戦犯者たちの生き甲斐   作:サービス

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13話

そこは商人の目から見ても新鮮な光景だった。大勢の人間達が集まっているのは珍しくはない、ただこう言った武装組織は今までの経験から大抵まともな統率は取れていないところが多かった。FEDRAのように武器をちらつかせ弱者を支配するかハンターのように根こそぎ奪って行くか、大抵はそのどちらかだった。だがWLFは…

 

 「凄いな…」

 

商人は素直に感心していた。これ程の人員、これ程の規模の組織を目立った反発を起こさせずスタジアムを利用して農業や畜産を行わせている。

 

 (プラーガで支配してる訳でもないのに大したもんだ。)

 

ここの組織のボスであるアイザックと言う男はかなりの者だと認識した、それと同時に警戒もする。

 

 (俺をここに呼んだ理由はなんだ?)

 

ただ商売をしたいと言う訳ではないだろう、その程度の事ならこんな厳重に自分を連れてくるはずは無い。

 

 (セラファイトと取り引きしている事か?)

 

可能性としては1番高いだろう。どちらにしろ警戒しておいた方がいい…

 

 「着いたぞ。」

 

商人を案内していたオーウェンが言う。どうやら考え事をしている間に目的の場所に着いたようだ…

 

 「この部屋にアイザックがいる、他にも俺を含めて数人の兵士がいるが取り引きの邪魔はしない。」

 

 「そうか、ついでに銃で脅しをかけたりしないでくれたら最高だな?」

 

商人は皮肉気に笑う、どうやら先程の出来事を根に持ってるらしい、その様子オーウェンは内心焦りながらも穏やかな口調で話す。

 

 「大丈夫だ、部屋の中には俺だけじゃない、アビーやマニーもいる、何かあっても絶対に手は出させない、約束する。」

 

 「ほう、マニーがいるのか?それは良い、楽しい取り引きになりそうだな。」

 

マニーとはオーウェン達と同じファイヤフライの生き残りである、メキシコに近い場所で生まれたため商人達の母国語であるスペイン語が話せる男だ。

 

余談だがマニーは自身の身内以外、商人は自身の仲間達以外初のスペイン語を話せる相手と言うことからものすごく気が合い一緒に酒盛りをするほど意気投合していた。

 

 「よし、じゃあ入るぞ?」

 

 「ヒッヒッヒッ、了解。」

 

 

 

 

中に入ると其処には男がいた、鋭い眼付きに屈強な肉体、色黒な肌には遠目ではわからない程度の傷が幾つもあり歴戦の戦士間を感じさせる。

 

 「アンタか、水族館で商売をしてる商人てのは…」

 

 「ああ、アンタがアイザックか?」

 

お互いが相手を観察し合う中、自己紹介も済ませ早々に本題に入る。

 

 「さて、商売を始めるとしよう、必要なものはなんだ?取り敢えず食料や弾薬医療品辺りは当然として兵士達に必要なのは嗜好品だろうな、タバコや酒、なんなら菓子類もあるが何にする?」

 

商人の言葉にアイザックは静かに口を開く。

 

 「ワクチン…」

 

 「ん?」

 

 「試作品のワクチンについて聞きたい。」

 

 

 




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