戦犯者たちの生き甲斐   作:サービス

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11話

 

 「とりあえず頼まれた物を用意したぜ、調味料に斧や鉈、弾薬に新しい果物種だ。」

 

 「ありがとうございます、アウトサイダー。」

 

品物を預言者の前に商人は並べていく。

 

 「此方も頼まれていた物を用意できました。ヤーラ例のものを…」

 

声をかけられた女性が商人の前に大量の草の束を並べる。

 

 「取り引き成立だな。」

 

 「ええ…」

 

お互いが目の前にあった品を受け取る。

 

 「それじゃあ、次の仕事を始めようか…」

 

 「わかりました、お願いします。」

 

そう言うと商人は預言者に近づく、すると懐から3種の植物を取り出す、それをすり鉢を使ってすり潰していく、さらに何かしらの液体を加えて混ぜそれを家の中にある鍋に入れ一煮立ちさせる、その中身を飲料用の容器に移し預言者に差し出す。

 

 「出来たぞ…」

 

 「はい…」

 

商人に礼を言って飲み物を受け取る預言者、ゆっくりとその中身を飲み干していく。

 

 「薬は7日分ある、朝夜と二回に分けて飲め、また一週間後作りにくる。」

 

 「わかりました、ありがとうございました…」

 

弱々しい声で自分に礼を言う預言者

 

 「なぁアンタわかってるだろう?このままだと本当に死ぬぞ?」

 

商人の言葉に預言者は何も言わない

 

 「今からでも遅くない、まともな治療を受けるべきだ。こんな民間療法で出来る事なんざたかが知れてる、いくらこの薬草が優れていようが限度がある。」

 

預言者は何も言わない

 

 「昔の医療で治すのが駄目か?戦士と呼ばれる奴等は現代的な武器を使っているだろう?ならアンタだって例外があったて良い筈だ、何だったら俺が無理矢理治療したと言う体にしても良い。」

 

ただ黙って商人を見る

 

 「アンタらにはこのハーブや薬の材料を作ってもらってる、そのまとめ役のアンタには長生きしてもらえると助かるんだが?」

 

言葉を語り尽くした商人に預言者は首を横に振る

 

 「…そうかい…」

 

預言者の答えを聞いた商人一言呟き席を立って外へ出る…

 

 「貴方は…」

 

外へ出る瞬間、背中を向けた商人に対して声を掛ける。

 

 「貴方は優しい人ですね…」

 

商人は何も答えずそのまま去っていった。

 

 

 

 

外に出るとセラファイトの信者達が挨拶してくる。

 

今でこそ歓迎されているが、ファーストコンタクトは散々だった…

 

数年前初めてこの島に商売に来た時は初対面で吊るされかけた、そこを預言者が信者達を宥め、ことを収めた。

 

その後預言者の体調が思わしくないとの話を聴き自分が彼女の治療を行った。

勿論セラファイトの教義に反する事がないように医療機器などには頼らない方法で…

 

それ以来自分はセラファイト達から信頼を得て彼らと交易を行うようになった。彼らにグリーンハーブなどの薬草を育てさせ此方からは武器や食料を提供するまさに理想的な関係を築けた、だが…

 

 (預言者の体調は日々悪化している、このままでは時間の問題だ…)

 

元々いつ死んでもおかしく無かった身体だ、稀少な薬草を使っているとはいえそろそろ限界がくるだろう。

 

そこでふと考える、自分は何故こんなに彼女を気にかけているのか?

 

たしかに彼女が死ねば彼らを束ねるリーダーは居なくなる、だがそれだけだ。

 

彼女が死んでも新しいリーダーが出てくるだけで、取り引きは継続していくだろう…何も問題はない。

 

 (強いて言うなら信者達の暴走が加速するくらいか…)

 

預言者が生きている今でも勝手にWLFや旅人を襲う馬鹿がいる。これで預言者が死ねば更に馬鹿共の暴走は止まらなくなるだろう…

 

 (成る程だからか…)

 

彼女を気にかけていた理由はそれだと納得する。

 

そうして彼は島を後にした、自分が本当は何を感じていたか気付かないまま…

 

 

 

 

 

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