戦犯者たちの生き甲斐 作:サービス
島から帰った後船着き場に船を止め自分の代わりに店を任せていた従業員達と情報交換をする、どうやらあの後客は来なかったようで特に変わった事は起こらなかったらしい。自分も島での事を報告した後手に入れた薬草の束を保管して少し休んだらまた店にでる。
それからしばらくは特に変わった事のない日々が続いた、アビーやオーウェンが買い物に来たり、2人以外のファイヤフライの生き残りの仲間がオーウェンに案内され店に来たり、また島に取り引きや治療の為に赴いたりなど…
半年後、銃を構えた奴らが店に来た。
「お前達が例の商人達か?」
連中を率いているであろう男が威圧的に聞いてくる。
「ヒッヒッヒッ、例のかどうかは知らんが確かに俺たちは商人だ、そう言うお前達はWLFか?」
「ああ…」
「やっぱりか、で何のようだ?」
「ウチのボスが会いたがっている、大人しく着いてきてくれると助かるんだが?」
その言葉に商人は笑いながら答える。
「商売の話か?なら大歓迎だ、だがそうじゃないなら遠慮願うな。碌な話が出来そうにない。」
「…お前ふざけてるのか?」
言葉に怒気を込めて男は銃を構える。それを見ても商人は動じずに話す
「ふざけてるのはお前達だ、ここは物を買う所で俺たちは商人だ、それ以外のことをするつもりはない。常連客に対しては多少のサービスはするがいきなり銃を突きつけてくるような奴等の拠点に出張するような事は御免だ。」
「この野郎ふざけるんじゃ!!「おい待ってくれ!!」」
商人の言動に限界が来た兵士の一人がトリガーに指を掛けそうになった所を誰かが割って入る。オーウェンだ。
「すまない商人、俺たちは客だ、お前たちと取り引きをしたいんだが直接会った方が色々と手間が省ける、だからウチに来て欲しいんだ。」
慌てた様子で商人とWLFの間に立つ、それはそうだこんな事をしてもしも敵対関係にでもなってみろ。何をされるか身に染みている…
「…わかったよ、ただ行くのは俺一人だ他の奴らは店番として残していく。」
「ああわかった、すまないな急に。」
そう言うと商人は荷物を背負い外に出る、外にはWLFの車が数台待機しておりその内の一台に商人は乗り込む、オーウェンも一緒だ。
「狭いな…」
「イヤそれはアンタの荷物の所為だろう、何をもってきたんだ?」
「商売に必要なものさ、ついでに今日の昼飯が入ってる。」
商人は荷物の中から何かを取り出す。車内に香ばしい匂いが充満し、兵士達の喉が鳴る。ガーリックチキンのサンドイッチだ。
サンドイッチに齧り付きこれ見よがしに美味そうに食べる。急に銃を突きつけてきたのだ。これぐらいの嫌がらせは許されるだろう。
商人のささやかな復讐だった。