戦犯者たちの生き甲斐   作:サービス

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21話

 

 「…アンタ達一体何があったのよ…?」

 

感染者達の巣窟から帰還した四人組を目の前にしたノラの第一声はそれだった。

 

服はボロボロ、髪は乱れ、肌は擦り傷や汚れまみれ

 

仲間の元に戻るやいなやマスクを投げ捨てワクチンをカブ飲みしていた

 

ある程度落ち着きを取り戻した商人が口を開く

 

 「最初の感染者らしき個体を見つけた、だが想像以上の化け物でな、逃げるのがやっとだった、一応ある程度痛め付けて撃退したがまたすぐに復活するだろう。」

 

上着を脱いでアルコールをぶっかけ消毒しながら地下で遭遇した奴についての情報を共有する

 

 

 「一人の感染者に複数の個体が幾つもへばり付いて肉の塊になっててな、弾丸がなかなか貫通しない、それでも撃ち続ければダメージにはなるが奴が倒れる前に音で別の感染者どもがやって来る」

 

 「最悪ね…」

 

 「オマケに場所が狭いから逃げるのが苦労したよ。」

 

二人の会話を聴いていたオーウェンが会話に混ざる

 

 「複数人で挑んで倒せれば良いがあの怪物は地下からは出てこないだろ、地上ならwlfの部隊で撃ちまくって殺せるだろうが地下じゃそんなこと出来やしない。」

 

 

 「待ち伏せはどう?何人かで出口まで誘き寄せて。」

 

 「来るとわかってるなら対処できるか…?」

 

 「ちょっと待てストレンジャーズ一つ重要な問題事があるんだが」

 

商人は手を上げながら発言する、何やら物凄く言いづらそうだ

 

 

嫌な予感がする…

 

ノラとオーウェンだけでなく座り込んで休んでいるアビーとマニーも思った

 

 「ワクチンを作る時には感染者を生かした状態にしとかなくちゃいかん、材料となる菌の苗床にする訳だからな、だからやつからワクチンを作る場合生捕りが条件となるんだが…」

 

 

沈黙が一帯を支配する、四人だけでなく周りにいた兵士達も動きが止まる。

 

数秒の沈黙の後全員が

 

 

 

 

          『最初に言え!!!!』

 

 

商人を怒鳴りつけた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水族館に車が止まる、wlfの車両が商人を送ってきたのだ

 

 

 「じゃあな気をつけて帰れよ、進展があったら報告する。」

 

 「そっちもな、例の感染者についてはwlfでどうにか対処法を考えとくよ。」

 

別れの挨拶をして車が去るのを見届け商人は中に入る

 

すると中にいた仲間が自分に近づいてくる

 

 

 「何だ?一体どうした?」

 

 「今すぐセラファイトの所に向かってくれ」

 

その言葉に眉を顰める

 

 「預言者が危篤だそうだ、アンタの事を呼んでる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

島に到着し信者達に案内された家に預言者が横たわっている

 

呼吸が落ち着いている、苦しくは無さそうだった

 

 「よく来てくださいました、アウトサイダー」

 

寝たきりの状態で預言者は声をかける

 

 「まぁ商人だからな、良客に呼ばれればそりゃ来るだろう?」

 

商人の言葉に預言者は笑顔になる

 

 

 「みんな」

 

預言者が呼びかけると周りの信者達が退出する

 

 

 「あなたに渡したい物があります。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「本日はありがとうございました、アウトサイダー」

 

預言者の葬儀を終えてすぐ信者の男が商人に話しかける

 

 「あなたのおかげで預言者様は私達により多くの救いと導きを残してくださいました、あなたがいなければ預言者様はもっと早くに天に召されてしまったでしょう」

 

商人は黙って信者の男を見る

 

 「どうかお礼を言わせてください、本当にありがとうございました」

 

 

 (ああわかった、そう言う事か…)

 

商人は心の中で納得した、何故自分が彼女を気にかけていたのか…

 

 

 

 

 

 

     “みんなをよろしくお願いします“

 

 (同じだったからか…)

 

教祖と信者

 

支配者と家畜

 

何かの為に強要される立場、そんな姿が自分達と重なった

 

 (ウチの元ボスとはえらい違いだな)

 

下の者達の為に一生を捧げるなんて事は天地がひっくり返ろうとも教祖サドラーなら絶対にないだろう

 

商人は手に持った袋に目を落とす

 

それは預言者から渡された物だった、商人にそれを渡した時に彼女は懺悔するかの様に口を開いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      “私は知っていました“

 

袋の中にはキノコが入っていた

 

 

 

 




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