戦犯者たちの生き甲斐 作:サービス
「ジョエルが街にいない!?」
「ああ一週間前に街から出て行ったよ、何でも仕事ができたとかで随分と焦ってた様子だったな。」
「そんな…」
元同僚のトミーの話を聞いてアビーは崩れ落ちる、しかしオーウェンがトミーに質問する
「…本当に街に居ないのか?」
「…どう言う意味だ?」
「アンタの事知ってるよ、ジョエルの弟のトミーだろう?」
暗に庇っているじゃないかと問い詰める、すると肩をすくめトミー白状する
「…ああそうだ…俺がジョエルを逃した、アンタ達が来ると聞いてな…」
アビーはその言葉にキレた
「ふざけんな!!あいつが何をしたのか元ファイヤフライなら分かるでしょ!?あの男のせいで私達が…」
「それでも俺の家族だ…」
アビーの目を見てキッパリと言い放つ
「兄貴が何をしたのかは理解してる…正直な話辞めたとは言え俺だって大義の為に色々手を汚して来た、それを全て無駄にされたとあっちゃぶっ殺してやりたいって思うのも当然だろうよ。」
だがな…とトミーは続ける。
「兄貴が何の罪もない娘を救う為に行動した事も理解できるんだよ…聞けばアンタ達何の説明もせずに免疫持ちの娘を解剖しようとしたって話じゃねぇか、それはちょっと道理が通らないだろう?」
そう言われるとメルやノラなどの一部のメンバーが顔を背ける。
しかしアビーは止まらない
「ちゃんと保護者のマーリーンから了承は得た!!それに痛みも恐怖も感じない様に眠らせたままの状態だった!!なのに関係ないアイツが全部ぶち壊したんだ!!」
「アビー!!」 「アンタ流石にそれは!」
アビーのあまりにあんまりな発言を仲間達が咎める
普段のアビーならこんな発言はしなかっただろう…本来彼女は他者を思いやる事が出来る優しい人物だ…
しかし今のアビーはそんなことは考えられない。
憎むべき男を見つけたと思いやって来たら既に逃げられた後。
そして逃した男が目の前で自分達を…誰よりも敬愛していた父の想いを否定している。
許せるはずがなかった…そしてそれは
「勝手なこと言うなこのゴリラ女!!」
家の外で聞き耳を立てていたエリーも同じだった。
「人の事勝手に殺そうとして!それを助けてくれたジョエルが悪い!?ふざけんなアンタ達の方がよっぽど悪党でしょ!!」
扉を蹴破り罵声を浴びせながらエリーは元ファイヤフライ組に詰め寄っていく
「この娘まさか!?」 「免疫持ちの?」
「…エリー向こうに行ってろ、俺が説得してみせるから。」
トミーがエリーに部屋を出る様促し、オーウェン達がエリーの正体に気付き驚愕する…
「ジョエルが関係ない!?私をファイヤフライの本部に連れて行く為に友達が犠牲になって!人肉を食べる様な奴らに襲われて死にかけて!それでも命懸けで私を守ってくれたんだ!何も知らないくせに偉そうなこと言うな!!」
その言葉を聞いて今度はアビーがブチ切れる
「命をかけて守ってくれた?だから何!?それが仕事でしょう!こっちも相応の報酬を用意してた!武器だけじゃなくて医薬品や食料品だって用意するつもりだった!護衛を終えたら支払うつもりだったのに契約を破って父さんや仲間を殺したんだ!!」
仲間を殺した…その言葉に他のメンバーもジョエルに対する憎しみの感情を思い出す。
「…そうだ!兵士だった俺のアニキはアイツに頭をぶち抜かれて死んだ!身体が弱い親父の面倒を見ながら俺の事も気にかけてくれた優しい奴だったよ…!」
「マーリーンは私の親友だった、彼女に助けられたことも一度や二度じゃない…地下で倒れてた彼女を見つけた時の気持ちがアンタにわかる!?」
マニーやノラが自身の感情を吐露する周りにいる仲間達もそれに続いて口を開き始めた
「そうだ!俺だって親父を!!」 「あいつがみんなを!!」
「アンタ達だって何人も殺してるでしょ!ジョエルの事なんて言う権利なんてない!!」
「お前らちょっと落ち着け!!」
「エリーもだ!少し静かにしてろ!」
ヒートアップした連中をトミーとオーウェンが鎮ませる。
それでも一向に怒鳴り声が収まらない…すると再び外から人が入ってきた
「おいストレンジャーズ話は終わったか?」
商人がレブの手を引いて外から戻ってきた…話の邪魔になるだろうと思い観光がてら、レブと一緒に街を廻って来たのだが…
「…終わる気配がないな…これは。」
「長…アビー達は何を言いあってるの…?」
「長はシアトルのアイツだ、俺じゃない…まぁ家庭の事情ってやつなのか…?」
訂正を加えつつ適当に質問に答える…一度深呼吸をしてからパン!!と手を鳴らす
全員がこちらを振り向きそれを確認した商人は…
「仲間から連絡がきてな…ジョエル・ミラーを見つけた。」
とんでもない爆弾を投下した
誤字報告ありがとうございます、一度確認して後から直そうとしたのですが再度報告を見る事が出来なかったので見直して気づいたところを直させていただきます。