転生したら魔王の次男だった件! しかも双子の片割れは悪友でした!   作:こんろんかずお

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プリンセスは才色兼備

「はい、守君の装備一式持って来たから! 着替えてね!」

 

 いつの間にか素早く着替えている雫さんはよく見ると、上下茶色の麻の服と帽子と革靴という軽装の狩人のような姿に着替えていた。

 

 『握り』の部分に掘られたユニコーンの紋章と銀色に光り輝く弓のそれは、何かしろのマジックアイテム何だろう。

 

 俺は近くの木陰に入り、言われるがまま着替える。  

 

 雫さんは近くにある木目掛けて、弓矢を放つ練習をしだした。

 木の真ん中を射れてるとこを見ると、アーチェリーもたしなんでいるんだろう。

 つくづく、雫さんて文武両道だよなホント……。

 

 守はそこらへんを試運転しつつ飛び回って、上空から周囲の安全を確かめているようだ。

 

「さて、着替えたけど……」 

 

 着替え終わった俺は、木陰からのっそりと姿を現す。

 

 雫さんと同様の上下茶色の麻の服と帽子と革靴、それに胸には何かしろの防御魔法がかけられていると思われる青色のペンダント、そして右手には軽めのサーベルを握っている俺。

 

 この防具一式やサーベルもなにかしろのマジックアイテム何だろう。

 淡い青色にうっすらと光り輝くサーベルは箸を持っているんじゃねーかってくらい軽くて重さを感じない。

 

 これらの物はおそらく、雫さんがファイラス城内の使えるマジックアイテムをチェックし、俺達に合いそうなものを見繕って持ってきてくれたのだろう。

 

 ホント有難い……。 

 

「うん、似合う似合う」

 

 雫さんから、ほめられている俺。

 ……この面倒見の良さ、もしかして俺達のママかな(違う)?

 

 ちなみに学は、まだ上空で飛ぶ練習をしている。

 

「えっと、俺剣使った事ないんだけど……」

「あ、大丈夫よ! 私がみっちり扱いてあげるから! 私フェンシングも少しかじったことがあるのよね!」

 

 いつの間にか、同じサーベルを握って、にっこりと余裕の笑みを浮かべる雫さんだった。

 

 なんか素人目に見ても、隙が無いフォーム。

 

 え、もしかして、この人何でも出来る人?

 天は色んな物与えすぎやろ、才色兼備とかさ。

 

「雫は高校の時、上位のインターハイ選手だったんだぞ」

 

 真上から、学の声が何やら聞こえる。

 しかも達人かよ……。

 

「友達から誘われちゃって仕方なく高校の時に……。ここに来てからは、第二王子のゴウにずっと鍛えて貰っていたしね」

 

 お人好しで努力家で才能の塊じゃねーか……。

 リアルプリンセスかよ。

 あ、今マジもんのプリンセスか。

 

 それから数時間後。

 

「じゃ、守君の特訓はとりあえず、ここまで」

「はあはあ……。指導あ、ありがとう」

 

 肩で息をする俺に対して、余裕の雫さんだった。

 き、基礎技術が違いすぎる。

 

 剣の動きは不思議と見えて、ある程度はかわせるものの、剣捌きに無駄が多すぎて、その隙をつかれて負けている感じだ。

 

 フットワークの足捌きも熟練度が違いすぎる。

 

 しかし、何故か知らないけど俺、体力はあるんだよな。

 って俺って、こんなに体力あったっけ?

 

「守は俺とここに来て結構な時間、空手の稽古していただろ?」

 

 戻って休憩していた、学が俺の気持ちを察するように話しかけてきた。

 

「あ、ああ」

「魔族じゃなくなっても、経験は蓄積される。だから、お前も体力がついていたし、動体視力も向上し、体捌きも向上していたんだよ」

 

「な、成程……。学、もしかしてお前……?」

「自分の身は自分で守れって、お前が言ってたよな?」

 

「ああ」

 

 まだ、あの時俺が学に言ってたこと覚えていたのか……。  

 

「……俺とお前は親友だろ?」

「そうだったな……。ありがとう学」

 

「ははっ、気にするな。これで昔の借りは返したからなっ!」

「おう!」

 

 俺は学とがっちり拳を合わせる。

 ほんと、俺はいい仲間を持ったよ。

 

「じゃ、雫。俺は回復したし、今度は俺の特訓頼む!」

「はーい。弓矢を回避する訓練ね? 今、弓矢大量に出してるから少し待っててねー」

 

「おう!」

 

 ……そして、何か知らんが俄然やる気が出てきたな。

 木陰に入り休憩しながら、二人の様子を見て、俺は静かに闘志を燃やしていた。

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