戦犯者たちの生き甲斐   作:サービス

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1話

  

  ある晴れた日、山の中を歩く男女の影があった

 

 「ねぇジョエル何処に行くの?」

 

 「言っただろう、エリー買い物だ。」

 

 「買い物って...」

 まるで親子の様に語らって居る二人、ジョエルと呼ばれた男の言葉にエリーは顔を歪める。

 

 何処かの集落や町の中ならともかく、こんな人里離れた山の中で店があるとは思えない、あったとしても碌なものなど売ってないだろう。

 

 そんなエリーの様子を見てジョエルは笑う

 

 「心配するな、もうすぐ着く。絶対に気にいる筈だ。」

 

 「どうだか...」

 

 「あったぞ、あそこだ!」

 

 

 ジョエルが指を指しながら走りだす、示した方を見ると妙な看板が立て掛けられた洞窟があった

 

 「何...あれ...?」

 

 「言っただろう、買い物が出来る店だ」

 

 (絶対ウソだ)

 

 恐らく揶揄われたのだろうがそれにしても此れはヒドイ…エリーはしばらくジョエルとは口を効かないと心に決めた

 

 「おーい、何してるんだエリー?置いていくぞー」

 

 そうこうしている間にジョエルは洞窟の中に入っていく

 

 「もういいって、からかってるんでしょ。バレてるから」

 

 そう言うとジョエルは苦笑する

 

 「ウソじゃない、此処の店に来たのはまだ二回目だがジャクソンに来る前は同じ系列の店を何回も利用した事がある、俺が知ってる中で最も品揃えは良い店だ」

 

 「だからもういいって...」

 

 エリーは完全に白けてしまった、楽しい所があると聴かされたのにこれは無いだろう

 

 「わかった、じゃあもし嘘だったら晩飯のステーキはお前にやる。だから入るだけ入ってみろ!」

 

 ジョエルがにこやかに叫ぶ

 

 その様子を見てエリーは渋々ジョエルの後を追う

 

 「ウソだったらマジで貰うから」

 

 膨れっ面になりながら洞窟の中に入ってくるエリー

 

 「ああ、約束する」

 

 ジョエルはそれを見て頷いた

 

 

  

 

 

 

 「すごい!ナニコレ?!」

 

 洞窟の中はまるで別世界だった

 

 入口付近こそ看板以外何も無いが奥に入ると様々な店がある

 

 武器、弾薬はもちろん、食料や酒、果てはお菓子やおもちゃ本まであった

 

 ここまでくると店と言うよりショッピングモールだ

 

 

 「えーとちょっと待ってろよエリー、おーい商人居るんだろー買い物に来たぞー出てこーい」

 

 

 辺りを見回しながらジョエルが叫ぶと、地面の下からガチャンと音が鳴る

 

 

 「ヒッヒッヒッ、久しぶりだなストレンジャー」

 

 

 「•••え、何コイツ?」

 

 土の中にあったハッチから出てきたのは全身を布で覆い尽くしたわけのわからない奴だった

 

 

 「ヒッヒッヒッ、コイツとは随分な言いようだなストレンジャー」

 

 

 「エリー、コイツが此処の店を仕切ってる商人だ」

 

 「商人って奴隷商人かなにか?」

 

 「ヒッヒッヒッ、失礼だな、まあ確かに俺たちの前のボスはアメリカ大統領の娘を拐ったりしたが、俺たちは真っ当な商人だ」

 

 

 「なんか今凄い事言わなかった!?」

 

 とんでもない爆弾発言にツッコミをいれるエリー

 

 「おいおい、あんまりコイツを揶揄わないでやってくれ…第一そんな事件聞いた事ないぞ…?」

 

 「ヒッヒッヒッ、すまんすまんでは商売を始めるとするか」

 

 

 

 「すごい!すごい!!恐竜大百科に大宇宙図鑑!!もう殆ど残ってない本が沢山ある、あっ!!本だけじゃなくて映画もあるよ、ジョエル!!」

 

 「何!?前来た時はなかったぞ!」

 

 「ああそれか、以前別の場所で商売した時に注文を受けてな、取り寄せたは良いが客が取りに来なかったんだ。いつまでも置いといても邪魔だし欲しいなら格安で売るぞ。」

 

 

 「買おうジョエル!」

 

 「ああ!!買った!!」

 

 「ヒッヒッヒッ、まいどあり」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以前自分達は死んだも同然だった、

ロス.イルミナドス教団の教祖や幹部達に命令され消耗品の様に扱われる日々

 

通常のガナード達よりも弱くそれこそ通常の人間と何ら変わりない力しか持っていなかった

 

与えられる仕事は雑用以下の仕事ばかりだった。

 

そんな自分達にも転機がやってきた、商人として外部のものと取り引きをし教団の資金や武器を調達しろと言うものだった。

 

幸い自分達は肉体こそ通常の人間と同程度のスペックしか無いが知識や取引に置いては他のガナード達よりも秀でていると自負していたし、此処で活躍し結果を出せば教団内での地位も向上すると考えたからだ。

 

断る理由などない、自分達は二つ返事で了解の意を示した。

 

そこからは激動の日々だった外部の犯罪組織の弱みを握り格安で武器を調達しそれを高値で売り払い資金を得る、時には教主サドラーが敵視していたアメリカに潜り込み協力を得ることが出来そうな人物を捜したりもした。

 

 

そしてついに外部組織のエージェントとコンタクトを取ることに成功した。

 

嬉々としてその情報を伝える、これで自分達も報われるとそう思った。

 

次の言葉を聞くまでは...

