけど却下」
「代わりに俺の正拳突きをお前の顔面に複数発配置しようか?」
二人は俺の目の前で両腕をポキポキ鳴らし始める。
「う、うそですっ⁉ ごめんなさいっっ! 後、俺の顔に配置するのは学のおっぱいがいいですっ!」
「……」
し、しまったっ、思わず本音が……。
……調子こきすぎた。
俺は恐る恐る、学の顔を除きこむ……。
「べ、別にいいよ……」
学は顔を真っ赤にして、しおらしくうつむく……。
えっ? 何この反応?
「私も、別にいい、よ?」
何故か張り合うようにして、雫さんも顔を真っ赤にして、しおらしくうつむく……。
「え、あ、うん……」
何か今、一番重要な情報をゲット出来た気がするけど……。
あ、とりあえず、もうメイドさんの件はいいや。
廃案っ! フハハハハっ、俺がっ俺がファイラスに君臨する王だっ!
「あ、あの、話は変わるんだけど、いい?」
「あ、ハイ……」
雫さんは再び話を戻し、俺は現実に帰る。
「私の転生者として会得してたアビリティは『転生者を把握する』何だけど、今も変わらず使えるのよね」
「ああ、それで俺達の場所とか綺麗に把握してた訳だ……」
ここの世界でも情報戦は変わらず重要であるからして、味方にいる分は大変心強いし、有難い。
ということで、情報系は雫さんに任せよう。
「前回の配置同様、エルシードの王女の情報は掴めないのよね……。スイは恐らく妨害系のスキルで情報をガードしていた可能性が高いけど」
「成程、それでスイさんの場所は分からなかったってわけか。でもなー、スイさんはあの時に現実に返したしなー。おそらく転生者でなく空白になった王座にレッツ王子達のように代理が演じているんじゃないかな?」
「かもな……」
「そうよね……」
俺達は取り敢えず、そう思うことにしたし、正直そう思いたかった。