転生したら魔王の次男だった件! しかも双子の片割れは悪友でした!   作:こんろんかずお

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異世界アデレ

「う、うあああ――――――⁈」

 

 悲鳴を上げ俺は目を覚ます。

 

 気が付くと俺はベッドに寝ていた。

 

 は、ははっ、夢かあ……。

 そ、そうだよなあ……。

 よ、良かったあ……。

 

 俺は安堵し、ゆるりとベッドから起き上がる。

 

 ? しかし、なんだか不思議な違和感がある。

 

 ベッドと枕はフカフカ、頭上を見上げると高級感漂うシャンデリアが吊し上げられている。

 

 そして部屋はプール並みのだだっ広さ。

 

 部屋の周囲を見渡すと、高級感漂う名画っぽい絵や重量感を感じる鎧の置物などの装飾品が飾ってある。

 

 どう考えても一人暮らしの狭い俺の部屋ではない。

 

 ……どこかの豪邸か高級ホテル?

 な、何故?

 

 わ、訳が分からない……。

 

 ……とりあえず顔を洗って頭をスッキリさせよう。

 そうだ、そうしよう……。

 

 そう思い洗面所を探し出し、顔を洗うため鏡を見た瞬間、俺は悲鳴を上げることになる。

 

「うっ、うわああああああああああああああ――――――?!」

 

 鏡には立派な角を二本生やした悪魔? が映っていたのだ……。

 しかも、顔は俺に瓜二つ?!

 

 な、なななにが? ど、どどどっどうなってっ⁈

 

「どうしましたっ? マモル坊ちゃま?」

 

 勢いよく俺のいた部屋の扉が空く。

 

 なんと驚いたことにそこから羊のような角を生やした年老いた白髪メガネ黒服の執事が入ってきたのだった⁈

 

「う、うーん……」

 

 ショックが重なり俺は静かに倒れ気絶した。

 

   ♢

 

「……?」

「……おお、お気づきになりましたか」

 

 目を覚ますと、さっきの執事が俺を看病してくれていた。

 

 まじか……。

 残念ながら夢じゃないようだ。

 

 睡眠を取り、現実を直視出来た俺は気を取り直し、この際だからこの執事に色んなことを聞くことにした。

 

「じ、実は先ほど顔を洗う時に頭を打ってちょっとした記憶喪失になってね……」

 

 この執事の名前は、シツジイと言う名前でとても覚えやすかった。

 

 ここは、アデレという異世界で、俺は魔王の次男らしい。

 現在地は魔王の居城内の俺の個室とのこと。

 

「ちなみに知っての通り、この世界は大きく三つの国に別れてますぞ……」

「そ、そうだったね……。そこら辺も、頭うって記憶が飛んでるから詳しく頼むね?」

 

 執事は咳払いすると、再び三国について簡略的な説明をしてくれた。

 

 一つは『魔族の国ザイアード』で俺らが統治している国。

 

 この世界の北側に存在する豪雪地帯である。

 魔族は怪我して死ぬことがなければ実質不老不死。

 闇魔法を使う攻撃に特化した種族であり、闇の力が強い高位魔族が支配する国である。

 血筋で生まれた時の闇の力の強さが決まり、魔王の子は次期魔王が確定している。

 内乱が起きても一瞬で反乱は終わるとのこと。

 そのため血筋を絶やさないように血統が良い貴族と婚姻する決まりがあるんだとか。

 

 二つ目は『人の国ファイラス』で人が統治している国。

 

 この世界の中央に存在する四季がある中世のヨーロッパってところか。

 平均寿命は85歳。

 これといった特徴はなく個々の力はそれほどでもないが、勇者の血筋が厄介らしく、伝説の武具を使い、今まで何人もの魔王が倒されたんだとか。

 実は今の俺の両親達も何十年前に勇者達に倒されたらしい。

 そして、その時に人族は多大な損害を被ったため俺達魔族とは停戦状態になっているんだとか。

 

 そして最後の三つ目は『エルフの国エルシード』

 

 場所はこの世界の南側に存在し、豊かな森に覆われている。

 エルフも年老いて死ぬことはなく、以下略。

 エルフ達は自然と共に共存する習慣があるらしく、争いごとを極端に嫌い、森に隠れ住んでいるんだとか。

 人口は他国と比べると極端に少なく、強力な戦力はない、防御や瞬間転移などの補助系魔法が得意であり、何でも先代の王が特殊な魔法異次元結界を張ったんだそうだ。

 

 その関係でここ数百年、人族も魔族もエルフの国にたどり着いたものはいないと言う。

 

「と、以上ですじゃ……。ちなみに三国は現在は停戦中となっております……」

「な、成程。ありがとうシツジイ! そうだったよねー、なんか記憶が戻ってきたーははっ……」

 

 めっさ、大嘘こく俺。

 罪悪感で胸が痛い、許せシツジイ……。

 見た目は魔王になっているが、ハートは人間なんだ……うん。

 

 てかね、見た目で気がついたけど、中世ヨーロッパの王族みたいな恰好してるんだな今の俺……。

 

 黒色のタキシードに胸の場所に白色の刺繍のディテールがもうね、我ながらはずかしい……。

 

 それは置いといて、ざっくりとした国の状況は掴めたが、さてどうしよう?

 

 ……と、何やら周りが騒がしい。

 

「この感じは、マナブ様が帰ってこられましたな……」

 

 シツジイはボソリと呟く。

 

 俺は何処かで聞いたことがある名前だなと思った。

 マナブ? はて学?! いや、まさかね?

 

 俺は先ほど執事に教えてもらった部屋に置いてある魔法アイテム『魔水晶』を使うことにした。

 

 魔女がアニメで良く使っているアレだ。

 

 ここでは条件として一度姿を見てしまえば写しだせると言う。

 

 俺は学のことを思い出し念じて、魔水晶を見る。

 

 するとなんと、水晶に一本の立派な角を生やし、悪魔の翼を広げ意気揚々と城に向かって飛んでくる学の姿が映しだされたのだった。

 

 ちな、服装は俺と同じで、ベースの色が赤色で違うくらいだ。

 

「ぷっ、こ、こいつ変わってねー。しかも超絶似合ってるよ!」

 

 似合いすぎてツボにはまり、笑い転げる俺。

 

 しかし、学が無事でホントに良かったな……。

 そして、俺以外の知り合いがこの世界に転生していることに心の底から安堵した。

 

 それもつかの間、数時間後、その悪友が長男と言う事実を知り驚くことになる。

 

 腐れ縁すぎるやろ……。

 うんまあ、嬉しいけど。

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