転生したら魔王の次男だった件! しかも双子の片割れは悪友でした!   作:こんろんかずお

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エルシードとスイ

 一方その頃、ここは『エルフの国エルシード』の城内の王女室。

 

 エルシード城は雲に届くかと言わんばかりの超巨大な大木で構成されており、王女室も樹木の壁で覆われている。

 

 ()()()()は『エルシード』の第一王女として守と同時期に転生し、王女らしく、鮮やかな青色の麻の上下服に煌びやかな宝石の腕輪を見に付け、統治を行っていた。

 

 長くなった両耳をうさぎのようにぴこぴこさせているのは、彼女が転生してエルフになった証拠だろう。

 

 スイは今、ふかふかの高級ソファーに座り、優雅に紅茶を飲みながら考え事をしていた。

 

 スイが転生して分かったことは、ここエルシードは『過去の歴史を網羅できる巨大な図書館及び全世界の情報が一瞬で集まる国』だという事。

 

 スイはテーブルに乗っている丁度盆栽くらいの大きさのエメラルドの結晶のような不思議な植物『古代図書装置ユグドラ』に目をやる。

 

「……ねえ、ユグドラ。雫は今何しているの?」

「王子達ト口論ニナリ、カワデ、ストレスハッサンチュウデス。ソシテ、スイ様達ノ身ヲ案ジテオリマス」

 

「そう、ありがとうユグドラ。ふふっ、雫も頑張っているのね……。そして優しい……」

「ドウイタシマシテ」

 

 そう、『古代図書装置ユグドラ』は、この世界アデレの情報を全て網羅できるのである。

 

 ユグドラを現在の例えで分かりやすく説明すると、植物で構成された音声入力できるAI付きの現在のハイパーコンピーターといったところ。

 

 そして、ここエルシードは他国と比べ、軍事力は皆無であるものの、お家芸として『創造神以外の能力を断絶する結界能力』を保有している。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「この国ってある意味最強の鎖国国家よね……」

 

 紅茶をテーブルに静かに置き、しみじみとスイはそう思うのであった。

 

 ユグドラを介し調べてわかったことは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()である。

 

 スイには『アデレでのスイの情報の改変』というチートな隠密スキルを授かっている。

 

「雫達には悪いけどこれも仕事のためだからね……」

 

 実はスイは、アメリカのとある機関の構成員であり、『()()()()()()()()』に関わっている。

 

 『御剣プロジェクト』とは数十年前に御剣博士夫婦を中心に作られたプロジェクトで、ざっくりとした説明をすると『()()()()()()()()()()()()使()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()使()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』というものであった。

 

 そして、『御剣プロジェクト』の完成間際に御剣博士夫婦は失踪してしまったのだ。

 

 関係者が数年間探しても夫婦は見つからず、諦めていたところに一人息子がとある施設で育っている情報を掴み、スイはその成長した息子とコンタクトを取るために機関から派遣されたのだった。

 

(とりあえず、住人として住めるのは分かったけど、御剣博士夫婦は感知できないのよね……。こことは別の異世界にいるのかしら、それとも……? 打てる手は打ったけど、結果どう転ぶかよね……)

 

 スイはクッキーを静かに口に入れ、カップに入っていた残りの紅茶を静かに飲み干す。

 

「あ―――ホントに美味しい……」

 

 スイはペロリと艶めかしい舌で口の周りを舐めると、部屋の壁に掛けられている『ファイラスの国宝黄昏の剣』をじっと見つめ、これからの計画を冷静に考えるのであった。

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