戦犯者たちの生き甲斐   作:サービス

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16話

ある日の夕方、商人が武器の手入れを行なっていると誰かがやってきた

「ヒッヒッヒッ、よく来たなストレンジャ…何だマニーか…」

 

 「buenas noches商人、何だとはなんだ。」

 

来訪者がマニーだと解ると接客用の態度から一転して素に戻る商人

 

 「今日は何しに来たんだ?酒盛りなら今度にしてくれ俺は今忙しい…」

 

 「違う違う、今日は情報を売りにきたんだ、とっておきの奴をな!」

 

 「そうかそれはすごいな、出口は入って来た所だ、気をつけて帰れよ。」

 

 「なんでだよ!?」

 

まったくと言って良い程信じていない商人にツッコむマニー。

 

 「何でじゃないだろう、情報なんて言ってもどうせ良い女がいるとかくだらないもんだろうが…」

 

そう言って武器の手入れ作業に戻る商人、実は以前にもマニーから情報を売りにきたと言われ話を聞いてみた事があったのだが、やれ良い女を見つけただのやれポルノが大量にあるであろう建物の情報だの正直言ってどうでも良いものばかりだった…

 

マニーの事は嫌いではないが自分が心惹かれる情報を売りに来たとは思えない、仕事の邪魔なので今日の所は帰ってもらおうとしたのだが。

 

 「いやいや違うって、ちゃんとした情報を持ってきたんだよ!」

 

 「ハッ!」

 

 「鼻で笑いやがったな!?良いから聞けって!WLFの管理してる場所に病院があるんだがそこにシアトル最初の感染者がいるかも知れないんだよ!」

 

 「…何?」

 

マニーの言葉に武器の手入れをやめ、目を向ける。

 

 「俺やオーウェン達が元ファイヤフライだって事は知ってるよな?お前らがワクチンを作成してるって話をしたらその中のノラって奴がお前にこの事を伝えてくれって頼まれたんだよ、ワクチンの完成に役立つんじゃないか?ってな。」

 

 「フム…」

 

その情報に商人は考える、最初の感染者…つまりここシアトルでのパンデミックの原因がいると言う事だ。

 

通常感染者達は時間が経つと壁や地面と一体化し完全にキノコ化してしまうコロニーと呼ばれる状態になる…

 

だがそうならずにパンデミック時から生きている感染者がいるのであればその体を調べれば何か解るかも知れない。

 

 「わかった、その情報を買い取ろう。詳しい場所は地図に書いてくれ、準備が出来次第そこに向かおう。」

 

 「了解だ。毎度あり。」

 

そう言うとマニーは地図を取り出して病院がある場所に印をつける。

 

商人は金が入った袋を取り出してマニーに渡し地図を受け取った。

 

 「病院にはウチの兵士達が待機してるからな、お前たちが通してもらえるように話しておくよ。」

 

 「ああ、よろしく頼む。」

 

 「じゃあ、またな商人。」

 

マニーが外に出るのを見送り姿が見えなくなると商人は武器の手入れを再開する。

 

 「しかし最初の感染者か…」

 

もし生きていたら厄介な事になりそうだな…そんな事を考えながら対策を練ることにした。


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