 

   出来損ないにしては上出来だ

 

キレた、何言ってんだコイツと思った、なんでこんな奴に認めて貰おうと思ったんだ俺ら、よし反逆しよう、そう決めた。

 

 

幸い自分達が接触したエージェントが大統領の娘を攫うみたいな事いってたし目撃情報を流して教団潰して貰おうと思った。

大統領の娘攫われたんだから腕の立つ奴が何人か来るだろうし、もし武器が足りないなら支援しよう、それで万事解決だ!!

 

 

 

 

そう思っていた時期がありました...

 

 

 

アメリカからのエージェント人数一人

 

大統領は娘を助ける気は無いのだろうか?

 

確かに少数精鋭で行くのは定石だろうがそれにしても一人、しかも早々にとっ捕まってプラーガ仕込まれた。

 

何やってんの!?助ける気あるの!?

 

仕方ないので予定より早めに武器の支援を行う事にした、せめてもの腹いせに金は取るが

 

しかしそっからは凄かった、いやまぁ途中途中危なかった所はあったが、それでもあの男ほぼ一人で教団を潰してしまった。

 

よかったねお嬢ちゃん、キミのパパちゃんと助ける気はあったみたいだよ。

 

教主サドラーが倒れ俺達は自由を手にした。

 

望んでいた自由を手にしたはいいが新たなる問題が出てきた

 

簡単に言うと暇なのだ

 

いや、勿論商人としての仕事は続けている、しかしなんというかやり甲斐がない

 

幸い金だけは教団の金庫やエージェントから売られた金銀財宝やらがあるので、

正直一生遊んで暮らせるのだが、それでも何か満たされない

 

仕事の都合上あらゆる国に行き、さまざまな体験をしたがやはり心は満たされない

 

ルーマニアで出会った恰幅の良い友人に相談してみた所こんな事を指摘された

 

 「貴方が求めているのはお客様からの感謝の心と言葉なのでは?」

 

青天の霹靂だった。

 

そうだあのエージェントからは確かにぶっきらぼうながらも感謝の意を感じた!

 

ありがとよと小さい声ながら社交辞令ではない心からの感謝を!!

 

だがそれがわかったところでどうなる、アレはあの様な極限状態だからこそ生まれた関係だあの様なシチュエーションあの様な人物だからこそ生まれた絆だ。

 

自身の求めているものはわかった、だがわからない方がよかった。

 

二度と手にできないものを求めているとわかった所でなんになる?

 

(死のう...)

 

俺は死に場所を求めた。自由を得たところで自分は所詮ガナード、家畜なのだ

 

仲間には伝えないこの残酷な真実を求めているものは手に入らない事を

 

 

フラフラと酒瓶を片手に歩いていると洞窟を見つける、ちょうどいい此処で死のう

 

奥に進んでいくと妙な扉があった、いや扉と言うよりも門に近い大きさだ。

近づいてみると体が扉の向こうに吸い込まれそうになる。

 

何なんだこれ?扉型BOWか何かか?

 

まあ別になんでも構わないどうせ死のうとしてたんだ...

 

俺は扉に向かって歩き出した。

 

 

 

 

 

 (まさかこんなファンタジーな体験をすることになるとは)

 

そうアレは違う歴史を辿った世界に通じる扉だったのだ

 

しかもかなりとんでもない事になっている世界へ

 

これは運命、いや自分達に与えられた使命だと思った。

 

そうと決まれば話は早かった、仲間達に声をかけ必要なものを徴収しその世界のさまざまな場所に人材を派遣した。専用の通貨を作り取り引き相手のニーズに合わせた商品を用意した。

 

上手くいかない時もあった、感染者に襲われた時もあった、暴徒達に商品を狙われた時もあった、しかしやり遂げた、自分達は成し遂げたのだ。

 

 

 「ジョエル、最高だったよ連れてきてくれてありがとう!!」

 

 「そうか、じゃあまた金が貯まったら何か買ってやるよ。」

 

 エリーの言葉にジョエルは優しく微笑んで答える

 

 「店の人もありがとう!!奴隷商人なんて言ってごめんね!!」

 

 「ヒッヒッヒッ、良いってことよまたのお越しを」

 

 そう言うと商人ふと思いついた様に何かを取り出しエリーに向かって投げる

 

 「嬢ちゃん!!」

  

 「えっ?わわ!!」

 

咄嗟にキャッチするとそれは瓶だった中には黒い液体が入っている、コーラだ

 

 「初回サービスだ、受け取りな」

 

 それを聞いたエリーはにこやかにもう一度言った

 

 「ありがとう!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ラストオブアスより ジョエルとエリー






 余談


 「ねぇジョエル映画買ったは良いけどどうやって観るの?」

 「あっ!」
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